機動六課と燃える街   作:真澄 十

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Ep.2 通過儀礼

「八神部隊長、書類をお持ちしました」

「おおきになぁ。すぐにサインをしてしまうわ。……はい、後はこれを本局に郵送してな」

「了解です。あと、アルフレッド・バトラー二等陸尉をお連れしたのですが、部屋に入れてもよろしいですか? 今は部屋の前で待っていてもらっています。着任の報告と挨拶をしたいそうですが」

「お、アルフレッド君やね。思っていたよりちょっと遅かったなぁ」

「施設内で迷子になっていたそうです」

「初めての場所やし、仕方ないなぁ。じゃあ、入ってもらおうかな」

 

 スバルはアルフレッドが喫煙していたことは黙っておくことにした。別に言ってしまっても何も問題ないと思うが、わざわざ株を落とすことはあるまい。そもそも挨拶に行くのだって、具体的な時間指定はしなかった――というより、多忙すぎていつ挨拶に行けるか読めないという事情があったらしい。時間指定がなかったのだから、遅刻ですらない。急いで挨拶すべき事情だってないのだ。

 

 スバルはドアを開け、外で待機していたアルフレッドを招きいれた。スバルは用事を済ませたため、入れ替わりで退室した。

 アルフレッドははやての前まで歩き、敬礼した。はやても敬礼を返す。

 

「アルフレッド・バトラーおよびインセイン・スーツ、本日1330を以て古代遺物管理部機動六課に着任いたします!」

【よろしくゥ。これまた随分と若い部隊長だなァ。しかも喜べよ相棒、かなり美人だぜ】

「ちょっと黙っていろ、インセイン」

 

 はやては少し引きつった笑顔を浮かべた。とりあえずインセインの言葉は無視することとする。

 

「八神はやて部隊長です。アルフレッド・バトラーとインセイン・スーツの機動六課への合流を承認します。ようこそ機動六課へ。そんな硬くならんでもええよ」

「……はあ、先ほどから感じていましたが、この部隊はフランクですね。上下関係が薄いというか」

「そうやね。若い人が多いし、こうなってしまうんよ。うちの威厳が足りひんのかも知れんけどね」

「そういう意味で言ったのでは……」

【おう、嫌味かコラ】

「インセイン!」

「……話には聞いとったけど、確かに独特なデバイスやね。そう意味で言ったんじゃないってことは分かっとるよ。まあ、何はともあれ歓迎するわ」

 

 はやては、インセインの物言いにやや面喰ったようだ。当然である。少なくとも、はやて達の中にあるデバイスへの認識から大きく逸脱した存在なのだ。

 会話が可能なインテリジェントデバイスはそれぞれ個性があるものだが、礼儀正しい態度をとるのが普通だ。このように自発的に暴言を吐くデバイスなど、見たことがない。しかもかなりの多弁だ。普通は意味もなく発言することはない。

 はやては気を取り直して、今後の打ち合わせに入ることとした。

 

「明日からさっそく働いてもらうけど、とりあえず今日はどうしようか。荷物はもう部屋に運んであるし、アルフレッド君の部屋にでも案内させようか」

「ありがとうございます。この後は自室で荷解きをさせて頂いてよろしいでしょうか」

「どれくらい時間かかるかな?」

「私物は少ないので、そこまで時間はかからないかと。何か?」

「了解や。じゃあちょっと手の空いている人に自室まで案内させるわ。そしたら荷解きして、夕方あたりに訓練用シミュレーションまで来てくれるか? そこで六課のフォワードたちも紹介するわ」

 

 アルフレッドは怪訝な顔をした。訓練用シミュレーションに呼ぶということは、いきなり訓練に参加しろということだろうか。

 確かに一理ある。データ採取のことはもちろん、明日にでも緊急出動がかかるかも知れないということを鑑みれば、早いうちにフォワード陣と顔合わせをするべきだ。加え、各人の戦闘能力を把握する必要がある。

 何せ相当に慌ただしかったのだ。フォワード陣のパーソナルデータを催促することすら出来なかった。この機会に顔を覚えて、戦闘能力を把握してしまうほうが良い。

 今後、一緒に戦うことになるのだ。仲間の戦力が検討つかない状況では作戦も何もない。それは現役フォワード陣もそうだろう。アルフレッドと違い、パーソナルデータに目を通してはいるだろうが、こういった事は実際に手合わせをしてみるまで分からないこともあるものだ。

 

「つまり、訓練に参加しろという意味ですか」

「うん。あ、確かあのシミュレーションの試験は第八技術部が担当したんやったかな?」

「私は関わりませんでしたがね」

【でも大体は知っているぜェ? ケケ、そこに呼ぶってことは、暴れさせてくれんのかィ?】

「暴れちゃあかんよ。あくまで訓練やからね。じゃあ、具体的な時間は後で連絡するから、それまでに荷解きを済ませてな」

 

