問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に吹く風~《リメイク中》   作:ソヨカゼ

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どうも!
GWだというのに全く余裕ありません。
誰か私に時間を下さい!!
さて、今回はバトルとかありません。
つまらないでしょうがみてください!
では、どうぞ!!


五話 白き魔王

そんなこんなで黒ウサギと十六夜が帰ってきた。

 

そして.....

 

「な、なんであの短時間に”フォレス・ガロ”のリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?」

 

黒ウサギは絶賛お怒り中でした。

 

「しかもゲームの日取りは明日!?それも敵のテリトリー内で戦うなんて!準備している時間もお金もありません!!一体どういう心算があってのことです!聞いているのですか三人とも!!」

 

「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」

 

「黙らっしゃい!!!」

 

誰が言い出したのか、まるで口裏を合わせていたかのような言い訳に激怒する黒ウサギ。

 

「別にいいじゃねえか。見境無く選んで喧嘩売ったわけじゃないんだから許してやれよ」

 

「い、十六夜さんは面白ければいいと思っているかもしれませんけど、このゲームで得られるものは自己満足だけなんですよ?この契約書類(ギアスロール)を見てください」

 

“契約書類”とは”主催者権限”を持たない者達が“主催者”となってゲームを開催するために必要なギフトである。

 

そこにはゲーム内容・ルール・チップ・賞品が書かれており“主催者”のコミュニティのリーダーが署名することで成立する。黒ウサギが指す賞品の内容を十六夜が読み上げる。

 

「“参加者”が勝利した場合、主催者は参加者の言及する罪を認め、箱庭の法の下で正しい裁きを受けた後、コミュニティを解散する”―――まあ、確かに自己満足だ。時間をかければ立証できるものを、わざわざ取り逃がすリスクを背負ってまで短縮させるんだからな」

 

ちなみに飛鳥達のチップは“罪を黙認する”こと。それも、今回だけでなく今後一切について口を閉ざすことだった。

 

「時間さえかければ彼らの罪は暴かれます。だって肝心の子供たちは.....その」

 

黒ウサギが言い淀む。彼女も“フォレス・ガロ”の悪評は聞いていたが、そこまで酷い状態になっているとは思っていなかった。

 

「そう。人質は既にこの世にいないわ。その点を責め立てれば必ず証拠は出るでしょう。だけどそれには少々時間がかかるのも事実。あの外道を裁くのにそんな時間をかけたくないの。それにね、黒ウサギ。私は道徳云々よりも、あの外道が私の活動範囲で野放しにされることも許せないの。ここで逃がせば、いつかまた狙ってくるに決まってるもの」

 

「はぁ..........。仕方がない人達です。まあいいデス。腹立たしいのは黒ウサギも同じですし。“フォレス・ガロ”程度なら十六夜さんが一人いれば楽勝でしょう」

 

十六夜と飛鳥は怪訝な顔をして、

 

「何言ってんだよ。俺は参加しねえよ?」

 

「当たり前よ。貴方なんて参加させないわ」

 

フン、と鼻を鳴らす二人。

 

黒ウサギは慌てて二人に食ってかかった。

 

「だ、駄目ですよ!御二人はコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと」

 

「そういうことじゃねえよ黒ウサギ」

 

十六夜が真剣な顔で黒ウサギを制した。

 

「いいか?この喧嘩は、こいつらが売って、奴らが買った。なのに俺が手を出すのは無粋だって言ってるんだよ」

 

「あら、わかってるじゃない」

 

「..........。ああもう、好きにしてください」

 

四人の召喚とその時の騒動、さらに十六夜を追いかけたりと丸一日振り回され続けて疲弊した黒ウサギはもう言い返す気力もなかった。

 

ちなみにイアは、飛鳥の腕の中で固まっていた。

 

一応離すように言ったが、曰く

 

「いいじゃない、可愛いんだから。それとも、独り占めするつもり?」

 

らしい。

 

そんなこんなで、今は移動中だ。

 

サウザンドアイズとかいう所に向かってるらしい。

 

何でも自分のギフトを知っておいた方がいろいろ良いだろうという事だ。

 

道中長いので十六夜と話をしている。

 

「なるほど、それであの獣耳少女は固まってたのか。それに神格の娘とは.....なかなか面白いな。」

 

