【完結】熱血キンジと冷静アリア   作:ふぁもにか

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ふぁもにか「ヒャッハー! 祭りじゃ祭りじゃぁぁあああああああああ!」
キンジ(……テンション高いな、おい)

 どうも、ふぁもにかです。今回から番外編かつお祭り回が始まるわけなのですが、番外編のくせに割と長編となってます。……ほら。あれですよ、一度でいいから完全なるネタバトル回をやってみたかったのです。その結果、無駄に地の文が増えたり色々してラノベ一冊を軽く超えるほどの文量を誇る番外編ができあがってしまったというわけです。

 というわけで、とにかく悪ノリ全開で書き上げたこの番外編。ふぁもにかという物書きが原作沿いという枷をぶち破り、好き放題やらかしたらどうなるか。私のノリやギャグの本気がどこまで到達しうるのか。……ま、ちょっと早めの正月特番を鑑賞するノリで見ちゃってくださいませ。



EX1.ワクワクドキドキ☆寮取り合戦(1)

 

 8月16日の、お盆明け初日にて。東京武偵高の武偵たちは可能な限り全員、体育館に招集された。生徒会長:星伽白雪の号令により、一堂に会することとなった。

 

 

「あ、あー。マイクテスマイクテス。コホン。えーと。皆、いきなり招集しちゃってごめんね。今回皆をここに集めたのは、明日行うイベントの告知をするためなんだ」

 

 壇上に立つ白雪の言葉に多かれ少なかれ動揺を隠せない面々。当然だ、なぜなら体育館に呼び出されたほぼ全ての武偵が白雪の口にした『イベント』のことを知らなかったからだ。

 

 

「このイベントはとある生徒の提案によって企画された、東京武偵高の新しい取り組みでね。イベントの成果次第では、東京武偵高の毎年恒例の行事にしようと生徒会では考えてる所だよ。……それで、このイベントのことを事前に周知しなかった件だけど、このイベントを提案してくれた生徒からの強い意向があってね。だから、イベント開催前日である今日まで情報を伏せてたんだ」

 

 にわかにざわめきだす武偵たちを落ち着ける意味合いも込めて、白雪は少々口早に『イベント』に関する裏事情を周知させ、武偵たちの不安を解消させていく。そうして。体育館に静寂が戻り、自分の声がより通りやすくなった状況にて。白雪は深く息を吸い、力強く宣言した。

 

 

「イベントの詳しい説明は各クラスの担任に任せてるよ。だから、ここでは開会宣言だけさせてもらうね。――それでは。明日8月17日より、『第1回:ワクワクドキドキ☆寮取り合戦』を開催するよ! 皆、クオリティの高い寮の確保を目指して大乱闘しよう! そうしよう!」

 

 

 ◇◇◇

 

 

 白雪による『第1回:ワクワクドキドキ☆寮取り合戦』の開会宣言の後、武偵たちは各々のクラスへと移動した後、それぞれの担任により寮取り合戦のルールや背景事情などについて説明が行われた。

 

 まず、前提として。新しい学生寮(※最新技術の粋を結集した、超絶豪華な仕様となっている)の建設に東京武偵高が踏み切ったことが挙げられる。神崎・H・アリアの大活躍を受けて、世間の武偵への関心が高まり、武偵を志望する子供たちが爆発的に増えているためだ。

 

 しかし、11月には建設完了となる新学生寮と既存の学生寮だけでは新入生を受け入れきれない可能性が浮上。それゆえに、東京武偵高は間に合わせのために築30年の古めのマンションを買収し、第三学生寮として使用することとした。

 

 その結果、新入生には新学生寮と既存の学生寮、そしてオンボロな第三学生寮の中から部屋が割り振られる予定だった。しかし、ここでとある武偵が提案をしてきたのだ。東京武偵高の生徒同士でバトルロイヤルをさせて、その成績が良かった生徒から好きな寮の、好きな部屋を指定できるようにしようとの提案をしてきたのだ。

 

 その武偵曰く、寮の部屋というエサを元に、武偵同士で戦わせることでライバル意識を生み出し、切磋琢磨のインセンティブを引き出させることができ、結果的に東京武偵高から優秀な武偵を輩出させる地盤を作り出すことができる。さらに、寮取り合戦は現状4名しかいない東京武偵高のSランク武偵を増やす契機にもなり、東京武偵高が武偵育成機関として非常に秀でていることを対外的に示すことができるとのこと。

