問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

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今回、初コラボすることになりました。

お相手は疾風の隼の『異能者たちが異世界から来るそうですよ?』になります。

うまくできてるといいです。

ではどうぞ。


コラボ 異能者たちと出会うそうですよ?

ある日、俺は“アンダーウッドの大樹”の地下にある倉庫に来ている。

 

理由としては復興作業に必要なギフトを持ってきてほしいと頼まれたからだ。

 

「いろんなギフトがあるな」

 

そう言えばサラが危険なギフトもあるから探す時は気を付けるようにって言ってたな。

 

「だから、お前ら、余計なことするなよ」

 

「「「はーい(棒)」」」

 

こいつら………余計なことする気満々だな…………

 

何故か途中でくっ付いてきた十六夜達を見ながらそう思った。

 

「お、面白そうな物発見!」

 

「十六夜!お前、言った傍から余計なことをするな!」

 

十六夜が手にしたものは野球ボールサイズの何かだった。

 

「ちょうどいい、おい、春日部、お嬢様。こいつでキャッチボールだ」

 

「乗ったわ」

 

「やる」

 

「お前ら、危険なギフトがあるって言ったばっかだろ!?」

 

俺を余所に、野球ボール的な何かでキャッチボールを始める問題児共。

 

「うるせぇな。ほら、修也、パス」

 

「投げるなよ!」

 

慌てて飛んできたボールを右手でキャッチする。

 

カチッ

 

掴んだ瞬間嫌な音が聞こえた。

 

「修也さん、お手伝いに来ましたよ」

 

そして、黒ウサギが部屋に入って来た瞬間、俺達五人を巨大な魔法陣が包んだ。

 

「え?これは………転移用のギフトの魔法陣!?」

 

え?もしかして、ヤバイ?

 

そう思った瞬間、俺達は眩い閃光に目がくらんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を開けると、俺達は“ノーネーム”の農園にいた。

 

どうやら、結構遠くに転移したみたいだ。

 

「修也さん!何でこんな危険なものを起動させてるのですか!?」

 

「待て!起動したのは俺かもしれないが原因は十六夜だぞ!」

 

「おいおい、俺は何もしてないぜ?ただ、そのボールみたいなものでキャッチボールをしようとしただけだ」

 

「しないでください!このお馬鹿様!」

 

黒ウサギはハリセンを取り出し十六夜の頭を叩く。

 

「それにしても、本当に良かったです。転移先が“ノーネーム”の本拠地で」

 

「どういうこと?」

 

「このギフトは転移用のものですが、何処に転移するかはランダムなんです。転移場所から近かったり遠かったり、最悪、異世界に飛ばされることもあります。ですので、ある意味この場合は奇跡といってもいいです」

 

なるほどな。

 

“アンダーウッド”からここは遠いが“地域支配者”の俺達なら“境界門”も無料で通れる。

 

さっさと戻らないとな。

 

「ん?黒ウサギと十六夜と飛鳥に耀………それとお前誰だ?」

 

聞覚えの無い声が聞こえたのでそちらを向くと、銀色の髪に黄緑のスカーフ、和洋折衷服と言った感じの服を着た男がいた。

 

年齢は耀と同じぐらいか?

 

「あ?誰だ、お前?何で俺達の名前を知ってやがる?」

 

十六夜は攻撃する気満々なのか敵意をあらわにして構える。

 

「知らない男に名前を呼ばれる筋合いは無いのだけれど」

 

「取り敢えず、捕まえる」

 

飛鳥と耀も臨戦態勢に入る。

 

「ちょ、待てって!どうしたんだよ、お前ら!?少し落ち着け」

 

「落ち着くのは、テメーを捕まえてからだ!」

 

十六夜は手に持った石を男に向かって投擲する。

 

凄いスピードで投げられた石は男の足元を目掛けて飛ぶ。

 

そして、巨大な土煙を上げる。

 

「おい、十六夜。手加減ぐらいしろ」

 

「ヤハハ、悪い悪い」

 

男の安否を調べようと近づくと急に殺気を感じた。

 

白牙槍を取り出し、防御の構えを取る。

 

すると先程の男が無傷で銀色の剣を持って襲ってきた。

 

剣を槍で受け止める。

 

「十六夜に何しやがった?」

 

「何言ってやがる?」

 

コイツ………結構強い。

 

持っている剣自体も強いが、この男、かなり強いぞ。

 

下手すりゃ、押し切られる。

 

そう思ってると、耀が側面から光翼馬のブーツで男に向かって蹴りを放つ。

 

男は俺から離れ距離を置く。

 

「大丈夫、修也!」

 

「ああ、助かった」

 

耀に感謝すると、男は先程よりも一層怒りを顔に出した。

 

「お前、耀までも、絶対に許さない」

 

コイツ、さっきからの口振りからして十六夜達の事を知ってるようだ。

 

だが、十六夜達は知らないようだ。

 

「『そこを動くな!』」

 

飛鳥の“威光”が発動し、動きが止まる。

 

だが、それもほんの一瞬だった。

 

しかし、十六夜にはその一瞬で十分だった。

 

「終わりだ!」

 

十六夜が拳を握り締め、男の横腹を目掛けて殴りつける。

 

だが、その瞬間、頭上から何かの気配を感じ取った。

 

「十三の業 双国臨夜!!」

 

俺は咄嗟に翼を出し、フルスロットルで十六夜を抱えて逃げる。

 

すると、さっきまで十六夜がいた場所に巨大なクレーターが出来ていた。

 

「おい、五月雨!一体どうした!?」

 

「え、十六夜?お前、元に戻ったのか?」

 

「はぁ?何言ってやがる?」

 

先程の男に交じって別の男の声が聞こえた。

 

てか、聞き覚えがあるし、何やら聞いたことある名前が………

 

そして、土煙が晴れ、そこに居た男を見て俺達は驚愕した。

 

「い、十六夜?」

 

「う、嘘………どういうこと?」

 

「おいおい、なんだこりゃ?」

 

「……ドッペルゲンガー?」

 

「いえ、おそらく、これは………」

 

黒ウサギが何かに気付いたらしい、驚いたが俺もなんとなく気付いた。

 

「十六夜君!何があったの!」

 

「うわ、凄いクレーター」

 

「十六夜さん、いきなり走り出さないでください!」

 

「なになに?何か面白いことでも………うおっ!でっかいクレーター!」

 

「十六夜殿、戯れも程々にするべきだ」

 

「はぁ~、また修復作業ですね」

 

更に6人現れた。

 

しかもそのうち3人は飛鳥と耀、黒ウサギだ。

 

残りの三人は知らん。

 

「「「「「「あ、私がいる(います)」」」」」」

 

耀と飛鳥、黒ウサギは互いにハモった。

 

「「「え?同じ顔が8人?」」」

 

残りの三人も同じくハモった。

 

だが、これで確証が持てた。

 

「どうやら、俺達は異世界に来ちまったらしいな」

 


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