【完結】熱血キンジと冷静アリア   作:ふぁもにか

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アリア「君たちに最新情報を公開しよう」
アリア「前回の次回予告、あれはウソだ。無駄に期待させてしまって申し訳ない」

 というわけで……どうも、ふぁもにかです。やっちまったよ、次回予告詐欺……! 安易に次回予告なんてするものではありませんね、全く。ちなみに。前回の次回予告の内容は次話で投稿することになっていますので、あしからず。

 閑話休題。さーて。今回はあの子たちが登場しますよ。後半からの出番です。お楽しみに。



43.熱血キンジと動き出す歯車

 

 時は流れ、5月5日。結局。ここまで白雪を護衛し続けていても魔剣(デュランダル)の姿が影も形も見えず、また陽菜の力をもってしても武偵高内に魔剣(デュランダル)と思しき者を見つけられなかったということもあり、キンジとアリアはついに東京ウォルトランドの花火大会を利用して魔剣(デュランダル)をおびき寄せる作戦を決行することとなった。

 

 そして。午後7時。キンジは寮の小部屋で拳銃の手入れをしていた。今日、魔剣(デュランダル)と交戦する可能性があるために、普段以上に真剣に、入念に整備する。

 

「キンジ。もういいですよ」

 

 よし、異常はなさそうだな。満足げに一つうなずいて拳銃をしまうキンジにドアの向こうからアリアの声が掛かる。アリアの許可が下りたので、キンジは「わかった」と返事を返して、リビングへと足を踏み入れる。その先に――二人の浴衣美少女がいた。

 

「とりあえず、私が着付けしてみたのですが、どうですか?」

「どう? キンちゃん? 似合う?」

 

 キンジがリビングに現れるのと同時に、浴衣姿のアリアが同じく浴衣姿の白雪の背中にスッと回って、ズイズイと白雪をキンジの前面に押し出してくる。一方の白雪はアリアに全体重を預けたまま、浴衣の裾を軽く上げて首を傾げてキンジの感想を尋ねてくる。

 

 白雪はクリーム色に近い白を基調にした浴衣で、アリアは藍色を基調にした浴衣を着ている。浴衣には所々花が咲いていて、何とも可愛らしい。今のキンジの心情としては、浴衣一つでアリアもユッキーもここまで見違えるとは……! といった感じだ。この時。キンジは改めて、眼前の女子二人が巷ではかなりの上位に分類される美少女だということを認識した。

 

「いいんじゃないか? 二人とも、凄く似合ってるぞ」

 

 ヒステリアモードの時ならともかく、今の通常モードのキンジに何の臆面もなく女子をべた褒めしまくるような真似はできない。主に精神的な問題で。ということで、キンジが普段通りの声色で高評価の意見を伝えると、アリアは「そうですか」とちょっとだけ照れた様子で吐息混じりの言葉を返し、白雪は「えへへ」と呑気に笑った。

 

 当初、アリアは魔剣(デュランダル)と戦うことを見越して浴衣姿にならないつもりだった。しかし。男のキンジがめんどくさいと浴衣姿にならないのはまだしも、女のアリアが浴衣姿で花火鑑賞をしないのは少しだけ不自然だ。ましてや、女子の防弾制服は男子のものと比べて帯銃してるか否かが基本的に一目瞭然であるため、アリアが武装していることを知られた場合、魔剣(デュランダル)が警戒心を抱く可能性がある。そうなれば、正体を隠しつつ超偵を誘拐するという慎重なスタンスを取っている魔剣(デュランダル)を釣ることができなくなるかもしれない。

 

 ゆえに。魔剣(デュランダル)にキンジとアリアの狙いを悟らせないようにするために、アリアも浴衣を着ることとなったのだ。なので、何気にアリアは浴衣の中に双剣双銃(カドラ)としての武具一式をしっかりと隠し持ってはいるけれど、着慣れない服装をしているアリアを戦力として期待することはできないだろう。できても精々自衛程度だと考えていい。となると、やっぱり魔剣(デュランダル)とメインで戦うことになるのは俺だ。ユッキーに至っては丸腰なんだし、しっかりしないとな。

 

「というか、アリアって着付けとかできたんだな」

「? どういう意味ですか?」

「いや、アリアってイギリス育ちの貴族だろ? そーゆーのと全然縁がないものと思ってたから、意外だなって」

「あぁ。私も着付けは初めてですよ。本屋にマニュアル本が売ってあったので、それを参考にさせてもらいました。キンジが違和感を感じないのなら、ある程度は大丈夫そうですね。良かったです」

