問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に吹く風~《リメイク中》   作:ソヨカゼ

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テスト週間?
そんなもの糞食らえ!!
どうも、そんな衛宮です。
番外編は、まあ頑張ります!
それではどうぞ!!


十七話 VS魔王

まあ、レティシアと風呂に入れられた後、明は白夜叉のところにいた。

 

内容は例の封筒の事だ。

 

「ふむ、ようやく一段落ついたな」

 

白夜叉は疲れたように、実際疲れているんだろうがそうつぶやいた。

 

「ああ、お疲れさん。…..じゃあ、開けるぞ?」

 

明が確かめると、白夜叉はコクリと頷く。

 

封筒を開けると、一枚の紙と古びた写真が出てきた。

 

「写真の方はいささか古いが、十数年前の物だ。許せ」

 

しかし明は全く聞いてはいない。

 

写真を食い入るように見ていた。

 

「….なあ白夜叉、これは」

 

「あぁ。おんしの注文通り、二人とその子供が写っている写真だ」

 

そこに写っていたのは、黒髪の男性と茶髪の女性が幸せそうに身を寄せ合い、一人の子供を抱いている写真だ。

 

「これは、俺…..なのか?」

 

「髪と目の色、顔のつくりも似ておる。同一人物と見て差し支えないじゃろ」

 

「そっか。じゃあやっぱりこの人たちが…..」

 

明の問いにまたしてもコクリと頷く白夜叉。

 

「その紙の方にはコミュニティ『黒の細工師』があった場所が記されとる。この件が終わったら行ってみるといい」

 

「ありがとう、白夜叉。報酬はどうする?」

 

「いらんよ。なかなか楽しめたしな。あえて言うなら、この件に全力で挑んでくれ」

 

白夜叉の気づかいに感謝し、「任せろ」と力強く頷く。

 

 

 

 

 

その後ノーネーム全員集合で作戦会議をしたらしいのだが、レティシアと明は先に寝ることになった。

 

主に十六夜と白夜叉のたくらみのせいでだ。

 

「明、さっきからどうした?こっちを見てはぼうっとしているぞ」

 

ちなみに部屋は一つ布団で同室だ。

 

言わなくても分るだろうが奴らのせいだ。

 

「あ、いや…….。綺麗だなと思って」

 

今のレティシアは大人版で、しかも温泉浴衣を着ていた。

 

なぜ温泉浴衣?と思った人、やっぱり奴らのせいだよ……。

 

まあそれは置いといて….、お分かりいただけるだろうか。

 

金髪美女が温泉浴衣、しかも湿ったプラチナブロンドの長い髪。

 

やばすぎだって。

 

「む、そんなに言われるとさすがに恥ずかしいな」

 

あー、なんていうかこう、ぎゅっとしたくなるような顔してるね。

 

大きくなってもレティシアだな。

 

「いや、いくらでも言うよ。…..綺麗だよ」

 

ああ、ほんとに飽きないな。

 

「っ!も、もう寝るぞ!!」

 

そうとう恥ずかしかったのか、真っ赤になりながら言う。

 

「ああ。おやすみ」

 

そうして一つの布団に背中合わせで寝た。

 

 

 

 

 

「いや、眠れないよ」

 

精神的にきついって。

 

 

 

 

 

はてさて、そんなこんなで次に日。

 

耀のギフトゲームがあるのだが、レティシアはデートの続きがしたいとの事で、皆にことわってまた屋台に来ている。

 

「って、食べてばかりだな」

 

まあ、屋台しかないからしかたないか。

 

「明、次はあっちに行こう!」

 

通常版のレティシアだ。

 

よほど楽しいのか、いつも以上にテンションが高い。

 

まあ、こんなレティシアもかわいいけど。

 

「あぁ、行こう」

 

しかし、またしても邪魔が入る。

 

「っ!これは…..まさか!?」

 

レティシアが空を見ながら唖然とする。

 

いったい何が、と明も空を見ると…..

 

「黒い….ギアスロール?」

 

空から黒く輝くギアスロールが、空を埋め尽くす様にふってきた。

 

明はその一つを手に取る。

 

『ギフトゲーム“The PIED POPER of HAMELIN”

 

 プレイヤー一覧

 ・現時点で三九九九九九九外門、四〇〇〇〇〇〇外門、境界壁の舞台区画に存在する

  参加者、主催者の全コミュニティ。

 

 ・プレイヤー側ホスト指定ゲームマスター

  太陽の運行者 星霊 白夜叉

 

 ・ホストマスター側 勝利条件

  全プレイヤーの屈服、及び殺害

 

 ・プレイヤー側 勝利条件

一、 ゲームマスターを打倒。

二、 偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 

グリムグリモワール・ハーメルン印』

 

「なんだよ、これ」

 

簡単に内容をまとめると、全員参加のデスゲームというわけだ。

 

大人に子供、男も女も関係なくだ。

 

「これは、魔王のギアスロールだ」

 