 そう言うとはやては内線で誰かを呼びだした。案内役の人物はすぐに現れた。どうやら寮母か何からしく、エプロンを身に着けていた。

 アルフレッドは部隊長室を後にし、その女性に連れられて自分の部屋へ行った。

 想像よりもかなり良い部屋だった。隊長格などではないのに、個室を用意してくれた。聞けば、部屋割の都合で仕方なかったという。もし寮を出る人や新しく入った人がいれば、相部屋になるらしい。当面その予定はないらしいので、しばらくは個室だろう。インセインが同居人に何か言わないかと肝を冷やさないで良いのは都合が良かった。

 

 ◇◆◇◆◇

 

 部屋に案内された後、さっそく荷解きにかかったが、予想に違わず一時間程度で終わってしまった。そもそも私物が少なく、その中でも持ってくるものを絞ったため、時間をかけようが無かった。

 こうなると自室であっても禁煙であるという規律が面倒臭くなる。コーヒーでも淹れて一服していれば暇はだいぶ潰れるのだが、それができない為に屋外で喫煙するしかなくなる。まさか昼間から酒を飲むわけにもいかず、想像以上に暇な時間が出来てしまった。

 読書しようにも、書物の類は必要なマニュアル類以外は持ち込んでいない。テレビでも見て時間を潰すのが良いだろう。

 

 テレビを付けてみると、ちょうどニュース番組が始まっていた。

 昼のニュースはバラエティやゴシックの色が強いが、どうせ暇潰しだからとチャンネルはそのままにする。芸能ニュースを適当に聞き流していると、犯罪関係のニュースに移っていった。

 何やら殺人現場の調査風景らしい映像が流れ始め、ニュース番組は険呑な空気に包まれる。

 

『昨晩の未明、通行人が何者かによって刺殺されるという事件が起こりました。犯人は監視カメラを逃れるために顔を布で覆い、ナイフや包丁のようなもので刺したと見られています。付近に目撃情報はなく、犯人は未だ逃亡中です。凶器の刃物も発見されておらず、持ち去ったものと考えられています』

 

 画面の右下にワイプが現れ、そこに司会役の男が映し出された。

 あまり賢そうな男ではなかったが、むしろお昼時のテレビ番組には良い人物かも知れなかった。

 

『物騒ですね、これは強盗でしょうか』

『いえ、持ち物を漁られた形跡もなく、これといって紛失したものも無いと見られています』

『となると、私怨でしょうか。あるいは通り魔?』

『管理局は両方を視野に入れて捜査しているようです』

『最近、こういう通り魔的な事件が多いですね。同一犯でしょうか』

『いえ、手口がバラバラですし、一部は逮捕されています。同一犯の可能性は低いかと』

『なるほど。皆さん、夜間の外出は十分に注意してください。では、次のニュースをお願いします』

【胸糞わりィ話だぜ】

 

 ニュースキャスターが記事を読み、司会役が質問をすることで進行していった。インセインの言うように、気分の良い話ではない。

 近頃、確かにこのような通り魔的な事件が多発するようになった。それも、管理局のお膝元であるミッドチルダで。管理局は、地域警邏の者を中心として事件の事前防止に力を入れているが、実を結んでいないのが現状である。犯人も捕まえられたり捕まえられなかったりで、管理局が慌ただしい原因の一つとなっている。おそらく、機動六課のフォワード陣も、警邏や捜査に駆り出された事があるだろう。今そうであるかは不明だが、過去に一度は有る筈だ。猫の手も借りたいというのが、管理局の実状であった。

 今のところ、一連の犯行に共通点は無いものと見ているが、アルフレッドの見立ては少々違った。少なくとも、一連の事件における被害者に関連性が無いというのが特徴として挙げられ、そのため犯人にも共通項は無いのではないかというのが多数の意見である。そうなるのも当然のことだろう。

 大きな犯罪の後には、無関係な犯罪者が後続して何かをしでかすものだ。「今なら管理局も、小さな事件に目を向けることはなかろう」と思い、潜在的な犯罪者が行動を起こす。確かに管理局は痛手を負っており、その能力を十全に振るえていない。だが、どんな小さな犯罪でも見逃すということはない。法を司るものとして、それは当然だ。

 だからこそ、こういう散発的な後続事件はすぐに収束するものだが、少しばかり尾を引きすぎている気がする。何か、犯人に共通項があるとみて然るべきだろう。

 

「インセイン、どう思う?」

【さァな、俺には分からねェよ。……だが、少しばかり嫌な予感がするぜェ】

「デバイスのお前が「予感」とはな」

【黙れやボケ。俺をそんじょそこらのゴミデバイスと一緒にするんじゃねェ!】

「一目見たら、お前が普通のデバイスじゃない事くらい誰でも分かるさ。俺の優秀な相棒だ」

【……ふん。そうさ、俺のマスターは誰にも殺せない】

 

