それ往け白野君!   作:アゴン

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SFTその2 産声

 

 

 

 どこまでも広がる草原、優しく吹く風は髪を撫で、それがくすぐったくても心地よかった。

 

大きな大木の根本に陣取り、広げられたビニールシートに座り、私達はバスケットの中にあるお弁当を美味しく口にしながら“家族”の団欒を過ごしていた。

 

 それは、嘗て心のどこかで私が望んだ光景だった。

 

「フェイト? どうしたの?」

 

私の家族、私の拠り所、どんなに望んでも……もう、二度と手にする事はない理想郷。

 

これが私の中に棲む心の闇だと言うのなら……嗚呼、それはなんて……溺れてしまいそうな程に心地が良いのだろう。

 

だって。

 

「プレシア、どうやらフェイトはまだ夢から覚めきっていないようですよ」

 

「あらあら、フェイト、勉強するのは関心だけど、夜更かしは駄目よ。折角の可愛い顔が台無しになってしまうわ」

 

「そうだよフェイト、私を見習ってしっかり睡眠を取らないと駄目なんだよー」

 

「アリシアはもっと勉強するべきだと思う」

 

「う、藪蛇だった」

 

ここには全てがあるのだから。

 

リニス、アルフ、アリシアお姉ちゃんに───そして、お母さん。どんなに手を伸ばしても届かない願いが目の前にあるのだから。

 

「あら? どうしたのフェイト、お母さんの手を握ったりして」

 

そう、触れられるのだ。暖かい母さんの手、母さんの温もりがどんなに願っても叶わなかった想いが今、この手にある。

 

離したくない。失いたくない。これを手放す位ならどんな奴が相手だろうと斬り捨てて見せる。

 

そう、迷いなく誓える。────けれど。

 

 

────ドクン。

 

 

それと同じ位大切なナニカが、あったような気がするけど……上手く思い出せない。

 

「もう、仕方ない子ね。膝を貸して上げるから少し横になりなさい」

 

「あー! フェイトばっかりずるい! 私もー!」

 

「はいはい。ホラ、来なさいアリシア」

 

 母さんが膝をポンポンと叩いて少し横になるよう誘い、私は素直に受け入れて母さんの膝枕で横になる。

 

隣にいるアリシアお姉ちゃんと目が合い、クスリとお互いに微笑んでしまう。

 

暖かい。躯だけでなく、心が、この微睡みと共に溶けてしまう。

 

(ああ、だけど……何だろう。私には、もっと大切にしなければならない事があるような)

 

 

───ドクン。

 

 

心臓の音が五月蠅い。どうしてこんなに警邏のように鳴らしているのだろう?

 

ここには何もない。あるには永久に続く幸福だけしかないというのに……。

 

「おやすみ、フェイト」

 

「おやすみなさい、フェイト」

 

「おやすみ、母さん。アリシアお姉ちゃん」

 

 

────嗚呼、何もかもが煩わしい。もういらない。私にはここにある全て(家族)さえ在れば……もう、何もいらない。

 

微睡みに誘われるがままに……私の意識は瞼と共に────落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『─────終わらない』

 

(────誰?)

 

唐突に聞こえてきた声に、私は思わず誰だと訊ねた。

 

『ここは違う。これは違う。ここはまだ結末ではないと思う』

 

 煩わしい。五月蠅い。静かにして欲しい。心地良い微睡みを邪魔されて害された気持ちを引きずりながら声のする方へ睨み付ける。

 

けれど、そこにあるのは無限の暗闇。聞き間違い? いや、それにしてはやけに通った声をしていたけれど────。

 

『呆れてしまう。結局のところ、この心はソレだけはできないらしい』

 

また、声が聞こえてくる。一体なんなのだろうか。

 

人の良い気分を台無しにしただけじゃなく、まるで此方を全否定するような口振り。

 

不愉快だ。不快だ。馬鹿にしてる。煩わしい。消えて欲しい。

 

それは全て本心だ。この声に対する率直な自分の感想だ。────だというのに。

 

何故私は、この声の主に対してそう言えないのだろう?

