【完結】熱血キンジと冷静アリア   作:ふぁもにか

18 / 147

 どうも。ふぁもにかです。ヤッバい。サブタイトルが恐ろしいことになってる。今までのサブタイトルの中で『血濡れのアリア』と一二を争うレベルの恐ろしさになってますね。ええ。ちなみに。今回のあとがきは約1500字もあります。うん。どうしてこうなった!?



18.熱血キンジと焼き土下座

 

 遥か上空を飛行するANA600便。その二階の客室にて。自身の心情を吐露したアリアは真剣な眼差しでキャビンアテンダント姿の理子を鋭く見据える。理子に向けてガバメントを突きつける。アリアに睨まれた理子は「うぅ、上手くいくと思ったのにぃ……」とあたかもこんなはずじゃなかった世界を嘆くかのような悲壮に満ちた涙声を上げる。よほどアリアの眼力に気圧されたのか、蛇に睨まれた蛙状態の理子の目尻にはうっすらと涙が浮かんでいる。尤も、涙のダムはしっかりと機能しているようだが。 

 

「じゃ、じゃあさ遠山くん。オリュメスさんは行かないみたいだけど、遠山くんはどうかな? イ・ウーに来る気はない?」

「んなもん、わざわざ聞くまでもないだろ?」

「ダヨネー、アハハハ」

 

 アリアにはっきりと拒絶の意思を示された理子は今度はイ・ウーへの勧誘の矛先をキンジへと向ける。人差し指と人差し指とをツンツンとしながら、キンジの漆黒の瞳から目を逸らしつつキンジのイ・ウー入りを提案する。何とも可愛らしい仕草を見せる理子だが、そこにアリアをイ・ウーに誘った時のような饒舌さや言葉の巧みさは欠片もない。当の本人も心のどこかでアリアはともかくキンジをイ・ウー側に迎えることは無理があると思っていたのだろう、キンジの示した拒絶の意思に「やっぱりかぁ」と言わんばかりの表情で乾いた笑い声を上げた。

 

「あ! で、でも! イ・ウーには遠山くんのお兄さんもいるよ?」

「……は?」

 

 それでも理子はキンジの勧誘を諦めきれず、とっさに思いついた言葉を口に出す。どうにかしてキンジをイ・ウーサイドに引き込んで窮地を脱しようと試みる。その理子の発言にキンジは凍りついた。理子の放った一言に目をこれでもかと見開き、その場に硬直する。

 

「峰さん。何を言っているのですか? キンジのお兄さんはアンベリール号沈没事故で死ん――」

「遠山くんのお兄さんは死んでなんかいないよ? 今日もちゃんと元気に女装してるよ?  だって、そもそもこのボクがアンベリーリュ号沈没事故に見せかけて遠山くんのお兄さんをイ・ウーに引き抜いたんだから。つまり。あの事件はただの豪華客船の沈没事故なんかじゃない。将来有望な武偵:遠山金一をイ・ウーに勧誘するためにボクが起こしたシージャックなんだよ」

「「ッ!?」」

 

 キンジの思わぬ反応に勝機を見出した理子はアリアの言葉を早々に遮ってキンジの兄、遠山金一についての話に踏み込んでいく。先までとは一転して得意げに言葉を紡ぐ理子の様子からは遠山金一の存在をエサにすることがキンジを自身の方に引き込む重要なファクターだと一ミリも疑っていないことが伺える。

 

 しかし。理子は気づいていない。どうにかしてキンジを味方につけようとして放った言葉が全くの逆効果を生み出したことに。キンジの地雷ヶ原を平気で踏み荒らす行為をしでかしてしまったことに。さらに。追い打ちと言わんばかりのキンジの地雷原の上で華麗にタップダンスを披露してしまったことに。現時点で自身の墓穴を最新機械を使って急ピッチで掘り進めてしまっていることに。

 

「だから。表向きには遠山くんのお兄さんはあの時に死んだってことになってるけど、今はイ・ウーの一員として立派に職務を全うして――」

「理子。そろそろ黙ってくれないか? 兄さんはもう死んだんだ。確かに遺体は見つからなかったけど、ちゃんと葬式だって上げたんだ。もう兄さんはこの世にいない」

「ひぅ!?」

 

