【完結】熱血キンジと冷静アリア   作:ふぁもにか

75 / 147

 どうも、ふぁもにかです。おかげさまでついに9万UA突破! さらにお気に入り数800達成! 加えて感想も400件突破! もう凄いですね。相変わらず熱血キンジと冷静アリアがそれなりの人気を誇ってるようで作者としては嬉しい限りです! イェイ♪

 ま、それはさておき。今回はシリアスメインです。その分、おまけの荒ぶり具合がとんでもないことになってしまってますけどね。(。・ ω<)ゞ テヘッ



75.熱血キンジと任務成功の夜

 

 時は流れ、2週間後。キンジとアリアが紅鳴館でハウスキーパーとして働く最終日。キンジたち三人は地下の金庫にある十字架(ロザリオ)を取り戻すべく、十字架(ロザリオ)奪還作戦を本格始動させた。

 

 その際、ネックになるのが日頃ずっと地下に引きこもって研究に没頭しているヒッキーこと小夜鳴の存在なのだが、そこは話し合いの結果、アリアが地下の小夜鳴を地上の薔薇園へと連れ出しなるべく時間を稼ぐこととなった。俗にいう誘き出し(ルアー・アウト)である。

 

 そのため。遊戯室の穴から地下に忍び込んで十字架(ロザリオ)を手に入れる役目を担うことになったキンジは今現在、オープンフィンガーグローブに赤外線ゴーグル、ケブラー繊維のポーチ付きベストと装備を整えた上で金庫の天井で逆さ吊り状態となっている。もちろん、遊戯室と地下金庫の天井とを繋ぐ穴は元からあったものではなく、仕事の傍らキンジとアリアの二人でせっせと掘り進めてきた人為的な穴である。

 

 ちなみに。キンジがこうまで装備を整えてからドロボーに臨んでいるのは、偏に地下の金庫のセキュリティがやたら厳重だからだ。普通の鍵に加えて磁気カードキー、指紋キー、声紋キー、網膜キー、複雑に張り巡らされた赤外線の網、おまけに感圧床。まるで泥棒が盗みに入ることを前提に見据えたかのようなセキュリティの数々が待ち構えている以上、これだけ重装備になるのも宜なるかななのである。

 

『A7、C19、C7、D5、A16、B11――』

 

 コウモリのごとく逆さ吊りの状態と化したキンジはインカム越しの理子の指示を元に、ポーチから取り出した針金のパーツを次々と繋ぎ合わせていく。キンジの丁寧かつ迅速な作業より、次々と繋がっていく針金の先端は赤外線の網を避けて徐々に十字架へと近づいていく。余談だが、この場にいない理子がなぜキンジに的確な指示を送れるのかというと、キンジのインカムに取りつけられた小型のデジタルビデオカメラを通してキンジと理子とが視界を共有しているからだ。

 

『B8、E1、A3、F6、E6、C15、A12――』

(これはヒステリアモードになるまでもなさそうだな)

 

 キンジは理子の指示通りにパーツを繋げる一方で余裕の笑みを浮かべる。これならユッキーの身動きを封じた鎖のドラム錠のピッキングの方がまだ難しかった(※51話参照)などと過去に思いを馳せつつ、着々と作業をこなしていく。

 

(にしても……)

『ところで、神崎さん。……はたして男女間に友情は成立するのか。これ、私が今研究しているテーマの一つでね。私は成立すると考えてるのだけど……貴女の意見を聞かせてくれないかしら?』

『そう、ですね。……一括りに友情というからややこしくなるのではないですか、小夜鳴先生?』

『というと?』

『ほら、友情にも色々種類があるじゃないですか。例えば、腐れ縁だとか幼なじみだとか。それらの総称である友情を男女の関係に当てはめようとするから答えが見えづらくなるのではないでしょうか?』

『……えぇーと。要するに、男女間の友情を検証する前にまずは友情そのものをあらゆるパターンごとに定義し直し、その個々のケースが男女の間で生まれるかどうかを検証した方がいいってこと?』

