問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に吹く風~《リメイク中》   作:ソヨカゼ

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どうも!
この作品はいかがでしょうか?
本当に何もわからないままやっているので
気になってしかたありません!
みてくれた人には申し訳ないですが、
主人公の名前を変えました。
ご了承ください。
ではどうぞ!


一話 箱庭にて

目を開けると、そこは完全無欠の異世界で、空の上だった。

 

「って空の上ーーーーーーーー

ー!!!」

 

(なんで!どうして!ってかここど

こ!?)

 

絶賛パニクり中でした。

 

手紙を開けたらそこは異世界だったと信じる人はいったい何人いるだろうか。

 

(よく見ると、俺と同じような境遇

の人が三人位いるんだけど.....)

 

下を見ると小さな湖があるが、

この高さからなら間違い無く死ぬだろう。

 

(何かないか。このままじゃ皆危な い!)

 

そうして周りを見回すと、首にかけていた形見の指輪が目にはいった。

 

(これは母さんの?ってか、光って る!?)

 

緑色の宝石が埋め込まれ、風のような模様が彫られたその指輪は、淡い緑色に光っていた。

 

(くっ!なんでもいい!皆を助けてくれ!)

 

そういって指輪を握り締める。

 

すると、突然強い風が吹き出した。

 

その風に絡められる様に落下速度が落ちて行った。

 

そしてユックリと陸地に降りた。

 

「し、信じられないわ! まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」

 

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」

 

「..........。いや、石の中に呼び出されたら動けないだろ?」

 

「俺は問題ない」

 

「そう。身勝手なのね?」

 

ロングヘアーの少女とヘッドホンの少年はフン、と互いに鼻を鳴らしたあと、此方を見た。

 

「ところで、さっきのは貴方がやったのかしら?」

 

「いや、よくわからないんだ。気がついたらあぁなってた」

 

「へぇ?つまり、初めてであれだったわけだ」

 

あれ?なんか金髪の少年がとても楽しそうに笑ってるんだが?

 

なんかスイッチ押しちゃったか?

 

「此処.........どこだろう?」

 

助け舟ありがとう!猫を抱えた女の子!

 

「さあな。まあ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねえか?」

 

「よくあの状況で確認できたな」

 

素直に感心する。まぁ、綺麗な森なら俺も見えたが。

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前たちのも変な手紙が?」

 

「そうだけど、まずは“オマエ”って呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥よ。以後は気をつけて。それで、そこの猫を抱きかかえている貴女は?」

 

「.......春日部耀。以下同文」

 

黒髪ロングの娘、ショートカットの娘と自己紹介が続く。

 

「そう。よろしく春日部さん。 それで、野蛮で凶悪そうなそこの貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶悪な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれよお嬢様」

 

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

 

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

心からケラケラと笑う逆廻十六夜。

 

傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。

 

「.....私達を助けてくれた貴方は?」

 

聞いて来たのはさっきまで我関せずを貫いていた春日部さんだった。

 

すこし迷ってからこう続けた。

 

「竜堂 明だ。さっきまで何処にでもいる普通の高校生だった。

仲良くしてくれるとありがたい」

 

「えぇ。さっきの恩もあるし、此方からもよろしくお願いね」

 

「うん。ありがとう。よろしくね?」

 

「あぁ、そうだな。よろしく」

 

そんな彼らを物陰から見ていた影があった。

 

名を黒ウサギという彼女は、とある事情で彼らを召還した張本人なのだが、

 

(うわぁ.......なんか問題児ばっかりみたいですねえ......)

 

召還しておいてアレだが......彼らが協力する姿は、客観的に想像できそうにない。

 

黒ウサギは陰鬱そうにため息をついた。

 

「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」

 

「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」

 

「……。この状況に対して落ち着きすぎているのもどうかと思うけど」

 

「春日部もな。」

 

(全くです)

 

黒ウサギはこっそりツッコミを入れた。

 

もっとパニックになってくれれば飛び出しやすいのだが、場が落ち着きすぎているので出るタイミン

グを計れないでいた。

 

そのとき、ふと十六夜がため息交じりに呟いた。

 

「仕方がねえな。こうなったら、そこに隠れている奴にでも話を聞くか?」

 

物陰に隠れていた黒ウサギは心臓を捕まれたように飛び跳ねた。

 

「なんだ、あなたも気づいていたの?」

 

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?そっちの二人も気づいてたんだろ?」

 

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

 

「……へえ? 面白いなお前ら」

 

軽薄そうに笑う十六夜の目は笑っていない。

 

「そんなのどこに.....あれ」

 

ふと木々の間を見ると、不思議な違和感を感じた。

 

 

まるで風をの流れを乱す何かがある様に。

 

「もしかして、あそこか?」

 

理不尽な召集を受けた三人(明以外)は腹いせに殺気の籠もった冷ややかな視線を出てきた黒ウサギに向ける。

 

「や、やだなあ皆様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたらうれしいでございますヨ?」

 

「ゴメンね」

 

「断る」

 

「却下」

 

「お断りします」

 

「あっは、取りつくシマもないですね♪」

 

バンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。

 

しかし、その目は冷静に四人を値踏みしていた。

 

と、耀が不思議そうに黒ウサギの隣に立ち、黒いウサ耳を根っこから鷲掴み、

 

「えい」

 

「フギャ!」

 

力いっぱい引っ張った。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを! 触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

 

「好奇心の為せる業」

 

「自由にも程があります!」

 

「へえ? このウサ耳って本物なのか?」

 

今度は十六夜が右から掴む。

 

「じゃあ私も」

 

飛鳥は左から。

 

「ちょ、ちょっと待―――」

 

そういって黒ウサギは視線で助けをうったえる。

 

しかし、今の問題児たちに逆らうすべはもっていない。

 

黒ウサギには悪いがしかたない。

 

「うん、無理♪」

 

そして黒ウサギの可愛い断末魔が空まで響いていた。

 




どうでしたか?
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これからもよろしくお願いします!

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