問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ? 作:ほにゃー
「別れて片っ端から攻略して行こう。お嬢様とリリはあっち。春日部はレティシアと向うを頼む。黒ウサギは俺と向う。修也、お前は誰と行くか自分で決めろ」
「なんで?」
「いいから、決めろ」
(ここで俺を選んだらギャルゲーならバットエンドルートだな)
(修也君がいたら早くクリアできそうね)
(修也…………こっち来てくれるかな?)
「別れた方がいいんだろだったら俺は一人でもいい」
「分かったわ。行きましょうリリ」
「はい!」
「行こ。レティシア」
「あ、ああ(怒ってる……)」
「じゃ、俺も行くわ。また後でな」
十六夜にわかれを告げ俺もゲームクリアに向かう。
さて、どこに行くか。
取りあえず近場のとこにするか。
近くにあった館にはいるとそこには筋肉マッチョの男がいた。
「ふ、来たか。我こそは“スクナビコナ”の同士、弥七と言う」
「ゲームを受けに来た」
「ふ、よかろう。ゲーム内容はいたって簡単。このパンチングマシーンに拳をぶつけて現在の記録一位を更新する。無論、ギフトの使用もありだ」
要するにパンチ力比べか。
これなら、大丈夫だろ。
えっと、現在一位は……………
一位 クルーエ 4692Pt
二位 孝明 2519Pt
親父………
いや、まさかきっと他人だよ
「ははは、貴様は中々の使い手と見る。だが、クルーエ=ドラクレア殿の記録を更新する者などここ10年は現れとらん」
親父だったよ!
てか、二位との差でかいな!
「クルーエ殿は素晴らしいお方だ。親友の孝明殿と彼はよく女風呂を覗きに行きそして、見事にそれを成し遂げるお方だった」
あ・ん・の・ク・ソ・お・や・じ
「何、変なことしてんだよ!」
怒りに任せ渾身の一撃を出す。
ズドンッ!!
7839Pt
「お、おお!凄いぜ!アンタ、記録更新だよ!」
怒りのパワーって凄いな。
一位 修也 7839Pt
二位 クルーエ 4692Pt
三位 孝明 2519Pt
ゲームクリア
「さて、どの杭を抜くか………こいつでいいや」
近くの杭を抜く。
すると杭の先に手紙が付いていた。
手紙を取り中を見ると
『バカが見る~』
……………小学生か!
その後も様々なゲームをクリアするが全てが記録更新という奴でその一位と二位全てが親父と孝明さんだった。
てか孝明って誰だよ!
しかも、引く杭すべてに手紙があり、全て『アホが見る~』『お前の席ねぇから』とか人の神経を逆なでるようなことばっか書いてあった。
そして、とうとう最後の一本となった。
杭の周りには耀、飛鳥、黒ウサギ、リリ、レティシアの五人がいる。
俺はと言うと十六夜の近くにいる。
他のコミュニティは根を上げて帰ってしまった。
全員で杭を掴み、同時に引き抜く。
「「「「「「せーの」」」」」」
ポンッと軽快な音と共に杭が抜ける。
杭を抜いた瞬間、全員全力退避する。
すると穴から水が出てきた。
あれ、なんか皆の水着が…………溶けてる!?
どういう訳がみんなの水着が溶け出しお見せできない状態になっている。
俺の服は溶けていない。
水着だけを溶かすのか?
てか、お前はヘッドホン以外装着してないのによく仁王立ちできるな。
「これってもしかして」
「ああ、お前の考えてる通りだと思うぜ。このゲームのクリア方法は杭を抜くだけじゃない」
「そう言うってことはもう分かったんだな。クリア方法は」
「ああという訳だがら少し手伝ってもらうぜ。」
十六夜に連れられ俺は今ゲームのクリアに向け行動してる。
その途中、耀たちが足湯に浸かりながらゲームについて話していた。
その推理を十六夜と聞き途中で姿を現す。
「正解だ」
「十六夜君、修也君」
「耀とリリの推理はほぼ正解だ」
「この杭は引き抜いてから打ち付けるまでが本来の用途なんだよ」
そう言って十六夜は杭を見せる。
「でも、打ち付けると言っても一体何処に?」
「スクナビコナの輝く運河の中心、この一文が杭を打ち付ける場所を示してる」
「なるほど。それで、主殿と修也はその場所が分かっているのか?」
レティシアがもっともなことを聞いてきた。
「スクナビコナってのは神道の神霊っていう意味以外にももう一つ意味があるんだよ」
「それはアステロイドベルトに位置する小惑星の名という意味もあるんだ」
「ということはスクナビコナの輝く運河とはアステロイドベルト、即ち小惑星のことを指すのですか?」
「そういうこと」
「ってそんな場所に打ち付けれるはずないじゃない」
そりゃ、そうだ。
「当たり前だろ。これは暗号だ」
「その小惑星帯があるのは火星と木星の間との木の中心」
「一二三、火柱から林道の中心には何がある?」
「えっと………!まさか!」
気付いたみたいだな。
「お前の主神はとんだ過保護だぜ。新しい水源を」
そう言って俺と十六夜は同時に飛びあがる。
「「貯水池の中心に造っていたなんてな!」」
十六夜が投げるその瞬間、俺は杭の後ろを殴り更にその勢いを加速させる。
そして、杭は貯水池の中心に突き刺さり、大量の水を吐き出した。
「ゲームクリア」
「早速、温泉に入ろう」
「いや~、温泉っていいな」
「ええ、全くです」
………ジャック、そのカボチャ熱くないのか?
それとも本当に頭がカボチャなのか?
十六夜はと言うと一二三とレティシアに背中を洗わせてるし…………
「本当にありがとうございました。何から何まで助けていただきまして。こんなお礼ぐらいしかできませんか」
「気にすんなって」
「全く、我が主はどういう頭をしているんだ?」
確かに気になるな。
「ん?見たいか?」
「ぜひ見たい」
「私もです」
俺も見たい。
「見せねーよ」
そう言って十六夜はハハハと笑う。
「しかし、こんな穏やかな日があってもいいかもしれないな」
「ああ、神水の温泉で月明かりを眺めながら二人のロリに背中を流してもらう。中々できねー贅沢だ」
最後の一文が余計だぜ。
「そうだ、新しい水源を用意したら俺達の地元の支配力も上がるんじゃねーか?」
確かに、箱庭では水は重要な資源の一つ。
それを俺達“ノーネーム”が用意したとなればまた一歩打倒魔王の目標に近づくなぁ。
「それはそうだが」
「ええ、やはり水源はコミュニティの生命線でもありますし」
「……そうか、なら一度計画を立ててみるかな。修也も乗るだろ?」
「当たり前だろ」
「十六夜さん。もしかして、また何か悪戯を考えていません?」
お?黒ウサギが反応した。
もしかして感がいいいか?
「ああ、とびきりの悪戯をな。まぁ、楽しみにしておけよ」
「あら、そういうことなら私も参加するわよ」
「楽しい悪戯なら私も。主に黒ウサギを弄る役を」
「なら、俺は黒ウサギを虐める役がいいな」
「「よし、任せた!」」
どういうわけか十六夜と白夜叉がはもった。
「な、何をお考えでいらっしゃるのですか!?」
黒ウサギの声に十六夜は柵の上に手を出し親指を立てて答えた。
「この………問題児様方!!」
黒ウサギの悲痛の叫びが響いた。
「ヤホホホホホ。本当に楽しそうなコミュニティですね」
「だろ?」
本当に箱庭に来て良かった……
次回は問題児たちが異世界から来るそうですよ?乙をやります。
お楽しみに