魔法少女リリカルなのは~ある転生者の新たな世界~ 作:メガネ
前回のあらすじ
防衛プログラムのコアを宇宙へ転送。
嫌な予感がしたから、取り敢えず大気圏突破。
予感的中、防衛プログラムがいたから、取り敢えず脇腹をブスリ♪と刺した。
以上。
≪三行!?≫
レイにも心の中を突っ込まれた………
「正直……当たって欲しく無かったんだけど」
脇腹を刺した防衛プログラムを蹴って、距離を取る。
≪すっご~い何で分ったの?≫
「詳しくは分らないけど……多分、あの時が原因だと思う」
闇の意志との戦いの時に左腕が紛失した……だからお返しとばかりに闇の意志の左腕を千切って自分の腕にした。
恐らくその時に、闇の書との特殊なパスが繋がったんだ……だから感覚で分ったんだ。まだ、防衛プログラムは生きていると――
「でも……此処までしぶといと逆に褒めたくなるわね」
「コダイ君!コダイ君聞こえますか!?」
目の前にモニターが現れ、そこにはリンディが映っていた。
「あ、リンディ久しぶり」
「はい、お久………では無くて、何で此処に!?」
「いや、何となく嫌な予感してさ、大気圏突破して来て見たら案の定――」
「大気圏突破って………大丈夫なんですか?」
「一応大丈夫よ、これでも体は頑丈なの知ってるでしょ?」
何回か摩擦熱で死に掛けたけど。
「その姿……それに口調も何か変わって……」
「それに関しては後で話すよ、今はあの防衛プログラムを何とかするから」
そう言って一方的に通信を切った。
「さて………」
「アァァァァァァァァァァァァ!!!!」
刺された傷を修復して私を睨んでくる防衛プログラム、うわ殺気飛ばしてるよ……全然怖くないけど。
「肩慣らしは闇の書の中で散々したし問題無いかな?」
細長い刀を片手で縦横と軽く1回ずつ振る……うん、性能は問題なし。
「アァァァァァァァァァァァァァ!!」
防衛プログラムの周囲に現れたのは大量の魔法陣と魔力弾……今まで蒐集した魔導師の射撃魔法と砲撃魔法のオンパレードだろう……
「うわ~宇宙からだと星見えないって聞いたんだけどな~綺麗な星が沢山」
軽く現実逃避して見る……前言撤回、無理…アレを防ぐとか避けるのとか絶対無理だよ……
――ズドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!
防衛プログラムが私を指すと同時に魔力弾やら砲撃が一斉に発射された。
「……避けるのも防ぐのも無理なら……………消すしかないか」
次の瞬間アレだけあった魔法が一瞬にして消えた。
「私を……いや、『あの子』を取り込んだから理解できるでしょ?……コレは私が『思った』から消えたんだって」
パスを通して分る……いま防衛プログラムは驚いてる…………この隙を逃す気はない…
鉄の羽を広げて加速……防衛プログラムの目の前に一気に近づいた。
「アァァァァァァァァァァァァァ!!」
――ギィン!!
無造作に振り下ろされた刀は防衛プログラムが左腕を剣に変えて受け止められた。
「ちょっとそれ私の専売特許――――」
次に来るのは分りきっているのから一瞬で後退、次の瞬間黒い炎が巻き起こった。
「私も取り込んだから学習したって訳ね、このガリ勉」
私と防衛プログラムを挟んでいる黒い炎を晴らすと、防衛プログラムが弓を構えている体勢に入っていた……
「ほらね?そう来ると思った」
「アァァァァァァァァァァァァァ!!!」
――ゴォォォォォォォォォ!!!
放たれた矢は黒い炎を纏って私に向かって飛んでくる。
「よっと」
――ヒュン!!
目の前に来た矢を刀の峰を矢じりに引っかけて、円を描くようにして矢を防衛プログラムに投げ返した
「アァァァァァァァァァァァァッ!!!!」
矢は防衛プログラムの張った障壁も易々と破壊して腹部に突き刺さった。
「さっき思いついてやって見たけど出来るものなんだ」
取り込まれる前にしてたあの状態は今は出来ないみたい。暴走して主が不特定だったからかな?
似た様なのは出来るけど………同じ事して勝のは何か嫌だ。
――ビキビキッ!
「え?……宇宙空間に罅?」
防衛プログラムの背後から無数の罅が入った、守護騎士達にそんな力が無いとして、考えられるのは『あの子』だけか。
――ジャラララララララララ!!
罅から無数の鎖が突き破り1つに束ねられて巨大な鎖の大蛇を生みだした。
――ジャラララララララララララ!!
鎖の大蛇は唸りを上げて私に向かって来る。
――ヒュン!