 だがエマに重傷を負わせた、とはアルフレッドは言えなかった。

 あれはインセインの所為などでは断じてない。インセインは最大限の力を発揮してくれた。足りなかったのは自分の力だ。アルフレッドはそう自分に言い聞かせた。

 もっと強くならねば。これ以上、自分の目の前で人が傷つかないためにも。だが魔力量は先天性の素質でほぼ決まる。アルフレッドのもつ魔力量は一般人よりも少し多い程度で、管理局の中で第一線に躍り出ることが出来るほどのものではない。一般人の範疇では中の上、魔導師の中では平均以下だ。

 そんなアルフレッドが力を付けるのに、技術部は丁度良い場所だった。テスターになれば、最新の技術で作られた武装を使用することができる。

 それに、こうしてテスターとして色々な部署に赴けば、出向先で訓練に参加できる。相手方が渋ったとしても、試験のために必要不可欠だと言えば大抵の場合は了承が得られる。色々な部隊で、色々な訓練を受け、色々な戦術や技術を学べるのだ。それはつまり、エマのように傷つく人を減らせるということである。アルフレッドにとって、この勤務先は絶好の場所であった。

 

「……ちょっと、エマに電話するよ」

【……六課の回線は使うなよォ? プライベートでの使用は禁止されているからな】

「当たり前だ」

 

 アルフレッドは個人端末を開き、自宅の回線へ繋いだ。空中に現れた画面には、アルフレッドがよく見知った顔が映っていた。ブロンドの髪、青い目、折れてしまいそうな華奢な体。間違いなく妹のエマであった。

 

「どうしたの、お兄ちゃん?」

「いや、ちょっと気になっただけなんだ。体調はどうだ?」

「うん、今日は調子良いよ。顔色も良いでしょ?」

「ああ、でも無理しちゃダメだからな」

「うん!」

 

 エマは五年前に体に大穴を開けられている。ヴェルディの持つアイーダの一撃は、エマの脊髄を抉っており、エマは二度と歩けない体になってしまった。下半身の完全な麻痺だ。

 完全な下半身不随はエマから普通の生活を奪った。現代の医学で治療は可能だが、その費用は膨大だ。何せ脊髄は脳に次ぐ神経群でもあるため、その治療には長い入院といくつもの手術が必要となる。それも、脊髄に損傷があるというレベルの話ではなく、脊髄そのものが抉り取られていたのだ。

 つまるところ、治療ではなく復元という表現が正しくなってくる。もはや通常の医学の範疇を超えていると言っても過言ではない。治療費が甚大になることも、至極当然の話であった。

 

 その為にも、アルフレッドは金を稼ぐ必要があった。管理局の給料はかなり良い。あと数年も働けば、必要な費用は貯まる筈だ。

 

「お兄ちゃん、管理局のお仕事はどう?」

「ああ、中々順調だよ。あと少ししたら、手術費用も稼げると思う」

「そんな事を聞いているんじゃないの! 無茶しているんじゃないかって聞いているの!」

「ああ、大丈夫さ。それに多少の無理はインセインが帳消しにしてくれるさ」

【あまり俺に頼るんじゃねェぞ】

「……お兄ちゃん、私の事なんか気にしないでいいの。私の事なんかより、自分の道を選んでよ」

「これが俺の道さ」

「……むー。分かったよ、でも無理はしちゃダメだからね!」

「ああ。じゃあ、また連絡するよ」

 

 そう言ってアルフレッドは通話を切った。元気そうで良かったと小さく漏らす。

 アルフレッドが管理局で勤務している以上、自宅には中々帰れない。インセインに頼んでヘルパーを雇って貰っているが、どこまで信用できるのかも不明だ。

 何せ、自宅に居るのは齢十八の女性である。セキュリティには気を使っているものの、心配するなというのが無理な話である。

 

【素直に国の要介護認定を受ければ良いのによォ】

「駄目だ。……あいつらの手は、長くて早い。エマには暫く隠居してもらうしかない」

【わざわざ俺に情報収集させて、外に漏れなさそうなトコに依頼させるくらいだからなァ。確かに、要介護認定なんか受けたら、見つかりかねないかも知れん。でも、お前は格段に楽になるんだぜ?】

「俺の事はどうだって良いんだ。エマの事が大事なことくらい、お前も分かっているだろう」

 

 アルフレッドの言い分からすると、彼が管理局に務めることも十分危険な筈である。目立った行動を避けたいという意思と、アルフレッドが管理局に努めるという行動が矛盾している。だが、そこは方々に手を回すことが出来たため、さほど問題は無かった。

 五年前、ミッドチルダに逃げ込んだ際に信用できる人物に保護された事が幸いだった。噂が立たぬように、そして迅速かつ万全に管理局への入管手続きを済ませてくれた。

 もちろん、その人物には感謝している。だが互いに忙しい身であるために次第に疎遠になり、今はどこで何をしているのかアルフレッドには分からない。

 

