ペルソナ3 招かれし者   作:パステルいろ

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とっても蛇足なおまけ、もしも〇〇だったら。
本編のイメージを著しく崩す恐れがあるので、ご注意ください。


something more/おまけ

 

 

・もしも最強系だったら

 

影時間の不気味な緑光に照らされながら、彼は静かに剣を抜いた。

暗い闇夜においてなお光り輝くその剣、聖杯ルシファーを掲げた春日は、己の中の引き金を絞る。

その瞬間、彼の背後に蒼炎が立ち昇り、力ある仮面、ペルソナが降臨する。

激しく逆巻く渦に煽られてはためく衣服を意に介さず、春日は剣先を月に向けた。

「今日で、影時間を終わらせる……!」

自身に言い聞かせるような口調で、彼は決意を紡いだ。

それは世界に対する誓いであり、自身に対する戦意高揚のための言霊であった。

彼は弓を引き絞るように剣を持つ右手を後方へ引いた。

そのままの態勢で左の手を斜め上、月に向かって突き出すと、指の隙間から天体を透かし見た。

奇怪な程に色濃いそれを視界に収めた彼は、無造作に一歩を踏み出すと、

――――張り詰めた弦を、解き放った。

「つらぬけェエエエエエエエッ!!」

目にも留まらぬ速度でもって飛翔する剣は、銀の尾を引きながら真っ直ぐ、月へと飛んでいく。

鋭い剣先を穿つべき対象に向けて疾駆する矢、その柄尻を後押しするために、彼は余め講じていた策を発動する。

「明けの、明星ッ!!」

力強い言霊に反応し、彼のペルソナが最強の呪法を発動する。

黄金の真球が中天に現れ、真昼の太陽の如く周囲を照らしながら炸裂する。

大気を揺るがし、消し飛ばすほどの圧倒的呪力爆発が空間を埋め尽くし、辺り一帯から夜を奪い尽くした。

その、暴力的な光量の中で、春日は爆圧を推進力に変えて飛び去る、銀の矢を目にした。

徐々に明かりが消え、爆風が凪いできたそのとき、確かな手応えが彼の中に駆け巡った。

空を仰げば、そこには粉々に砕け散った偽りの月が溶けるように消えていく様が見て取れた。

人に死を与えた存在、ニュクス。

その体である月を葬り去り、残すは集合的無意識に存在するその精神。

ニュクスは人に死を与え、精神を呼び起こした者。

その全てを葬り去ることは、人である限り不可能、又、行ってはいけないことだ。

そのような存在に対抗することは出来るのか。

春日は手を眼前に翳し、精神を集中する。

ニュクスを倒せぬのならば、物語に倣い、封印してしまえばいい。

その方法を、可能性を、力を、俺は既に手に入れている――――!!

刹那の独白の内に、彼の手中に光が集まってくる。

派手に輝くことは無いが、柔らかな色で手元を照らす燐光。

それが凝縮され、弾け、一つのカードとなる。

それを頼もしげに握りしめた彼は目を瞑り、精神のより深いところへと没入を開始した。

最初にして最後の戦い、その大詰めが今、始まる。

 

 

※もしもな理由

理論、設定を踏まえた整合性、物語としての面白さ等、すべてにおいてダメだから。

何故剣がぶつかっただけで月が壊れるのか。そもそも、大気圏突破して剣を届かせる腕力とは。

そして、いとも容易く無意識へと入り込む悟りを開いたオリ主。これは酷い。

そもそも、プロローグでラスボス撃破って、いかんでしょ……。

 

 

 

 

 

 

・もしも主人公に憑依してたら ※注意!下ネタあり※

 

 

 

〝ペ・ル・ソ・ナ〟

朱を引いたように紅い唇が、魔法の言葉を宙に吐き出す。

暗闇に妖しく光るピジョンブラッドが揺れ、引き金は静かに神話の訪れを告げた。

――――破砕音――――

ガラスの砕ける音に似た、繊細な高音が耳の奥へと谺する。

微かに笑みを浮かべた彼女の周囲に青い光の渦が巻き起こり、やがてそれは寄り集まって形を成す。

我は汝、汝は我。

無意識の海に眠る仮面、具現した戦うための精神。

ペルソナ。亜麻色の髪を靡かせながら、それは世界に産声を上げた。

現れたそれに快心の笑みを零しながら、結城理は覚悟を決める。

確か、知っている通りならば、この後に〝アレ〟が来る筈。

思考で再確認を行っているとすぐに、予想通りの現象が彼女を襲った。

激しい頭痛に苛まれ、内側から何かが這い出てくる感覚がひたすらに彼女を責める。

一瞬の地獄を通過し、はっきりと世界が見え出したそのとき、〝ソレ〟は咆哮を響かせ舞い降りた。

「い、イヤァアアアァァアアアア!!!!!!!!」

心底怯えを含んだ岳羽の叫びが、辺り一面に広がっていく。

それもそのはず、顕現したモノの威容は、人間の理解を遥かに超えた造形をしていたからだ。

「こ、ここ、これが〝俺〟のペルソナだとッ……!?」

女性としての自分を忘れ、思わず素に戻ってしまう程に、結城は狼狽した。

現れた彼女のペルソナは、〝彼〟の記憶とは程遠いものであったのだから。

緑に光る非常に猥褻なその体、カ、ナニがとは言わないが高く、そして淫猥な先端。

見るものすべての意識に強烈な傷を刻みこみながら、魔王は爆誕した。

『我はマーラ、魔王マーラなり!!』

それは、抑圧された彼女の〝男として〟の意識の象徴。

その名乗りを最後に、岳羽は気絶し、結城は放心した。

一方、マーラは勝手に暴れまわり、魔術師のシャドウと交戦。

そのご立派な威容を用いたイノセントタック♂によって、あっさりと勝利していたとさ。

終われ。

 

