【完結】熱血キンジと冷静アリア   作:ふぁもにか

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ジャンヌ「演出ご苦労ォ!(←ただし自演である)」

 どうも、ふぁもにかです。何だか思ったよりジャンヌ戦が早く終わるかもしれません。具体的には今回含めてあと2話でジャンヌ戦が終了の時を迎えることになるかもです。まぁ、ふぁもにかの予測は概して外れると相場が決まってますので、あんまり期待しないで参考程度に思っておいてくださいませ。あと、今回はジャンヌちゃんがいつになくはっちゃけます。




52.熱血キンジと厨二病

 

 地下倉庫の地下6階にて。大型コンピュータが衝立のように立ち並ぶ地下6階を三人は慎重に進んでいく。先行はアリア、殿はキンジ、その間に白雪といった具合だ。

 

 キンジたちがどこに潜んでいるかわからない魔剣を警戒しつつしばらく閉塞感漂う地下6階を探索していると、開けた空間――エレベーターホール――にたどり着いた。と、その時。ふとキンジの背後からカッという足音が響く。その音はよく耳を澄ましていなければ聞こえないほどに小さいものだったが、キンジの耳はその音を逃さなかった。

 

「そこか!?」

 

 いち早くキンジが振り向きざまに拳銃を向けるも、視線の先には誰もいない。しかし、わずかながら何者かの気配が依然として感じられるため、キンジたち三人は視線を固定したまま警戒心を最大限にまで上げていく。と、そこで。単調な足音とともにスッと物陰から見知った顔が現れた。それは緑髪に琥珀色の瞳、そして背中に背負ったドラグノフが特徴的な小柄な少女だった。

 

「ここにいましたか、キンジさん。探しましたよ」

「――って、レキ!? どうしてここに!?」

「話は全て武藤さんから聞きました。私とキンジさんは切磋琢磨を通して互いの実力を高め合う永遠のライバルです。だからこうしてキンジさんの助太刀に来たというわけです」

「いや、動機を聞いたわけじゃないんだけど――」

「怪我はありませんか?」

「あ、あぁ。見ての通り、全く問題ない」

「そうですか」

 

 キンジが拳銃を下ろす中、レキは相変わらずのスルースキルと無表情で言葉を続けてくる。その殺気の感じない佇まいから、今のレキにキンジへの攻撃の意思はないようだ。状況が状況なだけに、キンジはきちんと空気を読んでくれたレキを前に内心でホッと安堵の息を漏らす。だが。その一方で、キンジはレキの発言にはっきりと違和感を感じていた。

 

「レキさんも来てくれたんですね。心強いです。それにしても、どうしてここがわかったのですか?」

「星加さんの捜索中、第9排水溝の周辺の海水の流れに少しだけ違和感を感じました。誤差の範囲内だとも考えたのですが、念のためにと第9排水溝と繋がっている地下倉庫(ここ)を捜索していた所、キンジさんたちと遭遇したというわけです」

「……なるほどな」

「さすがはレキさんですね。そんなわずかな異変からここに辿りつけるなんて――ん? キンジ?」

 

 キンジはレキの元へと歩み寄ろうとするアリアの肩をさりげなく掴んでその場にとどまらせると、一歩前に出る。まるでレキからアリアと白雪の二人を守るかのように。キンジの行動の意図がわからず、アリアと白雪はコテンと首を傾げてキンジを見上げる。

 

「なぁ、レキ。話は180度変わるが……お前、最近の少年誌全般についてどう思う?」

「本当に180度変わりましたね」

「ま、いいから答えてくれ」

「そうですね……一言で言うなら、物足りないですね。作画技術が日々上達しているのはありがたいのですが、もう少し話のクオリティの向上にも努めてほしいものです。もちろん、らんらん先生原作、平賀あやや先生作画の『オラクルフォース』は別ですが。あれは文句の付け所がないくらいに面白いですしね」

 

 レキは一回間を置いてから、何ら表情を変えることなく淡々と少年誌に対する自分の気持ちを告白する。そのレキの言動でキンジは確信した。

 

「ところで、キンジさん。どうして今その質問をしたのですか?」

「あぁいや、確認のためだよ。お前が魔剣かどうかのな!」

「ッ!?」

 