【へいへい、そうさね。……おっと相棒、あと少しでお迎えが来るんじゃねェか? 貰ったデータに目を通しておいたほうが良いと思うぜ】

「もうそんな時間か。じゃあ、そうするか」

 

 時計を見れば、午後三時を回った辺りだった。荷解きの途中にはやてからメールが届いており、それによれば六時に集合とのことだった。集合が六時であるため、迎えの者がそれよりも前に来るだろう。

 データに一通り目を通すとなれば、一時間から二時間はかかるだろう。今のうちにデータに目を通すべきであった。

 

 貰ったデータは、フォワード陣についての物が大半であった。後は起床時間等の連絡事項である。アルフレッドはとりあえず起床時間等の勤務に必要な情報を端末に入力し、スケジュールを組んでおく。かなり早い起床を要求されているのは、恐らく早朝から訓練を行なうからだろう。かなり密な訓練スケジュールだった。この部隊の訓練担当者の意気込みが見える。

 次に、フォワード陣についてデータに目を通すことにした。これから半年の間、共に闘う仲間の情報は、前線に立って戦うスタイルのアルフレッドにとって重要なものになる。はやてもその辺りを斟酌して、パーソナルデータを事前に送ってくれたのだろう。

 

 まず機動六課のフォワードは二つの分隊に分かれている。スターズ分隊とライトニング分隊だ。各小隊には隊長が一名ずつ充てられ、その下に副隊長が一名ずつ。さらにその下に二名の隊員が付き、分隊一つにつき四名の構成となっている。

 これに関しては特に問題はない。機動部隊にとって、少人数精鋭部隊での構成は至って普通のことだ。

 

 次にアルフレッドは各隊員のパーソナルデータに目を通すこととした。とりあえず、データの先頭に居た人物のファイルを開く。

 その人物の名前と顔写真を見た瞬間、アルフレッドは目を剥いた。

 

「……インセイン、この人はまさか」

【おう、俺の記録にもあるぜ。五年前、お前を保護したあのガキだ。こんなに大きくなってやがったか。

 あいつの砲撃はマジでヤバかったなァ。『アイツら』以外で殺されるかも知れんって思ったのは、こいつが初めてだったぜ!】

 

 そう言ってインセインはゲタゲタと下品な笑いを上げた。アルフレッドはその人物の名前にもう一度目を通す。

 その人物は高町なのは。スターズ分隊長であり機動六課の戦技教導官。

 そして、アルフレッドを保護した人物でもあり、アルフレッドが管理局で働くために尽力してくれた人物でもある。

 つまりは恩人でもあり、そして――絶対に超えるべき壁でもあった。

 

「俺が目的を達するためには、最低限この人を超えないといけない。俺の今の実力を試す良い機会だぞ、インセイン。これは――俄然、やる気が出てきた」

「目的って、お前が強くなりたい理由のことかァ? んで、『エマみたいな可哀想な人を見たくない』っていう正義の味方みたいなヤツじゃないほうだな? ケケ、俺もお前がやる気になってくれて嬉しいぜェ?」

「俺にとっては、どっちも正義の味方的なヤツだよ」

【ケケ、果たしてそうかねェ? 復讐が正義なんて、笑いが止まらねェよ!】

 

 ◇◆◇◆◇

 

 その後、アルフレッドはパーソナルデータの続きを見ていった。後の面子に顔見知りは居なかったが、それらのいずれも逸材であることは疑いようも無かった。

 というよりも、もはや無敵の部隊だ。一体どんな手を使えばこんな人物ばかり集めることが出来るのかと疑問にすら思う。

 分隊長と副隊長はいずれもエース級の魔導師だ。データを読めば読むほど、驚異的な戦闘能力を誇っていることが伺える。魔導師のみの実力ならばアルフレッドに勝るだろう。デバイスの能力も斟酌すれば分からなくなるが、こればかりは実際に手合わせしてみるしかない。

 一つ驚いたのは、副隊長以下の前線メンバーの年齢層の低さだった。特にエリオという少年とキャロという少女はまだ子供だ。だが、だからといって油断はできない。逆を言えば、この年齢で機動部隊に務められるほどのポテンシャルを秘めているということになる。導師の実力は年齢と比例しない。子供だからと侮る訳にはいかず、要注意の二人である。

 先ほど会ったスバルという女性と、ティアナという女性もかなり若い。おそらく機動六課の若輩メンバーを牽引するのはこの二人だろう。パーソナルデータを見る限り、この四人の中で指揮官に相当するのはティアナだと予想できる。

 

