問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に吹く風~《リメイク中》   作:ソヨカゼ

20 / 42
更新が不定期&スローペースになりかけてますね。
番外編も思うように進まないし、踏んだり蹴ったりです(泣)
さて、初めてのPC投稿なので不備があるかもしれませんが、
あったら指摘等お願いします!
ではどうぞ!!









十六話 サラマンドラ

明とレティシアが目的の場所に着くと、そこには壊れた建物とその残骸、そして言い争いをする十六夜と黒ウサギがいた。

 

「俺の方が速かった!」

 

「いえ、箱庭の判定は絶対なのです!!」

 

などの繰り返しで話が進まない。

 

「何やってるんだよお前ら」

 

見てられなくなった明たちは二人の会話に入って行った。

 

「まったくだ!こんな事をしたら「そこまでだ貴様ら!!」…..あんな連中に絡まれるぞ」

 

レティシアの言葉を遮って登場したのは、赤い髪に角を生やした鋭い目つきの漢であった。

 

 

 

 

 

その後明たちは、この祭りの主役とも言えるコミュニティ、サラマンドラの本陣まで連行された。

 

ちなみに飛鳥は十六夜たちのゲームが始まる前に捕まったらしい。

 

「随分と派手にやったようじゃの、おんしら」

 

呆れたように白夜叉が言った。

 

どうやら耀がギフトゲームに出ていたらしく、その会場がここらしい。

 

そんな訳でジンやリリ、イアも含めノーネーム勢ぞろいだった。

 

「ああ、ご要望通り祭りを盛り上げてやったぜ」

 

「胸を張って言わないでくださいこのお馬鹿様!!」

 

十六夜の一言に全力で突っ込む黒ウサギ。

 

あの二人は相変わらずのキレだな。

 

それを見て満足だったのか、白夜叉は微笑んだ後こちらに近づく。

 

「して、おんしはあの封筒を開けたのか?」

 

北に来た時渡され、黒ウサギのせいで説明されなかった封筒の事だろう。

 

「いや、まだだ。もしかしなくても依頼の件か?」

 

明の問いに白夜叉はコクリとうなずく。

 

以前白夜叉に両親の事について調べてほしいと依頼していたのだ。

 

「ありがとな。後で埋め合わせs「そのように気安く呼ぶな、名無しの小僧!!」何!?」

 

大声にそちらを向くと明たちを連行したやつ、マンドラとかいう奴がジンに斬りかかろうとしていた。

 

どうやったらそんな状況になるんだよ!!

 

でも……

 

「させるか!!!」

 

明は『銀狼閃(ぎんろうせん)』を発動し、風の速さで間に割り込む。

 

『銀狼閃』は『閃風』の強化版、銀色の風を纏う事で威力と速さを上げたものだ。

 

しかし、十六夜も同じものをしようとしたのか、つまらなそうな顔をしていた。

 

そんな十六夜を他所に明は『旋狼牙(せんろうが)』を放ち剣を飛ばす。

 

『旋狼牙』は風を纏った回し蹴りだ。

 

クリティカルヒットし、剣はみごとに天井に刺さった。

 

「マンドラ兄様、何を!その様な態度を取られては、我らの礼節に反する!」

 

マンドラの妹にしてサラマンドラの新リーダー、サンドラが止めに入った。

 

ちなみに彼女はジンと同い年だ。

 

けっこう可愛い。

 

だがあくまで俺はレティシア命!!!