ヤハハと豪快に十六夜は笑った。

 

「まぁな、それで、そっちはどうだった?世界の果てってやつは。」

 

ちなみにイア解放されて今は俺の後ろにいる。どうやら相当ら怖かったらしく、飛鳥を警戒していた。

 

さすがの飛鳥も手を引いたのだ。

 

「あぁ、こっちもなかなかだったぜ。何か俺を試すとか言って来たから、俺を試せるのか試してやったよ。」

 

十六夜は世界の果てで水神と名乗る巨大な白蛇を相手にしたらしい。結果は圧勝だったらしい。

 

まったく、あいつはどんだけ強いんだか。

 

「なるほど。さすがだな.....さて、そろそろあっちに行きたいんだが.....」

 

イアが行きたがらないんだなこれが。

 

「イア、まだ怖いの?」

 

「う、うん。怖いです。」

 

だよね〜、どうしよう。

 

十六夜はヤハハと笑って手伝ってくれないらしい。

 

ひどいなあいつ。

 

「仕方ない、ほら!」

 

「ひゃ!!」

 

とりあえず、肩車してみた。

 

「うわぁぁ〜」

 

怖がるかと思ったけど案の定楽しそうなのでこれで行こう。

 

「これならいいか?さ、みんなの所に行こう。」

 

楽しそうにしていたのでとりあえず良しとしよう。

 

後ろで十六夜が、

 

「あいつ、ロリコンか?」

 

とかほざいてるが無視だ。

 

 

 

 

 

さてと、そうしてとりあえずみんなと合流したのだが、飛鳥が怖いんだよ。

 

目で「貴方だけずるい!!」と力強く語ってました。

 

話題を変えるために何かを探すと、桜の様な木があった。

 

「お?桜の木じゃね?でも今って冬じゃなかったっけ?」

 

そういえば何処にも雪とか無かったな。なんでだろ。

 

「桜の木.......ではないわよね?花弁の形が違うし、それと今は真夏じゃなかったかしら?」

 

「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。気合の入った桜が残っていてもおかしくないだろ」

 

「.....?今は秋だったと思うけど」

 

ん?っと噛み合わない四人は顔を見合わせて首を傾げる。

事情を知る黒ウサギは笑って説明する。

 

「皆さんはそれぞれ違う世界から召還されているのデス。元いた時間軸以外にも歴史や文化、生態系など所々違う箇所があるはずですよ」

 

「へぇ?パラレルワールドってやつか?」

 

「あぁ。または、並行世界とも言うな。」

 

十六夜と二人で納得していた。二人とイアは何の事かわからなそうだった。

 

「近しいですね。正しくは立体交差並行世界論というものなのですけども.....今からコレの説明を始めますと一日二日では説明しきれないので、またの機会ということに」

 

目的地についたそうで、この話はお開きらしい。飛鳥がブスッとしていたが無視だ。

 

 

 

 

 

サウザンドアイズの旗は、蒼い生地に互いが向かい合う二人の女神像が記されている。

 

店の前では、看板を下げる割烹着の女性店員の姿があって、黒ウサギは慌ててストップを、

 

「まっ」

 

「待った無しです御客様。うちは時間外営業はやっていません」

 

ストップをかける事も出来なかった。

 

黒ウサギは悔しそうに店員を睨みつける。

 

飛鳥も意を同じくする。

 

「なんて商売っ気のない店なのかしら」

 

「ま、全くです!閉店時間の五分前に客を締め出すなんて!」

 

「文句があるならどうぞ他所へ。あなた方は今後一切の出入りを禁じます。出禁です」

 

「出禁!?これだけで出禁とか御客様舐めすぎでございますよ!?」

 

キャーキャーと喚く黒ウサギに、店員は冷めたような目と侮蔑を込めた声で対応する。

 

「なるほど、“箱庭の貴族”であるウサギのお客様を無下にするのは失礼ですね。中で入店許可を伺いますので、コミュニティの名前をよろしいでしょうか?」

 

「うっ.....」

 

一転して言葉に詰まる黒ウサギ。しかし十六夜は何の躊躇いもなく名乗る。

 

「俺たちは“ノーネーム”ってコミュニティなんだが」

 