『はい。そういうことです。漠然とした定義からは漠然とした答えしか生まれませんから』

『なるほどねぇ。そのような考えはなかったわ。ありがとう、神崎さん。参考になったわ』

『役に立ったようで何よりです』

『神崎さん、せっかくだしもっと貴女の考えを聞かせてもらえないかしら? 貴女がどのような思想を持っているか、純粋に興味が出て来たわ』

『私で良ければ喜んで』

(さっきから何話してんだよ、あの二人。アリアも自分が時間稼いでるってこと忘れてるっぽいし……)

 

 『男女間の友情は成立するか否か』や『一夫多妻制もしくは一妻多夫制の是非』などといった話題でアリアと小夜鳴との間で徐々に議論が白熱する中。キンジは薔薇園で話す内容にしてはあまりにムードの欠片もない会話に内心でため息を吐く。それだけキンジのインカムに届く二人の声は楽しげだった。まるで厨二病を患った同類を見つけた某銀氷の魔女(ダイヤモンドダスト・ウィッチ)のようだ。

 

 その後。キンジは速やかに十字架(ロザリオ)を入手し、代わりに偽物を置いて針金をもれなく全て回収する。そして。最後まで一切の無駄のない動作で地下金庫から姿を消す。かくして。十字架(ロザリオ)奪還作戦はなんの危なげもなく成功に終わるのだった。

 

 

 

 

 ちなみに。アリアと小夜鳴との語らいは3時間にも渡ったとか。

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 無事に十字架(ロザリオ)奪還作戦を成功させ、戦利品を手に入れたキンジとアリアは小夜鳴に別れの挨拶を残した後、紅鳴館を後にした。それから二人は所用による寄り道をしてから横浜ランドマークタワーの屋上へと向かう。理由は単純明快、理子と合流するためだ。

 

 理子曰く、どこで誰が見ているかわからないから人気のない場所で戦利品を受け取りたい、だそうだ。理子が既に人払いを済ませている横浜ランドマークタワー内の、関係者以外立入禁止とされる屋上。加えて今は夜。確かにここでこの時間帯なら周囲の目に気を使う必要はなさそうだ。

 

「ほら、お望みのものだよ」

「わぁぁあああ!! 本物だぁー!」

 

 そして、高度296メートルに位置する横浜ランドマークタワーの屋上にて。キンジから十字架(ロザリオ)を受け取った理子はパァァと花が咲いたような笑顔を浮かべた。よほど十字架(ロザリオ)を取り戻せたのが嬉しいのか、十字架(ロザリオ)を両手で優しく包みこんだ状態でクルクル回ったりぴょんぴょんジャンプしたりしている。その姿は無邪気にはしゃぐ小学生のようで、見ていて非常に微笑ましい。

 

「あッ、ありがと! ホントにありがとう! 二人はボクの恩人だよッ!」

「どういたしまして。……で、理子。お前の要望は叶えたんだ。今度はお前が俺たちの要望を叶える番だ。約束通り、かなえさんの冤罪の証明と兄さんの情報提供をしてもらうぞ」

 

 と、理子がキンジとアリアの方へと体を向けたかと思うとペコリと頭を下げて感謝の言葉を告げる。それから再び奇声とともに狂喜乱舞する理子を前にキンジは水を差す。今の理子が落ち着くのを待っていたらまず間違いなく朝になってしまうと考えたからだ。

 

(それに、いい加減理子の持ってる兄さんの情報を知りたいしな)

 

 理子のことを全面的に信じるならば、兄さんは今もどこかで生きているのだろう。でも、例えそうだとしても兄さんが今どんな状況下に置かれているのかまでは定かではない。本当に無事なのかは明らかになっていない。あまり考えたくないが、何らかの理由で監禁されている可能性や五体満足でなくなっている可能性だってあるかもしれないのだ。ゆえに、安心はできない。

 

「う!? う、うん、わかってる。……でも、その前に――もう一つだけ、頼みがあるんだ」

「……まだあるんですか、峰さん?」

「ひぅ!? ご、ごごごごめんなさい! ちょっと調子乗ってました! だ、だから、その……あんまり睨まないでくれると嬉しいかなぁ、なんて。あははー」

 

