【完結】熱血キンジと冷静アリア   作:ふぁもにか

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 どうも、ふぁもにかです。今回はキンジくんサイドということで、前回のユッキーサイドとは打って変わって派手さに欠ける戦いをキンジくんに繰り広げてもらいます。前回は気合い入れて1万字くらい本編に使って疲れちゃったので、今回は5千字ぐらいで抑えられたらなぁー、なんて思ってます。エヘッ♪

キンジ「何か俺の扱い、酷くないか?」
ふぁもにか「あぁーーーーッ!! アニメ『がっこうぐらし』が超絶面白いんじゃああああああああああああああああああああ!!」
キンジ「話聞けよ、おい!」

P.S.ついにUAが通算で20万を突破しました。このことを知った私は今、この作品の中々の愛されっぷりに割と感激しています。これからもこの作品の行方を見守ってくれたらなと思うので、今後ともよろしくお願いします(*´▽`*)



113.熱血キンジと同士討ち

 

 時は少々さかのぼる。具体的には、白雪が得意げな笑みを引っさげて「氷壁聳(アイシクル・ウォール)!」と宣言すると同時にキンジ&ジャッカル男たちと白雪&パトラとを分断するように蒼白の氷壁がタケノコのごとくグングン成長した頃までさかのぼる。

 

 

「なぁッ!?」

 

 パトラ作の改造アンベリール号上に築かれた巨大ピラミッド内にて。キンジはあっという間に天井まで到達し、周囲の空気を次々とひんやり風味に変えていく氷の巨壁につい目を剥いていた。

 

 それはキンジの進路を妨害するように立つジャッカル勢たちも例外でないらしく、「ァオ!?」「グォ!?」と氷壁と他のジャッカル男の仲間と視線を忙しく動かす形で動揺を顕わにしている。パトラが砂から作り上げたにしては、何とも人間味あふれる愛すべきジャッカル男どもである。

 

(こ、これ、ユッキーが作ったのか!? いつの間に使えるようになったんだ!? ジャンヌから教えてもらったとか、そんな感じだったりするのか!?)

 

 驚愕冷めやらぬキンジの脳内には次々と疑問が舞い込んでいく。その脳内に押し寄せる疑問ラッシュに、しかしキンジは「い、いや。今はそんなことどうでもいいか」と首を左右にブンブンと振って気持ちを切り替える。

 

(とにかく、ユッキーのおかげで俺はパトラのことを気にしなくてよくなった。それなら――)

 

 キンジは狼狽しまくるジャッカル男たちをよそにスッと静かに目を瞑る。そして。『さて。思い出せ、遠山キンジ。カナ姉の手の温もりを。慈愛に満ちた眼差しを。後光に包まれた体躯を。天使のようななんて表現が霞むほどの微笑みを――(ry』と脳内をカナ一色に染め上げるという恒例儀式を通して、キンジはいつものように即効でヒステリアモードへと移行した。相変わらずのブラコン(?)気質である。

 

 

「アリア。今、そっちへ行く。あと少しだけ待っていてくれ」

 

 キンジは視界の奥に映る黄金の棺を見つめて優しい声色で語りかけると、愚直にもジャッカル男たちの軍勢に正面から突っ込んでゆく。一方。キンジが動いたことを察知したジャッカル男たちは、氷壁を壊さんと氷壁前で大斧をグググッと振りかぶる一部のジャッカル男たちを「グォォッ!」との声で呼び戻すと、キンジの迎撃態勢に入る。

 

 以前、カジノ『ピラミディオン台場』を襲撃した時とは違い、大斧の他にも大剣・大槍・戦槌・双剣・太刀など多種多様な武器をそれぞれ装備したジャッカル男たちがキンジを囲い込むように移動し、各々の武器を振り下ろさんとする。しかし。対するキンジはその場にピタリと立ち止まるだけで、回避も防御もしない。武器すら構えない。そんな奇妙なキンジの行動に内心では疑問符を浮かべつつもジャッカル男たちは武器を振り下ろす手を緩めはしない。と、その時。奇怪な出来事が起こった。何と、ジャッカル男たちの武器がキンジの体をすり抜けたのだ。

 

 結果、キンジを切り刻むはずだった武器たちは空を切る。そして。キンジを全力で斬る以外のことを考慮されていないまま振るわれた武器はそのまま勢いあまって他のジャッカル男たちにクリーンヒットする。ジャッカル男たちは己の振るった武器で他の仲間の頭蓋を貫き、胴体に風穴を開け、首と胴体とを離婚させてゆく。

