問題児たちと血を受け継ぐ者が異世界に来るそうですよ?   作:ほにゃー

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第9話 ペルセウスとのギフトゲームだそうですよ?

「う~ん、ここは?」

目が覚めると俺はベットの中にいた。

見たことが無い天井だな。

「気が付きました?」

寝たまま顔だけを横に向けるとジンがいた。

「ジン・・・ここは?」

「“ノーネーム”のコミュニティの本部です」

そうか、あの後、俺寝ちまったんだっけ。

「そういえば耀は?」

「はい、耀さんは回復しました。今は飛鳥さんと黒ウサギの部屋にいるはずです」

それが聞けて安心した。

「そういえばジン、白夜叉からお前たちの仲間が賞品になってるギフトゲームについて聞いたんだが、それはいつだ?」

「そ、それが・・・そのギフトゲームは中止になってしまったんです」

「どういうことだ?」

ジンから順を追って説明を聞かされた。

レティシアのことと現状のコミュニティの状態も含めて。

「なるほどな、レティシアと黒ウサギの交換か・・・“ペルセウス”ってのはギリシャ神話に出てくる英雄だろ?そんなに腐った連中なのか?」

「それは二代目のルイオスさんの方です。先代のペルセウスさんはとても立派なお方です」

なるほど親の七光りってわけか。

そんなことを考えてベットから這い上がる。

「だ、駄目ですよ!まだ、体調が良くないですよ!」

「これぐらい大丈夫だ」

取りあえずジンを連れて黒ウサギの部屋に行く。

ちょうどいいので俺のこととレティシアのことも話そうと思う。

黒ウサギの部屋に着くと何故か扉が壊れていた。

何があった。

部屋に入ると十六夜もいた。

「お前らは相変わらず元気だな」

「「「修也(さん)(君)!?」」」

「お、修也、目覚めたか」

「あぁ、問題無いぐらいにな。ところでこれ何?」

取りあえずテーブルの上にある奇妙なマークが描かれた丸い宝石みたいなのかあった。

「“ペルセウス”への挑戦権だ。こいつを使い奴らから旗印を奪い、レティシアの交渉条件に使う」

なるほどな。相変わらず考えることがぶっ飛んでやがるな。

「それと、修也。今回お前は留守番な」

「・・・どういうことだ?」

十六夜を睨むような形で理由を聞く。

「決まってんだろ。病み上がりを連れていくほど俺は外道じゃないぞ?」

「お前に心配されるほど軟じゃねーよ」

「心配じゃねーよ、足手まといを連れてっても意味が無いだけだ」

「なら・・・試すか?」

「おもしれぇ」

腕を鳴らしながら十六夜が構え、俺は腰を落とし構える。

そして、

「いい加減にしなさ!このお馬鹿様方!」

十六夜の頭に炸裂する黒ウサギハリセン(命名 俺)。

「喧嘩しちゃダメ」

そう言って耀が俺の頬を引っ張る。

「修也さんは病み上がりなんですから喧嘩して傷口が開いたらどうするんですか!

十六夜さんも乗らないでください!」

「分かったよ。でも、俺もギフトゲームに参加するぞ。」

「理由でもあんのかよ?」

「ある」

「なら、説明してもらおうか」

説明となると俺のギフトについても説明しないとな。

 

 

 

「そ、それは本当のことなの?」

「ビックリ」

「修也さんの御父上がクルーエ様ってのは本当でございますか!?」

「まさか、レティシアがお前の従姉とはな」

「やはり吸血鬼でしたか・・・」

上から飛鳥、耀、黒ウサギ、十六夜、ジンの順番でそれぞれ色んな驚き方をする

「あぁ、全てホントの話だ」

「まぁ、白夜叉の所のギフトゲームである程度予測はしてたがな」

まぁ、それは仕方がないだろ。

誰だって血を呑んで強くなったら吸血鬼だって思うだろう。

「以上で俺がどうしても今回のギフトゲームに参加したい理由だ。

なんか文句あるか?」

「・・・仕方がねえな。いいぜ、連れてってやる。

だが、一つ約束しろ。体に異変が出たらすぐにでも言う。

いいな?」

「わかった」

「よし、なら、早速行くか。“ペルセウス”のコミュニティに!」

 

 

 

 

「我々、“ノーネーム”は“ペルセウス”に決闘を申し込みます!」

「何?」

取りあえず“ペルセウス”のリーダーであるルイオスの第一印象は最悪だ。

黒ウサギを舐め回すかのように見ている。

特に足と太腿、胸など。

これじゃあ、天国のペルセウスさんもお嘆きだろう。

「何?そんなつまらないこと言いに来たの?決闘ならしないって言ったじゃん」

ルイオスはつまらなさそうに吐き捨てる。

「あーウザッ、さっさと帰ってくんね?てゆうか、マジウザ。趣味じゃねーけどあの吸血鬼で鬱憤でも―――――」

次の瞬間、俺はギフトカードから白牙槍を取り出し、ルイオスの喉元に突きつける。

ルイオスは言葉の続きを発する状態で固まっている。

「それ以上何かしゃべてみろ?ギフトゲームの前にお前を殺す」

今にもルイオスを殺してしまいそうだが、そんな俺を十六夜が制する。

「落ち着けよ、修也。こんな小物、殺す価値もねえよ。なんせ、“ノーネーム”如きにビビってギフトゲームすらできない連中だぜ?」

十六夜の言葉に“ペルセウス”の連中は明らかに敵意むき出しで睨んでくる。

「挑発のつもりか?悪いがそれに乗るほど短気じゃないんでね」

そう言うルイオスだが、額には怒りマークが出ている。

そんなルイオスに黒ウサギはあるものを見せる。

“ペルセウス”の旗印が描かれた宝石を。

「こ、これは、“ペルセウス”への挑戦権を示すギフト・・・・・!?まさか名無し風情が、海魔とグライアイを打倒したというのか!?」

ルイオスの側近の男が驚きの声を上げる。

「あぁ、あのババァと大タコか?確かに面白かったがあれなら蛇の方がマシだったぜ?」

十六夜はニヤニヤ笑いながらルイオスを見る。

「ハッ・・・・いいさ、相手してやるよ。元々このゲームは思い上がったコミュニティに身の程を知らせてやる為のもの。二度と逆らう気が無くなるぐらい徹底的に・・・・徹底的に潰してやる」