 

「礼節より誇りだ!その様な事を口にするから周囲に見下されるのだと「いい加減にせんか、マンドラ!」…..ふん!」

 

妹の制止も聞かないマンドラに白夜叉も声を荒げる。

 

「元はといえば貴様らが噂を流したせいだろう!」

 

噂。

 

意味深なマンドラの言葉に明は話に加わっていく。

 

「おい待て。その噂っていったい…….」

 

「ああ、そうだな。俺たちに協力して欲しい事と関係あるのか?」

 

どうやら十六夜も気になったようだ。

 

「…..己の目で確かめるがよい」

 

そう言って白夜叉は一通の封筒を出す。

 

「――――………」

 

「………これは本当なのか?」

 

中の紙を見て十六夜は笑みを消し、明は驚愕していた。

 

「どうしたのですか?」

 

気になった黒ウサギは二人の後ろに立ち、手紙をのぞき見る。

 

その内容は、『魔王襲来』のお知らせだった。

 

その後の白夜叉の話をまとめるとこうだ。

 

どうやらこれはサウザンドアイズの幹部がやった未来予知の結果らしい。

 

さらに言うと、この事件に一石投じた人物まで分かっているらしい。

 

しかし白夜叉はそれ以上を語らない。

 

そこから推測するに、その人物は立場が上で、さらに言うならサラマンドラの主要人物だろう。

 

さて、それでは話に戻ろう。

 

「ジン、魔王のゲームを攻略するために手を貸してくれ!」

 

サンドラの言葉、つまりはこれが“新生ノーネーム”の初仕事だ。

 

「わかりました。ノーネームは両コミュニティに協力します!」

 

こうして交渉が成立した。

 

 

 

 

 

その後のサウザンドアイズにて。

 

「あれ?レティシアがいない?」

 

明は、気付いたら彼女がいないことに悪い予感がしていた。

 

「あん?さっき飛鳥を探してどっか行ったぞ。あと、御チビとお風呂いたたくぜ?」

 

「ああ、わかった」

 

ジンをつれた十六夜が答えてくれた。

 

(あれ?て事は俺一人?)

 

よく考えると男性陣は明含め三人だけだった。

 

俺も行こうかな?などと考えていると外が騒がしくなっていた。

 

よく聞くと飛鳥と店員さん、レティシアの声だった。

 

「行ってみよう」

 

 

 

 

 

「お風呂へ駆け足ッ!!今すぐです!!」

 

明が聞いたのは、店員さんの理不尽な叫び声だった。

 

見ると、服が所々痛み、かすり傷などを負っていた飛鳥がいた。

 

「さっさと身を清めてください!店が汚れるでしょうが!!」

 

…..なるほど。

 

そして明は見てしまった。

 

飛鳥だけでも何があったのかと思うのに、それに気づいてしまったのだ。

 

そこにいたのは………..

 

「レティシア……なのか?」

 

大人版レティシアだった。

 

「そうだが…..。あぁ、この姿を見せるのは初めてだったか」

 

レティシアは悪戯っぽく微笑んだ。

 

身長は明よりも少し高い位で、メイド服ではなく、深紅のレザージャケットと拘束具を思わせるスカート。

 

そして何より、『カワイイ』から『キレイ』へと変わった顔立ちと、リボンがない事で風に揺れるプラチナブロンドの髪。

 

後に聞いた話だが、リボンを外すとそうなるらしい。

 

とにかく、いつものレティシアはもちろんだが、今のレティシアはすごく綺麗だった。

 

「へん……かな?」

 

いつまでも黙っていた明の様子に不安そうに聞いてくる。

 

「いや、とんでもない!ただ、その……見惚れてた。すごく綺麗だよ」

 

その言葉に少し赤くなる。

 

明は、やっぱりレティシアはが大好きだと心の中でつぶやいていた。

 

「二人も!いつまでもそんな甘ったるい空間を作ってないで、はやくお風呂に入ってください!……二人で」

 

「「え?」」

 

聞き返す間もなく、無理やり混浴へと連れて行かれた。

 

ちなみにこの混浴、白夜叉が無理言って作ったとか。

 

どう考えても嫌がらせだろ。

 

 

 

 

 

まあそんな感じで二人で入ったのだが……。

 

まあ、何があったのかは後々語るとしよう。

 




最近「リア充爆ぜろ」という感想をよく貰います。
はっきりいって、作者もリア充したいですorz
特に最近は「あぁ、空から手紙が降ってきて異世界に飛ばされないかな....」
とか現実逃避しちゃってますよ....。
末期症状ですね。
さあ、次回はついに魔王が来ます(予定)!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。