問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

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第7話 驚きの新事実が分かるそうですよ?

「そうじゃ、修也よ。おんしは少し残れ。」

「?わかった。」

白夜叉が帰り際に俺を呼び止めたので

十六夜たちには先にコミュニティのの本拠に向かってもらった。

「で?話はなんだ?」

「そう畏まるな。

二、三聞きたいことがあるだけだ。」

そう言って白夜叉は目を細める。

「おんし・・・・吸血鬼なのか?」

「・・・・・そうだ。厳密には半吸血鬼といったところだ。」

隠しても仕方がないので本当のことをいう。

「やはりな。して、両親のどちらが吸血鬼じゃ?」

「父親だ。」

「・・・もしかして、父の名はクルーエ=ドラクレアか?」

白夜叉の言葉に驚いた。

確かに俺の親父はドラクレアという苗字だ。

だが、なぜそれを?

「クルーエとは旧知の仲での、おんしを見てアヤツの息子だと一目でわかった。

本当にアヤツにそっくりじゃ。」

白夜叉は懐かしむように言う。

「して、クルーエは今どうしとる?」

「・・・・死んだ。4年前にな。」

「・・・・そうか。惜しい人物を亡くしたな。」

「白夜叉。親父のことについて教えてくれ。

知っていることを全部。」

「分かった。教えてやろう。

おんしの父、クルーエ=ドラクレアは“箱庭の騎士”にして元“龍の騎士”だった。

もっとも大昔に罪を犯し、箱庭を追放された。

箱庭広しと言えども追放されたのはクルーエが初じゃがの。

その後、アヤツは独自に箱庭と異世界を行き来する方法を編み出し、ちょくちょく

顔を出しに来とった。

その時に、お前さんのことも少々聞いとった。

いやはや、それにしても懐かしいの。

おんしと話しとるとクルーエと話してるように思えて来るわ。」

白夜叉はケラケラと笑い親父のことを語ってくれる。

親父も箱庭に居たんだな。

少し、驚いた。

その後も、白夜叉から親父の武勇伝やおもしろエピソードを聞かせてもらった。

「さてと、そろそろ本題に入るとするかの。」

話を一転させ白夜叉は真面目な顔になる。

「今度“サウザンドアイズ”の傘下であるペルセウスがギフトゲームを行う。

それに、“ノーネーム”に参加してほしい。」

「なんでだ?」

「そのギフトゲームの賞品・・・っというのは少しおかしいが

それが、元“ノーネーム”のメンバーで元魔王だ。

アヤツが戻れば“ノーネーム”の戦力は大幅に増加できる。

どうじゃ?」

元魔王か。

元々は東区最大手のコミュニティとは聞いていたが予想以上だ。

「ちなみに、その元魔王ってのはどういうやつだ?」

「そう。それだ。その質問を待っていた。」

白夜叉はニヤリと笑い言う。

「ソヤツの名はレティシア。レティシア=ドラクレア。」

その名に驚いた。

ドラクレア、親父と同じ苗字。

もしかして、

「クルーエの姪にして、おんしの従姉だ。」

い、従姉。

そういえば、親父と母さんはあまり親戚の話とかしなかったから

従兄弟とかの話は聞いたことが無い。

そうなると、そのレティシアとやらは俺の親戚にあたるのか。

「分かった。

多分ジンも知っているだろうし、

どのみち参加させられてるだろう。」

「そうか。なら、よろしく頼む。

おんしを含め“ノーネーム”の者たちは下層で燻るにはおしい人物だからの。

さて、もう夜じゃ。

今夜はここに泊まってゆけ。

クルーエが異世界でどのように過ごしておったのか気になるしの。

黒ウサギたちにはわしから連絡しとく。」

「悪いな。

まぁ、親父から他人の好意を無駄にするなって言われてるしな。

お言葉に甘えさして頂くな。」

「うむ。よい心掛けじゃ。

ところで、修也よ。

おんし・・・・・いける口か?」

白夜叉がそう言って少しにやける。

 

ノーネーム本拠地

『黒ウサギよ。

もう遅いし今日は修也をこちらに泊める。

事情はきいとる。

明日のギフトゲームまでには返す。

それでは、これから修也と一杯やるからさらばだ。

カッカッカ               白夜叉』

 

「・・・・なるほどね。

なんか楽しそうじゃねーか。」

大広間で寛いでいるといきなり手紙が入ってきた。

双女神の紋で封蝋された手紙で中には白夜叉からの手紙だった。

てか、修也の奴、俺が頑張って御チビを担ぎあげて

“ノーネーム”の名を上げる作戦を考えているのに一人だけ楽しそうだな。

今度なんか奢らせよう。

「・・・十六夜?」

名前を呼ばれたからソファーに座りながら首だけ動かすと春日部がいた。

「よう。どうした?

突っ立てないで座ったらどうだ?」

「うん。そうする。」

そう言って春日部は前のソファーに座る。

「さっきジン君の声が聞こえてたけどどうしたの?」

「いや、別に大したこじゃない。

今後の進路について話してただけだ。」

「・・・・そう。・・・そういえば修也は?」

「アイツならこれだ。」

春日部に白夜叉からの手紙を投げて渡す。

受け取った手紙を読み春日部は少し残念そうな顔をした。

「修也、帰って来ないんだ。」

「そうみたいだな。

なんだ帰ってこないから寂しいのか?」

茶化したように言うと春日部は顔を真っ赤にした。

「な!?なななななななな何を!?」

動揺してる。動揺してる。

中々、面白い反応するな。

少し楽しめそうだ。

「いや~、そうか、春日部は修也に惚れてたのか~

いや~、気づかなかったぜ。」

「~~~~~//わ、私、もう寝る//」

そう言って春日部は慌てて部屋を出る。

コイツは

「図星か。」

そう思い、俺も割り振られた部屋に向かい寝ることにした。

 




十六夜じゃない気がする。
どうしましょう。

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