【多分、今日はこいつらとの模擬戦になるぜェ。今の内に作戦を立てといたらどうだ?】

「四人が相手だとすると、指揮官となりそうなティアナを先に倒すのが良いかも知れないな」

【だが、そいつは先陣切って切りこむタイプじゃねェ。それに幻術の類も使えるらしいじゃねェか。こいつに気を取られると、囲まれてタコ殴りにされる可能性もあるぜ】

「先陣を切って闘うタイプはスバルとエリオか。キャロはフルバックだが、それだけに真っ先に仕留めるのは難しそうだ。……この四人は良いコンビだな」

【ま、俺も素直に誉めてやるぜ】

 

 この四人の強みは、互いが互いの弱点を補っていることだ。

 スバルの弱点は遠距離攻撃の乏しさにあるが、そこを瞬間的な機動力の高いエリオと射撃を得意とするティアナがサポートしている。

 エリオはデバイスの特性ゆえに直線的な機動しかできず、また遭遇戦に弱いという事が弱点として考えられる。しかしそこは白兵戦を得意とするスバルが庇い、キャロがブーストを事前にかけることでサポートが可能だ。

 ティアナは破壊力と制圧力に欠けるという点が弱点になる。だが、それ以外に目立った弱点が無いという人物でもある。威力はキャロからの支援を受けるか、前衛の二人に頼ることで解決が可能だ。この弱点は現在の実力での話であり、成長すれば相当な実力者となるだろう。今は器用貧乏に陥りがちだろうが、一点特化でないだけにあらゆる場面に対応できる。

 キャロは攻撃手段の乏しさが問題になるだろうが、召喚士としての実力は目を見張るものがある。ただし、召喚した龍と本人が分断された時、攻撃手段があまりに少ないことが弱点となるだろう。しかし優秀な前衛と頭脳担当が居て、キャロが彼女らを補助し続ける限り、常に誰かがキャロを守ることが可能な編成となっている。フルバックの魔導師は、味方への補助に徹することが自身を守ることになるというのはセオリーとして一般的だが、そのお手本のような面子である。

 

 前衛を崩すにしても、後衛の援護が強力であるため難しい。後衛から崩すにしても、足の速い前衛と精密射撃を得意とするセンターガードが接近を許さないだろう。

 となれば、この面子を倒すとなると正面からぶつかり合うのは愚策だろう。こういう相手と叩くとなれば、やや頭を使う必要がある。

 アルフレッドの出した答えは、ある意味で定石と言える手だった。

 

「各個撃破だな。まずは前衛と後衛を分断する」

【その後、前衛を叩くもよし。周りこんで後衛を叩くも良し、だな】

「後衛を先に叩きたいな。指揮官のティアナはもちろん、フルバックのキャロもここで叩いておきたい」

【後衛の援護が無くなったところで、前衛を仕留めるってワケだな。ま、この辺りは状況を見て判断するしかねェな】

「ああ。前衛を振りきれないと判断したら、先に前衛を叩く」

【オーライ、相棒】

 

 そもそもこの四人と戦うことになるかどうかは不明だが、今すぐ作戦会議が必要だと思われるのはこの四人組だった。この四人に副隊長以上の人物が混ざるという事はまず無いだろう。なぜなら、初日からそこまでハードな内容とは考えにくいからだ。副隊長以上の人物と一対一の戦闘ならば、事前に作戦会議をする必要はない。パーソナルデータを見れば、わざわざ作戦を練らなくても対抗策が浮かび上がる。もし副隊長以上の者が複数で相手となる場合もあり得なくはないが、まず考慮しないで良い可能性だ。そうなった場合、勝機が無いと言っても良いだろう。いや、無いわけではないが、現状では限りなく薄いと言っていい。

 

「よし、事前に話し合うべきは以上かな」

【おう。他のパターンは今話合う時間はねェからな。ホレ、もう三十分前だ。そろそろ着替えておかねェと、迎えが来るぜ?】

「そうするか」

 

 アルフレッドは制服を脱いで丁寧にクローゼットにかけ、迷彩柄のカーゴパンツと黒いTシャツに着替えた。ついでに事務仕事用の革靴からコンバットブーツに履き替える。まだ迎えが来なかったため、爪の手入れを一応しておいた。

 暫くストレッチをしていると、ドアをノックする音が聞こえた。どうやら迎えが来たようだった。

 

「どうぞ」

 

 迎えはティアナだった。彼女もアルフレッドと似たような格好をしている。

 

「失礼します! アルフレッド・バトラー二等陸尉、お迎えにあがりました!」

「ティアナ・ランスター二等陸士、ありがとう」

 

 ティアナは部屋に一歩入り、敬礼をした。一応、アルフレッドも敬礼を返した。ただのテスターに敬礼など必要ないのに、と苦笑いをする。自分の階級だって飾りのようなもので、権限など殆ど無いのだ。何せ実際に部隊を指揮している訳でもなく、ポストに着いている訳でもないのだから。

 

「あれ、私の名前を?」

「ああ、事前にパーソナルデータを貰ったから。……ところで、そんなに硬くならなくて良いよ。別に敬語じゃなくても構わない」

 

