問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に吹く風~《リメイク中》   作:ソヨカゼ

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どうも!
最近調子がいいです!
文が長ったらしいですが....
どうかよろしくお願いします!!
では、どうぞ!!


四話 森の神格との出会い

「貴様は.....許さない!」

 

耀たちの後ろから響いた声は、一緒に空から落ちて、それを助けてくれた優しい少年のものだった。

 

「明くん.....なの?」

 

「......怖い」

 

しかし、飛鳥と耀は混乱していた。いや、恐怖に近かった。

 

そこにあったのは、まるで氷で出来た機械の様で、そしてガルドを見下していた明の顔だった。

 

「ぐっぉぉぉ!な、なんだこれは!?」

 

「飛鳥、続けてくれ」

 

地面に沈み、うめいていたガルドを無視し、飛鳥に先を促す。

 

「え、えぇ。....とにかく、貴方のような外道はずたぼろになって己の罪を後悔しながら罰せられるべきよ。貴方には破滅以外のどんな道も残されていないのよ。」

 

「ぐっ!うぅぅ....」

 

「そこで提案なんだけど、私達とギフトゲームをしない?貴方の“フォレス・ガロ”存続と“ノーネーム”の誇りと魂を賭けて、ね」

 

そして、ゲームは明日になった。

 

 

 

 

 

ガルドと一悶着あった後、店のお代をガルドになすりつけて黒ウサギと十六夜を待ってる。

 

すると飛鳥と耀が

 

「それにしても驚いたわ。いつの間に帰ってきたの?それに、あの時の貴方はいったい.....」

 

「うん、あの時の明は何か怖かった。今までと何かが違ってた」

 

「着いたのは丁度、工藤が襲われそうになった時。あれは、まぁなんというか.....」

 

最後の所を、明は言葉をにごした。

 

(またやっちまった。悪い癖だなこれは。カッとなると、つい歯止めが効かなくなる。)

 

昔から彼は、誰か、いや、何かが馬鹿にされたり、傷つけられると別人の様になる事があった。

 

何かとは、動物なども入るからだ。それが彼の優しいとこであり、同時に狂った一面でもある。何故なら、“自分以外”しか大切に出来ないのだから。

 

「それより、久遠のギフトって何なんだ?まるで、見えない力が働いていた様な.....」

 

とりあえず話を変えてみた。といっても、本当に気になっていたのだが。

 

しゃべるなと言えば口を閉ざし、動くなと言えば動きが止まる。

 

まるで、見えない力でガルドを操っているようだった。

 

「飛鳥でいいわ。まぁ、貴方の思っているとおりよ。私のいう事を強制的にきかせるギフトという所かしら」

 

なるほど。予想通りとはいえ、すごいギフトだな。

 

「明のあれは?風じゃなかったけど....」

 

ふと、耀が疑問を口にした。飛鳥とさっきまで空気だったジンも興味があるのか、こちらを見る。

 

確かに耀たちを助けた時使ったのは風だった。

 

「あぁ、それはな.....。もういいよ、出ておいで。」

 

そうして明は草むらに声を掛ける。

 

そこから出てきたのは、腰の辺りで切りそろえられた綺麗で艶のある茶髪、と同じ色の目をし、着物を着た、犬のような獣耳の少女だった。

 

「えっと、はじめ.....まして」

 

可愛らしくお辞儀をしている少女を見て、三人は固まっていた。

 

さて、それでは語ろうか。ギフトゲーム「鬼退治」で何があったのか。

 

 

 

 

 

時を遡ること、数十分前。

 

「さて、鬼退治と行きますか!!」

 

ギフトゲーム「鬼退治」が始まった。

 

「うおぉぉぉぉぉ!」

 

しょっぱな突っ込んできた鬼に対し、風を固めた弾を放つ。

 

「がっっっ!!」

 

見事に腹にぶち当たった。

 

「まず、一体」

 

「く、クソガキがーーーー!!!」

 

そういって二匹目の鬼が、いつの間にか構えた棍棒を振るう。

 

しかし、慌てること無く棍棒を振るう手と胸元の衣服を掴み、

 

「背負い投げ!!!」

 

投げつけた勢いと風を使い、一体目の上に重ねた。

 

そう、明は柔道をやっている。

 

故にあの体勢が背負い投げにピッタリだと考え、即実行したのだ。

 

「フッ!!」

 

そして最後の一体に風の刃を飛ばした。

 

「ヒィッ!?」

 

威力が分からないため、直接は狙わず、近くの木に放った。

 

するとその木は、まるで紙切れの様に真っ二つになっていた。

 

(あれ?思ったよりも良く切れるな....)

