問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

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第9.5話の続きみたいなものです。


第12.5話 居なかった時こんなことがあったそうですよ?

「おい、ちょっといいか?」

急に男の声が聞こえ後ろを振り向きながら下がる。

「誰だ?」

「そう警戒するな。俺はお前の味方ってわけじゃないが敵でもない」

長身に黒いコートがやたらと似合う男がそこにいた。

子供のような屈託のない笑みを浮かべてそこにいた。

「俺になんのようだ?」

「お前に力をやる」

「は?」

「無論、無償でやるつもりはない。俺とのギフトゲームに勝利したらやる」

「………いいだろ」

「なら、早速ギフトゲームだ」

そう言って男は懐からランプブラックのギフトカードを取り出した。

その瞬間、俺は洞窟とは別の場所に居た。

そこは一つの巨大な街だった。

これはヴェーザー・ルネサンス建築の建物だな。

それに、人までいる。

ここで生活しているかのような感じだな。

だが、生きてる気配はない。

まるで作り物のようだ。

「契約書類だ」

男は契約書類意に何かを書きその紙を俺に渡してきた。

『ギフトゲーム名:ANOTHER HAMELIN

プレイヤー一覧:月三波・クルーエ・修也

クリア条件:真実を知り七日目でゴールを見つける

敗北条件:七日目でクリアできなかった場合

宣誓 上記を尊重し誇りと御旗の下“ノーネーム”月三波・クルーエ・修也はギフトゲームに参加します

 

                                     “■■■■■■”印』

 

なるほど、この街はハーメルンの街か。

なら真実ってのはギフトゲーム名から考えるにハーメルンの街から130人の子供が消えた真実のことか。

確か、いくつか伝承はあったよな。

それにしても、コミュニティの名前の所だけなんかこすれて見えない。

それにANOTHERってなんだよ?

もう一つのハーメルン?

「さぁ、早くしないと時間が無くなるぜ」

「………いいだろ。すぐにでもクリアしてやるぜ」

ひとまず疑問は放っておき俺はハーメルンの街を歩き進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ってもう六日経っちまったよ……………

情報集めしようにも街の人間は俺に反応しないから、情報が集まってこない。

どうすれば…………

契約書類を見てうなだれているとあることに気付いた。

「七日目にゴールを見つける?」

七日目までじゃなく七日目にゴールを見つける。

どういうことだ?

「明日はヨハネとパウロの日だな」

「そう言えばそうだな」

近くを通りかかった人がそんな話をした。

ヨハネとパウロの日?

あれ?そういえばハーメルンの碑文に

 

一二八四年 ヨハネとパウロの日 六月二十六日

あらゆる色で着飾った笛吹き男に一三〇人のハーメルン生まれの子供らが誘い出され丘の近くの処刑場で姿を消した

 

そうか、今日はあのハーメルンの碑文に書かれた日の前日なんだ…………

もしかしたら……………

俺は一つの仮説を立てて明日を待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、俺はヴェーザー川付近で待っていた。

俺の仮説が合っていればいいのだが。

暫く待つと色鮮やかな服を来た男が笛を吹きながらやって来た。

一三〇人の子供と共に。

子供たちは笛吹き男の笛に合わせながら歌い、そして、ヴェーザー河を下っていった。

「真実を知れたな」

「まぁ、殆ど賭けみたいだがな」

そう言って背後にいた男と話す。

「このゲームは七日目即ちヨハネとパウロの日、このヴェーザー河に居て笛吹き男と一三〇人の子供たちが去っていくのを見ることがゲームクリアへの道になる」

真実を知る。

ヴェーザー河で笛吹き男と子供たちが去るそれがハーメルンの真実なんだ。

「それじゃあ、今度はゴールを見つけろ」

「……………ハーメルンの笛吹きにはいくつか伝承がある。

ペスト、ラッテンフェンガー、シュトルム、ヴェーザー河だ。

だが、ハーメルンの碑文に書かれた年とペストは時代が合わない。

そして、グリム童話に書かれている伝承とは異なる童話の悪魔。

それがラッテンフェンガーと呼ばれる偽物のハーメルンの笛吹きだ。

シュトルムはフェイク。

碑文に書かれた丘ってのはヴェーザー河につながる丘を指し、天災で子供たちが亡くなった象徴とされる。

つまりシュトルムはヴェーザー河の存在を示している。

以上の事からヴェーザー河で子供たちが亡くなった、これが真実。

そして、今回見たのはもう一つのハーメルンの笛吹きの真実。

ここからは俺の仮説、と言うより碑文の解釈になる。

一三〇人の子供たちは新たな土地で自分たちの町を造ろうとした。

親元を離れ、ヴェーザー河を下り、人類未踏の新天地で街という名のコミュニティを造った。

笛吹き男は新たに造られた街のリーダー的存在。

俺が見た真実は言うなればパラレルワールドのハーメルンの笛吹きだと思う。

そして、ゴールとはヴェーザー河を下った先、即ち、新天地を指す。違うか?」

おれの推理に男はただただ黙っている。

そして、くすくすと笑うと今度は大声を上げて笑った。

「いや~、お前スゲーよ。うん。まさか、ここまで言い当てるとは大したもんだ。その通り、ゴールとは新天地の事。このままヴェーザー河に沿って行けばこの空間から出られる。ギフトゲームクリアおめでとう」

男は拍手をし称賛してくる。

「なぁ、教えてくれ。あんたは何者だ?」

その質問に男は柔和な笑みをけし、強者の笑みを浮かべた。

「俺の名はマグス。魔術師で一三〇人の子供たちと共に新天地で新たな街を造った者だ」

マジかよ………………

「おっと、お前には新たなギフトを与えないとな。受け取りな」

いつの間にか俺のギフトカードを盗っていたらしく俺のギフトカードに手を当てるとすぐさま返してくれた。

 

月三波・クルーエ・修也

ギフトネーム“忠義の吸血騎士(ロード・オブ・ヴァンパイアナイト)”“ヒューメルーン”“ハープーンガン-パイドパイパー-”

 

新たに二つ増えてやがる。

どちらも、創作系のギフトか……

「さぁ、行きな。仲間が待ってるぞ?」

「ありがとな。マグス」

「気にすんな」

俺はもう一度マグスにお礼を言い。ヴェーザー河を下って行った。

 




少し無理矢理すぎるクリア方法かもしれませんかどうか許してください。

次回はエピローグになりそして番外編をするつもりです。
その後は本編に入る前にアニメ未放送の話と問題児たちが異世界から来るそうですよ?乙の話をしようと思っています。
それでは、また次回

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