 理子はキンジから容赦なく放たれた殺気にブルリと身を震わす。口調こそ穏やかだが、背後にゴゴゴゴゴッと効果音がつきそうなほどの威圧感を纏ったキンジに対して恐れおののく。この時、理子はキンジの地雷を盛大に踏み抜いてしまったことを悟った。

 

「で、でででもッ――」

「仮に」

「?」

 

 しかし。アリアの勧誘に失敗した理子にとって、キンジを味方につけられないことはそのまま為す術もなく身柄を拘束されることに繋がる。ゆえに。理子は声を上げる。どうにかして現状を打破したい理子は必死に怒れるキンジを宥めてイ・ウーに勧誘しようと身振り手振り付きで言葉を重ねようとするも、キンジが不意に発した一言に首をコテンと傾ける。どうやら上手くキンジの言葉が聞き取れなかったようだ。

 

「仮に兄さんが理子の言う通り生きていたとしても、あの兄さんがイ・ウー(凶悪極まりない犯罪組織)なんかに入るわけがない。どこまでも己の義に忠実な兄さんがアリアの母さんに平気で濡れ衣着せるような腐った組織の一員になんかなるわけがない。あまり俺の兄さんを侮辱しないでくれないか、理子? これ以上兄さんのことを悪く言われると、俺はお前を土下座させて前言撤回させるだけじゃ気が済まなくなるかもしれない」

「……え、えーと。参考までに聞かせてほしいんだけど、どんなことをするつもりなのかな?」

「そうだな。『焼き土下座』辺りが妥当かもな」

「焼き、土下座? な、なな何それ?」

「謝らせたい相手を鉄板の上で頭をこすりつけさせて土下座させた状態で体を固定して下から火あぶりにするんだよ。漫画で見ただけだからまだやったことないけど……理子が実験台ってのも案外いいかもな。マスコミ各社の幹部共に試す前にいいデータが取れそうだ。いい感じの悲鳴も聞かせてくれそうだし。フフフフフッ」

「ひぃぃぃいいいいいい!?」

 

 キンジが淡々と理子に説明を施した後に、スッと目を細めてニタァと心底愉快そうに笑ってみせると理子は自身の体をギュゥウウと強く抱きしめて高音ボイスの悲鳴を上げる。大方、自身が無理やり焼き土下座をさせられる光景を想像してしまったのだろう。理子はこれでもかってくらいにガクガクブルブルと体を震わせる。恐怖にグルグルと目を回し、歯をカチカチと鳴らす。その際、目じりに溜まっていた涙がボロボロとあふれ出す。涙のダムが決壊した瞬間だった。とても武偵殺しとは思えない理子のあまりに哀れな姿にキンジは自身の溜飲が下がっていく感覚を感じていた。

 

「え、えっと! そういう痛そうなのはボクの趣味じゃない! っというか。えと、その、あの……え、えええ遠慮させていただきましゅ! ごごごごごめんなさぁぁぁあああああああああいッ!!」

「「ッ!?」」

 

 アリアが思わず理子の容体を心配してしまうほどの怯えっぷりを見せた当の理子は、焼き土下座の刑から逃れるため、金髪の中にあらかじめ仕込んでいたコントローラーでANA600便の機体を揺らしにかかる。キンジ主催の焼き土下座の刑に怯えた末に、不意の揺れにキンジとアリアがバランスを崩した隙に客室の外に逃げるという最後の賭けに打って出た理子。しかし。理子の想定以上に揺れが大きかったことが災いしたのか、キンジやアリアだけでなく肝心の理子までもがバランスを崩して「わぷッ!?」と盛大に床に突っ伏してしまった。

 

 前に機体が右傾したときと同様にいち早く体勢を取り戻したキンジは客室を一瞥していきなり自身の視界から消えた理子を捜す。そして。顔を床に思いっきりぶつけて「~~~ッ!!」と悶絶している理子に目を向けたとき、気づいた。理子の胸ポケットから一個の銃弾が宙を舞う形で出てきたことに。その銃弾が白いことに。

 

「なッ――!?」

 

 キンジはこれを知っている。知ってるがゆえになおさら驚いた。過去にカナモードの兄さんから一度だけみせてもらったことがあるのだ。銃弾職人(バレティスタ)にしか作れないために高価で希少。そして。超一流の武偵にしか手にすることのできない、一発一発に多種多様な特殊機能を秘めたレアものの武偵弾。その一つに分類される、閃光拳銃弾(フラッシュ・グレネード)を――。