 

何だ? この苛立ちは? 何だ? この憤りは?

 

やがて私は憤りを感じながらもそれを声高に叫ぶことはせず、その独唱とも取れる謡に私は自然と耳を傾けた。

 

『何故なら。────何故なら、たとえ心が折れていても、剣はまだ、この手の内に』

 

 

………………あ。

 

────何となくだが、分かった気がする。

 

この声の主は、詰まる所とんでもなく諦めが悪いのだ。

 

どんなに辛くても、苦しくても、格好悪くても、情けなくても。

 

ただそれだけ、たった一つ自分の魂に誓った些細な在り方にこの人は貫き通している。

 

力がないのは関係ない。才能なんて望んでいない。誰よりも劣っていようと、誰よりも傷付いても、全てを懸けてだだ前に進む。

 

だから、なのだろう。この暗闇にしかなかった空間でこんなにも眩しく輝いていられるのは……。

 

『フェイトちゃん!』

 

ふと、どこかで聞いた声に想いを馳せる。

 

 ───思い出した。いや、どうして忘れていたのだろう。

 

苦しい思いをした。悲しい結末を経験した。けれど、その果てに私は大切な友達を得た。

 

 

─────ドクン。

 

 

心臓が、力強く脈動する。そうだ。私はここにいるわけにはいかない。まだ私の手には───。

 

守りたい、明日があるのだから───!

 

 

 

 

 

 

 

『“約束された─────勝利の剣”!!』

 

瞬間、暗闇が切り裂かれて私の目の前には淡く煌めく光の道が出来上がっていた。

 

本能が叫ぶ、この道を往けば皆が───私の在るべき世界へと戻れる。大切な……守りたい人がいる所に。

 

踏み出しそうになった足を、一瞬だけ躊躇する。

 

振り返れば、きっと……もう二度とあの人達には会えないだろう。

 

私の拠り所。不幸なんてなく、私の望んだ全てがある……理想郷。

 

母の温もり、姉の優しさ、その全てが───すぐ後ろにあるのに!

 

決断はした筈。なのに、心がそれを拒んでいる。

 

……やっぱり、私は弱い。あの声の人のように心まで強くはなり得ない。

 

と、そんな時だった。

 

『行ってらっしゃい。フェイト』

 

『頑張ってね、フェイト』

 

「──────!」

 

 その一言に、涙が溢れた。

 

突き放した言葉じゃない。それは私の───フェイト=テスタロッサに向けての………心からの激励だった。

 

振り返りたくなった。姉に抱きつきたくなった。母の愛に甘えたくなった。

 

─────けれど。

 

「行ってきます。母さん、お姉ちゃん!」

 

私は、駆ける。涙を流しながら、後ろにいる二人に聞こえるよう、声を張り上げて決別の言葉を叫んだ。

 

けれど、それは永遠の別れではない。いつか訪れる“本当の眠り”までの……ちょっと長い道のりに戻るだけ。

 

だから、今はこれだけ行っておこう。

 

「またね、母さん。お姉ちゃん」

 

その手に現れた相棒を握りしめ、私は彼方まで続く光の道を往くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ……ここは?」

 

 周囲を囲む黄金の劇場を一瞥して、管制プログラムは疑問の言葉を呟く。

 

『招き蕩う黄金劇場』

 

セイバーの奥の手である宝具、それが解放された今、世界は一時の合間彼女の所有物となっている。

 

 今、この場にいるのはセイバーと彼女のマスターである自分のみ。本来ならここにギルガメッシュ達もいるのだろうが、セイバーが1対1での決着を望んだのか、彼等の姿は見当たらない。

 

そして当人たるセイバーは普段の花嫁姿とは別の、真紅の衣装を身に纏って管制プログラムと対峙している。

 

「治癒が上手く働かない!? 貴様、私に何をした!?」

 

 宝具解放の時に放った一撃が彼女の脇腹を抉っている。その傷を癒す為に魔力を練っている様だが、未だに完治出来ていないことに管制プログラムはセイバーに向けて憤りの混じった疑問をぶつける。

