問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

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第11話 告白だそうですよ?

「…………ここは?」

 

目を開けると知らない天井が目に入った。

 

私は一体………

 

「目が覚めたか?」

 

聞きなれた声が聞こえそっちの方顔を向ける。

 

そこには修也が居た。

 

「修也、ここは………」

 

「“アンダーウッド”の主賓室だ。お前、二、三日眠りっぱなしだったんだぞ」

 

そんなに寝ていたのか………

 

「もしかして、ずっとそばに居たのか?」

 

「いや、全員で交代しながら待ってたんだよ。目が覚めた時誰かいなかったら心細いだろ?」

 

そう言って修也は、にかっと笑う。

 

その時部屋の扉が騒がしい音を立てて開かれた。

 

「修也さん!交代にってレティシア様!御目覚めになられたのですね!」

 

「ああ、つい先ほどな」

 

「そうでしたか!あ、黒ウサギは皆さんを呼びに行ってまいります!」

 

歓喜の声を上げ黒ウサギは部屋を飛び出していく。

 

まったく、相変わらず騒がしいな。

 

でも、なんだが懐かしく感じる。

 

「俺、ちょっと耀に呼ばれてるから、一度席を外すぞ。また後で来る」

 

「ああ、わかった」

 

「それと、結構無理してたんだ。もう少し寝てろ」

 

そう言って修也は私の頭を軽く撫でて部屋を出て行った。

 

頭を撫でられた時、一瞬、修也の姿が叔父上と重なって見えた。

 

「ふっ、修也、お前は何処までも叔父上にそっくりだな。……………叔父上、貴方の意志はしっかりと引き継がれてます」

 

空を見上げ、そう語った。

 

さて、もう一眠りするか……………

 

レティシアSIDE END

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修也SIDE

 

耀に言われて俺は今“アンダーウッド”の比較的被害が少ない場所に来ている。

 

一体話って何だ?

 

「それにしても、人の気配が無いな」

 

そんなことを考えていると耀の姿が見えた。

 

なにやら、そわそわしている。

 

「耀」

 

「あひゃ!?」

 

あひゃってなんだよ。

 

「しゅ、修也。来たんだ………」

 

「話があるから来てくれって言ったのは耀だろ?」

 

「あ、う、うん。そうだね」

 

なんだ、様子が変だぞ。

 

それになんか顔も赤い。

 

「そうだ、レティシア目覚めたぞ。後で会いに行こうぜ」

 

「う、うん」

 

なんだか、耀の動きがきごちないな。

 

「………あのさ、私達って出会ったから随分時間が経つよね」

 

「そういえばそうだな」

 

「初めて会った時、修也の事、変わった人だと思った」

 

か、変わった人って…………

 

「でも、その後はとても仲間想いの優しい人だって思った」

 

変わった人から仲間想いの優しい人か………

 

中々のランクアップだな。

 

「北の誕生祭の時、修也が連れ去られた時、とっても心配した。だから、会えた時とっても嬉しかった。でも、その後、修也が一人で戦いに行って、辛かった。それに、頼られなくてとても悲しかった」

 

その言葉に俺は言葉を失った。

 

「大怪我して、倒れてる修也を見て泣きそうになった。今回でも修也一人に戦わせることが多かった。その度に何度も胸が押しつぶされそうな感覚になった。怪我をしてボロボロになる修也を見るたびに胸が苦しい」

 

…………………

 

「どうしてこう思うのか最初は分からなかった。ただの憧れとか尊敬とかそういう類のものだと思ってた。でも、修也が傷付くたびに、とても苦しかったし、悲しかった。それで、やっと気づいたの」

 

そう言って耀は俺を見上げる。

 

顔を真っ赤にしながら。

 

「私、春日部耀は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月三波・クルーエ・修也のことが好きです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉に俺の思考は停止した。

 

今………好きって言ったか………?

 

「友達とか、仲間としての好きじゃない。異性としての好きだよ」

 

これって……………告白されてる?

 

「ねぇ、修也の返事を聞かせて」

 

耀は顔を真っ赤にして聞いて来る。

 

その表情はどんな答えでも受け入れるといった感じだ。

 

俺は……………耀をどう思ってるんだ?

 

最初は、不思議な子だと思った。

 

でも、その後結構ノリがよくて、そして、ちょっとしたことですぐ不機嫌になって、なんか子供っぽい所がある女の子だ。

 

それていて、こんな俺に対して好きだと言ってくれた。

 

……………俺は…………

 

「…………耀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時間をくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………………………………………………………………………………は?」

 

耀は真っ赤にしてた顔を瞬時に真顔に変え、一言そう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だって、女の子に告白されるとか初めてだし、それに俺自身耀の事をどう思ってるのか分からない。

 

そりゃ、他の女の子と比べたらそれなりに好感度高いし、好きであるのは確かだ。

 

でも、それがlikeかloveなのかは分からない。

 

「時間をくれ。頼む」

 

「…………私がどんな気持ちで告白したと思う?」

 

「…………」

 

「一世一代の告白だったんだよ」

 

「……………」

 

「それなのに時間をくれって…………呆れるよ」

 

「…………すみません」

 

「ヘタレ」

 

「返す言葉もありません」

 

「…………………わかった。時間あげる」

 

「………すまない」

 

「だから、これだけ許して」

 

そう言いって耀は俺の両手で挟んできた。

 

これはアレか。

 

ドラマや映画的なパターンか。

 

おそらく頬にキスでもするんだろう。

 

まぁ、時間を貰うんだ。

 

それぐらい構わないか。

 

そう思い覚悟を決める。

 

そして、耀は俺の唇に自分の唇を重ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ!?なんかおかしくね!?

 

「よ、耀………」

 

「キスってする場所によって意味があるんだ。

手なら尊敬、額なら友情、頬なら満足感、唇なら愛情、閉じた目の上なら憧憬、掌なら懇願腕と首なら欲望。……………本気だから」

 

恥ずかしかったのか耀はそっぽを向きながらそう言う。

 

「……………いつまでも待ってるから、ゆっくり考えてね」

 

「あ、ああ」

 

「うん、レティシア、目覚めたんだよね。行こ」

 

そう言って耀は俺の手を取って走り出す。

 

耀の横顔を見ながら俺は一つ決意する。

 

耀の為にもちゃんと考えないとな……………

 




付き合うと思った方、挙手。

残念ながら付き合いませんでした。

修也君、ヘタレですねwwww

期待してた方々すみません。

でも、告白したことで耀の枷は外れました。

これからどんどん修也君に甘え捲るでしょう。

その辺に期待してください

では、また次回

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