 

 さて。キンジが一体何をしたか。答えは簡単だ。以前、ブラド戦でヒステリア・アゴニザンテを発動させた時に使った流水制空圏を使って、四方八方から襲いかかる多種多様な武器をあくまで最小限の動きでかわしたのだ。その狙いは、あまり頭のよろしくないジャッカル男たちを同士討ちさせる形で、楽してひとまず数を減らすこと。

 

 

(1体1体律儀に相手にしてる時間なんてないからな。にしても……何か、恐ろしいほどに上手くいったな。まぁそれもこれもほとんど流水制空圏のおかげなんだけど)

 

 キンジは周囲を一瞥し、ジャッカル男たちの体が元の砂金へと崩壊し、その中から黒いコガネムシが飛んでゆく様や今の同士討ちでジャッカル男たちの数が6割方減っていることを一瞬で把握する。そして。流水制空圏を以前自分に披露してくれたレキに(※本人にその気はなかった)内心で感謝の念を抱きつつ、キンジはジャッカル男たちの包囲網を抜けた先へと駆けてゆく。その際、ちゃっかり1体のジャッカル男が持っていた大斧を入手するのも忘れない。

 

 キンジは駆ける。アリアが収められていると思われる棺の元まで迷わず駆けてゆく。と、その時。ずずずッという重厚な音を引き連れて、黄金棺のすぐ背後に控えていたお座り状態でいる極大のスフィンクス像がゆっくりと動き始めた。

 

 

(ま、やっぱり動くよな。そう来ると思ってたぜ)

 

 あらかじめ大型の蟲人形たるスフィンクス像が動くものと予測していたキンジがほんの少しだけ目を細める一方、スフィンクス像は悠然と立ち上がる。エジプトのお経みたいな謎言語をブツブツと呟きながら立ち上がるスフィンクス像は体長10メートルは裕にありそうなほどに巨大な代物であった。

 

(ここまでは予想通り。てことで、お前たちにはもう一回同士討ちしてもらう)

 

 スフィンクス像は棺への特攻姿勢をまるで崩さないキンジをギンと睨みつけ、上方へとグググッと上げた右前足を勢いよく下ろそうとする。キンジを踏み潰す気満々のスフィンクス像。普通なら恐怖しか抱けないはずの敵意丸出しの存在を前に、キンジはニヤリと不敵に笑う。そして。キンジは体を捻って両手に持った大斧を渾身の力でぶん投げた。

 

 キンジが全力で放った大斧はグルグルと無駄に回転しながらスフィンクス像の左前足へ接触。そのままスフィンクス像の左前脚をズバンと切断した。どうやらスフィンクス像は見た目の圧迫感とは裏腹に、ジャッカル男たちと同様に割と脆い性質のようだ。

 

「ォオ!?」

 

 軸足の役目を担っていた左前足を失ったスフィンクス像は当然、バランスを失ってしまう。どうにかバランスを確保しようとキンジを踏み潰すはずだった右前足を早めに床に叩きつけ、どうにか自身の体が倒れないように踏みとどまる。しかし。不幸にも、スフィンクス像が右前足を置いた場所は、今まさに棺へ全力ダッシュしているキンジの妨害をしようとキンジの背中を追っていたジャッカル男たちのいた場所であった。

 

 

(これも上手くいった。意外とジャッカル男どもをいっぱい巻き込めたな、これは幸先いいぞ)

 

 退避の間に合わなかったジャッカル男たちが「グォオオ!?」とスフィンクス像の下敷きになる様子をしり目に、キンジは玉座にザクッと突き刺さった状態の大斧を回収。左前足を持っていかれたことにブチ切れ中のスフィンクス像に対し、奴を無力化するための次なる対処をしようとしたキンジはここでふと、もう一度ジャッカル男たちの方へと視線を向ける。すると。もう数体しか残っていないジャッカル男たちの内の1体がとある武器を肩に担ぎ、キンジへと照準を合わせていた。

 

 

「ふぁッ!?」

(ちょっ、待て待て待て待てッ!? ちょっと待て!? それ地対空ミサイルじゃねぇか!? こいつ、一体どこから持ってきた!? ま、ままままさかそれもパトラが作ったんじゃ――ってこんなこと考えてる場合じゃない! あんなの発射されたらひとたまりもないぞ!?)

