無関心少女の淡々生活・・・・・をできたら良かったのになぁ   作:ぼっちのシニガミ

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目覚めて五話

「・・・ゲホゲホッッ!!ゴホッ!!!・・・ゴホゴホゴホッッッ!!!!!」

 

息が苦しい。

夕焼けに照らされた道で盛大な咳をしながら、一人歩く。

先程家がないのに気づき宿探しをしているが、まったく見つからない。

そうそう廃屋や空き家なんてあるものではないが。

 

あぁ・・・・。

風邪が悪化してきて、頭が痛い。

足元がフラフラしておぼつかない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・限界。

 

おやすみ、パトラッシュ。

僕はもう疲れたよ・・・・・なんてwww

 

おやすみなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん・・・。」

 

冷たいものが額に乗っかっている。

気持ち良いが、少々冷たい。

 

「お、起きたか。」

 

人のよさそうな声(どんな声だろうか、それは)が聞こえたほうを振り向くと、おじさんがいた。

その髭がモジャモジャの顔はアスマ先生だと推測した。

 

それはそれとして、ここはどこだろう。

 

「ん?あぁ、ここはオレん家。あ、不審者じゃねーぞ!お前が川辺の道で倒れてたから、運ばせてもらっただけだ。」

 

何気に考え読まれたけれどアスマ、良い人。

 

「ありがとうございました。」

「いいってこった。それよりお前、もう大丈夫なのか?少し待ってろ。家まで送ってくぞ。」

 

・・・・だから家がないんです。

とは言いずらいこの雰囲気。

 

「・・・ノープログレムです。看病してくれてありがとうございました。では――――――――――」

 

―――――――――――フラッッ・・・。

 

「うをっとォ!まだフラフラじゃねーか。まだ熱も下がってないだろ。少しおとなしくしとけ。親御さんの名前教えてくれるか?迎えにきてもらおう。」

 

わー。

マジでお人よしすぎるよ、この人。

しかし、今回はとてもありがた迷惑。

親がいないと言って、このほのぼのした空気を壊すのも気がひけるし、気をつかわさせるのもめんどくさい・・・もとい、申し訳ないし。

仕方ない。

適当に理由でも作ろうか。

 

「すみません。私、忍者なんで個人情報言えません。」

 

・・・うん・・・なんか死にたくなってきたかな。

 

「!!・・・ぷっ!!あはははははははははははは!!」

「なんですか。」

「いやいや、悪い悪い。別に馬鹿にしてるわけじゃあねぇんだ。」

「そうですか。」

「あぁ、そうだ。確かに忍びは簡単に個人情報なんて教えちゃいけない。情報は時に命以上のものになるからな。」

「そうですね。」

「しかし!!それは敵にすることであって、俺達は一緒の里にいる仲間だ。まぁ、何から何まで話せというわけじゃねぇが、それなりに信用してくれてもいいんじゃねーか。」

「・・・。」

「ん?何か納得いかないって感じだなァ。」

 

というより、これでさっきの質問に答えたら、ただ恥ずかしがってただけになってしまうじゃまいか。

なんというか・・・そうゆうのが嫌な年頃なんです。

私はもう精神年齢がビックリな感じになってるけれど。

 

「・・・そうですね。先生、里にスパイがいるとしたらどうするのですか?」

 

こうなれば、なけなしの意地で頑張ってみることにした。

 

「!!・・・まぁ、否定できない所が痛いなァ・・・。しかし、警戒をすることは良いことだが、俺は木の葉の里の仲間を信じてぇ。全部教えてくれなんて言うつもりは無いが、少しくらい仲間を信用してほしい。・・・じゃねーと、どんどん何を信じて良いのか分からなくなるぞ。」

「自分自身を信じれば良いのでは?」

「周りに信じてもらえねぇと、自分も信じれなくなってきちまうもんだ。」

「そうゆうもんですか。」

「そうゆうもんだ。誰も一人じゃ生きていけないってこった。」

 

あ、急にめんどくさくなってきた。

生徒が先生に屁理屈言って困らせてやろうとしたら、予想以上に正論が答えが返ってきた時みたいにあの急に冷めてくる感じ。

 