 

 刹那。宙を舞っていた閃光拳銃弾が床に接触した衝撃により、閃光拳銃弾がその効果を十全に発揮。客室が攻撃的な閃光に包まれることとなった。

 

「くッ!?」

 

 閃光拳銃弾が放つあまりに毒々しい光にキンジは目を瞑る。偶然にも事前に閃光拳銃弾(フラッシュ・グレネード)を知っていたキンジは閃光弾発動の一瞬前にどうにか目を閉じる動作に移行することができた。しかし。それでも完璧に光をシャットダウンするまでには至らなかったため、キンジは小太刀を持っていない方の手で目を押さえながら数歩後ずさる。アリアは閃光拳銃弾(フラッシュ・グレネード)の攻撃的極まりない白光をモロに見てしまったのか、「うッ!?」といううめき声とともにグラッと膝をつき、固くつぶった目を片手で押さえている。

 

「……あれ? なんで二人とも目押さえてるの? ――って! えっと、これって何気に逃げるチャンスだったりする!?」

 

 しかし。何とも運のいいことに、床に顔面から盛大に転んだ理子は奇跡的に閃光拳銃弾(フラッシュ・グレネード)の破壊的な光を直視することはなかった。怪我の功名とはまさにこのことか。「痛たた……」と鼻をさすりながら顔を上げた理子は固く閉ざした目を押さえるというキンジとアリアの謎の行動を前にコテンと首を傾ける。だが。すぐに今が二人から逃げる最後のビッグチャンスだと悟った理子は興奮染みた声を上げた。

 

 ちなみに。どうして理子が貴重で希少な武偵弾を持っていたのかというと、人知れずジャンヌが万一のためにと理子のキャビンアテンダントの制服の中に武偵弾を忍ばせていたからである。いかなる汚い手でも平気で使ってくる機関のエージェントが理子を標的とした時のためにと独自ルートで用意していたものがよもやここで役に立つとはジャンヌとて夢にも思わなかったことだろう。

 

「え、えっと、それじゃあボクはこの辺で失礼するね! お、おおお疲れさまッ! アディオス!」

「ま、待て! 理子!」

 

 図らずも自身の元に転がりこんできた折角のチャンスを逃すワケにはいかないと、弾かれたかのように立ち上がった理子はキンジとアリアへと一度ペコリと頭を下げると、バヒューン! という擬態語を伴いつつ一目散に出入り口の方へと駆け出した。キンジは理子を取り逃がすわけにはいかないと理子の気配のする方向へと手を伸ばしたが、結局その手は空を掴むのみだった。どうやら理子のビビりの本能がキンジの手から逃れるように作用したことにより、理子はキンジの魔の手をかわすことに見事成功したようだ。

 

「……逃げられた」

「キンジ! 視力が回復したのなら早く理子を追ってください! 私はまだしばらく動けそうにありません!」

「ッ! あぁ! わかった!」

 

 次にキンジが目を開けた時、すでに理子の姿はどこにもなかった。あれだけ追い詰めていたのに。あと一歩だったのに。理子を逃した自身の詰めの甘さを悔やむ気持ちが徐々に迫り上がってきた時、閃光を直視し、一時的とはいえ視力を失ったアリアが叫ぶ。アリアの声にハッと我に返ったキンジはアリアに返事をしつつ、すぐさまこの場から逃走した理子を捜しに客室から飛び出した。無論、先ほど落とした拳銃とバタフライナイフの回収も忘れていない。

 

 

 ◇◇◇

 

 

(理子の奴、どこに行った?)

 

 キンジは通路を駆ける。乗客の姿が全く見えない中、行方知れずとなった理子を捜索する。さっきから一向に乗客の姿が見えないのは、おそらく理子との戦闘の際に鳴り響いた銃声が大いに関係していることだろう。

 

 俺とアリアは武偵殺しの宣戦布告を受けてANA600便を完全にハイジャックし終える前の理子を発見した。それは、理子がANA600便を乗っ取った旨をいつもの機械音声で機内の乗客に向けて高らかに宣言する前に俺たちが理子と接触したことを意味する。ANA600便がハイジャックされていることを知らない乗客にとって、断続的に響き渡る銃声は得体の知れない不安と恐怖を呼び起こすには十分すぎるモノだったのだろう。通路に出ずに部屋に閉じこもってしまうのも当然の自衛行為と言える。

 

(……この狭い飛行機の中、どこに逃げようってんだ、理子?)