 

「ここは余の劇場、生み出した余の願望に応え作り出した空間……そなた達の言う所の結界とちょっと似ているけれど違う感じ……とだけ言っておこう」

 

剣を肩に置き、どうだ! とドヤ顔をするセイバーに自分は苦笑いを浮かべる。

 

セイバーの黄金劇場。それは彼女が皇帝だった頃、国民を閉じ込め終わるまで決して開かれる事を許されなかった………文字通り彼女の為の舞台。

 

この舞台が開かれた今、もはやここから先はセイバーの独壇場。セイバーもここで決着を付けると意気込み、手にした真紅の大剣に力を込める。

 

────そして。

 

「主の……私達の願い。────邪魔を、するなぁぁぁぁっ!!」

 

 悲哀に満ちた叫びと共に、管制プログラムは巨大な魔力の砲撃を放ってきた。

 

迫り来る黒の光。巨大な光を前に岸波白野は選択を迫られる。

 

『回避』か、それとも『防御』か。

 

迫り来る極光の光。全てを呑み込むばりに突進してくるソレを見て、自分は高々に叫んだ。

 

「“切り裂け”セイバー!」

 

「うむ!」

 

 自分の指示に疑う事など一切せず、セイバーは目の前の黒い光に向けて真っ直ぐに駆け出して跳躍し。

 

「『喝采は剣戟の如く』!!」

 

彼女の放つ三つの斬撃が、極光の光を四分割にしたのだ。

 

「────なっ!?」

 

それを目の当たりにした管制プログラムは、信じられないモノを見たように驚愕を露わにし。

 

「呆けている暇などないぞ!」

 

「っ!?」

 

勢いつけての空中落下、重力を味方に付けて打ち下ろしに管制プログラムは咄嗟に障壁を展開するが。

 

「おぉぉぉぉっ!」

 

「が………はっ」

 

セイバーは阻まれた障壁ごと、管制プログラムを壁へと叩きつけたのだ。その衝撃と威力に管制プログラムは吐瀉物を吐き出し、地面へと崩れ落ちていく。

 

正直言って、自分としてはこれ以上彼女とは戦いたくなかった。

 

回復もままならず傷だらけとなった手足、背中に生えた六つの羽はむしり取られたようにボロボロになり、地べたに這い蹲っているその姿は……まるで、死を前にしてもがく鴉のように見えた。

 

けれど。

 

「まだ……だ。まだ私、は! 主の為に……」

 

 立ち上がろうとする管制プログラムを前に、先程まで頭に浮かんだ考えを払拭する。

 

彼女はたとえ自分が死ぬ事になっても、決して退こうとはしないだろう。

 

主の願いの為、彼女の頭にあるのは……ただ、それ一点のみだった。

 

だから自分達も容赦はしない。彼女が何度でも立ち上がろうとするのなら、自分達も何度でも迎え撃つ。それが、彼女に対するせめてもの………。

 

「………幕引きだ。奏者よ、この演目はもう長いこと続け過ぎた」

 

セイバーの提案に自分はただ静かに頷く。そう、終わらせよう。この演目を、闇の書の物語を………その一撃で以て。

 

「うぅぅぅ………がぁぁぁぁぁっ!!」

 

 最早、まともに言葉すら綴れないのだろう。管制プログラムは獣の如く叫びを上げ、拳に全ての魔力を集めて突進してくる。

 

─────捨て身。必死の形相で突っ込んでくる彼女を前に、何となくそう思った。

 

だが、ここで退く訳にはいかない。向こうが全力でぶつかってくるのなら、此方も全てを振り絞ってぶつかるだけ。

 

─────いや、そもそも前提が違う。

 

いつだって自分達は全力でぶつかる事でしか分かり合えない!!

 

だったら!