 

 アリアは自分の浴衣姿を見下ろして、ホッと安堵のため息を吐く。一般に独学で習得することが難しいとされる着付けを自力でやったことが不安要素だったのだろう。

 

「じゃあ、準備もできたみたいだし、行くか」

「はい」「うん!」

 

 キンジの言葉に、アリアはゆっくりと、白雪は元気よくうなずく。かくして。まだ日本に来てから一か月程度しか経っていないために日本の地理に疎いアリアと、普段はロクに外に出回っていないためにアリア以上に地理に疎い白雪の案内人となる形で、キンジは目的地の葛西臨海公園まで、二人の浴衣美少女を引き連れて向かうこととなった。

 

(……これって今更だけど、両手に花って奴だよな?)

 

 ふと、そんなことを思いつつ。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 ――時は少しさかのぼる。

 

 

 5月5日。日中。東京ウォルトランド周辺のホテルのロビーにて。一人の少女が人を待っていた。氷のような銀色の髪。右目がルビー、左目がサファイアのオッドアイ&切れ長の瞳。そして縁なしの眼鏡をかけた、軽く日本人離れした容姿をした少女は、その出で立ちから、気品や知的さといった類いの少々年不相応な雰囲気を醸しだしている。

 

「ふむ。そろそろだな」

 

 柱の一つに背中を預けつつ、ラテン語でびっしりと埋め尽くされている、軽く2000ページはありそうなほどに分厚い黒表紙の本を読んでいた少女:魔剣(デュランダル)ことジャンヌ・ダルク30世はロビーの時計を見やると、パタンと本を閉じる。

 

「ジャ、ジャンヌちゃん!」

 

 すると。タイミングを見計らったかのようにジャンヌの待ち人が姿を現す。広々としたホテルをキョドキョドとした様子で見渡していた金髪ウェーブヘアに金色の瞳をした少女:峰理子リュパン四世は、ジャンヌの姿を捉えると、パァと花が咲いたような笑みを浮かべてジャンヌの元へと駆け寄っていった。その姿は周囲の人々に、大好きなご主人様の元に尻尾をブンブン振って走り寄っていく子犬を想起させた。

 

「え、えと、ひ、久しぶりだね、ジャンヌちゃん」

「あぁ。久しいな、リコリーヌ・ヴィ・ガルランディア・ロゴス・ゼルベスドール・ウィルフィン・アークスウィッド。1カ月ぶりか? イ・ウーを退学させられたと聞いていたから心配だったのだが、思ったより元気そうで何よりだ。あと、我はジャンヌではない、銀氷の魔女(ダイヤモンドダスト・ウィッチ)だ」

「あッ!? ご、ごごごめんね! ジャ――じゃなくて、銀氷の魔女(ダイヤモンドダスト・ウィッチ)ちゃん!」

「うむ。次からは気をつけろ」

 

 自身の真名(※自称)で理子から呼ばれなかったことにジャンヌがムスッと不機嫌な表情を浮かべると、理子はあわあわといった表情でペコペコと何度も頭を下げる。理子に悪気がないことはわかりきっているため、ジャンヌは肩から下げていたショルダーバッグに先の怪しげなオーラを纏う本をしまいつつ理子に注意を促すだけに留めておいた。

 

「えーと、ボクに頼みたいことがあるんだよね……?」

「あぁそうだ。まぁ、立ち話もなんだ、中に入るぞ。話はそれからだ」

 

 チラッチラッとジャンヌの様子を上目遣いで伺ってくる理子にジャンヌは「私に続け(フォロー・ミー)、リコリーヌ」と最後に言葉を残すと、理子に背を向けて悠然と歩き出す。その後ろを「う、うん。わかった」と、理子がちょこちょことついていった。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 ホテルの一室にて。

 

「こ、こんな感じで……どう、かな?」

「……」

 

 数十分後。一通り作業を終えた理子が道具一式をしまいながら、恐る恐るジャンヌに問いかける。鏡面台の前に座るジャンヌは、上から降ってきた理子の声で無言のままスッと目を開ける。

 

 ジャンヌの眼前に映っていたのはジャンヌの顔ではなく、黒髪ツインテールに真紅の瞳をした全く別の美少女の顔だった。ジャンヌは試しにとその顔で満面の笑みを浮かべ、次に怒り心頭といった表情を浮かべる。その後、困った顔や泣きそうな顔など、色々な表情を次々に試していく。その様子を背後で眺めている理子は、直立したままゴクリと固唾を飲む。