 

 理子捜索の最中、ふとした疑問がキンジの頭をもたげるが、その間もキンジが足を止めることはない。理子がどこに行ったのか全く見当がつかず、まだそれほど遠くには逃げていないだろうとの推測を元にキンジが二階の客室をしらみつぶしに探そうとした時、突如としてドドドドドォンという連続した爆発音が轟く。その破壊音と連動して床が弱めの地震の時のように左右に小刻みに揺れる。

 

(下か!)

 

 キンジは爆発による揺れが収まったのを見計らって、爆発音のした方向へと走り出す。確実に理子がいるであろう下層へと急行する。そうして。一階のセレブ御用達の娯楽設備の数々を駆け抜けてキンジがたどり着いたのはバーだった。橙色の薄暗い照明がバー特有ながらどこか高貴な雰囲気を醸し出し、棚に並べられた多種多様かつ高級感漂うワインだったりがこの場の雰囲気づくりに一役買っている。もちろん、ここにも乗客はいない。

 

 いかにも富裕層が気に入りそうなバーへと到着したキンジは吹きすさぶ冷たい風を肌で感じつつ、ハァとため息を吐いた。キンジの視線の先には爆弾で開けられたであろう穴があった。その近くの壁には赤のスプレーでデカデカと『ごめんなさい』と書かれている。無駄に達筆な『ごめんなさい』の言葉の下には、ご丁寧にも工事中の看板によく描かれていそうな頭を下げる人(理子バージョン)の姿までしっかりと描写されている。

 

「遅かった、か……」

(まさか飛行機から飛び降りて逃げるとはな。まぁ、あの怪盗リュパンの血を継いでるんならやってのけても別におかしくはないのかもしれないけど……そんな真似できたんだな、理子)

 

 キンジは人一人が裕に通り抜けられるであろう穴から外を覗き込んでみるも、さっき爆発音が響いた時点ですでに理子は飛び降りたらしく、理子の姿は影も形も見当たらない。遥か上空から何のためらいもなしに飛び降りる。普段の性格からは想像だにできない大胆な行為を理子がやってのけたことにキンジはどこか場違いな感想を抱かずにはいられなかった。

 

「ん?」

 

 と、その時。キンジは理子の『ごめんなさい』メッセージの他にも赤文字で小さく何かが書かれていることに気づいた。『P.S.何かイ・ウーからプレゼントがあるみたいだよ? 詳しくは聞いてないんだけど……なんだろうね? 食べ物かな?』と、これまた無駄に達筆でメッセージが残されていることに気づいた。

 

「プレゼント?」

 

 理子の書き残した意味深な追記にキンジは首を傾げつつ、ふと外に目を向ける。特に何かを意図した上で行った行為ではなかったのだが、偶然にもその視線が何かを捉えた。外を眺めていたキンジは何かが二つ、ANA600便に向かって飛んでくるのがはっきりと見えた。

 

「――ミサイルッ!?」

 

 キンジが飛来してくるモノの正体に思い至ったのと同時に、二発のミサイルは飛行機に命中し衝撃が飛行機を襲う。それに伴って、ミサイル攻撃を喰らったANA600便がガクンと高度を低下させ始めた。どこにミサイルが命中したのかは全くもってわからないが、事態がキンジの都合の悪い方向に急速に舵を切り始めていることは容易に理解できた。

 

「ちぃっ! 何つうプレゼントだよ!?」

 

 キンジは存分に焦りのこもった言葉を口に出すと、急いでバーを後にする。目的地はアリアを残している二階の客室だ。

 

「アリア!」

「キンジ! 峰さんはどうなりましたか!? それにさっきの揺れは一体――」

「悪い。理子には逃げられた。んなことより、この飛行機がミサイルで狙撃された! イ・ウーからのプレゼントだとよ! とにかくコックピットに向かうぞ!」

「ッ!? で、ですが私はまだ視力が戻っていな――って、えッ!? ちょっ!?」

 

 キンジはバンと客室のドアを開けると未だ膝をついたままのアリアの姿を捉える。キンジは事態を把握し切れていないアリアの問いに簡潔に答えると、まだ視力の回復しきっていないアリアを背負って操縦室へ向けて走り出した。視界が奪われたままの状態でいきなりキンジの背中に自身の体を預けることとなり、慌てた様子を見せるアリアを無視してキンジは一目散に操縦室へと向かう。もしこれがヒステリアモードのキンジなら間違いなくアリアをお姫さま抱っこにしていたことだろう。