 アルフレッドもまた、この部署では敬語はほどほどにしておこうと考えていた。

 この部署はとにかく上下関係が希薄なのだ。自分がそこに拘る姿勢を見せると、空気を悪くしかねない。それはアルフレッドの本意ではない。

 こちらがフレンドリーに接することが望ましいと判断したから、そうしたまでである。普段のアルフレッドはもっと畏まった喋り方をするのだが、それが適切でないと判断すれば口調も改める。

 ただアルフレッドにとっては、むしろ敬語のほうが慣れているため、この口調は少々むず痒かった。

 

「いえ、上官ですので」

「この部隊では新顔だし、階級も飾りみたいなものだよ。……じゃあ、敬語のままでも良いから、もう少しフランクな感じの敬語で。インセインがこんな調子だし、技術部は年上が多いから、あまり硬くなられるとやり辛くてね」

「はあ……わかりました」

 

 ティアナは渋々ながら了承した。

 アルフレッドの言葉は本心で、あまり硬い言葉使いを使われるのは好きではなかった。自分は丁寧な敬語を使うが、人には使って欲しくないというのは矛盾しているようにも思うが、これが彼の気性なのだから仕方が無い。

 それに、これから肩を並べて闘う以上、ティアナがいつまでもその調子だと面倒だ。スバルくらいのフランクさが丁度良い。インセインがこの調子である以上、硬い敬語はどうしても耳に慣れないのであった。

 

「じゃあ、さっそく訓練シミュレーターに案内します。準備は出来ていますか?」

「デバイス以外に必要なものが特に無いのであれば」

「大丈夫です。じゃあ、行きましょうか」

 

 アルフレッドは、ティアナに連れられて訓練シミュレーターに向かう。

 道中は大した話はしなかった。お互い、これから模擬戦を行なうであろうことは予測できている。今から闘うことになる、初めての相手を前にして、両者ともやや緊張を隠せない様子であった。

 ただし、インセインだけはいつもの調子だった。

 

 アルフレッドが訓練シミュレーターに到着したとき、思ったよりも大所帯で二人を待ち構えていた。それら全て、パーソナルデータに記載されていた人物である。

 高町なのは、フェイト・T・ハラオウン、八神はやて、ヴィータ、シグナム、リインフォースⅡ、ザフィーラ、スバル・ナカジマ、エリオ・モンディアル、キャロ・ル・ルシエ。直接的に戦闘へ参加する事の多い面子が揃っていた。つまりはアルフレッドと共に闘うことになる者達である。おそらく、アルフレッドの値踏みをするために集まったのだろう。

 その少し離れた所に、マリエルとシャリオの姿もあった。この機会に試作機のデータを採取する予定なのだろう。仕事熱心なのは良いことだ。

 なのはが一歩前に出て、アルフレッドに向かって言った。

 

「……久しぶりだね」

「ああ、五年ぶりだ。あの時は世話になったな」

 

 二人以外の一同は怪訝な顔をした。この二人が顔見知りだという事を知らされていないのだろう。隠すようなことでもないが、わざわざ吹聴して回る事でもない。

 

「管理局へ推薦したこと?」

「ああ。俺みたいなヤツが、ここで働くにはお前みたいな人物から推薦してもらうしかなかっただろう。本当に感謝している」

【ま、ここは素直に礼を言ってやるぜ】

「君に更生する意志があったからだよ。私はその後押しをしてあげただけ」

「……すまない」

「いいよ。それじゃあ、皆に自己紹介してくれるかな」

「了解」

 

 アルフレッドは一同に向き直り、一つ咳払いをする。

 敬礼をし、胸を張り、大きな声で自己紹介をした。

 

「アルフレッド・バトラー二等陸尉です!第八技術部のテスターとして、本日より機動六課へ出向となりました。機動六課の皆さまのご理解とご協力に感謝いたします!

 こちらが試作機を搭載したデバイス、俺の相棒のインセイン・デバイスです。口の悪い奴ですが、私共々よろしくお願いします!」

【宜しくなァ、ガキ共】

 

 新人フォワード達は元気よく挨拶と敬礼を返す。それ以外はにこやかな顔を向けているか、特に興味を抱いていない様子かのどちらかであった。

 新人フォワードも自己紹介をしてくれる。パーソナルデータを見ているため必要は全くないのだが、こういう事は本人の口から聞くことも大事だ。少なくとも、互いがこれで知りあいになったと認識するための通過儀礼として、悪くはない事であった。親近感というものがまるで違う。単なるデータだけでは、その人物は推し量れないものがあるのだ。

 

 全員の自己紹介が終わったところで、戦技教導官のなのはが注目するように言う。

 まずは必要な連絡事項であった。

 アルフレッドは隊長にも副隊長にも就かないことは既に確定していた。そもそもアルフレッドは指揮資格を保有していない。また、ただの出向扱いのアルフレッドが指揮をするというのも可笑しい話だ。

