問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ? 作:ほにゃー
“生命の目録”
生態兵器を製造するギフト
所持者を進化させ続ける単一系統樹
対魔王・全局面的戦闘兵装
頭の中で同じことがぐるぐると回り続けた。
いつもと違う様子に耀に心配されてしまい、不安にさせてしまった。
一先ずこのことは忘れよう。
ゲームクリアに専念しないと。
俺達は今、古惚けて崩れた噴水の前に集まり、それぞれの成果の報告会をしている。
ジャックの方は残念ながらコレと言った成果はなく、各区域の壁に“黄道の十二宮”を示す記号があっただけ。
俺たちが最初に合流した場所には天秤宮が、其処から順に天蠍宮、人馬宮と、十二宮の順番通りになっていたそうだ。
そして、アーシャとキリノの方の成果を聞くと、二人はにんまりと笑って、大きな袋から何かを取り出した。
「私たちが見つけたのは、十二宮の星座が刻まれた何かの欠片と、その他の十四の星座の欠片です」
え?十二宮以外の星座?
「なんで十二宮以外の星座が?」
「どういうことダ?オイラたち、何かのミスリードに引っ掛かってたんじゃないのカ?」
ネズさんの言葉にアーシャとキリノは不安そうな顔になる。
「もしかして、私達、余計なことした?」
「そ、そんなことないサ!もしかしたら欠片そのものがミスリードの可能性も」
「私達、無駄足でしたか?」
「あ、いや、だから、違っ……」
しどろもどろになりながらアーシャとキリノをフォローしようとするネズさん。
それを横目に俺は欠片の一部を取って見てみる。
表面が球面になっている。
この欠片を全てくっ付けたら球体になるはずだ。
だが、それに意味があるのか?
ペナルティ発動までの時間稼ぎ?
そうだとしても、あまりにも解かりやす過ぎる時間稼ぎだ。
隣で同じように欠片を手に取ってた耀が顔を上げ、キリノを見る。
「キリノ。この欠片はどんな建物の下にあった?」
「えっと、十二宮は神殿のような大きな廃墟に。それ以外は瓦礫の下から見つけました」
十二宮だけ扱いが違うな。
やっぱり、この欠片は関係しているんだ。
“獣帯”
“行動の十二宮”
神像衛星
太陽同期軌道
天体分割法
“砕かれた星空”
…………砕かれた星空?
まさか……………
俺は手の中にある天秤宮を見て、耀の手の中にある天蠍宮を見る。
耀も同じようにする。
そして、俺と耀は手に持ったそれぞれの欠片の割れ口を近づける。
すると、見事に噛みあった。
「「………あ、解けた」」
「「「「「は?」」」」」
「解けた…………と、解けた、解答が見えた!」
大声を上げて耀が立ち上がる。
「“砕かれた星空”に衛星!太陽の軌道!そして、もう一つの解釈、“砕き、掲げる物”!これで全て繋がった!この欠片が、玉座に掲げる最後の鍵だ!」
俺は拳を握り大声を上げる。
「アーシャ!キリノ!凄いお手柄だよ!これで、レティシアも助かる!“アンダーウッド”も救われる!」
「そ、それじゃあ、このゲームは!」
「ああ、後はこの欠片を玉座に掲げて…………ゲームクリアだ!」