 

 その武偵の熱意あふれる主張に当初は難色を示していた生徒会メンバーも段々とやる気になり、職員側に説得をかける形で今回の寮取り合戦が行われることとなった。それが寮取り合戦開催の裏事情であるそうだ。

 

 そして、以下が寮取り合戦のルールである。

 

『第1回:ワクワクドキドキ☆寮取り合戦』

・目的

東京武偵高の生徒のレベル向上のため。

 

・内容

寮のメンバーで1チームを結成し、制限時間の中でポイントを稼いでいく。そして、獲得したポイントが高いチームから順番に望みの寮と望みの部屋を選択することができる。ポイントの稼ぎ方は2通り存在し、『他のチームの武偵をより多く撃破する』か、『なるべく長い間撃破されずに生き残り続ける』ことでポイントをたくさん手にすることができる。

 

・注意点

1.撃破とは、武偵を気絶させること。

2.一度撃破された武偵は、合戦に復帰できない。

3.武偵が撃破された時、誰が撃破したか、誰が撃破されたかが、生き残っている全武偵に通達される。

4.武偵の殺害はもちろん、武偵に後遺症レベルの攻撃もしてはならない。

5.生徒会メンバーと教職員は寮取り合戦に不参加ゆえに、見かけても攻撃してはならない。

6.東京武偵高の生徒は全員強制参加すること。長期任務中の武偵と重傷の武偵、また留学中やその他遠方に用事がある武偵、三等親以内の身内が死亡している武偵は例外とする。

 

・撃破ポイント

撃破ポイントは撃破した武偵のランクと学科により算出される。

 

Sランク:15ポイント

Aランク:12ポイント

Bランク:10ポイント

Cランク:6ポイント

Dランク:3ポイント

Eランク:1ポイント

 

強襲科:15ポイント

狙撃科:13ポイント

超能力捜査研究科:12ポイント

衛生科:11ポイント

諜報科:10ポイント

特殊捜査研究科:9ポイント

尋問科:8ポイント

装備科:7ポイント

探偵科:6ポイント

鑑識科:5ポイント

車輌科:4ポイント

通信科:3ポイント

情報科:2ポイント

救護科:1ポイント

 

例1.救護科Cランク武偵を撃破すると、1ポイント+6ポイント=7ポイント

例2.狙撃科Eランク武偵を撃破すると、13ポイント+1ポイント=14ポイント

※ただし、自身が撃破された場合、-50ポイントとなる。

 

・開催日時、時間

8月17日 8:00~18:00

 

・生存ポイント

1分生き残るごとに1ポイント付加で算出される。

 

1時間生存:60ポイント

2時間生存:120ポイント

3時間生存:180ポイント

4時間生存:240ポイント

5時間生存:300ポイント

6時間生存:360ポイント

7時間生存:420ポイント

8時間生存:480ポイント

9時間生存:540ポイント

10時間生存:600ポイント

※ただし、10時間生存が達成された場合、上記600ポイントに加え、ボーナス点として300点が付加される。

 

・開催場所

人口浮島全体。

※ただし、武偵高の校舎や寮以外の武偵と関わりのない施設における、屋内での戦闘禁止。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 8月16日の夜。

 キンジ、アリア、理子、白雪が住む男子寮内にて。

 

 

「しっかし、とんだサプライズでしたね、これは……」

「えへへ、驚いた?」

「う、うん! ボク、すっごく驚いたよ!」

 

 キンジ作の晩ごはんを食べ終え、各々がのんびりと食後の一時を過ごしている頃。テーブルのイスに腰を下ろしているアリアは各担任が寮取り合戦の説明をする際に配布した紙媒体の資料を見つめてため息を吐く。そんなアリアの反応に、今現在ソファーでグデーンとだらけている白雪が満足そうにアリアに問いかけ、アリアの反対側のイスに座る理子がアリアの代わりにコクコクと首肯しながら返事をする。

 

 

「だけど、まさかあの中空知が発案者だとはな。……嫌な予感しかしないぞ、この企画」

「わ、わかるよ、それ。中空知さんって、どこか得体の知れない所があるからね」

「そうですか? 中空知さん、普通にいい人じゃないですか」

「うんうん。デキる女性って感じだよね!」

 