「ほほう。ではどこの“ノーネーム”様でしょう。よかったら旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」

 

十六夜たちは知る由もなかったが“サウザンドアイズ”の商店は“ノーネーム”の入店を断っている。

全員の視線が黒ウサギに集中する。

彼女は心の底から悔しそうな顔をして、小声で呟いた。

 

「その.....あの.....私たちに、旗はありま」

 

「いぃぃぃやほおぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギイィィィ!」

 

「きゃあーーー!」

 

黒ウサギが店内から爆走してきた着物風の服を着た真っ白い髪の少女に抱きつかれ、少女と共に街道

の向こうにある浅い水路まで吹き飛び、ボチャン、と転がり落ちた。

 

それを、十六夜達は目を丸くし、店員は痛む頭を抱えた。

 

「....おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?なら俺も別バージョンで是非」

 

「ありません」

 

「なんなら有料でも」

 

「やりません」

 

おいおい、あいつは俺以上のロリコンか?っと、そもそも俺はロリコンじゃない!

 

視線をもどすと黒ウサギが何やら言い合ってるみたいだ。

 

「し、白夜叉様!?どうして貴女がこんな下層に!?」

 

「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろに!フフ、フホホフホホ!やっぱりウサギは触り心地が違うのう!ほれ、ここが良いかここが良いか!」

 

「し、白夜叉様!ちょ、ちょっと離れてください!」

 

黒ウサギは胸に顔を埋めている白夜叉を引き剥がすと、頭を掴んで店に向かって投げつける。

 

すると十六夜が足で受け止めようとしていた。

 

もちろん俺としては見過ごせないので、風を使って優しく下ろしてやった。

 

「お!?おぉ、助かった。これはおんしがやったのか?」

 

「ん?まぁそんなとこだよ。怪我ない?」

 

十六夜が何か睨んでて怖い。

 

だがあえてこの和装ロリと会話を続きていた。

 

一連の流れの中で呆気に取られていた飛鳥は、思い出したように白夜叉と呼ばれていた少女に話しかけた。

 

「貴女はこの店の人?」

 

「おお、そうだとも。この“サウザンドアイズ”の幹部で白夜叉さまだよご令嬢。仕事の依頼ならおんしのその年齢のわりに発育がいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」

 

「オーナー。それでは売り上げが伸びません。ボスが怒ります」

 

どこまでも冷静な声で女性店員が釘を刺す。

 

ちょうどその時、黒ウサギが濡れた服を絞りながら水路から上がってきた。

 

「うう.....まさか私まで濡れる事になるなんて」

 

濡れても気にしていなかった白夜叉は、店先で黒ウサギ達を見回してにやりと笑った。

 

「ふふん。お前達が黒ウサギの新しい同士か。異世界の人間が私の元に来たということは.....」

 

不敵な笑顔を浮かべる白夜叉に視線が集まり、

 

「遂に黒ウサギが私のペットに」

 

「なりません!どういう起承転結があってそんなことになるんですか!」

 

ウサ耳を逆立てて黒ウサギが怒る。

 

「まぁ、冗談はさておき話があるのじゃろ。話があるなら店内で聞こう」

 

何処まで本気かわからない白夜叉は笑って店へ招く。

 

「よろしいのですか?彼らは旗も持たない“ノーネーム”のはず。規定では」

 

しかし、女性店員が眉を寄せながら水を差す。

 

「“ノーネーム”だとわかっていながら名を尋ねる、性悪店員に対する侘びだ。身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任を取る。いいから入れてやれ」

 

む、っと拗ねるような顔をする女性店員。彼女にしてみればルールを守っただけなのだから気を悪く

するのは仕方がない事だろう。女性店員に睨まれながら暖簾をくぐった。

 

 

 

 

 

「生憎と店は閉めてしまったのでな。私の私室で勘弁してくれ」

 

五人が通されたのは白夜叉の私室。

 

香のような物が焚かれており、風と共に5人の鼻をくすぐる。

 

ちなみにイアは、店員さんと遊んでいる。あの後イアに気ずいた店員があまりにもキラキラした目で見ていたので、さっきのお詫びにイアに頼んで行ってもらった。

 

個室と言うにはやや広い和室の上座に腰を下ろした白夜叉は、大きく背伸びをしてから五人に向き直った。

 

