問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

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第6話 ゲームクリア!?だそうですよ?

“生命の目録”

生態兵器を製造するギフト

 

所持者を進化させ続ける単一系統樹

 

対魔王・全局面的戦闘兵装

 

頭の中で同じことがぐるぐると回り続けた。

 

いつもと違う様子に耀に心配されてしまい、不安にさせてしまった。

 

一先ずこのことは忘れよう。

 

ゲームクリアに専念しないと。

 

俺達は今、古惚けて崩れた噴水の前に集まり、それぞれの成果の報告会をしている。

 

ジャックの方は残念ながらコレと言った成果はなく、各区域の壁に“黄道の十二宮”を示す記号があっただけ。

 

俺たちが最初に合流した場所には天秤宮が、其処から順に天蠍宮、人馬宮と、十二宮の順番通りになっていたそうだ。

 

そして、アーシャとキリノの方の成果を聞くと、二人はにんまりと笑って、大きな袋から何かを取り出した。

 

「私たちが見つけたのは、十二宮の星座が刻まれた何かの欠片と、その他の十四の星座の欠片です」

 

え?十二宮以外の星座?

 

「なんで十二宮以外の星座が?」

 

「どういうことダ?オイラたち、何かのミスリードに引っ掛かってたんじゃないのカ?」

 

ネズさんの言葉にアーシャとキリノは不安そうな顔になる。

 

「もしかして、私達、余計なことした?」

 

「そ、そんなことないサ!もしかしたら欠片そのものがミスリードの可能性も」

 

「私達、無駄足でしたか?」

 

「あ、いや、だから、違っ……」

 

しどろもどろになりながらアーシャとキリノをフォローしようとするネズさん。

 

それを横目に俺は欠片の一部を取って見てみる。

 

表面が球面になっている。

 

この欠片を全てくっ付けたら球体になるはずだ。

 

だが、それに意味があるのか?

 

ペナルティ発動までの時間稼ぎ?

 

そうだとしても、あまりにも解かりやす過ぎる時間稼ぎだ。

 

隣で同じように欠片を手に取ってた耀が顔を上げ、キリノを見る。

 

「キリノ。この欠片はどんな建物の下にあった?」

 

「えっと、十二宮は神殿のような大きな廃墟に。それ以外は瓦礫の下から見つけました」

 

十二宮だけ扱いが違うな。

 

やっぱり、この欠片は関係しているんだ。

 

 

 

 

 

 

“獣帯”

 

“行動の十二宮”

 

神像衛星

 

太陽同期軌道

 

天体分割法

 

“砕かれた星空”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………砕かれた星空?

 

まさか……………

 

俺は手の中にある天秤宮を見て、耀の手の中にある天蠍宮を見る。

 

耀も同じようにする。

 

そして、俺と耀は手に持ったそれぞれの欠片の割れ口を近づける。

 

すると、見事に噛みあった。

 

「「………あ、解けた」」

 

「「「「「は?」」」」」

 

「解けた…………と、解けた、解答が見えた!」

 

大声を上げて耀が立ち上がる。

 

「“砕かれた星空”に衛星!太陽の軌道!そして、もう一つの解釈、“砕き、掲げる物”!これで全て繋がった!この欠片が、玉座に掲げる最後の鍵だ!」

 

俺は拳を握り大声を上げる。

 

「アーシャ!キリノ!凄いお手柄だよ!これで、レティシアも助かる!“アンダーウッド”も救われる!」

 

「そ、それじゃあ、このゲームは!」

 

「ああ、後はこの欠片を玉座に掲げて…………ゲームクリアだ!」

 


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