 キンジの言葉で幸せの絶頂の最中から現実に返ってきた理子は少々押しの強い姿勢でさらに自身の要望を叶えてもらおうとする。しかし。アリアから不機嫌な口調と鋭い眼差しを向けられたことで即座に弱気&涙目になる。視線をしきりに動かしながらしどろもどろの言葉を紡ぐ。相変わらずの理子クオリティである。だけど、これじゃあ話が進まない。キンジはひとまずまるで蛇に睨まれたカエル状態の理子の救出に向かうことにした。

 

「アリア、落ち着け。話が進まなくなる」

「……むぅ」

「で、でも! これは5分もあれば済む頼みだから。ついでだと思ってよ。2週間も付き合ってくれたんだから、5分なんてすぐでしょ? ……えっと、ダメかな?」

「ハァ、仕方ないな。話してみろよ」

「……遠山くん、オリュメスさん。も、もう一度、ボクと戦ってほしい。あの時、ANA600便で戦った時のように。……命がけで」

「は?」

「え?」

 

 5分で済むと言ったからにはホントにすぐに終わる頼みなのだろう。キンジは目でアリアに許可を取ってから理子のもう一つの頼みを聞くことにして、その内容に二人して絶句した。まさか理子の口から再戦希望の言葉が飛び出るとは思わなかったがゆえの反応だ。

 

「何言ってんだ、理子。模擬戦ならともかく、命がけの戦いなんてそんなのやるわけ――」

「引き受けなかったら……ここ、爆破するよ?」

 

 再戦を望まないキンジの言葉を遮って脅しの言葉を放った理子は改造制服の胸ポケットに手を入れる。刹那。屋上がズズンと左右に揺れ、真下から窓ガラスの破砕音と爆音とが響き渡った。

 

「「ッ!?」」

 

 地震のように揺れた床の影響でバランスを崩したキンジとアリアはたたらを踏む。しかしこの時、すでに二人は状況を把握していた。研ぎ澄まされた聴覚から、下の階に仕掛けられていた爆発物が爆発したのだとすでに当たりをつけていた。そして。この爆発が自然的に発生したものとは考えられないことから、今の爆発が理子によるものだと理解していた。

 

「理子、お前……」

「ボクはこのタワー全体に罠を仕掛けてる。屋上のリモコン式の地雷もその一つ。……全部爆破させたらこのビルなんてすぐに倒壊すると思うよ? そうなったら遠山くんもオリュメスさんもタダじゃ済まないよね。それに、こんな超高層ビルが崩壊なんてしたら周辺住民にも被害が出るかもしれない。……もう一回だけ言うよ、遠山くん、オリュメスさん。ボクともう一度戦ってほしい」

「何が、頼みですか。私たちに拒否権なんてないじゃないですか……!」

 

 アリアは理子を睨みつけてギリリと歯噛みする。無関係の一般人をも巻き込もうとする理子のやり方に憤りを感じているようだ。対する理子は今度は怯えることなく悠然とたたずんでいた。その瞳からはいつの間にか光が消え去っている。それはあの時、ANA600便を墜落させると宣言した時と同様の瞳だった。

 

 そう。アリアの言う通り、理子の提案に拒否権なんてない。ここで理子の要望を突っぱねれば、理子は躊躇なく横浜ランドマークタワーを爆破するだろう。おそらくANA600便から逃げた時のように上空からの逃走手段を持っているであろう理子が、爆破をためらう理由はない。

 

 

 ――けど、わからない。何がそこまで理子を駆り立てる? ビビりの中でもトップクラスのビビりで、不意の銃声一つで気絶することすらある理子を、何が俺たちとの戦闘へと動かしている?