 

「セイバー! やってくれ!」

 

「うむ! この剣、そなたに捧げよう!」

 

 自分の指示の下、セイバーは剣を掲げて管制プログラムと同様、全霊を以て駆け出していく。

 

「うぉぉぉぉぉっ!!」

 

「闇の書よ! 我が剣技、その身で以て受け取るがいい!」

 

瞬く間に無くなっていく二人の距離、その間がゼロに差し掛かった時。

 

「『童女謳う華の帝政(ラウス・セント・クラウディウス)』!!」

 

 セイバーの剣が、管制プログラムの胴体を斬り裂いた。

 

闇の書よ、絶望と嘆きに染まる悲しき魔導書よ。

 

新しき主の下、夜天の蒼空に還るがいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………どうして、世界はこんな筈じゃない事ばかりなのだろう」

 

──────誰?

 

「最初は、唯の記録媒体でしかなかった私が、何時しか悪意に染まり、絶望を知り、悲劇を呑み干し、死を振りまき……その全てに何も、出来ずに」

 

誰か……泣いてるの?

 

「涙なんて私にはない。あるのは諦めとただ消滅だけを望むナニか。けれど、唯一つの願いすら叶えられなくなった今、私にはその資格すら無い」

 

願い? アナタの願いって何?

 

「……主の願いを叶える。それが───それだけが私の」

 

主の願い? それを叶えるのが貴女の願い? ………それは、おかしな話なんやないかなぁ?

 

「それは………」

 

 その人の願いはどこまでいっても“その人の願い”や。貴女はその主って人の願いを楯に逃げてるだけなんやないのか?

 

「けれど、それしか……それしか私にはないんです。名前も失い、在り方も無くし、今の私にはただこの身の消滅を望むことしか……何も」

 

────なら、名前をあげる。

 

「………え?」

 

私も昔、大事なモノを失った。大好きだったお母さん、怖いけど優しかったお父さん。その二人はもういないけど、その代わり私……『八神はやて』って名前をくれた。

 

そしてそれは、私の全ての始まりやった。シグナムやヴィータ、シャマルにザフィーラと、凛姉ちゃんとエリーちゃん。

 

そんな皆に会えて、私はある気持ちになった。もっと素直になろう。もっと我が儘になろう。大人ぶった考えなんて捨ててしまおうって。

 

「………主」

 

 私は……うぅん、私達はまだ始まってもいない。私達はスタートラインにも立っていない。

 

────だから。

 

「一緒に行こう。皆でこれからを始めに!」

 

「──────はい!」

 

 

 

 

 

それは、祝福だった。

 

これからの自分と決別する為に、新しい自分を見つける為に、主から送られる新たな真名(エール)。

 

『祝福の風(リイン・フォース)』

 

 今、この日この時この瞬間、闇の中へ沈んでいた夜天の星は、新たな名前と主と共に蒼空へと還っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フェイトちゃん!」

 

 宝具を閉じた瞬間、聞こえてきた声に振り返る。そこにはいなくなってたフェイトちゃんになのはちゃんが喜びの笑顔を振りまいて駆け寄っている所だった。

 

互いに再会を喜ぶ二人に自分もホッと胸を撫で下ろす。……良かった。どうやらフェイトちゃんも無事に抜け出せれたようだ。

 

「どうやら、終わったようね」

 

ボロボロになった凛が腕を抑えて近付いてくる。

 

お疲れ様、今回は散々でしたね。

 

「全くよ。アンタは……て、そっちも中々大変だったみたいね。額、切れてるわよ」

 

凛に言われておでこに手を添えると、シグナムに斬られた箇所の傷が開いたのか、赤い液体が掌に付着する。

 

「ご、ご主人様ぁ! おでこに切り傷が! 待って下さいまし、今私が特性の治癒術を以てお治し致します! ……ッハ! もしやこれは合法的にご主人様をペロペロするチャンスなのでは? 唾液には治癒の促進させる作用がありますし、そうだそうですそうしましょう! ご主人様、ちょっとおでこをこちらへ」

 

所で凛、はやてちゃんの姿は見ていないか? フェイトちゃんが脱出しているのなら彼女も出て来ていると思うんだけど?