 

 1体のジャッカル男がいつの間にやら己の武器をまさかの携帯型の地対空ミサイルに切り替えていたことにキンジはギョッと目を見開くも、思考力・判断力・反射神経などが通常の30倍にまで向上するヒステリアモードの恩恵により、キンジはすぐさま現状打破の一手を講じる。キンジは両手に持った大斧を背後に大きく振りかぶり、スフィンクス像へと投げつける。

 

 縦方向にギュンギュン回転する大斧はスフィンクス像の腹部に命中し、再びバランスを失ったスフィンクス像は為すすべもなく床に倒れんとする。そのスフィンクス像の巨体がキンジと地対空ミサイルとの間に割って入ったのと同時にジャッカル男の持つ地対空ミサイルが発射された。

 

 発射機から解き放たれたミサイルはゴォォオオオオと煙を噴射しながら一直線にほとばしり、見事なまでにスフィンクス像の横っ腹に命中する。結果、スフィンクス像は断末魔を上げる間もなく形を失い、金塊の山へと姿を還していった。

 

 そして。スフィンクス像の崩壊を導いてしまった当のジャッカル男は「こ、こんなはずじゃなかったんだッ!」と言わんばかりに「グォオオ!?」と狼狽の声を高らかに上げるも、次の瞬間にはそのジャッカル男の頭が撃ち抜かれていた。キンジが拳銃を使って速やかにジャッカル男の頭部目がけて発砲したのだ。

 

 

(ふぅ、無事倒せたか。よかった、何せあの個体は放っておくとまたヤバそうな武器持ち出してきそうだったからな)

 

 スフィンクスを盾にすることで地対空ミサイルの脅威をやり過ごしたキンジは、地対空ミサイルなんて持ち出してきたイレギュラー極まりないジャッカル男をとっとと排除できたことにホッと安堵の息を吐く。

 

 その後。まだ残っている数体のジャッカル男が豪快に足音を響かせる形でダッシュし、キンジの元へ迫りくる中。キンジは黄金の棺に手を伸ばす。またいつパトラが新たな傀儡を召喚するかわからない状況下で残党に構ってられるものかと、さっさと棺の中に収められているであろうアリアを奪還しようとする。

 

(アリア! 俺はここまで来たぞ――ッ!?)

 

 と、その瞬間。周囲一帯に耳をつんざくような轟音が響いた。キンジがバッと音源を見やると、天高くそびえ、あまりの分厚さに向こう側の状況を視認できないことに定評のある氷壁がズガァァアアアアアアアンという派手な音とともに崩壊する様子が、キンジの両眼に映し出されていた。

 

 

「そこまでですわ!」

 

 氷塊が光を乱反射させながらドスドス床に落ちてゆく中。その氷塊の雨にどうにか生き残っていた残りのジャッカル男たちが漏れなく全滅する中。氷壁を力技で壊してみせたパトラが声を張り上げる。そして。パトラは氷壁によって状況がわからなかったフロアに隈なく視線を配り、棺のすぐ側まで近寄っているキンジを見つけると、焦りに満ちた表情を隠さないまま、「この者の命が惜しければ、動かないでくださいませ!」と叫んだ。

 

 

「白雪ッ!?」

 

 うつ伏せに倒れ伏すズタボロ巫女服の白雪(※ゼェゼェと乱れた呼吸を繰り返している辺り、とりあえず最悪の事態――白雪がパトラに殺された的な展開――にはなっていないようだ)と、その白雪の背中を片足で踏みつけ身動きを封じるパトラの姿を目の当たりにしたキンジは即刻パトラに銃口を向ける。

 

「キン、ちゃ……」

「白雪! 待ってろ、すぐ助けに――」

「――あらまぁ遠山キンジさん。私は動くなと言いましてよ?」

 

 ヒステリアモードを発動中のキンジは弱々しい声を上げる白雪を助けるために彼女の元へ駆けつけようとするも、パトラの殺気に満ち満ちた人を余裕で殺せそうな眼差しについ「うッ」と立ち止まる。そして。「今すぐ武器を捨てて棺から離れてくださいまし。でないと……ふふふ」とパトラが意味深に笑った時、キンジはパトラの足元に倒れる白雪の体からしゅうぅぅうううと、水蒸気のような煙が上がっていることに気づいた。

 

 

「あ、う……」

「パトラ!? 白雪に何を!?」

「簡単な話ですわ。私には人体から水を抜き取る聖秘術(わざ)を持っていますの。ほら、早く武器を捨ててくださいませ。でないと、星伽白雪さんは物言わぬミイラになってしまいますわよ」

 

 白雪の体から生じる水蒸気がその勢いを増し「うぅぅ……」と苦悶に満ちた声を断続的に漏らす白雪を前にキンジは即刻武器を手放そうとする。と、その刹那。ズシャッと、床から生まれた小さなサイズの氷片がパトラの足首を貫いた。

 

 

「なッ!? 貴女、まだ余力を残していたんですの!?」

「パトラちゃん。言った、よね? 最後、まで……全力で、足掻くって」

(今だよ、キンちゃん……!)