 キンジはレキへの返事を言い終える前に銃口をレキに向けて容赦なく引き金を引いた。レキはキンジの銃弾を難なく避けるも、その顔には驚愕の念がありありと伺える。常にポーカーフェイスで表情筋が死んでいる疑惑が湧いているレキが見せるはずのない類いの表情だ。加えて。レキの浮かべた表情は決して味方にいきなり発砲されたことに驚いたものではなく、「なぜバレた?」とでも言いたげな表情だった。

 

 そんなレキの表情を見て、アリアもガバメントに手を掛ける。キンジと同様にアリアも悟ったのだろう。目の前の人物がレキではなく魔剣だと。尤も、レキと接触したことのない白雪は状況が全く理解できず、ただただ頭の中にクエスチョンマークを量産するだけだったが。

 

「……後学のためだ、一応聞いておこう。なぜわかった?」

「なぜわかったもなにも、ただお前が変装する相手を間違えただけの話だ。レキが俺に加勢する時は大抵俺の方から協力を申し出た時だけだからな。レキが俺への助力目的で自ら進んでここに来たって時点でまずおかしいんだよ」

 

 腕を組みつつレキの声で尋ねてくる魔剣に向けてキンジは毅然と言い放つ。

 そう。レキは俺から助けを求めない限り、決して自ら手を貸そうとしない。それはレキが俺を永遠のライバル認定しているために、俺の成長の機会をなるべく奪わない方針でいるからだ。だから、レキは俺から協力を申し出ない限り、俺の戦いに乱入するような真似はしない。俺に絶体絶命の危機が訪れていない状況で助太刀に来るような真似はしない。レキとはそういう人間だ。

 

「……」

「それに。大方、お前は事前に狙撃科(スナイプ)Sランク武偵のレキは常に無表情だ、なんて思ってたんだろうが……あいつは少年誌の話になると少しだけ、ほんの少しだけ表情を変えるんだよ。それこそ、ある程度レキと親交のある奴にしかわからないレベルの変化だけどな。さらに言うなら、レキは絶対に少年誌を批判しない。何せ、少年誌はレキにとっての心のバイブルらしいからな。――と、これだけ本物のレキと差異があったんだ。偽物だってわかって当然だ」

 

 キンジは魔剣に追い打ちをかけるようにして言葉を紡ぐ。安値で買える上に毎週内容が更新される心のバイブルというのは酷く不自然な気がしてならないが、その辺は気にしたら負けである。

 

「……クククッ。そうか。なるほど、そういう理由か。それは我ながらうかつだった」

 

 キンジの言葉を静聴していた魔剣は満足したように笑うと、レキの顔をこれでもかと凶悪なものへと変える。続いて、魔剣は背負っていたドラグノフを無造作に投げ捨てると、発煙筒を使って自身を包みこむようにして煙を生み出した。とはいえ、未だ魔剣の気配がその場から動いていないため、キンジとアリアは無言のまま視線を煙の方へと注ぎ続ける。

 

 そして。煙に反応したスプリンクラーが周囲に水をまき始める中、徐々に白い煙が晴れるとともにレキの変装を止めて武偵高の制服を取っ払った魔剣の姿が顕わになった。

 

 まず目を引いたのは、この世のものとは思えないほどに綺麗な銀髪。元々なのか染めたのかは定かではないが、銀色の前髪の内の一房だけが黒に染まっている。次は切れ長の瞳。右が赤眼、左が碧眼のオッドアイとなっている。そして、部分的に体を覆う奇抜な西洋の甲冑。それらの目立った特徴を兼ね備えた魔剣からは気品や知的さが感じられる。兄さんには遠く及ばないものの、美少女の域にいるのは確実だろう。兄さんには遠く及ばないけど。

 

(……というか、何かライトノベルで出てきそうなキャラの要素を手当たり次第に詰め込んだような出で立ちだな、こいつ)

「貴女が魔剣なのですか?」

「いかにも。それは我につけられた二つ名のうちの一つ。我の悪名がしかと世間に轟いているという証だ。尤も、この呼ばれ方はあまり好きではないのだがな」

 

 キンジが脳裏に以前武藤が貸してくれたライトノベルの数々を浮かべる中、アリアの問いに魔剣は腕を組んでうんうんと鷹揚に頷いてみせる。魔剣そのものの声らしい中性的な声は中々に魔剣の偉そうな態度に似合っている。

 