 

「残念ながら見てないわ。というか、どうして貴方がそれを知ってるの? 闇の書の中に一緒にいたから分かったとか?」

 

 凛の質問に自分はコクリと頷いた。自分が脱出する際、他の誰かが闇の書から出て行くのが感じた。それがフェイトちゃんだというのは魔力からして何となく分かったし、彼女が出て来たというならはやてちゃんももしやと思ったのだけれど……。

 

やはり、主たる彼女はまだ闇の書に取り込まれたままなのか。

 

「あれー? ガン無視ですかー? なんか最近私への態度冷たくありませんかご主人様ー?」

 

「ハッ、無様だな。やはり一尾程度では奴を手に入れるのは無理なのではないか?」

 

「るっさい! 余計なお世話だっつーの! つーか無視されてないし、アレはご主人様の照れ隠しなのだとタマモ、分かってますし」

 

何か後ろでサーヴァント二人が騒いでいるが、放っておく。それよりもセイバー、今日はお疲れ様。

 

「全くだ。余は早く帰って湯浴みがしたい」

 

すっかりお疲れ気味のセイバーにありがとうとお礼を言って頭を撫でる。セイバーは特に拒絶する事なく撫でる自分の手を受け入れ「ん~」と声を伸ばして安らいでいる。

 

 さて、そろそろ今後の事を話し合おう。先ずはアーチャーに預けている“彼女”の事にも

説明をしなければならない。

 

電話を……って、しまった。そう言えば携帯はあのまま投げ捨てたままだった。

 

誰からか携帯を借りようと考えた─────その時だった。

 

 

 

 

──────ドクン。

 

 

 

 

いきなり大地を震わす程の脈動に、自分を含めた全員がその音源に振り向く。

 

そこにいるのは地面に倒れ伏した管制プログラム。既に機能停止にまで追い込んだ筈の彼女から、なにか良くない……邪悪な胎動が響いてくる。

 

やがて彼女の躯は宙に浮き、禍々しい光を放つと音もなく消えてしまった。

 

一体どこへ? そんな疑問が浮かんだ瞬間。

 

「何よ……あれ」

 

ランサーの指さす方角、その先には海鳴の街に沿って広がる海の上に、巨大な黒い物体がその存在を誇示するように鎮座しついた。

 

……いやな予感がする。培ってきた経験と本能的勘が、あれを解き放ってはいけないと警邏を鳴らしている。

 

頭の中で理解する。あれは、闇の書の中で渦巻いていた“闇”だ。

 

死して尚、世界を呪おうと蠢く亡者の叫び………アレは、その集合体だ。

 

だが、それならそのすぐ側で光り輝くあの球体はなんだ?

 

どす黒い闇で鎮座する球体が怨念の集合体なら、あの純白な球体はまるで────

 

「ほう。どうやら此度の主とやらは涅槃の螺旋から抜け出せたようだな」

 

─────ギルガメッシュ?

 

「雑種、アレはお前の想像のとおり。新たな命を宿した卵よ。そして見ておくがいい。あそこにいるのはまさしく……夜天の主とその守護者達よ」

 

どこか楽しそうにしている話すギルガメッシュに、自分は彼が卵と称する球体へ目を向ける。

 

────そして。

 

『おいで、私の騎士達』

 

卵から命が還り、新たな主と騎士達が産声を上げた。

 

 

 

 

 

新たな夜天の────誕生である。

 

 

 

 

 

 

 





リンディ「そんな!? アルカンシェルが使えない!?」

???「あ、あああの、スミマセン。これが私のお仕事なんで」

クロノ「あれを野放しにしておいたら、本当にこの星は闇に呑み込まれる!」

セイバー「むう、余はもうネタギレだ」

なのは「でも、終わらせない! 終わらせたりなんか……絶対にしない!」

ギルガメッシュ「良いだろう。興が乗ったぞマスター。さぁ、人類最古の地獄を見せてやろう!」








はい、嘘予告です。現在Fate/zeroを見ていた所為か予告じみた事を書きたくなったのでついやっちゃいました。

次回はいよいよ大詰め、果たして結末はどうなるのか!?

あんまり期待せずお待ち下さい。

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