 

「うむ。上出来だな。これならば、連中に見破られることはないだろう」

 

 ひとしきり新たな顔の出来栄えを確認したジャンヌは、最後に良い意味で変わり果てた自身の顔をペチペチと叩きながら、満足げに一つうなずく。ジャンヌから合格点をもらった理子は「よ、良かった~」といった安堵の声とともにペタンと床に座り込んだ。

 

 ジャンヌの理子への頼み事。それはジャンヌの顔を全くの別人に変装させるというものだ。理子から既に変装術を学び終えているジャンヌが自身に変装を施しても良かったのだが、念には念をということでジャンヌは変装術の本家たる理子を呼び寄せることにしたのだ。ジャンヌは内心で、リコリーヌを呼ぶという判断は間違ってなかったみたいだな、さすが我だと自画自賛に浸る。

 

「それにしても、念のためと思ってリコリーヌに我の変装の依頼をしたが……よもや我の変装とここまで差があるとはな。やはり本家は違うな。その内、リコリーヌからもう一度変装術について習い直した方が良さそうだ」

 

 理子の手によって浴衣を着付けられたジャンヌはバサッ、ファサッと浴衣姿でカッコいいポーズ(※あくまでジャンヌ視点である)を取りつつ、理子にキリッと真剣な眼差しを向ける。まさかジャンヌがそのようなことを言うとは思っていなかったのか、ジャンヌの発言に「ぅえ!?」と理子は困惑の声を上げた。

 

「ちょっ、ちょっと待ってよ、銀氷の魔女(ダイヤモンドダスト・ウィッチ)ちゃん!? 変装術を習い直したいなら、ボクなんかより他の人に教えてもらった方がいいって! もうボク以上に変装が上手くなってる人なんてたくさんいるよ!」

「やれやれ。これだけの卓逸した変装技術を持っていながらこの自信のなさか。リコリーヌでなければ嫌味だと考える所だぞ」

「えと、その……ごめんなさい」

「簡単に謝ろうとするな。悪い癖だぞ、リコリーヌ。あと、我はリコリーヌから変装術を習い直したいのだ。他の誰でもない。我はリコリーヌの教師としての技量も含めた上で、リコリーヌから教えを乞いたいのだからな。……それとも、我には教えたくな――」

「――そ、そそ、そんなことない!」

 

 ジャンヌが理子に悲しそうな眼差しを向けると、理子は咄嗟にジャンヌの言葉を遮って声を上げる。その後。理子は「え、えと、ボクでいいなら、よ、喜んで……」と、尻すぼみの声でジャンヌに再び変装術を伝授することを了承した。

 

 

 ◇◇◇

 

 

「ジャンヌちゃん……気をつけてね」

「ん?」

 

 それから。ジャンヌが小型端末でキンジ&アリア&白雪の行動を監視しつつ準備を整えていると、理子が不意に忠告の言葉を投げかけてきた。ジャンヌが顔を上げると、いつになく真剣な眼差しをした理子がジャンヌを心配そうに見つめていた。

 

「気をつけるって、何にだ?」

「遠山くんとオリュ……神崎さんのこと、舐めてると痛い目見るよ。あの二人は元々結構強いけど、土壇場になったらもっと強くなってた気がするんだ。だから、もしも二人を相手することになったら……変に遊んだりしないで、一気に決めた方がいいと思う」

「それは二人が主人公補正を持っている、ということか? チッ、小癪な……」

「? 主人公補正?」

「いや、何でもない。気にするな」

 

 ジャンヌの発した聞きなれない単語に首をコテンと傾ける理子に、ジャンヌはフルフルと軽く首を振る。

 

「まぁ、気に留めておこう。二人との戦闘経験者の含蓄ある言葉だしな。だが、心配は無用だ。我は策士の一族の一人だ。敵対者にいかに実力を出させず、いかに自身の実力を最大限に発揮して勝利を収めるかについて思考し、最良の策を生み出し、それを忠実に実行することこそが策士の神髄。ゆえに、リコリーヌに言われるまでもなく、敵対者を前に油断せずに全力でかかるのは当然のことだ」

「……そ、っか。うん、そうだよね。それがジャンヌちゃんだもんね」

 