「・・・よし!言いたくないのは分かったし・・・粥作ってあるから、栄養取っとけ。」

「!・・・そこまでいいですよ。」

「子供が何遠慮してんだ。良いから食っとけ。」

 

何か、この人見てると自分が矮小な人間に思えてくる。

もういじけて本を読みたい気分。

 

「ほれ。」

 

Oh・・・・。

久しぶりのご飯。

ホカホカの卵が入ってるお粥がおいしそうだ。

この人・・・料理までできるのか・・・。

何か負けた気がする。

 

「いただきます。ん・・・もぐもぐ・・・ゴクッ」

「どうだ?」

「・・・・・・・おいしいですよ・・・。」

「その間は何だ。」

 

おいしすぎる。

私も作れないわけではなかったが、神のせいで最強の暗黒物質と賢者の石が出来るようになってしまった。

賢者の石は案外おいしいけれど、普通の人が食べると体に負担がかかりすぎるみたいだ。

つまり私はもう料理は出来ないといっても過言ではない。

だから微かにアスマが羨ましいかもしれない。

いや、羨ましいというより・・・悔しいというほうがしっくりする。

おじさんに負けたとか。悲しすぐるwww

 

「そういや、お前。何であんな所で倒れてたんだ?」

「?」

「あぁ、いや。木の葉の里の中でも、町から大分離れた場所にいただろ?」

 

まぁ、そんな所にしか空き家はないし。

しかし、前述した通り、めんどくさいから言う気はない。

 

「おやすみなさい。」

「は!?」

 

本当に眠いし、熱があがってきたかも。

 

それでは二度目のおやすみなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~アスマ視点~

 

 

 

「お、起きたか。」

 

今日、シカマル達の試験を終えた後、少女を拾った。

いやいや、誘拐じゃねぇっつの。

すごい熱を出して倒れてたから、家まで運んだんだ。

 

たまたま通りかかったから良かったものの、ほうっておいたら死んでたんじゃないか?

・・・・・・・運が良いな。

 

にしても、本当に白い娘だな。

髪も肌も真っ白で、赤い目だけが爛々と輝いて・・・は、いないが。

何というか、別に目が死んでるわけじゃねェんだが、無機質な感じがする。

それに感情がないのかというくらい、無表情だ。

 

・・・・不思議な奴だな。

 

お?

相も変わらず無表情だが、ここはどこだという感じっぽいな。

雰囲気でなんとなく。

 

俺の家だといったら・・・

 

「ありがとうございました。」

 

と、お礼をしてきた。

淡々とした声だが、礼儀はきちんとあるみたいだ。

あの3人とは大違いだな。

 

「いいってこった。それよりお前、もう大丈夫なのか?少し待ってろ。家まで送ってくぞ。」

「・・・ノープログレムです。看病してくれてありがとうございました。では――――――――――」

 

おいおい!!

今にも倒れそうじゃねーか!

こんな状態で何言ってんだ、コイツは。

とにかく、親御さんでも呼んで、迎えに来てもらうか。

 

「親御さんの名前教えてくれるか?」

「すみません。私、忍者なんで個人情報言えません。」

「!!・・・ぷっ!!あはははははははははははは!!」

 

思わず吹き出しちまった。

忍だったのには驚いたが、こいつの歳じゃまだ下忍だろう。

この暖かい木の葉の里で、こんなに警戒するやつがいるか?

 

「なんですか。」

 

少し不機嫌そうだ。

悪いことしちまったか。

 

「いやいや、悪い悪い。別に馬鹿にしてるわけじゃあねぇんだ。」

「そうですか。」

「あぁ、そうだ。確かに忍びは簡単に個人情報なんて教えちゃいけない。情報は時に命以上のものになるからな。」

「そうですね。」

「しかし!!それは敵にすることであって、俺達は一緒の里にいる仲間だ。まぁ、何から何まで話せというわけじゃねぇが、それなりに信用してくれてもいいんじゃねーか。」

「・・・。」

「ん?何か納得いかないって感じだなァ。」

 

「・・・そうですね。先生、里にスパイがいるとしたらどうするのですか?」

 

!!