レティシアは明に近づき、そっと告げる。

 

いよいよ魔王襲来なわけだ。

 

 

 

 

 

「見ろ!魔王が降りてくるぞ!」

 

誰かの声に上を見ると、白い奴と黒い奴、大きいのと小さいのの二組に分かれた魔王のコミュニティと思われる奴らがいた。

 

そのうち白い奴と黒い奴の方に十六夜と思われるやつが突っ込んでいった。

 

「レティシア、俺たちはあっちに行くぞ!」

 

十六夜がそっちに行った事でその方が効率がいいと思ったのだ。

 

「ああ、了解した!」

 

明は風を、レティシアは黒い翼を使い目的地へと向かった。

 

 

 

 

 

十六夜が白黒の黒い方、『ヴェーザー河の化身』ヴェーザーと戦っている中、明は空から降ってきた大きい方、陶器の兵器と対峙していた。

 

レティシアは小さい方、斑模様のワンピースをきたほうと戦っている。

 

「BRUUUUUUM!」

 

「くっ!!」

 

相手は全身の風穴から大気の渦を作って攻撃してくる。

 

そう、これがこの組合わせの理由だ。

 

相手のギフトは『風系』、明のギフトは『風の隷属』だ。

 

そしてこの風にはギフトも含まれる。

 

つまり、何が言いたいのかというと…..

 

「はあああぁぁぁぁ!!」

 

明に風系のギフトでは傷一つ付けられないのだ。

 

「BRUUUAA!?」

 

明は相手の集めた風を散らす。

 

そしてそのすきに『重力支配(グラビティ・ルーラー)』で硬化させ風を纏わせた拳を放つ。

 

「っち!硬い!!」

 

思いのほか硬く、ひびを入れるのが限界だった。

 

「BRUUUUM!」

 

相手が攻撃の態勢に入ったのでいったん距離をとる。

 

戦況は圧倒的有利。

 

相手の攻撃はいっさい通用しないのだから。

 

(それにしても、不思議な感覚だな、相手のギフトの隷属って)

 

明は初めて使う力に驚いていた。

 

余裕ができた明はふとレティシアの方を見る。

 

「なっっっ!?」

 

するとそこには、大人版レティシアが黒い風のようなものに捕らわれていた。

 

「BRUUUUM!!」

 

「お前にかまっている……」

 

兵器の集めた風を隷属させ、鋭い竜巻を四方八方から発生させ貫く。

 

「BRUUAA!?」

 

さらに兵器の上に風を集める。

 

「暇は無い!!!風牙の滅殺(シャット・ファング)!!!!!」

 

暴力的なまでの圧力により、陶器の兵器は一瞬で消え去った。

 

「っく!レティシアーーーーーー!!」

 

明はそれを確認する前に大切な人、レティシアのところに向かった。

 

 

 

 

 

(な……何だ、この奇妙な風は…….!?)

 

レティシアは今、斑の少女が発生させた黒い風によって捕縛されていた。

 

それはただ不気味な風だった。

 

影のように漆黒でもなく、嵐のように荒々しいでもなく、熱風のように熱いわけでもない。

 

強いて言えば黒く、温く、不気味。

 

生き物のように蠢くそれは徐々に意識を蝕んでいく。

 

「痛かった。でも許してあげる。貴方はいい手駒になりそうだから」

 

斑の少女はそう呟きユラリと笑う。

 

そしてレティシアに触ろうと手を伸ばしたその時…..

 

「レティシアーーーーーー!!」

 

竜巻と化した明が突っ込んできた。

 

「なっ!?」

 

斑の少女は予想外だったのか、数歩後ろに下がる。

 

「あき…ら?」

 

その隙に明はレティシアを抱え距離をとる。

 

「ああ、ごめんな。遅くなって」

 

するとレティシアは安心したのか気を失う。

 

「いったい何なん…っ!?」

 

斑の少女に火球が放たれる。

 

その方向をみるとサンドラがいた。

 

「すまない。遅くなった」

 

「いや、大丈夫だ。それよりレティシアを頼む」

 

「え?っちょ!?」

 

明はサンドラにレティシアを預け、少女と対峙する。

 

「あんたがハーメルンの魔王か?」

 

少女は不敵に笑い答える。

 

「あ、それ間違い。私のギフト名は『黒死斑の魔王(ブラック・パーチャー)』よ」

 

「そうか。俺は竜堂明だ。ギフト名は『風霊王(ロード・オブ・ウィンド)』」

 

お前の名は?明はそんな視線を魔王に送る。

 

「!?あなた、変わっているわね。….私はペストよ」

 

「そっか。じゃあペスト」

 

そこまで言って明は穏やかな顔を一変させる。

 

そう、機械的な氷のように冷たい顔だ。

 

「ゲームを始めよう」

 




さあ、これから勉強がんばろう。
次回はいよいよ明VSペストです。
どうしたら面白く書けるのだろうか....。
それではまた次回 O。(-_-)

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