「ククッ、折角だ。特別に貴様らに教えてやろう。我が名はジャンヌ・ダルク30世。かつて100年戦争を制し、フランスを勝利へと導いた初代ジャンヌ・ダルクの子孫だ」

「「えッ!?」」

「……ウソですね。ジャンヌ・ダルクは10代の時に火あぶりにされて焼き殺されました。現代に子孫がいるわけありません」

「クククッ。決めつけはよくないぞ、神崎・H・アリア。常識や偏見を当てにした判断などしているようではホームズの名が泣くぞ?」

「話を逸らさないでください。ジャンヌ・ダルクは子孫を残す前に殺されました。よって、貴女がジャンヌ・ダルクの血を継ぐ人間のはずがありません」

「残念、あれは影武者だ。我らは元々策の一族だからな。火あぶりの一件はあくまで聖女として少々表の世界に出過ぎた初代ジャンヌ・ダルクが本来の魔女としての居場所に帰るための粋な演出、あるいは儀式に過ぎないのだよ。ゆえに、我が始祖は派手に火刑をでっち上げたのだ。闇に生まれて闇に死ぬことこそが我らに課せられた使命だからな」

「「「……」」」

 

 魔剣――ジャンヌ・ダルク30世――が平然と口にした歴史の真実にキンジたち三人は沈黙する。ジャンヌの言葉には何一つ証拠などない。だが、ウソだと決めつけるにはあまりに堂々としたジャンヌの物言いに、三人は今の衝撃発言が真実だと認めざるを得なかったのだ。

 

「だが。30代目ジャンヌ・ダルクは所詮世間を偽る仮の名でしかない。便宜上の問題で両親から授かった歴史上の偉人の名前を仕方なく採用しているだけだ」

「ん? そうなのか?」

「あぁ。覚えておけ、我の真名は銀氷の魔女(ダイヤモンドダスト・ウィッチ)! いずれ世界を混沌へと沈め、裏から全てを支配する者の名だ! どうだッ!? カッコいいだろう!? あまりの神々しさに思わず跪きたくなるような真名だろう!?」

「「「……」」」

 

 愉悦に満ちた表情で胸を張ったジャンヌがババーンと放った言葉にキンジたち三人はまたも沈黙する。しかし、今回の沈黙は先に発生したものとは明らかに毛色が違った。言うなれば、あまりに痛々しくてとても見てられない可哀想な人を目の当たりにした際の「うわー、こいつどうするよ?」とでも言いたげな沈黙だ。

 

「どうした? 我の真名に畏怖して声も出せないのか? クックックッ、まぁ仕方あるまい。所詮武偵などその程度の矮小な存在なのだ。あぁ、己の無力を卑下する必要はないぞ? 何せ、我の放つ覇気をその身に浴びておいてなお意識を保っていられるだけで大したものなのだからなァ! クッハハハハハハッ!」

 

 キンジたちが呆れを通り越した境地に達していることなどいざ知らず、ひとしきり肩を上下に震わせて哄笑したジャンヌはスッと背後から洋風の大剣(クレイモア)を取り出す。その際、幅広の剣の鍔に飾られた青い宝石がキラリと光を放つ。

 

「――改変せよ、凍てゆく世界(フリージング☆ワールド)!」

「「「ッ!?」」」

 

 ジャンヌが武器を手に取ったことで戦闘体勢を取るキンジとアリア(※白雪は自然体のままである)をよそに、ジャンヌは剣を勢いよく床に突き刺す。刹那、地下倉庫は一瞬にして白銀の世界と化した。床も、壁も、所狭しと並べられたコンピュータも、天井も、その全てに氷が張りつき、地下倉庫は氷に支配された氷穴へと様変わりする。

 

(魔剣の奴、こんな強力な超能力(ステルス)使えるのかよ!?)

「クククッ。やはり氷は素晴らしいな。あらゆるモノの時を止め、永遠へと誘う氷の力。あぁ、まさしく超能力(ステルス)の中の超能力(ステルス)だッ!」

 

 見渡す限り氷に覆われたどこか幻想的な世界にて。大規模な超能力(ステルス)を行使してみせたジャンヌにキンジが戦慄を覚える一方で、当のジャンヌは剣をあっさりと手放すと天を仰いで恍惚の声を上げる。どうやら今のジャンヌは完全に自分に酔っているようだ。敵が目の前にいる状況下でここまで酔えるのは自分への絶対の自信の表れといった所か。

 