 

 とにかく。理子のしでかした事態の収束はまだまだ先のことになりそうだ。キンジは先が思いやられることに内心で陰鬱極まりないため息を吐いた。

 




キンジ→いつかマスコミ各社の幹部共に焼き土下座をさせようと武藤に将来的な焼き土下座用の設備に関する依頼を取り付けていたりする熱血キャラ。
アリア→今回影が薄かった子。大丈夫、きっと次話で輝ける……はず。
理子→意外と画才がある。字が異様に上手い。割とラッキーガール。赤のスプレーを使って『ごめんなさい』メッセージを残す際に髪を自在に操る能力を使用していたりする。何という能力の無駄遣い。

 ビビりこりん、逃走成功。キンジくん主催の焼き土下座の刑から逃げられて本当に良かったですね。それはともかく。りこりんの出番もきっとここらでしばらく打ち止めでしょうね。さらばだ、りこりん! 原作3巻でまた会いましょう!


 ~おまけ(その1 NGシーン ※りこりん大好きっ子は閲覧注意)~

理子「え、えっと! そういう痛そうなのはボクの趣味じゃない! っというか。えと、その、あの……え、えええ遠慮させていただきましゅ! ごごごごごめんなさぁぁぁあああああああああいッ!!(←機体を遠隔操作)」
キンジ&アリア「「ッ!?(←グラリとバランスを崩す二人)」」
理子「わぷッ!?(ドサッ! ←理子が盛大に床に突っ伏した音)」
理子「へぶッ!?(グサッ! ←床に突っ伏した際にポケットから飛び出した、携帯ストラップを大量に取りつけたデコレーション過多の水色携帯が確かな重量を伴って理子の頭に突き刺さった音)」
理子「あぶッ!?(ズガン! ←床に倒れた際に罠用に張り巡らせていた糸をプツリと切ってしまったことで、天井から酸素ボンベが重力を味方につけながら理子の頭目がけて降下&衝突した音)」
理子「みぎゃああああ!?(ギュイイイン! ←酸素ボンベの罠と連動してまたさらに別の罠が発動。シュルリとワイヤーが理子の足首に巻きつき理子を吊し上げた際の機械音)」
理子「がふッ!?(ドォン! ←そのまま吊り上げられた理子が勢いよく機械に引っ張られ、壁に貼りつけられていたテレビと顔面からぶつかった音)」
理子「おぶッ!?(ドサッ! ←テレビと衝突したことで足首のワイヤーが外れ、宙に投げ出された理子が為すすべなく床に顔面から激突した音)」
理子「……(←白目りこりん)」
キンジ&アリア「「……(←絶句)」」
アリア「……み、峰さん?」
キンジ「お、おーい。理子。お前、大丈夫か? 生きてるか?」
理子「……(←返事がない。ただの屍のようだ)」
アリア「とりあえず、治療しましょうか」
キンジ「あぁ。そうだな」


 ~おまけ(その2 NGシーン)~

アリア「キンジ」
キンジ「ん? どうした、アリア?(←アリアを背負って走りつつ)」
アリア「機長と副機長はまだ眠ったままなのですか? 二人がこの飛行機を操縦してくれたなら私たちが操縦するより着陸成功の可能性はかなり変わってきますよ?」
キンジ「あ、そういやあの人たちのことすっかり忘れてた。確かにプロの人たちにやってもらった方がいいよなぁ。この飛行機、二発もミサイル喰らってるワケだし。とりあえず様子を見に行くか(ガチャ←扉を開ける音)」

 機長と副機長はベッドの上で互いを抱きしめるようにして深い眠りに入っている! 心なしか、服も乱れている!

キンジ「……(←絶句)」
アリア「彼らの様子はどうですか、キンジ?」
キンジ「……ダメだ。これはしばらく起きそうにない。きっと、そうなるように理子がしっかり眠らせたんだろうな(←虚ろな目で)」
アリア「……そうですか。結局は私たちだけで何とかしなければならない、ということですね」
キンジ「そういうことになるな。とにかく、二人はこのままそっとしておこう。今はコックピットに急ぐぞ(アリア。お前、ちょうど視力失っててホントに良かったな)」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。