 リビングで形成された女子のみの空間を切り裂くようにして、食器を洗い終えたばかりのキンジがアリアの隣のイスに座りながら本音を口にすると、理子もキンジの意見に同調する。しかし、残るアリアと白雪が真っ向から対立してきたため、『中空知=得体が知れない、怖い』理論が共有されることはなかった。

 

 

「それにしても、寮のメンバーで1チームですか。となると、『私、キンジ、理子さん、ユッキーさん』の4人で1チームですね。……男女混合チームって、結構珍しくないですか?」

「珍しいというより、多分俺たちだけだろうな。そもそも東京武偵高は性別で寮を分けてるんだし。……もはや違和感を感じなくなってたけど、そもそも男子寮にアリアたちが住み着いてる状況がおかしいんだったな、そういえば」

「まぁいいじゃないですか。私たちがいなければキンジは1人1チームで合戦を生き残らないといけなくなっていたわけですし」

 

 キンジはチーム編成から改めて寮のルームメイトが女子3人である現状がいかに異常なのかを再認識し、一方のアリアは食後のデザートとしてのももまんをモグモグしながら、暗に『今更女子寮に戻れなんて言わないですよね?』との問いを込めた言葉を投げかける。対するキンジがアリアの視線の意図する所に特に気づかず「ま、それもそうか」と軽く言葉を零した所で、理子が少々不安そうにアリアへと言葉を紡いだ。

 

 

「えっと、アリアさん。た、確か、生徒会の人は不参加だから、白雪さんはボクたちのチームに含められないんじゃないかな?」

「え、そうなんですか?」

「うん、そうだよ。生徒会メンバーと教務科の人は撃破されて気絶しちゃった人を回収したりとか、各チームのポイントを管理したりしないとだから、参加できないんだ」

「……あぁ。そういえば注意点の5つ目にそんなこと書かれてたな。となると、『俺、アリア、理子』の3人で1チームとなるわけか。寮は基本的に4人1部屋だ。ゆえに、4人で1チームが基本だから、3人で1チームは少々不利になる……が、むしろ俺たちにはこれぐらいはハンデがないとダメだろうな」

「でしょうね。何たって、3人チームの内訳が強襲科Sランク武偵2人に探偵科Aランク、もといイ・ウーに所属していた理子さんの組み合わせですからね。これに超能力捜査研究科Aランクのユッキーさんまで加わってしまうと、さすがに過剰戦力過ぎて他のチームが可哀想なことになってしまいますからね」

 

 キンジたち4名はうんうんと一斉に首を縦に振る。当然だ。遠山キンジはあのイ・ウートップのシャーロック・ホームズを倒した男。神崎・H・アリアは幾多の凶悪犯罪者を次々と逮捕してきた実績を誇る正真正銘の実力者。峰理子リュパン四世はビビりな性格ながらもその実力は折り紙付き。星伽白雪はただでさえ強力な炎の超能力を持っているのに最近では氷の超能力さえ取得してしまった傑物だ。この4名が同一の陣営にいるなど、アンフェアなチーム分けだと非難されてしかるべきレベルなのだ。ゆえに、4名の中で最大火力を誇る白雪がチームに加わらないという、最低限のハンデはあってしかるべきなのである。

 

 

「さて。今の内に明日の方針を軽く決めておくか。とりあえず、理子は他のチームに撃破されないように潜伏していてくれ。俺とアリアで撃破ポイントを稼ぐからさ」

「え、皆で他のチームを倒しに行かないの?」

「いや、これは二手に分けた方がいい。他のチームを撃破してポイントを獲得するために外に打って出る出撃組と、他のチームに見つからないように隠れてやり過ごし生存ポイントの大量獲得を目指す潜伏組って具合にな。何せ、10時間生存しきったら900ポイントも入るんだ。これを逃す手はないだろ」

「な、なるほど……!」

「それに。理子の900ポイントに、俺たちが着実に稼いだ撃破ポイントを引っさげれば、いい感じの寮を確保できるだけのポイントは溜まるはずだからな」

 

 キンジはチーム全員が出撃組に回った方がいいのではないかとの疑問を提唱する理子に潜伏組を担ってもらうための説得の言葉を放ちつつ、内心で上手いルールだなと感心する。というのも、この寮取り合戦が一見すれば強襲科や狙撃科といった荒事に慣れている武偵(※それも高ランクの武偵)が非常に有利なように思えて、実はそうでもないからだ。