「もう一度自己紹介しておこうかの。私は四桁の外門、三三四五外門に本拠を構える“サウザンドアイズ”幹部の白夜叉だ。この黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやっている器の大きな美少女と認識しておいてくれ」

 

「はいはい、お世話になっております本当に」

 

投げ遣りな言葉で受け流す黒ウサギ。

 

さて、白夜叉の話を要約すると、箱庭とはバームクーヘンの様な創りをしており、真ん中に行くほど強い奴らがいるやしい。

 

「今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番皮の薄い部分にあたるな。更に説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は“世界の果て”と向かい合う場所になる。あそこはコミュニティに属してはいないものの、強力なギフトを持ったもの達が住んでおるぞ―――その水樹の持ち主などな」

 

白夜叉は薄く笑って黒ウサギの持つ水樹の苗に視線を向ける。白夜叉が指すのは世界の果てで、十六夜が素手で叩きのめした蛇神のことだろう。

 

「白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」

 

「知り合いも何も、あれに神格を与えたのはこの私だぞ。もう何百年も前の話だがの」

 

小さな胸を張り、カカと豪快に笑う白夜叉。

 

サラッとすごい事言ったよな今。

 

「神格ってなんだ?」

 

十六夜よ、年齢の事はスルーなんだな。以外と紳士だったな。

 

「神格とは、生来の神そのものではなく、種の最高のランクに体を変化させるギフトのことだ。人に神格を与えれば現人神や神童に。蛇に神格を与えれば巨躯の蛇神に。鬼に神格を与えれば天地を揺るがす鬼神と化す。更に神格を持つことで他のギフトも強化される。コミュニティの多くは目的のために神格を手に入れるため、上層を目指して力をつける。」

 

「へぇー。そんなもんを与えられるってことはオマエはあの蛇より強いのか?」

 

「ふふん、当然だ。私は東側の“階層支配者”だぞ。この東側の四桁以下にあるコミュニティでは並ぶ者がいない、最強の主催者だからの」

 

“最強の主催者”―――その言葉に、十六夜・飛鳥・耀・明の四人は一斉に瞳を輝かせた。

 

「そう.....ふふ。ではつまり、貴女のゲームをクリア出来れば、私達のコミュニティは東側で最強のコミュニティという事になるのかしら?」

 

「無論、そうなるのう」

 

「そりゃ景気のいい話だ。探す手間が省けた」

 

三人は剥き出しの闘争心を視線に込めて白夜叉を見る。

 

白夜叉はそれに気づいたように高らかと笑い声を上げた。

 

「抜け目ない童達だ。私にギフトゲームで挑むと?」

 

「え? ちょ、ちょっと御四人様!?」

 

慌てる黒ウサギを右手で制す白夜叉。

 

「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている」

 

「ノリがいいわね。そういうのは好きよ」

 

「後悔すんなよ。」

 

全員が嬉々として白夜叉を睨む

 

「そうそう、ゲームの前に確認しておく事がある」

 

「なんだ?」

 

白夜叉は着物の裾から“サウザンドアイズ”の旗印―――向かい合う双女神の紋が入ったカードを取り出し、表情を壮絶な笑みに変えて一言、

 

「おんしらが望むのは“挑戦”か―――もしくは、“決闘”か?」

 

刹那、五人の視界は意味を無くし、脳裏を様々な情景が過ぎる。

 

黄金色の穂波が揺れる草原、白い地平線を覗く丘、森林の湖畔。

 

五人が投げ出されたのは、白い雪原と湖畔―――そして、水平に太陽が廻る世界だった。

 

「なっ!?」

 

あまりの異常さに、十六夜達は息を呑んだ。

 

遠く薄明の空にある星は、世界を緩やかに廻る白い太陽のみ。

 

唖然と立ち竦む四人に、今一度、白夜叉は問いかける。

 

「今一度名乗り直し、問おうかの。私は“白き夜の魔王”―――太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望むのは、試練への“挑戦”か? それとも対等な“決闘”か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




グタグタと申し訳ありません!
長いっすよね(; ̄ェ ̄)
そしてオリキャラ影が薄い!
どうしましょう!
アドバイスやコメントを
誰か下さい!!
ではまた次回(^-^)/

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