軽く振り下ろして、鎖の大蛇を両断した。
それにちょっとイラっと来た………
次に現れたのは周囲を埋め尽くすほどの血肉に目玉や口がある巨大な大剣が現れた。
――アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャ!!!
気味の悪い笑い声が空間中に重なって聞こえる。
――バギィン!!!
その笑い声は私の振るった一振りで壊れる音に変わった。
「―――ねぇ、さっきからあの子の能力使ってさ……私に喧嘩売ってんの?」
右手を防衛プログラムに向けると防衛プログラムから鎖が数本現れて、私の手元まで延びた。
鎖を引っ張りこちらに引き寄せて左腕の剣を脇に挟んだ。
「コレ………不愉快ね」
――ブチィッ!!!
テコの原理を利用して、左腕をもぎ取った。
「アァァァァァァァァァァァァ!!!!」
「耳障りよ」
――グシィッ!!!
刀の柄頭を右の眼窩に突き入れて右目を潰した。
また耳障りな喚き声何か聞きたく無いからもぎ取った左腕を口に突っ込んで黙らせた。
「あの子を取り込んでソレを得たのならその苦しみの100分の1位も受け取ったらどう?世界変わるわよ?本気で」
適当に切り刻み蹴り飛ばす、また鎖を引き切り刻み今度は違う方向に蹴り飛ばす。
何度も……何度も……飽きるまで繰り返す……
「アァァ……ァァァァァ……」
「無限再生能力がある所為でしぶといな~」
左腕をもぎ、左目を柄頭を眼窩に突き入れ潰して、全身なます切りにしたのにまだ動こうとしてるよ。
防衛プログラムの傷口から僅かに見えた金属の光………
「私の時と同じで、鎖で補強するつもりね?………けど、もう終わりね」
――メキメキッ!!ボコボコッ!!メキベキボコメキャッ!!!
「ヘチpjrkンgrjhチンpjjゴhrjrkw@ks!!!」
もはや人では理解できない不快音が響いた。
防衛プログラムの傷口から出たのは鎖では無く肉塊、それが傷口を押し広げる様に広がり防衛プログラムを侵食していく。
「あ~あ、あの子の能力を使うからよ。あの子にこの能力が目覚めた原因は『想像と現実の世界の境界が壊れた』事。そんな子が真面に自覚できると思う?あの子は能力で起きた事を『当り前』……つまり呼吸と同じ様な物と思っていた。能力と区別してたら自分と周りの境界が壊れて自分が能力に取り込まれる」
私は区別しても
「って……もう聞こえないか」
防衛プログラムは最早原型すら無い、様々な生物を1つに纏めた肉の塊に変貌していた。
「このまま自滅されるのも勝ち逃げされた感じだから……」
――ボコボコ!メキメキッ!!グシャッ!!!
掲げた左腕があり得ない方向に折れ曲がったり、肥大したり、変色したりを繰り返し……
――オォォォォォォォォォォォォォォォ!!!
左腕は……サイズは小さい物のなのは達と戦っていた時の防衛プログラムの頭になった……
「貴方を食べてあげる、食指は進まないけど、沢山の人を食べて来た貴方なら油が乗ってて美味しそうだし」
そう言って左腕は防衛プログラムを……
――ゴクン……
丸ごと飲み込んだ。
「再生機能はまだ生きているけど、消化するように溶かせば時間は掛るけど確実に殺せるかな?」
役目を終えた左腕は元の左腕に戻った……
「早くても1年……遅くて5年かな?………」
さて、殺したし帰ろっと。
「エイミィ、悪いけど私をそっちに転移してくれる?」
モニターを展開してエイミィに連絡を取る。
「もうちょっと待ってね。後、なのはちゃん達の事だけど、はやてちゃんが倒れたから少し前にコッチに運んだよ」
「え?そうなの?」
今まで車椅子で生活していたはやてが行き成りあんなでかい魔法を使ったし……体力も魔力も使いきったって感じかな?
≪うゆ?!コダイが大人になってる?!≫
え?レイ今更?今更なの?てっきりもう気づいていると思ったんだけど………
――ブシャッ!!
………ブシャッ?……ちょっと待って、今どっから音がした?かなり近い……
――ブシャァァァァァァァァァァァ……
2回目で原因判明………コレ私の体から血が吹き出る音だ……
「エイミィ……出来れば今すぐ戻して……」
「え!?チョットコダイ君!?えぇ!?バイタルが死亡寸前を指してる!急いで転移するから死なないで~!!」
――手当と言っても血を止める程度だから、暴れたら開くよバックリと……
意識が薄れていく中……ツキトのある言葉を思い出した……
シーザス様、桜日紅葉雪様、liqueur様、感想を有難う御座います。
~次回もお楽しみにしてください~