 

 

「……なぁ、理子」

 

 キンジは己の脳裏に漂う疑問の霧を解消しようと、いつもと何ら変わらない調子で理子の名を呼ぶ。すると。キンジとアリアを冷徹に見つめていた理子の瞳にフッとハイライトが蘇った。

 

「な、何かな、遠山くん?」

「戦う前に一つ聞かせてくれ。なんで理子は俺とアリアに勝つことにそんなにこだわるんだ? 正直言って、理子がそこまでする動機が俺には理解できない」

「そんなの、ひいお爺ちゃんを超えるため――」

「そう、それだよ。それがずっと気になってたんだけど、なんでお前はそんなに初代を超えたがる? 別に超えなくていいじゃねえか。初代は初代で、理子は理子だ。リュパンの血を引いてるからって初代を超えなきゃいけない理屈なんてないはずだ。違うか?」

「……」

 

 キンジの問いかけに理子は沈黙し、右手を口元に当てて考え込む。その様子は痛い所をつかれて言葉を失ったというよりは、上手く理由を表現するための言葉の組み立て方を探している風だった。そして、十数秒後。思案を終えた理子はキンジの疑問に答えるためにその口を開いた。

 

「……そうだね。ええと、ノルマだからだよ」

「ノルマ?」

「そう。オリュメスさんとそのパートナーの遠山くんを倒すことが、ボクにとってのノルマで、飛び越えるべきハードルで、乗り越えるべき壁だからだよ。ボクがボクであるためにクリアしないといけない条件が、君たちを倒してひいお爺ちゃんよりも実力があるって証明することなんだよ。二人を倒せなれば、ボクに明日はない。……もう時間がないんだ。いつあいつの気が変わるかわからない。手の平返しはあいつの常套手段だ。だから、今日こそボクは君たちを超える。超えてみせる!」

「あいつって、誰ですか?」

「……」

「……ブラドか?」

「ッ!」

 

 理子が怯えの含んだ声色で放った『あいつ』という言葉。アリアが疑問を正直に理子にぶつける中、キンジがふと脳裏に浮かんだ名前を投げかけてみるとビクリと理子の肩が跳ねた。どうやらキンジの予想通り、『あいつ』とはブラドのことでファイナルアンサーのようだ。

 

(図星みたいだな。……なるほど。要するに、理子はブラドの奴に俺たちと戦うことを強制されてるってわけか)

「峰さん、私からも一つ聞きますが……貴女は私たち相手に本気で勝てると思ってるんですか? 前の敗北を忘れたわけじゃないですよね?」

「……そんなの、言われなくてもわかってるよ。けど、勝てる勝てないじゃない。二人に勝つのはボクの義務だ。……前に戦った時は、正直言って二人を舐めてた。見下してた。イ・ウーという裏の世界に生きるボクと、表の世界で武偵をやってる二人。踏んできた場数も、身に宿した覚悟も、全然違うって思ってた。表の世界でのうのうと生きてきた二人にボクが負けるわけがないって高を括ってた。でも、違った。二人の実力は、覚悟は本物だった。あの時の敗北は、そのことをまざまざと思い知らされたよ。もう、ホントね。――でも。今回は違う。ボクは決して驕らないし、無傷で勝てるとも思わない。二人に勝てるなら、目でも耳でも腕でも脚でもどれを失っても構わない。全部失ったっていい。二人に勝ってボクが生き残るって未来があれば、それでいい。後は何もいらない」

 

 理子は憂いを多分に含んだ瞳で自身の心情を語ると、ゆっくりと目を瞑る。そして、敵意に満ちた瞳を開眼すると「……勝って、自由になるんだ。今度こそ――人間になってみせる」と静かな口調で宣言する。例え五体不満足になっても厭わずに、ただただ勝ちを求める。それほどの覚悟を身に宿した理子に、キンジとアリアは思わず得も知れない恐怖心を抱いた。

 

「本気で来てね、二人とも」

 

 理子は十字架(ロザリオ)を首につけていた細いチェーンにつけると、一歩一歩キンジ&アリアに近づいていく。両手に銃を持ち、どこまでも黒い夜空をバックに、理子は少しずつキンジ&アリアとの距離を詰めていく。

 