「さーて。ここはもはや我の領域だ。我の氷は我に味方し、容赦なく貴様らの体力を奪う。この白銀の世界でどこまで貴様らが抗えるか……見ものだな。で、誰が相手だ? 遠山の血を継ぐ者か? ホームズの血を継ぐ者か? それとも星加の武装巫女か? 何なら全員でかかってくるか? 我はどのような形でも一向に構わんぞ?」

「……私が相手だよ。キンちゃんとアーちゃんにはひとまずオーディエンスになってもらう方針だからね」

 

 頭上を見上げて幸せいっぱいの表情を浮かべていたジャンヌは、コテンを首を傾ける形で視線をキンジたち三人に向けると不敵に笑う。ジャンヌの上から目線の挑発。それに応じることにした白雪はキンジ&アリアとアイコンタクトを取った後、ジャンヌの元へと数歩近づく。

 

「ほう、貴様か。まぁ、超能力者(ステルス)同士が戦うのは自然の流れか。無能力者と超能力者(ステルス)とははっきりいって格が違うからな」

「う~ん。私はそうは思わないけどなぁ。超能力(ステルス)なしでも異常に強い人なんていっぱいいるし、超能力(ステルス)持ってるくせにやけに弱い人だっているしね。ま、その話はいいや。これが私の超能力(ステルス)だよ。お披露目ターイム!」

 

 一度はジャンヌの発言に納得いかないと眉をひそめた白雪だったが、すぐに気持ちを切り替えると髪を留めていた白いリボンを解く。そして、リボンの体を為していた封じ布を取って能力を解放した白雪は懐から色金殺女(イロカネアヤメ)を取り出し、クッと刀に軽く力を込めて刀身に緋色の炎を宿す。

 

(ユッキーは炎の超能力(ステルス)なのか……)

「それにしても、なんで私って炎使いなんだろうね? 名前は一応白雪なんだし、貴女とおそろいの超能力(ステルス)の方がいいと思うんだよね、個人的に。別に戦う相手と超能力(ステルス)が被っちゃいけないルールなんてないんだし。ほら、ペアルックみたいにさ」

「ハッ、何を言うかと思えば……同じ超能力(ステルス)同士の戦いなどつまらないではないか。違う超能力(ステルス)を持った者同士が互いの相性を見極めつつ、己の力量を最大限に発揮できる策を用いて勝利を掴み取ろうとするからこそ、超能力(ステルス)同士の戦いは楽しいのだ」

「へぇー、そうなんだ」

「クククッ。そのようなこともわからないのか。まだまだ未熟だな、星伽ノ浜白雪奈」

 

 自身の手で生み出した炎を見つめて何とも緊張感に欠けることを口にする白雪にジャンヌは「わかってないな」と言いたげな視線を送る。明らかに白雪をバカにした視線だったが、当の白雪はジャンヌの視線に込められた嘲笑の意に全く気づいていないようだ。

 

「しかし、超能力(ステルス)を使っていいのか? 星伽の掟を破る……その意味を理解していない貴様ではないだろう?」

「うん。わかってる。でもさ、今この場には私と、キンちゃんと、アーちゃんと、貴女しかいないんだよね」

「? 何が言いたい?」

「それってさ、例えば……私が今から貴女に今回の戦いの記憶を忘れさせるほどのショックを与えられたら、それで万事OKなんじゃないかな? だって貴女は私との戦いが深いトラウマになったせいで、私が星伽の掟を破って貴女に勝利したことを思い出せなくなるんだから。キンちゃんとアーちゃんには後で絶対に誰にも言わないでって改めて頼めばいいわけだしね」

「……舐められたものだな。貴様は本気でそれができると思っているのか? この我を相手に?」

「うーん。それは実際にやってみないと何とも言えないんだけどね。でも、ルールは破ってこそだと思わない?」

「クククッ。とても巫女とは思えないアウトロー発言だな。しかし、確かに言えてるな」

 

 白雪はジャンヌにニコリと笑いかけ、膝を曲げてグッと足に力を込める。対するジャンヌはその場から動かずに白雪にニタァと凶悪な笑みを浮かべる。どうやらジャンヌは白雪の先制攻撃を受けて立つことにしたらしい。

 

「じゃあ、行くよ!」

「来い! 我が聖剣:デュナミス・ライド・アフェンボロス・テーゼリオス・クライダ・ヴォルテール(略してデュランダル)の錆にしてくれよう!」

 

