問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

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コラボ6話 逆廻十六夜VS逆廻十六夜(異)

「う、う、ひゃらばが、ひびれまひゅ(訳:う、う、体が痺れます)」

 

体が痺れて動けない黒ウサギが俺達に助けを求めてくるが、取りあえず無視をした。

 

理由?

 

そんなもの特にない。

 

向うの黒ウサギが言うには、時間が経てば毒の効果が消えるとのことなのでほっとくことにした。

 

十「次は俺が行くぜ!」

 

向うからは十六夜か……なら

 

「十六夜、出番だぜ」

 

「おう!」

 

十六夜は待ってましたと言わんばかりに飛び出す。

 

余程戦いたかったんだな。

 

「よう、俺。やっとお前と闘えるぜ!」

 

十「俺の相手は俺かよ。は!いいね、おい!盛り上がって来たぞ!」

 

この戦い荒れそうだな。

 

兎「では、第四回戦 逆廻十六夜VS逆廻十六夜(異)、スタートで「「うおっりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」

 

*(異)と付いてる方が隼さんの十六夜君です。

 

黒ウサギの合図を待たずに、二人は同時に飛び出し、攻撃を繰り出す。

 

拳のラッシュ、蹴りの押収、関節技、絞め技、填め技、とにかく力と力による勝負が始まった。

 

二人が拳を振ればその衝撃で辺りの地面が抉れ、飛び上がれば地面を陥没させる。

 

もう滅茶苦茶だ。

 

力が互角となれば、体力勝負だ。

 

こっちの十六夜とあっちの十六夜どっちが先に体力が尽きるかが、勝負の要だ。

 

「やるじゃねぇかよ、俺」

 

十「そっちの俺もやるな。まさか、ここまでくらいついてこられるとは思ってなかったぜ」

 

十六夜と十六夜が互いに笑みを浮かべながら会話をする。

 

てか、十六夜と十六夜って違和感があるな。

 

むこうの十六夜の事は逆廻と呼ぼう。

 

十「でも、それもこれで終わりだ」

 

逆廻が手を手刀の様に構える。

 

十「一の業 夜勤貫徹!」

 

次の瞬間、逆廻は早すぎる速度で十六夜に手刀での突きを放つ。

 

十六夜は体を大きく逸らすことで直撃を免れた。

 

直撃は。

 

「……マジかよ。早すぎるぜ」

 

十六夜の頬に、大きな切り傷が出来ていた。

 

「夜勤貫徹を躱すとは流石は俺」

 

逆廻はすぐさま次の反撃に出る。

 

十「三の業 聖夜晩餐!」

 

両手をクロスさせ、薙払ってくる。

 

十六夜は体を後ろに仰け反ることまたしても躱すが、躱しきれず、学ランのボタンが引き千切られる。

 

いや、引き千切られたように見えた。

 

「おい、まじかよ」

 

よく見ると、十六夜の学ランのボタンは引き千切られていなかった。

 

見事に、ボタンはの上の部分は斬られ、ボタンの脚の部分はしっかりと学ランに付いている。

 

なんちゅう、切れ味だよ………

 

十「余所見してんじゃねぇえ!五の業 熱帯夜酷!」

 

「しまっ!?」

 

今度は両手で掌底を打ってくる。

 

行き成りのことで十六夜は回避どころか、防御の構えすら十六夜は取ることが出来ずに、腹に掌底を食らう。

 

その瞬間、十六夜は口から大量の血を吐いた。

 

「ぐぼはぁ!」

 

十「安心しろ。手加減はしたから、死にはしないぜ」

 

「て、テメェー、手加減だと……舐めてくれるじゃねぇか」

 

血を手で拭いながら、十六夜は逆廻を睨みつける。

 

さっきの業、鎧通しって奴か。

 

衝撃を内部に与える技。

 

逆廻の奴、十六夜の何倍も強いじゃねぇか。

 

「お前とは真正面からやり合うのは危険だ。だがら」

 

そこで、十六夜は素早く動き、逆廻の背後に移る。

 

「後ろからテメーをやる!」

 

拳を握り、振り下ろそうとする。

 

だが

 

十「八の業 夜心謳歌!」

 

逆廻は拳を握り、それを振り回す。

 

範囲技らしく、さらに威力もあり十六夜は軽々と吹き飛ばされる。

 

十「九の業 生彩冥夜!」

 

十六夜に近づき、十六夜の左肩を拳で殴りつける。

 

地面に降り立つと、十六夜は自分の左腕を見て驚いていた。

 

「な!?左腕が動かねぇ!」

 

もしかして、腕を麻痺させたのか?

