問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ? 作:ほにゃー
「悪い。負けた」
俺は目の前の十六夜、飛鳥、耀の三人に土下座をしている。
そう、五月雨との戦いで俺は負けた。
俺と五月雨の技がぶつかり合い、巨大な爆発と衝撃を生み出し十六夜達よりもさらに凄いクレーターを生み出した。
砂煙があがり、視界が悪くなったところを五月雨が銀の剣(デュランダル)で斬られ、俺は敗北した。
「俺は任せたって言ったはずだぜ?それで、お前は任されたって言った。それなのに負けたってのはどういうことだ?」
「まったくね。どうしてなのかしら?」
「私は信じるって言ったら、修也は分かったって言った。でも、負けた。私の事裏切った」
「み、皆さん。そんなに修也さんの事を責めないでください」
怒ってる問題児三人を落ち着かせようと右往左往する黒ウサギだった。
「いいんだよ、黒ウサギ。どんな理由にしろ、俺は三人の期待を裏切った。お前だって金剛杵の擬似神格も解放して勝ったのに、俺は負けたんだ」
正直、黒ウサギと十六夜には悪いことをしたと思う。
十六夜なんか体をボロボロにしてまって勝ったってのに…………
「ま、ゲームには負けたが、中々楽しめたし、今回は許してやるよ」
「そうね、その代り、貸し一よ」
「修也、貸し一とさっきの事守ってね」
どうやら、全員に貸し一ということで今回は許された。
「修也、お前強いんだな」
「五月雨。負けた相手に言われると正直、嫌味でしかないぜ」
「そうか、悪かったな」
「でも、楽しかったぞ」
「ああ、僕もだ」
そう言って俺と五月雨は握手をする。
「よ、俺、気分はどうだ?」
十「ああ、最高に最悪だぜ。でも、お前のおかげで分かった。俺はもっと強くなる必要がある」
「今のままでも十分強いがな」
十「それでも、もっと強くならないとだ。でないと、飛鳥を守るなんてできない」
「やはは、本当にこっちの俺はお嬢様が好きなんだな」
十「当たり前だろ。飛鳥は俺の妻だからな」
十六夜は向うの十六夜の惚気話に苦笑。
「ねぇ、私、どうして、十六夜君なの?人としてならともかく、男としてはかなり問題があると思うわよ?」
飛「あら、そんなこと無いわよ?結構男らしい所もあるし、何より私が選んだ、最高の夫よ」
「そ、そう」
飛鳥は向うの飛鳥の惚気に自分も赤くなり、照れてる。
これって、飛鳥が十六夜を好きになるフラグか?
「よったん、凄かったよ!もしかしたら、私負けてたかもしれないよ!」
「ううん、花音は強かった。そして、私は弱かった。だから負けた。でも、次は勝つ」
「うん!また、いつか戦おう!」
耀と花音は固く握手をした。
「皆さ~ん!」
その時、館の方からジンが小走りで走って来た。
兎「どうしました、ジン坊ちゃん?」
「うん!実は転移用ギフトなんだけと、さっきまた起動したんだ」
「ほ、本当でございますか!?」
「うん!ちゃんと、元の時間軸に戻れるような設定だから、これで帰れるはずだよ」
てことは、五月雨たちとはお別れか………
「……お別れだな。僅かな間だったけど、楽しかったぜ」
「僕も楽しかった」
「じゃあな、またいつか会おう」
「ああ、必ず」
十「じゃあな、俺。次会うときはもっと強くなってろよ」
「俺も、慢心するんじゃねぇぞ」
飛「さようなら、次は是非私と戦いましょう」
「ええ、私もあなたと戦いたいわ」
耀「じゃあね、私。応援してる」
「うん、ありがとう」
「それでは、黒ウサギ達は帰ります」
兎「はい、お互い頑張りましょう(主に胃痛と頭痛に)
「YES!(主に胃痛と頭痛に)」
「それじゃあ」
「「「「「じゃあな(あばよ)(さようなら)(…さよなら)(さよならです)!」」」」」
そして、俺達は再び光に包まれた。
~アンダーウッド 倉庫~
「お、戻って来たな」
「中々、いい体験だったぜ」
「そうね、異世界の自分に会うなんて“箱庭”でしか体験できないわね」
「…また会えるといいな」
「大丈夫だ。だって」
「帰ったな」
耀「うん」
なんというか、不思議な奴等だったな。
耀「また、会えるかな?」
「会えるさ。だって」
「「会おうって約束したからな!」」
初コラボ終了!
とても、貴重な体験ができました。
さて、次回から本編に突入です!
では、次回もお楽しみに