おぉ、器が小っちゃい野郎だな。

「我々のコミュニティを踏みにじった数々の無礼。最早言葉は不要でしょう。“ノーネーム”と“ペルセウス”。ギフトゲームによって決着をつけさせていただきます」

 

 

 

『ギフトゲーム名:“FAIRYTAIL in PERSEUS”

 ・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜

          久遠 飛鳥

          春日部 耀

          月三波・クルーエ・修也

 ・“ノーネーム”ゲームマスター ジン=ラッセル

 ・“ペルセウス”ゲームマスター ルイオス=ペルセウス

 

 ・クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打倒

 ・敗北条件  プレイヤー側ゲームマスターの降伏・失格

        プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合

 ・舞台詳細 ルール

  *ホスト側ゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない

  *ホスト側の参加者は最奥に入ってはならない

  *プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはいけない

  *失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行できる

  宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、“ノーネーム”はギフトゲームに参加します。

                               “ペルセウス”印』

現れた契約書類を読むと視界が代わり白亜の宮殿の門の前に居た。

これが、“ペルセウス”が所有するゲーム盤か。

「姿を見られたらルイオスに挑めない。

まさしくペルセウスの暗殺だな」

「話通りならルイオスは宮殿の最奥で昼寝中だな。最もそこまで甘くないだろうが」

取りあえず必要なことはジンを連中に見つけられないようにしないとな。

「YES。そのルイオスは最奥で待ち構えているはず。それにまずは宮殿の攻略が先でございます。伝説のペルセウスと違い、黒ウサギ達はハデスのギフトを持っておりません、不可視のギフトを持たない黒ウサギ達にはかなり綿密な作戦が必要でございます」

「となると必要な役割は3つだな」

「ジン君と一緒にルイオスを倒す役割、見えない敵を感知して倒す役割、そして、失格覚悟で囮と露払いをする役割だね」

「春日部は鼻が利く。耳も目もいい。修也も五感が優れているから不可視の敵は任せる」

「黒ウサギは審判としてしかゲームに参加する事が出来ません

ですから、ルイオスさんを倒す役割は十六夜さんにお願いします」

「なら、私は囮と露払いかしら?」

飛鳥が不満そうに文句を言う。

だが、十六夜から聞いた話によると飛鳥のギフトはルイオスにはあまり効果が無かったらしい。

なら、ルイオスと闘うより兵士相手に闘う方がいい。

「悪いな、お嬢様。譲ってやりたいが勝負は勝たなきゃ意味が無い。あの野郎を倒すのは俺が適任だ」

「ふん、いいわ。今回は譲ってあげる。ただし、負けたら承知しないわよ。」

飛鳥の言葉に十六夜は任せろと言う。

「皆様に一つご注意があります」

黒ウサギが神妙な面持ちで話しかけてくる。

「何?あの外道、結構強いの?」

「いえ、ルイオスさん自身そこまで強くありませんが、問題は彼が所持するギフトです。

黒ウサギの推測が正しければ彼のギフトは」

「「隷属させた元魔王」」

「そう、元魔王の・・・・え?」

俺と十六夜の補足に黒ウサギは目をパチクリさせながら見てくる。

「神話通りならゴーゴンの首は戦神アテネに献上されたはずだ。」

「でも、奴らは石化のギフトを使ってくる。」

「すなわち箱庭に招かれたのは星座としてのペルセウス。ならさしずめ奴のギフトは」

「「アルゴルの悪魔」」

俺達の話が分からなかったらしく耀と飛鳥は顔を見合わせている。

黒ウサギは驚愕して固まっている。

「・・・・・まさか、箱庭の星々の秘密に・・・・・?」

「まぁな、星を見上げっときに推測して、ルイオスを見た時にほぼ確信した」

「俺のは十六夜からルイオスの話を聞いて、推理したに過ぎない」

あっけらかんと答える俺と十六夜に黒ウサギは含み笑いで聞いてくる。

「もしかして、御ニ人は意外と知能派でございますか?」

「何を今さら、俺は根っからの知能派だぜ。黒ウサギの部屋もドアノブを回さずに扉を開けたしな。」

なるほど、だがら扉が壊れてたのか。

「いえ、そもそもドアノブは付いていませんでしたから。扉だけです」

冷静にツッコミを入れる黒ウサギ。

十六夜はそれに気づき補足する。

「そうか。でも、ドアノブが付いていても、ドアノブを回さないで開けれるぜ」

「ほう、ちなみにどうやって?」

なんとなく答えが分かるがここは一つ聞くのがお約束だな。

「決まってんだろ」

ヤハハと笑いなが十六夜は宮殿の門の前に立つ。

「そんなもん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうやって開けるにきまってんだろッ!」

十六夜の蹴りが門に当たり、そのまま破壊する。

そして、開戦の狼煙をあげた。

 


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