 ジャンヌが自信に満ちあふれた勝気な笑みを浮かべると、理子は安心したように息を吐いて、ジャンヌの笑みにつられて表情を和らげる。それから、ジャンヌが自身を銀氷の魔女(ダイヤモンドダスト・ウィッチ)と呼ぶように促し、うっかりジャンヌちゃんと呼んでいた理子が慌てて謝るという、ジャンヌと理子の間ではもはやお約束と化しているやり取りが再び繰り広げられた。

 

「では、行ってくる。お待ちかねの巫女狩りの時間だ」

「うん。行ってらっしゃい。――って、ちょっ、銀氷の魔女(ダイヤモンドダスト・ウィッチ)ちゃん!? 今回は確か、あくまで星伽さんに接触するのが目的なんだよね!? だったら狩っちゃダメだよね!?」

「クククッ、似たようなものだ」

「似てないよ!? 全然違うからね!?」

 

 その後。そろそろ葛西臨海公園へと出発しようとしたジャンヌは理子に背を向けて玄関へと向かうと、首だけを理子に向けて言葉を残す。ジャンヌがサラッと言い放った言葉を一度はスルーした理子だったが、すぐに『巫女狩り』発言に反応してジャンヌにツッコミを入れる。しかし。当のジャンヌはニタァと凶悪な笑みを浮かべるだけで、理子の言葉に取り合おうとしない。

 

「――クククッ。そうか。お前もそう思うか」

「え、えと、銀氷の魔女(ダイヤモンドダスト・ウィッチ)ちゃん? どうしたの?」

 

 と、そこで。いきなり右手に持っているデュランダルに向けて同意するように言葉を放ったジャンヌに、理子は頭にハテナマークを浮かべつつも問いかける。

 

「なに、我の聖剣:デュナミス・ライド・アフェンボロス・クライダ・ヴォルテール、略してデュランダルが血に飢えているようでな。星伽神社の武装巫女の血を吸える巫女狩りの時が楽しみで仕方ないそうだ」

「ち、血に飢えてるって……それ、聖剣として思いっきり失格なんじゃないの!?」

「何を言うか! 最近は聖剣だって個性が求められる時代なんだ! 喋る武器としてウザキャラの代表格になったり、遥か昔に壊された影響で7つに分化していたり、そういった個性がないともはや聖剣としての存在感を保てない時代である以上、血に飢えた妖刀のような聖剣があっても良かろう! 違うか、リコリーヌ!?」

「いやいやいや! そんな個性いらないよ、絶対! それじゃあただの魔剣だよ! せっかくの聖剣なんだからもっと聖剣らしくあろうよ! そっちの方が絶対いいって! 無難だって!」

 

 超能力(ステルス)を行使して周囲に銀氷を散らせるという無駄極まりない演出付きでデュランダルを理子に見せつけるジャンヌに、理子は身振り手振りを存分に駆使してジャンヌの考えの矯正を図る。尤も、先に断言した自分の言葉が段々と信じられなくなり、後になって蚊の鳴くような声で「……多分」と付け加えたが。

 

 そのような言葉のやり取りを経て、今度こそジャンヌは一人、葛西臨海公園へと出発した。白雪をイ・ウーへと引き入れるという目的を胸に。かくして。ジャンヌが本格的に行動を始めたことで事態は大きく動き出すのだった。

 




キンジ→魔剣(デュランダル)との戦闘に備えて気持ちを引き締めている熱血キャラ。
アリア→マニュアル本からあっさり浴衣の着付けの技術を習得した子。何という天才肌気質。
白雪→今回は存在感の薄かった子。次回ではそんなことはない、はず。
理子→ジャンヌによって呼び出された子。ビビり属性は相変わらず。ジャンヌに指摘されるとしばらくは銀氷の魔女(ダイヤモンドダスト・ウィッチ)ちゃんと呼ぶものの、気を抜くとすぐにジャンヌちゃんと呼ぶようになる傾向がある。また、日頃から努力しているために変装技術が日々進化している。
ジャンヌ→血に飢えた聖剣:デュランダル(笑)を装備している厨二病患者(重症)。オッドアイが最高にカッコいいと考えている。右目のルビー色の瞳はカラーコンタクトの産物。

 原作三巻までは本編にりこりんを登場させない予定だったんですけど、今回ちゃっかり出ちゃいましたね。こ、これがキャラが勝手に動く理論なのか……!?(←戦慄しつつ) それにしても、やっぱりこりん可愛い超可愛い。