 

まずいぞ………

 

これは、十六夜が負けるかもしれない。

 

十「そろそろ終わらせるぞ」

 

逆廻は新たな構えを取る。

 

十「この技、十六夜流には十六の夜(業)がある。その技一つ一つが一撃必殺レベルの威力を誇る」

 

一つ一つが一撃必殺レベルって、ありかよ………

 

確かに、さっきの熱帯夜酷って業は確かに一撃必殺ものだ。

 

当たり所によっては、死ぬこともあり得る。

 

十「だが、俺は驕らない。どんなに強い力を持っていても、俺は更に力を求める。俺達の家族を、飛鳥を守る為に!」

 

そして、一気に十六夜との間を詰める。

 

ダメージの蓄積量が多く、十六夜はまともに動けない。

 

十「最終奥義 十六夜晩!!」

 

十六夜に十六の業がぶつかる。

 

夜勤貫徹に始まり、左手からの掌底、聖夜晩餐、横回し蹴り、熱帯夜酷、蹴りあげるサマーソルトキック、膝蹴り、夜心謳歌、生彩冥夜、バックステップからの拳、右手を横薙ぎに払って衝撃波を起こし、側面に回り込んでから腹と背を挟むような一撃を決め、踵落としを放ち(双国輪夜という業だったはず)、懐から顎をかち上げ、肘鉄を撃ち、最後に蹴りを放つ。

 

十六全ての業を食らった十六夜は先程よりも大量の血を吐き、倒れた。

 

「い、十六夜……君?」

 

「い、いひゃよいしゃん(い、十六夜さん)………」

 

飛鳥と黒ウサギは驚いていた。

 

あの十六夜が、俺達四人の中で最強であろう十六夜が負けたことに驚きを隠せなかった。

 

目が覚めた耀も、口を開け驚いている。

 

十「俺の勝ちだ、俺」

 

そう言って逆廻は踵を返して向うの“ノーネーム”の所に帰ろうとしていた。

 

「待ちな」

 

逆廻を呼び止める声が上がった。

 

十「なっ!?」

 

血まみれでボロボロの十六夜は立ち上がり、笑っていた。

 

「あれで、俺を倒せたと思ったか?甘ェんだよ!!」

 

次の瞬間、十六夜は動き出し、逆廻の両腕を掴み、両足を踏みにじっていた。

 

十「嘘だろ!?どうして、腕が動かせる!?嫌、それ以前に、お前はもう動けないほどボロボロだ。なのに、どうして」

 

「動けるかか?決まってんだろ」

 

十六夜はニヤリと笑い告げる。

 

「ここで俺が負けたら、“ノーネーム”の負けになっちまう。だから、俺は勝つ。そして、修也に俺達“ノーネーム”の勝利を託すんだよ!」

 

十「なるほどな。だが、お前も両腕両足は塞がってる。どれか一つでも解けば、すぐにでも俺の攻撃が来るぜ」

 

「いや、攻撃の手段は………まだあるんだよ!」

 

そう言うと十六夜は頭突きを逆廻にあてる。

 

ゴスンッ!

 

もの凄い衝突音が聞こえた。

 

十「っつう!?」

 

「まだた!」

 

逆廻が頭突きで怯んだ瞬間、いざよいは素早くアッパーを出し、空中に放り出したら、自分もジャンプし、蹴りを叩き込む。

 

地面に落ちた逆廻は、地面にクレーターを作る。

 

そして

 

「これで、しまいだぁ!」

 

十六夜の踵落としが逆廻の腹部に当たる。

 

あたりが静寂に包まれる。

 

そして、十六夜がゆっくりと立ち上がる。

 

「お前の敗因は、油断し過ぎたことだ。これからは油断するんじゃねぇぞ」

 

兎「逆廻十六夜(異)、戦闘続行不能!逆廻十六夜の勝利!」

 

これで二勝二敗か。

 

次で勝負が決まるな。

 


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