(よくやった、白雪!)

 

 驚愕の表情を隠せないパトラに白雪はしてやったりと笑みを浮かべる。そして。当の白雪から力強いアイコンタクトを受け取ったキンジはパトラの意識が白雪へと集中している隙にパトラの腹部を狙って発砲する。パァンという乾いた銃声でハッと現状に思い至ったパトラが白雪の背中から足を外して銃弾をかわすも、ヒステリアモード特有の卓越した思考力であらかじめパトラの回避先を読んでいたキンジはパトラの移動先へと迫り、拳銃を持たない右手に装備した小太刀を振るう。

 

 一方のパトラは、抵抗するなど残っていないと思われた白雪からの攻撃への動揺が収まらないのか、砂金から丸盾を生成して小太刀を防ぐことをしないで、ただただ後退して小太刀の攻撃範囲から逃れるのみだ。

 

 

「白雪。まだ動けるか?」

「ん。なん、とか……」

「なら、今の内に戦いに巻き込まれない場所に避難してくれ」

「……ごめん、ね。キン、ちゃん」

「謝ることないさ。よく頑張った、白雪。ここから先は俺に任せてくれ」

「わかっ、た」

 

 キンジは攻撃を避けるのみのパトラを深追いせずにその場に留まり、白雪と軽く言葉を交わす。その後。パトラの攻撃から白雪の退路を守り抜けるようにパトラの様子を注視する。

 

 そして。フラフラとどこか危うい足取りながら白雪がこの『王の間』のどこかに姿を隠した頃、動揺を乗り越えたパトラは足首に刺さった氷片を抜き、己の魔力で足首を治療しながら、キンジに疑念の眼差しを向けた。

 

 

「遠山キンジさん、これは何の冗談ですの? 私の見当違いでなければ、貴方はもしかして……この私に挑もうとしておりますの?」

「そうなるな。この状況下でふざけられるほど、俺は空気の読めない人間じゃない」

「あらまぁ。それでは、貴方は無能力者の分際で私に敵うと本気でお思いですの? ふふふ、それは思い上がりというものですわよ」

「パトラこそ、超能力者(ステルス)の分際であんまり調子に乗らない方がいい」

「むッ」

「俺はいずれ世界最強の武偵になる男だ。超能力ぐらい、ハンデでくれてやる」

「ハ、ハンデですってぇッ……!」

 

 キンジはフッと柔らかな笑みを浮かべパトラを挑発する。対するパトラはすぐ行動にこそ移さないものの、その瞳は明らかに憤りの炎をたぎらせている。よほど無能力者で格下であるはずのキンジに実力を下に見られたことが許せないようだ。

 

 

 とはいえ、確かにパトラの言い分は尤もだ。ただでさえ無能力者が超能力者に勝利するのは難しい。ましてや、今の俺の相手はあの砂礫の魔女だ。元イ・ウーのナンバー2であり、俺とアリアと理子の3人でやっとかっと倒したブラドの上位交換と言っていい存在だ。

 

 それなのに。対する俺には今回、アリアも理子もいない。白雪の援護は期待できない。今の白雪にはアリアを連れて先に逃げてもらえるほどの体力すら期待できない。つまり。今から俺はブラドよりはるかに格上であるパトラ相手に、1対1の戦いを挑み、勝利しないといけない。なるほど、確かにパトラと戦った際の俺の勝率が約3%だと白雪が推測したのもうなずける。

 

 

 ――けど、だから何だ?

 

 

 俺はいずれ世界最強の武偵になる男だ。あのカナ姉をも打倒した男だ。カナ姉から教授(プロフェシオン)を倒せると期待されている男だ。だったら。これぐらいの困難、笑って楽々乗り越えてみせろ。なぁ、お前ならやれるだろ? 遠山キンジ――!