 ~おまけ(クロスネタ:ジャンヌの不用意な発言が生んだ悲劇)~

理子「ち、血に飢えてるって……それ、聖剣として思いっきり失格なんじゃないの!?」
ジャンヌ「何を言うか! 最近は聖剣だって個性が求められる時代なんだ! 喋る武器としてウザキャラの代表格になったり、遥か昔に壊された影響で7つに分化していたり、そういった個性がないともはや聖剣としての存在感を保てない時代である以上、血に飢えた妖刀のような聖剣があっても良かろう! 違うか、リコリーヌ!?」
理子「いやいやいや! そんな個性いらな――」
??「呼んだかね?」
理子「ひゃうッ!?(←ビクリと肩を震わせつつ)」
ジャンヌ「ッ!? 誰だ!?(←威圧するような声で)」
??「あいさつが遅れたな。私が聖剣:エクスカリバーである」
理子&ジャンヌ「「……え!?(←驚愕の眼差しでエクスカリバーを見下ろしつつ)」」
エクスカリバー「私を呼んだのは君たちなのだろう? 何者だ?」
理子「……(な、何か可愛い?)」
ジャンヌ「……我々が何者かを尋ねたいのなら、まずは貴様の方から――」
エクスカリバー「私の伝説は12世紀から始まった!」
理子&ジャンヌ「「……(←絶句)」」
エクスカリバー「君たち、ただ者ではないな。何者だ?(←杖を向けつつ)」
ジャンヌ「聞こえなかったのか? 我々が何者かを尋ねたいのなら、まずは貴様の方から――」
エクスカリバー「君たち、ただ者ではないな。何者だ?(←杖を向けつつ)」
ジャンヌ「だからッ! 我々が何者かを尋ねたいのなら、まずは貴様の方から――」
エクスカリバー「私の朝は一杯のコーヒーから始まる」
ジャンヌ「人の話を聞けぇぇぇええええええええええええ!!」
理子「……(うっわー。可愛いのに、ウザい。超ウザい。 ←傍観者気分で)」
エクスカリバー「私の武勇伝が聞きたいか?」
ジャンヌ「&#‘$“)&#!$殺&’)#<?>WPIK!(←デュランダルで斬りかかりつつ)」
エクスカリバーA「ヴァカめ!」
エクスカリバーB「私の武勇伝が聞きたいか?」
エクスカリバーC「エークスキャリバー♪」
エクスカリバーD「エークスキャリバー♪」
エクスカリバーE「私の使用者になるにあたり、守ってもらいたい1000の項目がある」
エクスカリバーF「452番目の私の5時間に及ぶ『朗読会』にはぜひ参加願いたい」
エクスカリバーG「私の伝説は12世紀から始まった!」
エクスカリバーH「エークスキャリバー♪」
エクスカリバーI「エークスキャリバー♪」
理子「何か斬ったら一気に増えたんだけどぉぉぉおおおお!?」
ジャンヌ「くそっ!? 何なんだこいつらは!? どういう仕組みで湧いて出てきている!? チッ、リコリーヌ、ここは撤退するぞ!」
理子「う、うん!(←コクコクとうなずきつつ)」
エクスカリバーA「ヴァカめ!」
エクスカリバーB「私の武勇伝が聞きたいか?」
エクスカリバーC「逃がすと思うか?」
エクスカリバーD「エークスキャリバー♪」
エクスカリバーE「私の朝は一杯のコーヒーから始まる」
エクスカリバーF「ヴァカめ! これだから田舎者は困るのだ」
エクスカリバーG「エークスキャリバー♪」
エクスカリバーH「エークスキャリバー♪」
エクスカリバーI「私の伝説は12世紀から始まった!」
理子「……どうしよう、ジャンヌちゃん。何かボク、エクスカリバーに囲まれて杖を向けられてるんだけど」
ジャンヌ「……どうやらこいつらはリコリーヌを気に入ったみたいだな」
理子「ええええぇぇぇぇぇぇ――(←軽く現実逃避)」
ジャンヌ「ともかく、その状態ではとても逃げられそうにないな。てことで……リコリーヌ、後は任せた」
理子「ちょっ、ジャンヌちゃん!? 待って! ボクを一人にしないで! この空間に置いていかないで! お願いだから! 一生のお願いだから!」
ジャンヌ「……………すまない、リコリーヌ。裏の世界を生きる者にとって、時に犠牲は付き物なのだ。だから、頑張って耐えてくれ(←ジャンヌは全力ダッシュで逃げ始めた!)」
理子「ジャンヌちゃぁぁぁぁああああああああああああああああああん!(←涙目で)」

 哀れりこりん。

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