問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

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コラボ3話 久遠飛鳥VS霞刃

『ギフトゲーム名:異世界の者たちとの決闘

 

“ノーネーム”側プレイヤー:月三波・クルーエ・修也

             逆廻 十六夜

             久遠 飛鳥

             春日部 耀

             黒ウサギ

 

“ノーネーム”側プレイヤー:五十嵐 五月雨

             逆廻 十六夜

             日比野 花音

             霞 刃

             八咫烏

 

ゲーム内容:一対一のバトル形式

      バトルごとに両陣営から一名選出

 

両プレイヤー勝利条件:先に三回勝利した方

両プレイヤー敗北条件:先に三回敗北した方

 

勝利条件:相手を倒すまたは降参させる

敗北条件:審判が試合続行不可能と判定または降参

 

失格条件:相手の殺害

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、両コミュニティはギフトゲームを行います。

 

                               “ノーネーム”印

                               “ノーネーム”印』

 

“契約書類”を作成し、互いに署名する。

 

向うの五人のメンバーはくじ引きで選出されたメンバーだ。

 

「さて、まずは誰が行く?」

 

「少なくとも十六夜は向うの十六夜とな」

 

「なんでだよ?」

 

「お前に対抗できる奴なんてお前しかいないだろ」

 

耀と飛鳥、黒ウサギは首を縦に振り同意してくる。

 

「分かったよ。俺の相手は俺だな、で、結局最初は誰が行く?」

 

「なら、私から行かせてもらうわ」

 

「よし、行って来い、飛鳥」

 

「ええ」

 

飛鳥は強く返事をしてフィールドの中央に行く。

 

「最初は拙者が行こう」

 

向うからは霞刃という奴が出るらしい。

 

「それでは、これより“ノーネーム”VS“ノーネーム”の決闘を開始します!

第一回戦 久遠飛鳥VS霞刃 スタートです!」

 

審判は向うの黒ウサギが務めることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、お手柔らかに頼むわ」

 

「異世界の飛鳥殿の力、見せて頂こう」

 

そう言って刃は一本の短剣を出す。

 

それを素早く飛鳥に投げつける。

 

飛鳥は避けれないと判断し、ドレスで防ぐことにした。

 

すると刃は刀を出し斬り込んでくる。

 

「『動くな!』」

 

飛鳥のギフトで一瞬動きを止めるも、すぐに動き出す。

 

飛鳥は転がるようにして攻撃を躱す。

 

飛鳥はギフトカードから二つのガントレットを取り出し両腕に装着する。

 

六本傷から貰ったもので片方には水樹の種子、もう片方には龍角の欠片を埋め込んだものだ。

 

どちらも精々、水を出したり、軽い炎を起こす事しかできないが、飛鳥のギフト“威光”を使えば十分な力を発揮することの出来る武具になる。

 

だが、飛鳥の力が強すぎる為あの程度のものだと数回使えば壊れてしまう。

 

そう何回も使えないだろう。

 

「きゃっ!?」

 

刃は飛鳥を足払いし地面に倒す。

 

持っていた刀を逆手に持ちそのまま飛鳥の顔の隣に刀を突きさす。

 

「勝負ありだ。飛鳥殿、潔く降伏を」

 

「だ、誰が降伏なんて!私はまだ戦えるわ!」

 

「しかしこの状況からどう勝利をする?飛鳥殿が反撃する前に拙者の方が先に一撃を決めることが可能だ」

 

「…………………そうね、どう見てもこの状況じゃ私よりも貴方の方が先に剣を振ることが出来るわ。でも、だからと言って引くほど私は弱くはないわ」

 

そう言うと飛鳥は二つのガントレットから大量の水と炎を生み出し互いにぶつけた。

 

それにより水蒸気が発生し、刃の視界を奪う。

 

「むっ」

 

刃は飛鳥の力の事を知っているため一度下がり様子を伺った。

 

水蒸気がはれる飛鳥はその中で立っていた。

 

「刃君……だったかしら?………貴方の本気で来なさい」

 

「何故(なにゆえ)だ?」

 

「勝った時、「本気じゃなかったからだ」なんて言われるのはごめんだからよ」

 

「……………承知した。拙者の本気で行かせてもらおう」

 

刃はそう言って地面から巨大な剣を抜いた。

 

「聖剣・龍殺しの剣(アスカロン)、これにてお相手致そう」

 

「来なさい、霞刃。貴方の本気と私の本気どちらか上かはっきりさせましょう」

 

そう言うと飛鳥はギフトカードから白銀の十字剣を取り出し構える。

 

だが、飛鳥自身の力はそこまで高くない。

 

剣の扱いだって素人だ。

 

対して向うは剣の扱いに慣れているみたいだ。

 

刃は自分の身長よりも遥かに高い長さの剣を持ち飛鳥に斬り掛かる。

 

あれだけの大きさなら重さもかなりあるはずなのにそれを持って走れるなんて凄いな。

 

飛鳥はというと防御の構えすらしていない。

 

そして、剣が飛鳥を襲う。

 

「剣よ『力を失いなさい』!」

 

飛鳥が叫んだ。

 

そして、剣は飛鳥に当たるか飛鳥を斬ることは無かった。

 

「一か八だったのだけど、よかったわ」

 

そう言って会うかは剣を振り下ろした。

 

刃は直ぐに後ろに下がったので肩を浅く斬る程度にすんだ。

 

「まさかアスカロンの攻撃力を無くしたとはな」

 

「私も驚きよ。まさかそんなことが出来るなんて」

 

攻撃力を無くした剣を構え刃は僅かに笑う。

 

「飛鳥殿の本気見せて貰った。だからと言って負ける気はない」

 

そう言うと飛鳥の背後に回り込むように動き剣を振る。

 

飛鳥は驚く。

 

攻撃力を失った剣で何をするのか。

 

そう思っていると刃が降った剣が柄から外れた。

 

そして、外れた剣の中から細い刀身が現れた。

 

「え?」

 

飛鳥は目を丸くして驚く。

 

「すまない、飛鳥殿。この剣は龍を殺した剣。刀身は一つではない」

 

そして、飛鳥は斬られ倒れた。

 

倒れた飛鳥に向うの黒ウサギが駆け寄る。

 

兎「久遠飛鳥、戦闘続行不能!この勝負、霞刃の勝利!」

 

こうして我ら“ノーネーム”の初戦は黒星でスタートになった。

 




次回は耀VS花音

お楽しみに

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