無関心少女の淡々生活・・・・・をできたら良かったのになぁ   作:ぼっちのシニガミ

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裏から表の三話

 

黒のタートルネックのセーターに深緑ベストに黒のズボンとマフラー。

短髪の髪に大人としては小柄な体躯。

そして小振りの脇差と極め付きには猫の仮面。

 

この怪しさ満点の姿こそが、私が暗部で活動する時の格好である。(変化の術で姿を変えてる。)

 

勢いで入れられたが、そこそこの地位を築いている。

正直、本を読みたいからすぐにでも抜け出したいけれど、そうしたら収入がないから本が読めなくなる・・・・・。

逆に働けば働くほど収入が増えて本がたくさん読める。

結果は奪還、護衛、暗殺、監視、尾行と何でも有りのたくさん働く成功率100%の凄腕(笑)になった。

 

本も読み続けてるから睡眠時間が減って、もっと虚弱になったのは言うまでも無い。

 

「インコよ、おるか?」

 

 

火影に呼ばれた、《インコ=私の暗部名》である。

 

「はい。」

 

本当は“ハッ!”って言わなきゃいけないらしいけど、無理。

そんな大きな声出ないし、何より厨二病乙!

 

「インコよ・・・お主は、アカデミーに通ってあったな。」

「はい。」

「ナルトの調子はどうじゃ。」

「問題ありません。」

 

過保護ですね、分かります。

手のかかる子ほど可愛いって事か。

まぁ、心配してるのは九尾の事だろうけど。

 

「うむ・・・、もうナルトもアカデミーを卒業し、下忍になる。」

「はい。」

 

正確には、もう一つの試験に合格しなければダメじゃなかったっけ。

 

「担当上忍にはカカシを付けた・・・が、少々不安が残る。」

「はい。」

「それにうちはサスケもおる。カカシ一人では荷が重いじゃろう。そこで、もう一人保険としてお主をつけようと思う。依頼出来ぬか。」

「はい。」

 

原作ではカカシ一人だったよね。

また原作介入しなきゃいけないのか。

でも、断る事はできない。

一見火影は聞いてるように見えるけど、実際の所拒否権は暗部の私には無い。

 

「この事を知ってるのは、お主とワシだけじゃ。カカシにも言っておらん。くれぐれもバレぬようにな。」

「はい。」

 

私さっきから、はい。しか言ってないな。

 

しかし、めんどくさい事になったかもしれない。

ナルトの傍とか大変な事件がゴロゴロと転がってるジャマイカ。

 

本当に、面倒だなぁ・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~火影視点~

 

 

 

 

「インコよ、おるか?」

「はい。」

 

暗部名、インコ。

彼とも彼女とも判別つかぬ小柄な体躯に猫の仮面。

コヤツの正体は、アカデミーに通っておる齢もいかぬ少女じゃ。

 

そんな子供を暗部の闇に浸からせるのは正直反対じゃが、コヤツはその実力が認められて暗部に入ったのじゃ。

それを、火影のワシがどうこう言うのは筋違いであろう。

それに、立場上それを言ってしまってはどうなるかなんて分かっておる。

 

・・・・・ただ歯痒いのじゃ・・・。

 

 

「もう一人保険としてお主をつけようと思う。この任務、受けてくれぬか。」

「はい。」

 

ただただ、是としか言わぬ彼女。

コヤツはそれを当然のように思っとるんではないか?

お主はまだ子供なんじゃ。

我侭も言わなければいけないし、守られなければならぬ。

 

しかし、そんな事言えぬ。

ワシはこやつの過去を知っておる。

森に孤独でずっといて・・・。

引き取られてからは、虐待を受けて・・・。

誰一人からも愛をもらえずに、助けてもらえずに過ごして・・・。

暗部の闇と血に浸かりきった彼女にそれを言うのは酷すぎる。

 

「明日、ナルトやサスケと同じ班に入れる。宜しく頼むぞ。」

「はい。」

 

一瞬で移動する彼女の残像を見ながら、一人火影は思う。

 

 

願わくば――――――――――――――――・・・

 

誰かが、彼女を闇から救ってくれますように・・・・。

 

 

 

~火影視点終わり~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は昨夜火影に命令されて、合格者の説明会に参加した。

本来ならアカデミーも火影が勝手に入れただけであって行く期間が終わったらすぐ暗部に戻る予定だったのだが、《カカシを裏から補佐せよ!》という任務を言い渡され、下忍となる事になった。