 張り詰めた雰囲気の中。ゆっくりと歩いてくる理子の凝視しつつ、キンジは銃とバタフライナイフを、アリアは白黒ガバメントを構えて臨戦態勢を取る。数秒後には訪れるであろう戦闘に備えて、いつ攻撃を仕掛けられてもいいようにわずかながら体勢を低くする。

 

 

 ――しかし。二人の予想に反して、理子との衝突は発生しなかった。

 

 

「ぁうッ!?」

 

 突如、理子がビクンと体を震わせたかと思うと床に倒れ伏す。倒れた理子につい困惑の眼差しを向けるキンジとアリアだったが、理子のいる方向からの人の気配に気づいて、顔を上げる。そして。いつの間にやら理子の背後に立っていた人物を視線に捉えた二人は目を見開いた。

 

「なッ……!?」

 

 二人の視線の先にいたのは、大型スタンガンという、何とも似つかわしくない道具を持った長身痩躯の男性。この場にいるはずのないまさかの人物の姿にキンジとアリアは驚愕の声を上げた。

 

「「小夜鳴先生!?」」

 

 二人の声は、曇天の夜空に消えていった。

 




キンジ→通常モードの段階で原作ヒスったキンジ並みのスピードで十字架を回収できるだけの実力を持っている熱血キャラ。相変わらずの魔改造っぷりである。
アリア→小夜鳴先生と幼なじみ論議を繰り広げたメインヒロイン。この一件でそれなりに小夜鳴先生に好印象を抱いてたりする。
理子→久しぶりに裏理子になったビビり少女。相変わらず裏理子モードの時間は非常に短い。
小夜鳴先生→女子高生と幼なじみ論議を繰り広げた臨時教師。あのタイミングで登場したのは陰でスタンバッてた結果。

 というわけで、75話終了です。原作3巻の紅鳴館エピソードをバッサリカットしたので紅鳴館編は3話も使うまでもなく終了しました。いやぁー、切ろうと思えばこうもバッサリ切れるものなんですね。ちょっと意外でしたよ。


 ~おまけ(その1 ネタ:もしも小夜鳴先生があの人と知り合いだったら)~

 薔薇園にて。

小夜鳴「にしても、意外だわ。神崎さんがここの薔薇園を一緒に見たい、なんて言うとは思わなかったもの。ロマンチストだったのね」
アリア「そうでしょうか? まぁ、そうですね……ここの薔薇はそこらの植物園より遥かに綺麗ですから、思い出を作っておきたくなりまして」
小夜鳴「ふふッ、褒めても何も出ないわよ。……ねぇ神崎さん。思い出を作りたいのなら、他にも見てみる? とっておきのものがあるのだけど」
アリア「え、いいんですか?(これは時間を稼ぐチャンスですね)」
小夜鳴「ええ、もちろん。ついてきて、神崎さん」

 二人移動中。そして、小夜鳴の案内の元。目的地にたどり着いたアリアは絶句していた。

「ピチピチ」「ピチピチピチ」「ピチ」「ピチピチピチピチ」「ピチピチ」「ォオオッギャヴァヴァヴァヴァ!!」「ピチピチピチ」「ピチピチ」「ピチ」「ピチピチ」「ピチピチピチピチ」「ピチピチ」「ピチピチピチ」「ピチピチピチピチ」「ピチピチピチ」「ピチ」「ピチピチピチ」「ォオオッギャヴァヴヴァ!!」「ピチピチピチ」「ピチピチ」「ピチピチピチ」「ピチ」「ピチ」「ピチピチピチ」「ピチピチピチピチ」「ピチピチ」「オオギャアアウアゥアアアア!!」「ピチピチ」「ピチピチ」「ピチピチ」「ピチピチ」「ピチ」「ピチ」「ピチピチピチピチ」「ピチピチピチ」「ピチ」「ピチピチ」「ピチピチ」「ピチピチピチ」「ピチピチピチ」「ピチ」「ピチピチ」「ピチピチ」「ピチピチ」「ォオオッギャヴァヴァヴァヴァ!!」「ピチピチピチ」