驚いた。

スパイの心配なんて普通のガキがすることじゃねぇ。

何をそんなに警戒してるんだ。

 

「まぁ、否定できない所が痛いなァ・・・。しかし、警戒をすることは良いことだが、俺は木の葉の里の仲間を信じてぇ。・・・・・・・・・・・・・・じゃねーと、どんどん何を信じて良いのか分からなくなるぞ。」

「自分自身を信じれば良いのでは?」

 

自分自身を・・・か。

一見ただの世間知らずなガキに思えるが・・・・。

コイツ、もしかして誰かを信用することを知らないんじゃねぇか?

どんな過去を歩んできたのかは知らんが、穏やかな話じゃなさそうだな。

何にせよ、俺に出来るのは、信じることを教えるだけだ。

それも大人の役割ってこった。

 

「周りに信じてもらえねぇと、自分も信じれなくなってきちまうもんだ。」

「そうゆうもんですか。」

「そうゆうもんだ。誰も一人じゃ生きていけないってこった。」

 

分かってるか、分かってないか微妙な表情(無表情)だが、まぁ今はそれで良いか。

 

「・・・よし!言いたくないのは分かったし・・・粥作ってあるから、栄養取っとけ。」

「!・・・そこまでいいですよ。」

 

本当に子供らしからぬ奴だな、おい。

そこまでしてもらえるなんて、ビックリ!みたいな雰囲気出してんじゃねぇーよ。

まったく、少しは大人を頼りやがれ!!

 

「子供が何遠慮してんだ。良いから食っとけ。ほれ。」

「いただきます。ん・・・もぐもぐ・・・ゴクッ」

「どうだ?」

「・・・・・・・おいしいですよ・・・。」

「その間は何だ。」

「・・・。」

 

無言なのも空気が重い。

仕方ない、話題提供でもするか。

そうだ。始めのときから、気になってた事を聞こうか。

 

「そういや、お前。何であんな所で倒れてたんだ?」

「?」

「あぁ、いや。木の葉の里の中でも、町から大分離れた場所にいただろ?」

「おやすみなさい。」

「は!?」

 

それも言いたくないことなのか、本当に眠りやがった・・・。

結局コイツの事何も分かんねーままだが・・・会ってすぐだししゃーねーか。

それにしても、本当に寝るか?

粥も一口、二口しか手をつけてない。

まぁ、寝起きだったし、仕方が無いか。

 

 

 

寝始めて少々経過。

 

 

「・・・・ん・・・・・・・・・・。」

 

ん?

何か苦しそうだ。

熱が出てきたのか?

さっきも計ったが一応、また計ってみっか。

脇に体温計を計って数分。

 

・・・・・・・39.4度・・・・。

 

・・・・・まじか。

 

滅茶苦茶上がってやがった。

・・・・・・いつからだ?

俺も忍である以上、そういった変化には敏感だ。

その俺が気づかなかった。

 

・・・・敵に弱みを見せない、という事か。

 

とにかく、今はコイツを病院に早く連れて行くしかねぇ。

医療系は専門外なんだよ、俺は。

 

やけに軽い少女を背負い、木の葉病院へと急ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

「酷い栄養不足と、睡眠不足です。1ヶ月は外に出ず体を動かさずに、安静にさせてください。」

 

医師から告げられた病状。

思ったより、何か色々やばかったらしい。

その張本人はというと、まだ意識は戻らず病院の真っ白なベッドで眠っている。

 

「まったく、ビックリさせやがって。」

 

スースーと、リズムの良い寝息が聞こえる病室で、一人呟きながら、彼女の頭を少し撫でる。

 

彼女は、フラフラしながら生きていた。

俺はそれが何だか危うく思えて、ついつい世話を焼いてしまう。

 

そう思ったからか、俺はそれから毎日彼女の病院に通い、お節介をした。

 

こうして、この微妙なアスマと李瑠羅の関係は出来た。

 

 

~アスマ視点終了~

 

 




アスマの性格ってどんなんだっけ・・・?


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