給料はもらえるからいいけれど、やっぱりめんどくさいなぁ。

ちなみに、班は私とナルトとサスケとサクラになった。

 

「何でオレ達7班の先生だけ、こんなに来んのが遅せーんだってばよォ!!」

 

原作通りにカカシは遅いみたいだ。

しかし、それを予測して本を持ってきた私に抜かりは無い。ドヤッ←無表情だけどww

 

「ちょっと!!何やってんのナルト!!」

「ニシシシ。遅刻して来る奴がわりーんだってばよ!!」

 

ナルトが教室の引き扉の間に黒板消しをはさむ。

だけど・・・・。

 

「甘い。」

「李瑠羅?」

 

原作ではカカシがわざと当たってたよね。

あれって、第一印象で油断するなという教訓が隠されてると思うんだけれど。

じゃあそこに凶器を加えたらどうなるだろう。

少々気になるかもしれない。

 

「黒板消し貸して。」

「ん?よっ!」

 

黒板消しにクナイを刺す。

 

「はい。また挟んで。」

「・・・・・・・・・え。」

「李・・李瑠羅ちゃん?・・・だっけ?これは流石に・・・・。」

 

何でひいてるのだろうか。

サクラだって、内なる声でナルトを応援していたじゃないか。

 

仕方がないから自分で挟む。

 

あ、カカシの気配が近づいてきた。

 

 

 

ガラッ――――――――――――――――――――!!

 

「え。」

 

グサッ!

 

・・・・・・まじで刺さった。

カカシ先生、貴方の教育魂には感服です。

 

「んーーー・・・なんて言うのかな。お前らの第一印象は・・・・」

 

「大嫌いだ!!!」

 

あー、やっぱり。

クナイだけだから殺傷能力は少ないけれど、先生血がダラダラ出てるからね。

そりゃ、嫌いになるか(笑)

ナルト達も何かズーーンってなってる。

特にサクラの白目が凄いよ白目が。

女子としてどうかと思うくらいの顔だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだな・・・。まずは自己紹介してもらおう。」

 

あの後、すぐに外に出てカカシ先生に自己紹介を促された。

 

「あのさ!あのさ!それより先に先生自分のこと紹介してくれよ!」

「そうね・・・見た目ちょっとあやしいし。」

 

何気にサクラが失礼だった。

 

「あ・・・オレか?オレははたけ・カカシって名前だ。好き嫌いをお前らに教える気はない!将来の夢・・・って言われてもなぁ・・・ま!趣味は色々だ・・・・」

 

「ねェ・・結局分かったの・・・名前だけじゃない?」

「怪しい事もわかったよ。」

「「「確かに・・・!」」」

 

「随分失礼だネ、君・・・。」

「どうも。」

「褒めてないよ。・・・ま!いいや。じゃあ君から順に・・。」

 

「佐奈川李瑠羅。好きなものは本。将来の夢は本を読みながら畳の上で大往生する事。」

 

 

この後他の3人も自己紹介をした。

 

 

「よし!自己紹介はそこまでだ。明日から任務やるぞ。」

「はっ、どんな任務でありますか!!」

 

ナルト、それは軍人の返事だと思うんだ・・・。

 

「相手はオレだがただの演習じゃない。」

「?じゃあさ、じゃあさ、どんな演習なの?」

「ククク・・・。」

 

笑い方がミズキに似てると思った私は悪くない。

 

「ちょっと!!何がおかしいのよ、先生!?」

「いや・・・ま!ただな・・・・。オレがこれ言ったらお前ら絶対引くから。」

「引くゥ・・・?」

 

「この演習は、脱落率66%の超難関テストだ!」

 

「「「!!!!」」」

 

 

・・・・・そんなに驚く事なのだろうか。

むしろ、残り34%が忍者になれるのだから、良心的だと思うのだけれど。

 

「ハハハ・・・ほら引いた。」

 

先生の顔が悪く輝いている。

もしかしてこの驚いた表情を見るためだけに担当上忍になったのかな。

ドsなのかもしれない。

 

「くわしいことはプリントに書いといたから、明日遅れて来ないよーに!」

 

地味に親切だ・・・。

この時代、プリンターが無いから4人分作るのにも苦労しただろうに。

 

こうして、きょうは解散した。

 

 

プリントを睨みながら、ムムム・・・。と凄い形相になってたサクラが印象的だった。

さっきも思ったけど、本当にコレでサスケとかに恋しているのだろうか。

 

疑問に思う、この頃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





サ・・・サスケが一言も喋ってない・・・だと?

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