問題児たちが異世界から来るそうですよ?~箱庭に吹く風~《リメイク中》   作:ソヨカゼ

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どうも、床に伏している衛宮です。
なんか大会から帰ってきたら肺炎と言われました。
不幸だーーーーーーー!!
と、言うわけでベットからお送りします。
励ましの感想が来ると嬉しいです。
ではヒロイン登場です!


十話 運命は存在する

歓迎会もそこそこに、イアを含めた子供達は眠りについた。

 

会がお開きになった後、十六夜と黒ウサギ、そして明が談話室で寛いで居る。

 

「それにしても明の傷、よく一晩で治ったな」

 

「全くなのですよ。いくらギフトを使ったとしても少しばかり驚きです」

 

まぁ、意外と深かったし、当たり前か。

 

「噛まれてから重力支配(グラビティ・ルーラー)で無理あり傷を塞いでたからね。そのおかげだと思うよ?」

 

そんな裏があったわけだ。

 

最近影薄いが、なかなか応用が効くいいギフトなのだ。

 

「まったく、無茶苦茶過ぎますよ」

 

それを聞いて黒ウサギがぐったりしている。

 

さて、話は一変して、昔の仲間が景品に出されるゲームのはなしをしていた。

 

なにそれ?全くわからないんだけど。

 

聞くとガルド戦より前の話しらしい。

 

とにかく、それに十六夜が参加すると聞いて大喜びだったらしい黒ウサギが、今は泣きそうな顔になっていた。

 

「ゲームが延期?」

 

「はい.......。申請に行った先で知りました。このまま中止の線もあるそうです」

 

どうやら巨額の買い手が付いたためそうなったらしい。

 

「ふざけるなっ!!」

 

「!?あ、明さん」

 

明は怒っていた。

 

ガルドに向けたような、凍りついた機械のような顔で。

 

人を物と扱う態度に、命を金で決める態度に。

 

「チッ。所詮は売買組織ってことかよ。エンターテイナーとしちゃ五流もいいとこだ。サウザンドアイズは巨大コミュニティじゃなかったのか?プライドはねぇのかよ」

 

対する十六夜は金でゲームを取り下げたホストに怒っていた。

 

黒ウサギもなんだか諦めていた。

 

「まぁ、次回を期待するか。ところでその仲間はどんなやつなんだ?」

 

怒りは冷めないが、いつまでもそうしてるわけには行かないので話に加わる。

 

「確かに気になるな」

 

「そうですね......一言で言えば、スーパープラチナブロンドの超美人さんです。指を通すと絹糸みたいに肌触りが良くて、湯浴みの時に濡れた髪が星の光でキラキラするのです」

 

つまり金髪か。

 

ちなみに明の義妹も綺麗な金髪で可愛らしい娘だった。

 

やば、思い出したら涙が.....とまでは行かないが懐かしいな。

 

気にしても仕方ないので話に戻ろう。

 

「それはもう!加えて思慮深く、黒ウサギより先輩でとても可愛がってくれました。近くに居るのならせめて一度お話ししたかったのですけど........」

 

「おや、嬉しいことを言ってくれるじゃないか」

三人はハッとして窓の外を見た。

 

「レ、レティシア様!?」

 

黒ウサギが歓喜の声を上げる。

 

しかし、明には周りの声が入ってこなかった。

 

ただ、目の前の可憐な少女に見惚れていた。

 

綺麗だ。

 

表すならその一言で物足りた。

 

まるで星を溶かしてできた様な、透き通る様なプラチナブロンドの長髪。

 

雪の様に白く、儚い肌。

 

そして血の様に赤く、月の様な憂いを帯びた紅の瞳。

 

動けなかった。

 

声も出なかった。

 

明は、ただ目の前の少女惚れた。

 

「様はよせ。今は他人に所有される身分。箱庭貴族ともあろうものが、モノに敬意を払っていては笑われるぞ」

 

黒のリボンで髪を結び、紅いレザージャケットに拘束具を沸騰されるロングスカートを着た少女は、

自分のことをモノといった。

 

「いいね、シンプルイズベストってやつ?」

 

十六夜の声にハッとなる。

 

どうやら話が進んでいたらしい。

 

 

 

 

 

さて、今の状況を説明すると、いつの間にか外にいて、十六夜と向き合うようにレティシアが満月を背に“飛んで”いた。

 

翼を生やして。

 

「へぇ、箱庭の吸血鬼は飛べるのか。」

 

全く同意見だ。

 

「互いにランスを投擲しあい、受け止められねば敗北。悪いが、先手は譲ってもらうぞ」

 

そうして彼女は何処からか、おそらくギフトカードから取り出したランスを投げる。

 

いや、あり得ないから!

 

何かランスが流星みたいな速度で飛んでるって!!

 

「カッーーーーーーしゃらくせ!」

 

十六夜はランスを殴りつけた。

 

「「「は?」」」

 

素っ頓狂な声を出した俺らは悪くないだろう。

 

流星を打ち返すってどんだけ!?

 

しかも等のランスは何か砕けて散弾になってるし!

 

よし、なるべく十六夜とは喧嘩しないようにしよう。

 

「って危な!」

 

レティシアが避けない。いや、避けられないのだ!

 

「くっ!」

 

俺は今日考えた新技、『閃風』でレティシアを助け出す。

 

『閃風』

 

風を纏い、風と一体になる事で、風と同等の速度で移動する技。

 

風を纏っているので攻撃、防御両方のバランスもいい。

 

「っ!な、何故!?」

 

自分を助けたのが意外だったのか、驚きの声を上げる。

 

ちなみに今は所謂お姫様抱っこだ。

 

うん、実に軽い。

 

「何故って、助けるだろ普通。それに、君が傷つくとこ見たくなかったし」

 

「え?」

 

いまだわからない様子だった。

 

まぁ、わからないのならいいか。

 

良かったのに、いつの間にか近くにいた十六夜がやってくれた。

 

「はっ!そりゃあ惚れた女なら護りたくもなるだろうな!」

 

「「え!?」」

 

レティシアは真っ赤になって明の顔を、明は逆に真っ青になって十六夜の顔を見ている。

 

「なっ!?おま、何言って」

 

「あれだけ顔に出てたんだ。わかるだろう?普通」

 

めちゃくちゃ黒い笑顔だった。

 

「そう、なのか?」

 

はい、そこで潤んだ目で見ないでください!

 

死んじゃいます!!

 

そうとうテンパってた。

 

「!?レティシア様、これは一体!」

 

空気を読まない黒ウサギはレティシアのギフトカードを見ながら何か神格がどうこう言ってる。

 

どうやら大事なギフトを捨ててまで俺らに会いに来たらしい。

 

「まぁ、一度屋敷に......」

 

しかし、空気を読まない奴は他にもいた。

 

何処からか褐色の光が差し込み、レティシアが明の腕から出ながら叫ぶ。

 

「ゴーゴンの威光!?まずい、見つかった!」

 

あれは、まずい!!

 

明は反射的にそう感じた。

 

実際レティシアは三人をかばう様に前に出る。

 

そして呟いた。

 

「ありがとう。嬉しかったよ。でも、すまない。」

 

「なっ!?」

 

このタイミングでそんな事!

 

そして彼女は光に呑まれ、石となって横たわっていた。

 




タイトル、タグ、等を修正しました。
この際なのでやっちゃいます。
さて、内容はどうでした?
アドバイス、あと励ましの感想待ってます!
ではまた次回(_ _).。o○



原作あるってすごいですね

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