アリア(何か、気持ち悪いのが小刻みにぬるぬる動いてるんですけど……下半分が植物で上半分が魚なのが辺り一面に埋め尽くされてるんですけど……)
小夜鳴「ほら、凄いでしょ?」
アリア「――え、ええ。凄いですね、確かに。そ、それでこれは一体……(←若干上ずった声で)」
小夜鳴「これは金魚草って言うの。知り合いの鬼灯様から譲り受けたから物は試しにと育ててみたんだけど……もうこれが可愛くて可愛くて。神崎さんもそう思うでしょ?(←満面の笑み)」
アリア「は、はい(わ、私には小夜鳴先生の趣味が理解できそうにありません……)」

 ま、鬼灯さんもブラドも鬼ですし、関わりがあっても不思議じゃないかと(←テキトー)


 ~おまけ(その2 ネタ:例のあのシーンを熱血キンジと冷静アリア風に再現してみた)~
 【出演者:キンジ(レオポン役)、アリア(雷に怯える女の子役)、ジャンヌ(雷役)】

 遊戯室にて。

ジャンヌ「フゥーハハハッハハハハハハハハハハハ!! 我は雷! 『雷鳴の破滅者(サンダー・デストロイヤー)35世』! この世を恐怖と絶望に染め上げるために降臨した存在だ! フハハハハハハハッ! さぁ人間ども! 震えろ! 喚け! 泣き叫べ! その全てが、我の原動力となるのだからなァ!(ズドドドドドドドォォオオオオン! ←雷が連続して落ちまくった音)」
アリア「……ぁ…うぁ……(←あまりの恐怖に声すら出ない様子)」
キンジ(鼻声)「――おっすアリア。おいらレオポンくん2nd Edition ver2.61。こう見えて地上最強の猛獣だぞ。ギネスブックにも載ってるんだぞ。公式に認定されてるんだぞ。おーアリア、お前なんか怯えた顔してんなー。なにが怖えのさ、おいらに相談してみな」
アリア「……か、雷……」
キンジ(鼻声)「はっ! 任せな。そんなもん、おいらがレオポン108のスキルのうちの1つ、『吠え声の術』で追い払ってやるぜ! うおー! うおー!」
アリア「お、追い払ってくれてるのですか?」
キンジ(鼻声)「ああ。おいらの吠え声は、邪悪な雷雲を遠ざけるんだ! うおー!」
ジャンヌ「ハン! さっきから耳障りなBGMが聞こえてくるかと思えば……たかが地上最強の猛獣ごときが吠えた程度で我を、自然の猛威を追い払おうとするとは――笑止! 笑わせてくれるじゃないか! クッハハハッハハハハハハハハ!!」
アリア「……き、効いてないみたいですよ。レオポン(←弱々しい声で)」
キンジ(鼻声)「はっ! 今回の雷は中々強力みたいだな。おもしれぇ。だったらおいらの奥の手で追い払ってやるぜ! アリア。おいらが合図するまでちゃんと耳塞いでろよな」
アリア「……は、はい。わかりました」
キンジ(鼻声)「いっくぜー。……ビャアアアアアアアウヴァイイイイイイイイイ――――ッ!」
ジャンヌ「グハッ!? こ、この吠え声、まさか、『ワラキアの魔笛』!? ヴァカな、なぜ貴様がその技を!?」
キンジ(鼻声)「ヴィアアアアアアアアアアアアァァァァアアアアアアアアア――――!!」
ジャンヌ「ぐぁぁぁああああああああ!? み、耳がァ! や、止め、止めろぉぉぉおおおおおおおおおお!! ……っ。貴様、覚えていろ! これで終わったと思うなよ、レオポン2nd Edition ver2.61!(←雷退散)」
アリア「……た、確かに遠ざかってます! 凄いです、レオポン!」
キンジ(鼻声)「ま、おいらにかかればザッとこんなもんさ」
アリア「ありがとうございます! ありがとうございます、レオポン! 貴方は私の救世主です!」

 ワラキアの魔笛のことをキンジが事前に知ってる&使える件についてはスルーしてください。
 ま、これネタだもんね。ネタだから多少の矛盾は仕方ないね!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。