 ではどちらの分隊に所属するのか、という話になる。なのはとしては、分隊単位で見たとき、どちらに所属させても良い陣営になると思っていた。

 

 アルフレッドは至近距離での戦闘を得意としている。フォワード陣の中では、スバルが最も戦闘スタイルが似ていた。

 仮にスターズ分隊に入れるならば、スバルと共に前衛で戦うことになる。前衛が重厚になれば、それだけティアナは指揮に専念できる。単騎で敵に突っ込むことがどうしても多くなるスバルも、同じような戦闘スタイルの者がいれば戦い易いだろう。

 ライトニング分隊ならば、盾とも言える役割が生まれることになる。エリオも前衛だが、敵の攻撃を受け止めるタイプではない。体が未発達のため、こればかりは仕方のないことだ。そのため、キャロやフリードも白兵戦は弱点となる。よって、ライトニング分隊は敵の接近を許したくない分隊となっていると言えるだろう。肉薄される前に敵を倒すことが重要となる陣営だ。だが、敵の攻撃を引き受ける役が居るならば、エリオもキャロも戦い易い環境になるだろう。

 さらに、あえてロングアーチの扱いにし、状況に応じて臨機応変に編成するというのも一つの手だ。

 

 なのはは最後まで迷ったが、ここはスターズ分隊に所属させることとした。理由は、スバルと似通った戦闘スタイルであるため、同様の訓練を課すことができることである。また、似通ったスタイルだからこそ、スバルも得るものがあるだろう。アルフレッドにしてもそれは同様の筈だ。

 戦略としての視点ならばどちらの分隊に所属させても良いが、戦技教導官としての視点から見た場合はこちらの方が良い。ライトニングに所属させた場合、訓練メニューと教官役が増えてしまう。コストを抑える面では非常に有利な判断だと思われた。教官役の人材も時間も有限なのだ。

 なのははこのような結論に達したことを伝えると、アルフレッドも快諾した。

 

「じゃあ、アルフレッド君のコールサインは、スターズ05になるから、覚えておいてね」

「スターズ05、了解」

I copy(了解)

「スバルとティアナは、ギンガが居たときみたいな立ち回りになるかな。ナカジマ姉妹とアルフレッド君の戦闘スタイルは似ているから、対応もしやすいと思う」

「「はい!」」

 

 スバルとティアナは元気よく返事をした。

 自分と似た戦闘スタイルの者が前に居たのならば、アルフレッドを交えてもすぐに対応できるだろう。アルフレッドとしてはあり難かった。アルフレッドも二人に合わす必要があるが、しばらくは二人のサポートに期待だ。慣れてきたら、年長者であるアルフレッドがサポートをする必要も出てくるだろう。

 今は居ないらしいギンガという者も気になるが、居ない者を詮索しても仕方がない。先のJS事件で入院しているか、あるいは他の部署に出向したか戻ったか。どの部署も猫の手も借りたいほど忙しいのだ。出向した者ならば呼び戻すし、手の空いている人材が居るならば他部署に貸し出すということも十分に考えられる。

 もしかすると、JS一味の調査なり厚生プログラムなりで暫く帰ってこれないだけかも知れないが。

 話が一段落したところで、痺れを切らしたかのようにヴィータが発言した。

 

「なのは、そろそろ訓練に入ろうぜ」

「そうだね。今日はアルフレッド君と新人メンバーで模擬戦をしてもらおうと思うんだけど、他の人たちもそれで良いかな?」

 

 ここで言う他の人とは、隊長と副隊長陣のことだ。つまりはギャラリーとして集まった者のことである。

 代表して発言したのはシグナムとリインフォースⅡだった。

 

「問題ない。模擬戦のほうが、この男の実力を量りやすい」

「リインはもともとそのつもりで来ていますので!」

 

 反論が無いことを確認すると、なのはは新人メンバー達に向き直り、柏手を一つ打った。

 

「じゃ、聞いての通り今日は模擬戦! ルールはどちらか一方の陣営が全員撃墜されるか降参するまで。バインドで拘束されるか、バリアジャケットに攻撃を貰った時点で撃墜扱いだからね!