 

この世界に来て初めて使える様になった力なので、これまでの戦闘は直感、こうすればこうなるのでは?という本能で行っていた。

 

だから、力の強弱などは全然わからなかったのだ。

 

(しかし、これはやり過ぎだな。生き物に使うのは極力控えよう。)

 

明はキレているが狂っているわけではない。故に理性はあるのだ。

 

「で、どうする?まだやるか?」

 

あれをみせられたあとの答えなど決まっている。

 

「す、すみませんでした!!!」

 

土下座だった。見事なまでの....。

 

戦闘不能二名、リタイア一名。さらには明は無傷だった。

 

こうして、彼の初のギフトゲーム完全勝利に終わった。

 

こうして鬼たちを追い払ったあと、ようやく獣耳少女が話しかけて来た。

 

「あの、ありがとう.....ございます?」

 

律儀にぺコリとお辞儀をしてきた。疑問形なのは、何故助けてくれたのか分からないからだろう。

 

「あぁ、お礼はいらないよ。好きでやった事だし。」

 

そう、あの状況を見てかっとなったからやっただけなのだ。助けたわけでもなければ、損得を考えたわけでもない。

 

故に、お礼はいらない。

 

「いや、でも何かお礼を....」

 

本当に律儀な娘だな。

 

「なら、君の名前を教えてくれないか?俺は竜堂 明だ。」

 

何か言わなければ延々と言ってきそうなので、とりあえず言ってみた。決してロリコンなわけでわない。

 

「えっ、えっと....イアです。ここら辺の森にあったコミュニティ『森の団(フォレスト・ブリゲート)のメンバーです!よろしくお願いします、明さま!!」

 

森の団か。なるほど、この娘を見るに、獣人または獣たちのコミュニティってわけか。

 

でも、“あった”とはいったい?

 

「呼び捨てでいいよ。でも、“あった”とはどういう事?」

 

えぇっと....と、言葉に詰まるイア。

 

「あ、無理にはなさなくていいよ。でも、何かあるなら俺は力になりたい。強いとは言い切れないけど、それなりには戦えるから」

 

さっきの戦闘を見て信じる人は多分いないだろ、それは。

 

鬼たちに対して完全勝利したのだから.....。

 

「えっと、それじゃあ......。実は、私達のコミュニティは-----」

 

そして聞かされた内容はこうだ。

 

ある日、イアと彼女の母親はギフトゲームをするためにコミュニティから離れていた。

 

運が良かったのか悪かったのか、ちゃうどその時に出来事は起きた。

 

フォレス・ガロに襲われたのだ。

 

手口はいたって簡単。子供をさらい、それをダシに旗印と名をかけたゲームをさせる。しかも、とびきり不公平な。

 

「.....許せない。絶対に!」

 

そう、許せない。こんな事を認めるわけにはいかない。

 

そして、この少女は泣いていた。全てを話し終え、溜まっていたものをさらけ出したからだろう。

 

罪のない子供をさらい、

 

卑怯なゲームで旗印と名を奪い、

 

そしてこの少女を泣かせた。

 

それこそ、同じ絶望を味あわせるまで許すわけにはいかない。

 

だから、いつもなら不愉快なロリコンという称号を頂戴したとしても、この娘のために闘おう。

 

「ありがとう、話してくれて....」

 

涙をながす少女を撫でながら言う。

 

「だから、後は任せて。君のコミュニティも、名も旗印も、全部俺が取り戻す。約束だ。」

 

そう言うと彼女は顔を上げ、

 

「ありがとう、ございます!!」

 

力強く頷いた。

 

そうして、何故か俺は彼女の母親に会わされていた。

 

あの綺麗な森こそが彼女達のコミュニティの本拠地だったらしい。

 

なんか、仲間の中には神格?を持った者たちがいるらしいが、神格って何だろ?

 

まぁ、彼女の母親もその一人らしく、今でもこうして区別出来るらしい。

 

「母様、今帰りました!!」

 

っと、着いたみたいだ。

 

みるとイアが大きな狼に抱きついていた。

 

なるほど、あの狼がイアの母さんか。

 

「ありがとうございました。貴方がイアを助けてくれたのね。私はイアの母、グライよ。名前は明さまでいいのかしら?」

 

どうやら、俺の事を話したらしい。

 

「あぁ、様はいらないから。」

 

何でみんなつけたがるんだろ?

 

「いえ、娘を助けてくれたのだから、そう呼ばせて?それで、コミュニティを助けてくれるとは、本当なの?」

 

あぁ、それもか。

 

「もちろん。命にかけても。」

 

「そう、ありがとうね。.....すこしこちらに来てくれるかしら。」

 

そういって頭を下げた。さわれと言う事なのだろう。

 

とりあえず、その、艶のある茶色の毛に触る。

 

すると、手の甲に大樹を模した印が浮かび上がり何かが入ってきた。

 

「それは、私の神格。大地の力の一部、《重力支配(グラビティ・ルーラー)》。娘を助けてくれたお礼と、これからのお礼よ。受け取って。」

 

いや、でもこれは.....そう言おうとしたが、狼は許してくれなかった。

 

「あと、イアを連れていってちょうだい。」

 

はい?なにいってるの?

 

「お願いします!きっと役にたちますから!!」

 

どうやら彼女達も何かをしたいらしい。だから、この力とイアを託したのだろう。

 

なら、断る理由もない。

 

「わかった。イアの事は保証しよう。この力も、コミュニティを助けるために使わせてもらう」

 

そうして狼は満足気にうなった。

 

 

 

 

 

「と、いうことだ」

 

一応話し終えたが...

 

「カッ、可愛い!!こんな可愛い子初めて見た!!」

 

「うん、確かに。こんな妹欲しいかも...」

 

二人はすでにイアに夢中だった。

 

おいおい、せめて話は聞こうよ。

 

イアも固まってるしどうしようか。

 

「はぁ、こんなのでいいのかな?」

 

そんな呟きは虚しく空をきった。

 




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