 

 

(何といっても、撃破ポイントよりも生存ポイントの方が比重が高いのがミソだよな。いくら戦闘の得意な武偵が出撃組として他のチームを撃破しまくったとして、ランクの低い武偵や戦闘向きじゃない学科の武偵を狙ってもあまりポイントは稼げない。逆に、撃破されてしまえばー50ポイントだ。これは地味に痛い。一方、戦闘に自信のない武偵はただ隠れてやり過ごせばそれだけで最大900ポイントを手にすることができるわけだからな)

「キンジはクオリティの高い新学生寮の部屋を求めて全力でポイント稼ぎに走るスタンスでいるのですか?」

「そりゃあ、住めるなら住んでみたいが、そこまで新学生寮を熱心に求めてるわけじゃない。ただ、ここよりボロボロな寮には住みたくないからな。アリアはどうだ?」

「私もキンジと同意見です」

「ならよかった。それじゃ俺たちが撃破する相手についてだが、最低でもBランク以上でいくぞ」

「え、それはさすがにこの寮取り合戦を舐めすぎでは……あ、なるほど。そういうことですか。了解です」

「え? ど、どういうことなの? アリアさん?」

 

 キンジから自分たちが撃破する武偵に制限がかかったことにアリアは一時困惑の声を上げるも、すぐにキンジの意図を把握し素直にうなずく。だが、キンジの発言の狙いがわからなかった理子は話に置いていかれない内にとアリアに説明を求めた。

 

 

「簡単な話ですよ、理子さん。倒した武偵の情報は生き残っている全武偵に通達されるようになってます。なので、例えばキンジが不知火さんを倒したとしたら、このように表示されます」

 

【強襲科Sランク:遠山キンジ(2年)が強襲科Aランク:不知火亮(2年)を撃破しました。遠山キンジに27ポイント付加されます】

 

「でも、ここで……そうですね。キンジが同じクラスの神崎千秋さんを倒したとすれば、このように表示されます」

 

【強襲科Sランク:遠山キンジ(2年)が探偵科Dランク:神崎千秋(2年)を撃破しました。遠山キンジに9ポイント付加されます】

 

「さて、理子さん。この通達を見た人たちは、はたしてキンジにどのような印象を抱くでしょうか? ……高ランクのくせに低ランクの、それも戦闘向きじゃない学科の武偵を狙って雑魚狩りをしている畜生だと思われませんか?」

「た、確かに。弱い者いじめをしてるように見えちゃうね」

「はい。そういうことです。今や正義の武偵として広く知れ渡っている私が弱い武偵を標的にしてしまえばその影響は計り知れませんし、ただでさえキンジは今、重度のロリコン疑惑が噂で広範囲に広まっている現状です。あまりにランクの違う武偵を倒すのはよろしくないでしょう。それに、提案者の中空知さんも武偵同士の切磋琢磨の促進を目的にこの企画を生徒会に持ち込んだ以上、強者による一方的な蹂躙劇は望む所ではないでしょうしね」

「おぉ! さっすがアリアさん!」

 

 アリアの例示を伴った説明を受けた理子はアリアへ対してキラキラとした称賛の眼差しを向ける一方、アリアは「べ、別に大したことではありませんよ。少し考えればわかることですし、そもそもこの方針を持ち出してきたのはキンジですからね」と顔をほんの少々赤らめながらそっぽを向く。どうやらアリアは真正面から純粋に褒められることに慣れてはいないようだ。

 

 

「おー、照れてるアーちゃんは可愛いねぇ、キンちゃん」

「あぁ。こういう時のアーちゃんは格段に可愛くなるよなぁ、ユッキー」

「~~~ッ! そこ2人! ここぞとばかりにニヤニヤ顔で弄ってくるのは禁止です!」

「はいはい。……ま、方針決めはこんな所でいいだろ。あんまりガチガチに作戦練ってると、予期せぬアクシデントで作戦を根本からひっくり返された時が怖いからな。――よし。アリア、理子。せっかくのイベントだ、絶対じゃないがやるからには最多ポイント獲得を目指して頑張るぞ!」

「はい!」

「う、うん!」

 

 キンジが拳をギュッと握りしめて力強く宣言すると、アリアは凛とした返事で応じ、理子はコクンと大きくうなずきながら追随する。

 

 