 

 

 

「パトラ。お前が侮ってる無能力者の力、見せてやるよ」

 

 半身で立ち、左手に拳銃、右手に小太刀を装備したキンジはニタァと、ヒステリアモード発動中のキンジが異性に見せる表情としては珍しい部類に入る、勝気な笑みを浮かべた。それはあたかも無能力者という鼠が、無限魔力まで備えた超能力者という獰猛猫を噛み殺さんとする笑みだった。

 

 




キンジ→当然のようにヒステリアモード時に『流水制空圏』という他作品の技を使う熱血キャラ。久しぶりに熱い男っぷりを見せた模様。ちなみに。もう死に設定かもしれないが、今回はヒステリアモード中なのでユッキーのことを白雪と呼んでいる。
白雪→描写されてない間にスタミナ切れでパトラに敗北した怠惰巫女。作者曰く、『いや、だってユッキーがズタボロになるだけの戦いを書く気力が起きなかったんだから仕方ないじゃん?』とのこと。しかし、タダではやられずどこまでも足掻く辺りが素敵である。
パトラ→無能力者を侮っている感のある貴腐人。最近、彼女の口調が乱れつつあるような気がしないでもないかもしれないが、気にしては負けである。

ジャッカル男「私は一発の地対空ミサイル」
キンジ「ふぁッ!?」

 というわけで、113話終了です。前回と比べれば何だかギャグっぽい感じもしないでもない戦いでしたね。特に地対空ミサイルのくだり。あれはパトラさんがいざという時のために砂金の床の下に様々な武器を仕込んでいるという裏設定を前提に、ジャッカル男が床を掘って地対空ミサイルを取り出したことになってます。決してパトラさんが能力使って速攻で作っちゃったわけではありませんので、あしからず。

 まぁ今回はそこまでパッとしない戦いだったけど……しかし、キンジくんの真骨頂はまだまだ後に控えてますので、今回はこの程度でいいかなというわけです。今の時点でキンジくんの戦闘パターンの引き出しをバンバンお見せしちゃうと絶対ネタ切れしちゃいますからね、仕方ないですね。


 ~おまけ(その1:ネタ パトラは何でも作れる恐ろしい貴腐人さん)~

 以前、カジノ『ピラミディオン台場』を襲撃した時とは違い、大斧の他にも大剣・大槍・戦槌・双剣・太刀など多種多様な武器をそれぞれ装備したジャッカル男たち。

ジャッカル男Aの武器→グングニル
ジャッカル男Bの武器→ミョルニル
ジャッカル男Cの武器→エクスカリバー
ジャッカル男Dの武器→ゲイボルグ
ジャッカル男Eの武器→蜻蛉切
ジャッカル男Fの武器→天叢雲剣
ジャッカル男Gの武器→ティルフィング
ジャッカル男Hの武器→クラウ・ソラス
ジャッカル男Iの武器→アスカロン
ジャッカル男Jの武器→ジュワユーズ
ジャッカル男Kの武器→アロンダイト
ジャッカル男Lの武器→ダーインスレイブ
ジャッカル男Mの武器→アイギス
   ・   ・
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キンジ(あ、これ死んだわ)

 きっと灰も残らないんだろうな、南無阿弥陀仏。


~おまけ(その2:ネタ 貫録のシリアスブレイカー・ユッキー)~

 床に倒れ伏し、パトラに背中を踏まれる白雪のシーンにて。

白雪「キン、ちゃ……」
キンジ「白雪! 待ってろ、すぐ助けに――」
パトラ「――あらまぁ遠山キンジさん。私は動くなと言いましてよ? 今すぐ武器を捨てて棺から離れてくださいまし。でないと……ふふふ」
白雪「あ、う……」
キンジ「パトラ!? 白雪に何を!?」
パトラ「簡単な話ですわ。私には人体から水を抜き取る聖秘術(わざ)を持っていますの。ほら、早く武器を捨ててくださいませ。でないと、星伽白雪さんは物言わぬミイラになってしまいますわよ」
白雪「うぅぅ……効くぅぅぅ(←だらけきった声)」
キンジ&パトラ「「……え?」」
白雪「あ、あぁー。パトラちゃん、そこもうちょっと強く踏んで。あ……ハァァー、気持ちいいぃぃー。パトラちゃんってマッサージの才能あるんだねぇ。今すっごく気持ちいいよぉ♪(←トロ顔)」
パトラ「……」(どうしましょう。リアクションに凄く困りますわ)
キンジ「……」(だからって俺に目線で助けを求められても困るんだが……全く、白雪は相変わらずだな)←ヒステリアモード特有の異性殺しの微笑を浮かべつつ

 シリアスな雰囲気をユッキーに木っ端微塵にされて、これにはさすがのキンジくんとパトラさんも苦笑い。

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