※もしもな理由

超最低お下劣二次創作が降臨してしまうから。

マーラ様の降臨により、タグがR-18へと昇華してしまうから。

主人公(オリ主)が、卑猥なる成長を遂げてしまうから。たぶんフタ(ry

てか、タナトスどこ行ったし。

 

 

 

 

 

 

 

・もしもペルソナ4だったら

 

『結局さあ、お前は周囲の人間を見下してるんだよ。』

魔的な瞳の黄金から、目を逸らすことが出来ない。

そんなことは無いと、口から出る筈だった反論が喉につっかえてしまう。

本当に、そんなこはないのか?心中に僅かに浮かんだ疑念が、泡のように漂い始める。

それを見てとったのか、別の方法で察したのかは定かでないが、春日のシャドウは嫌らしく口元を歪めた。

『だって、回りの人間は子供ばかりだ。実際の年数ならば遥かにこちらが上、経験も、知識も!』

歌うように高らかに、シャドウは己の恥部を暴き立てる。

『ガキっぽくて堪んない、何でそんなに愚図なんだ!?頭ちゃんと付いてんのかよォ!!?』

怒鳴り散らす目の前の自分に、苛立ちばかりが募る。

まともに相手をしてはならないと分かっていても、折り重なるフラストレーションが口元を緩ませる。

『ありえねーだろっ、俺があんなにヒントをくれてやってるのに、まだ真相にたどり着かない!!

捜査ごっこはうんざりなんだよッ!!』

「黙れ!!」

口をついて出た言葉に、シャドウは殊更不気味な笑顔を作り、更なる罵倒を重ね始める。

『いぃーや黙らないぜ、何たって俺はお前の影、俺の言うことはお前の言いたいことだからなァ!!』

「違う、そんなこと考えて無い!」

『嘘つけェ!!いっっつも考えてたんだろうが!子守りはもう、たくさんだってなァ!!!!』

「ふざけるなよっ、そんなこと、そんな、考えるもんか!!お前は、お前はァッ!!」

視界が真っ赤に染まるような感覚、怒りは理性を振り切り、怒号が勝手に声帯を震わせた。

「春日ッ!」

「お前なんか、俺じゃあないッ!!」

仲間の自分を呼ぶ声と、自分の叫びが重なった。

三日月を連想させる、弓なりになった黄金の瞳。

『そうか、そうかそうかそうか!!じゃあ俺は、お前じゃあ無いッ!!』

歓喜の声が空間を震わせ、目の前の自分が異形へと変化していく。

『我は影、真なる影。お前ら全員、甚振って襤褸屑にしてやるよォ!!』

疲れ果てた体が地に沈み、力の抜けた手足が打ち付けられる。

唯一動く首を前に向け、視界にシャドウを捉えると、そこには仲間たちの背中が見えた。

 

 

※もしもな理由

ペルソナ4持ってないんだよ、近所じゃどこにも売ってないんだよ。

アニメは見たけどね。

後、たぶん書いても一話で終わるよ、足立をどうにかしてガソスタ店員とバトって終わり。

貧弱な想像力では、それが精一杯ですのだ。

 

 

 

 

 

・もしもペルソナ3が無かったら

 

――――もしかすると、俺はギャルゲーの世界にでも転生したのではないだろうか。

春日郁人は、己の二度目の人生に、疑念を抱いていた。

何せ、転校してから一ヶ月で、自身の周囲が可笑しなくらい潤いに満ち始めたからだ。

まず、転校初日。同じ転校生の美少女と知り合いになる。

結城理というその少女とは、転校生仲間という妙な繋がりで良く話もする仲になった。

そしてその日の放課後、話しかけてきた男と友達になると、芋蔓式にその友人である少女とも知り合いに。

伊織順平と岳羽ゆかり、両者ともに明るく気のいい感じの人物で、二人とも友人となった。

さらに、順平との繋がりで男友達が増え、生活も安定し出した頃、さらなる変化が起きた。

教師に頼まれて参加することとなった図書委員で、これまた美少女と遭遇したのだ。

長谷川沙織と名乗る、大人っぽい美人とお知り合いになった春日は、数日を経て彼女と友人になる。

さらにさらに、結城さんに頼まれて参加し始めた生徒会の手伝いにおいて、再び美少女との遭遇。

典型的な文学少女像を立体化したような少女、伏見千尋と、我らが無敵の生徒会長、桐条美鶴先輩と知り合いになったのだ。

始めは大して話すこともなかった二人だが、伏見は本の話と、彼女の苦手克服の話で、先輩はバイクの話で。

それぞれ切っ掛けを経て親しく話をする間柄になったのだ。

あまりにも順風満帆、幸先の良すぎる学校生活。

どう考えてもこの先何かあるフラグにしか思えない現状に、春日は戦々恐々としていた。

そして、その予想はそう遠くない未来に的中することとなる。

そのほかにも数々の出会いを経た春日は、そのどっちつかずな曖昧さの清算を、文化祭にて迫られることとなる。

彼の運命や如何にッ!!

 

※もしもな理由

ラブコメとか書けるわけないじゃないですかーやだー。

 






読了、ありがとうございます&お疲れ様です。
解説などあろうはずがありません、どうか怒らずにお戻りください。

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