 アルフレッド君は一人っきりで戦うことになるけど、最新鋭の装備を貰っているから手ごわいよ。少なくとも、副隊長ぐらいの実力はあるし、何よりも皆が経験したことの無い戦い方をすると思う。油断しないようにね!」

 

 新人メンバーは活きの良い返事をし、すぐにシミュレーターには入らずに各自が準備に取り掛かった。装備の点検をする者、柔軟体操をする者、作戦の確認をする者。皆それぞれだが、息は合っているようにアルフレッドは感じた。

 

「アルフレッド君は、一人で四人も相手にすることになるけど、無茶な戦い方はしちゃダメだからね?」

「人にとっての無茶が、俺にとっての有効な戦法になりがちなのが辛いな」

【まァ見てろって。それに良いのかァ? 隊長様も出なくてよォ? 可愛い教え子がボコボコにされるのを黙って見ることになるぜェ?】

「そうされないように訓練してきたんだよ。若い子ばかりだけど、私はみんなエース級の……ううん、ストライカー級だと信じている」

【そうかィ。それが幻想だったことを教えてやるよ】

「インセイン、何を挑発しているんだ。……すまないな」

「いいよ、むしろ相変わらずで安心したくらい。じゃあ、準備ができたら位置についてね」

 

 そう言うと、なのははマリエル達にアイコンタクトで合図をした。

 すると、訓練シミュレーターから廃ビルの群れが生えてくる。生えてくるという表現は適切ではないのだが、視覚上ではそう見えるのだ。実際は仮想マップを投影し実体化しているだけなのだが、やはり目を見張るものがある。

 第八技術部がテストをしただけあって動作も良好だと、アルフレッドは密かに得意げになっていた。

 それを気取られないように、一通りの柔軟体操をすることする。そして柔軟体操が終わったところで大きく深呼吸をし、戦闘準備を整えることとする。

 

「インセイン、とりあえずバリアジェケットを」

【オーライ!】

 

 アルフレッドの体にバリアジャケットが装備される。アルフレッドのそれは、普通の魔導師のそれとあまり変わらないように思えた。違う点を言うならば、まず色が挙げられる。装飾を施された白い布地だった。機動六課のフォワードメンバーも白いバリアジャケットを装備しているが、それとはまた違う。例えるならば、どこかの祭服のような仕立てであった。

 

「ティアナ、先に行っているよ。準備できたら来てくれ」

【位置についたときに、俺の展開状態での姿もお披露目してやるよ。既にデータで見たかも知れんがな】

「了解です。すぐにこちらも行きますので」

 

 そう言うと、アルフレッドは先にシミュレーターに投影されたビルの群れに姿を消した。開始位置は各自の端末に示されている。方向音痴のアルフレッドでも迷うことなく辿り着くことが出来た。

 

 それからややあって、新人メンバーが揃って開始位置に現れた。

 その時には既に、アルフレッドはデバイスを展開していた。その姿を新人メンバーは写真等で知ってはいたが、生で見るとその迫力に圧倒された。

 

 バリアジャケットの上から着込んでいるのであろう、重装甲強化服型のデバイス。少なくとも、新人メンバーの知る中ではこのような形状のデバイスは見たことがなかった。今まで見たどのデバイスよりも重厚で、威圧感があり、それだけに得体が知れなかった。

 鎧ともまた違う。もっと現代兵器然とした風貌だ。まるでロボット兵器のようでありながら、それにしては無骨。腕や足も、インセインのせいで倍以上は太くなっている。胴周りに至っては、三倍は増されているのではないだろうか。そしてその広い表面積の殆どは、厚い装甲で覆われているのだ。装甲が無いのは関節部ぐらいのものである。

 手にはポンプアクション式のショットガン型アームドデバイスを持っており、腰にはカートリッジがいくつか吊るされている。おそらくショットガンがカートリッジシステムに対応しているのだろう。見た目通りの攻撃方法ならば、魔力弾を拡散させる攻撃方法が主となる筈だ。クロスレンジでの戦闘や、遭遇戦を得意とすると見ることができる。

 思わず、キャロは感嘆の声を漏らした。

 

「すごい……」

「写真で見るよりも巨体に見えるわね。小回りを利かした戦法が有効かしら。どう思う、スバル」

「同意見。でもあの装備を見る限り、接近戦に特化していると思う」

「あんたと同じね。ショットガンの制圧力だと、あんたとエリオは接近が難しいかも。私とキャロが要かな」

「私とフリードも援護します。前衛の二人は、アルフレッドさんを倒すことよりも引きつけることに専念すべきかも」

「そうね。それでいきましょう」

 

 インセインの頭部は半球型のバイザーに覆われており、それは黒く塗られているためアルフレッドの表情を窺うことができない。

 何となく、スバルはアルフレッドが今どんな表情をしているのだろうかと気になった。そこに居るのが人であることは理解しているのに、表情が分からないというのは、何とも不気味で恐ろしいものだった。

 そして、スバルの不安を煽るように、インセインが狂気じみた啖呵を切った。

 

【クソガキどもォッ! 楽しい模擬戦の時間だぜェェェ? せいぜい死なないように気を付けなァ。ケケ、死んだら死んだで、ミンチにして魚の餌にしてやるからよォ、安心して良いぜェ?

 Let's Rock and Roll! フーハハハハハァァァァッ!】

 




 次も二日~三日後に投稿いたします。
 まだまだ物語は真の姿をさらしてはいませんが、少しずつ動きが出てくると思います。

 次は新人メンバーvsアルフレッドの模擬戦となります。こうご期待!

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