「……ふふふ。皆、心強いねぇ。ポイントをじゃんじゃん稼いで、素晴らしい部屋をゲットしてきてねー」

 

 何だかんだ、明日のイベントに強い意気込みを見せる3人に白雪はほわーんとした口調で声援を送る。かくして。イベント前日の夜が更けていくのだった。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 ――翌日。8月17日 8:00

 

 

 『第1回:ワクワクドキドキ☆寮取り合戦』の開催と同時にキンジ、アリア、理子の3人は散開していた。潜伏組の理子が単独行動なのはともかく、なぜキンジとアリアがそれぞれ別行動となっているのかというと、偏にポイント稼ぎの効率を考えたからだ。

 

 

(さて。私が最初に出会う武偵は誰でしょうね……)

 

 アリアはワクワクしつつも人気の少ない、少々入り組んだ裏路地を歩く。狙撃科の武偵によるスナイプ撃破を警戒したがゆえの進路である。そうして、10分ほど経過した時。事態は大きな動きを見せた。

 

 

(メールが来たってことは、開始10分で早速撃破された武偵がいるということですか。何というか、ご愁傷さまですね)

 

 携帯のバイブ音から撃破情報の通達が来たことを知ったアリアは携帯を取り出し、メール内容を確認する。と、その刹那。

 

 

「え?」

 

 アリアは硬直した。思わず動揺の声を上げた。

 

「ふぇ?」

 

 時同じくして、隠れ場所を探していた理子もメールの内容に硬直していた。それだけ2人にとって信じられない内容がメールに記されていたからだ。

 

 

【尋問科Aランク:衣咲(いさき)(みこと)(1年)が強襲科Sランク:遠山キンジ(2年)を撃破しました。衣咲命に30ポイント付加されます】

 

 

「キンジッ!?」

「キンジくんッ!?」

 

 強襲科Sランク武偵で。東京武偵高の生徒において最強の一角にいるはずの遠山キンジが開幕10分で散ったこと。その事実が信じられず、アリアと理子は自分の居場所がばれてしまう可能性すら忘れて、それぞれ別の場所で驚愕の声を心の底から口にする。

 

 この時。『第1回:ワクワクドキドキ☆寮取り合戦』に参加したほぼ全ての武偵が思い知った。特に遠山キンジを良く知る者たちは否応にも思い知らざるを得なかった。今回の『第1回:ワクワクドキドキ☆寮取り合戦』が。ただでは終わらない、波乱尽くしの展開になる、と――。

 

 




キンジ→せっかくやる気だったのに開幕10分で撃破されたらしい熱血キャラ。
アリア→いきなり頼りになるメンバーを失い、不利な戦いを強いられることとなったメインヒロイン。メンタル面が心配な所である。
白雪→生徒会長であるがゆえに、合戦に不参加となった怠惰巫女。まぁ、ユッキーが参加しちゃったらバランス崩壊もいい所だから今回は大人しくしていてもらいます。
理子→おそらくアリア以上にキンジが撃破されたことに動揺しているであろうビビり少女。潜伏組ではあるが、空気属性のないりこりんが潜伏し続けられるかは怪しい所である。

■『読者さんが実際に番外編に登場しちゃう企画!』からのキャラ
①衣咲命→読者のアイディアから参戦したキャラ。詳細は次回以降へ持ち越します。どうせなら台詞が出た時に説明を付しておきたいですからね。

 というわけで、EX1は終了です。活動報告で開催していた『読者さんが実際に番外編に登場しちゃう企画!』へエントリーしてきたキャラがまだ名前だけとはいえ地味に出演してるこの番外編。そして開始早々主人公がやられちゃうこの合戦。はたして生き残るのは誰なのか。そもそも生き残りなんて発生するのか。お楽しみに。

 ……余談ですが、この番外編の間は基本的におまけはありません。本編がもうギャグの塊でやっていくつもりですからね。そして、この番外編は毎日更新でいかせてもらいます。その分、感想返信が間に合わなくなる可能性が確実にあるでしょうが、いずれ必ず返信するのでご安心を。さらに、この番外編が全何話かについては……内緒にしておきます。その方が面白そうですしね。

※今回、寮取り合戦のルールとかポイント一覧とか詳しく載せましたが、あんまり展開には関係ありません。ルールを裏を突くような上手い展開なんてものは用意してないので、頑張って暗記とかをする必要はないですからね? あくまで気楽にご覧ください。

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