 白雪は攻撃宣言とともに一息にジャンヌとの距離を詰めると迅速のスピードで両手に持った刀を振り下ろす。一方のジャンヌは片腕で持った聖剣デュランダルを頭上に構えて白雪の刀を受け止める。かくして。白雪とジャンヌとの超能力(ステルス)バトルの幕が切って落とされたのだった。

 




キンジ→レキに扮するジャンヌをあっさり見破った熱血キャラ。ジャンヌの厨二っぷりに一番引いていた張本人でもある。
アリア→今回はあんまり出番のない子。こればっかりは仕方ないね、うん。
白雪→自分の名前が白雪なのに炎の超能力を持っていることに矛盾を感じている怠惰巫女。現在、いつになくやる気ゲージが溜まっている。
ジャンヌ→何かとノリノリだった厨二病患者。前髪の黒髪部分は自発的に染めてたり、カラーコンタクトを使って右目を赤くしている。その理由は言わずもがなである。


ふぁもにか「今回、久々のレキさん本編登場回だと思いましたか? 残念! ジャンヌちゃんでしたァ!」
レキ「――遺言はそれだけですか?(←ドラグノフをグリグリと突きつけつつ)」
ふぁもにか「……な、なぜここにいるのですか、レキさん?(←冷や汗をダラダラと流しながら)」
レキ「ふと邪悪な風を感じたのでやって来たまでです。で、何か言い残すことはありますか?」
ふぁもにか「あ! あんな所にキンジくんが!(←明後日の方向を指差しつつ)」
レキ「? キンジさん?」
ふぁもにか「今だ――(←ふぁもにかが逃走を開始しました)」
レキ「……(←ドラグノフ発砲)」
ふぁもにか「ガフッ!?」

 レキのヘッドショット! こうかはばつぐんだ! ふぁもにかはめのまえがまっしろになった!


 ~おまけ(その1:ジャンヌの使った技説明)~

・凍てゆく世界(フリージング☆ワールド)
→氷の超能力による大技。見渡す範囲の空気中の水分を凍らせることで氷に凍てついた幻想的な世界を創り出す。凍らせる範囲が広いために割りと精神力を消耗するのだが、見栄えがいいためにジャンヌはこの技を事あるごとに多用している。冷え性、薄着の人間には効果絶大。副次的効果として相手の戦意を削げる場合がある。


 ~おまけ(その2:話のテンポを維持するため、泣く泣くカットしたシーン)~

ジャンヌ「さーて。ここはもはや我の領域だ。我の氷は我に味方し、容赦なく貴様らの体力を奪う。この白銀の世界でどこまで貴様らが抗えるか……見ものだな(←不敵な笑み)」
キンジ「……なぁ、ジャンヌ」
ジャンヌ「ジャンヌではない。銀氷の魔女(ダイヤモンドダスト・ウィッチ)だ」
キンジ「お前、寒くないのか? そんな恰好で(←西洋の甲冑を指差しつつ)」
ジャンヌ「クククッ。おかしなことを聞くのだな、遠山麓公キンジルバーナード。蛇が自分の毒で死ぬか? フグが自分の毒で死ぬか? 不死鳥が自分の炎で死ぬか? 死なないだろう? それと同じだ。我の超能力(ステルス)で作り上げたこの白銀の世界で我自身が寒さに凍えるなど――くしゅん!」
キンジ「おいおい。言った側から思いっきり寒さにやられてんじゃねえか。バカだろお前」
ジャンヌ「……我を侮辱する気か、遠山麓公キンジルバーナード? 我が自分の手で生み出したこの氷の世界に寒さを感じているわけがなかろう?(←わずかだが声が震えているジャンヌ)」
キンジ&アリア&白雪「「「……(←疑いの目)」」」
ジャンヌ「な、何だその目は!? 我の言葉を疑ってるのか!?」
キンジ&アリア&白雪「「「……(←疑いの目)」」」
ジャンヌ「……うぅ、寒ッ(←ブルリと体を震わせつつ)」
キンジ「あ、今寒いって言った」
白雪「寒いって言ったね。絶対言ったね」
アリア「寒がりだったんですね、意外です」
ジャンヌ「うがぁぁぁああああああ!!(←ガシガシと髪をかきむしるジャンヌ)」

 氷の超能力者なのに冷え性なジャンヌちゃんの巻。

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