リボーンの世界に呼ばれてしまいました ~小話~   作:ちびっこ

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第84話

ど、どうしよう……

1人で森の中に入って行っちゃった……

 

「これからどうしますのかな」

 

リボじいがオレに聞いてきたけど

どうするも何も追いかけないと……!

いくら旅で慣れてるって言っても1人だと危ないよ!

 

「うわっ!」

 

急にヒバリン城の門が開いた!

これって入れってことなのー!?

 

「でも……やっぱり先に追いかけないと!!」

 

「大丈夫だもんね」

 

ランボが根拠もなく言った

いや、まてよ?

オレよりランボの方が付き合いが長いみたいだし……

 

「本当に大丈夫なのか?」

 

「ランボさん1番のりー!」

 

「あ!」

 

オレの質問を無視して入っちゃったよー!

 

「どうするスか……?」

 

「は、入ろう!」

 

「極限にいいのか?」

 

そりゃ心配だけど……

すぐ戻るって言ったんだ

だからオレは待ってる

 

「うん。行こう」

 

 

 

城に入れば中も綺麗だった

本当にオレが思っていた吸血鬼のイメージと違う

蜘蛛の巣とかがありそうだったんだけど……

 

「なにしに来たの?」

 

「ヒバリン!!」

 

「うわあああー!!」

 

ランボがもう捕まってるー!?

あいつ……何しに先に入ったんだろ……

 

「は、話をしにきたんだ!」

 

「君達と話? 必要ないね」

 

や、やっぱりそうなるのー!?

 

「ランボ!?」

 

ランボを急に投げてくるから焦ったー

ゾンビの山本が捕まえてくれて助かったよ

 

「見逃してあげるから、さっさと出ていきなよ」

 

「ええっと……」

 

やっぱりこのまま帰っちゃダメだよな……?

 

「ダメですぞ

 ここは戦って勝ち、話を聞いてもらうのですぞ」

 

リボじいがそういうとヒバリンから殺気を向けられた

ひぃぃ……!刺激するなよな!

 

「「!?」」

 

外でもの凄い音がして見てみると竜巻が発生していた

 

「さっきまでいい天気だったのにー!?」

 

「妖怪の仕業かもしれません

 微かにですがかわった匂いがします」

 

ネコ男のゴクデラの耳とシッポが逆立っていた

すると、ヒバリンがオレ達が入ってきた扉から

もの凄いスピードで外に出て行った

 

「戦わなくて良かったー……」

 

オレ達じゃ全然叶わないスピードだった

でもヒバリンが慌てて外に出るぐらいやばいんだよな?

それってオレ達もやばいんじゃ……

 

「出番ですぞ」

 

「え?」

 

声を出した時に、口の中に何かが入ってきた

つい呑み込んじゃったけどコレって……

 

「原因を探るぞ!」

 

モンモンキャンディーを食べ

死ぬ気になったオレは原因を探るために外に出た

急いだほうがいい、空から向かうぞ!

 

 

 

竜巻が発生した近くで

ヒバリンの立ち止まってる姿が見えた

驚いて立ち止まってるらしく

オレはその視線を辿ることにした

 

「……あれは……」

 

見間違うはずがなかった

さっきまでオレとずっと一緒に居たんだ

だけど、銀色の羽なんて生えてはなかった

それにあの羽の色は……

 

ガサッ

 

「!?」

 

驚いてオレが木に触れた音に反応して振り返った

少し肩で息をしていた

疲れて気付かなかったんだ……

 

「……ツナ君」

 

返事が出来なかった

理由はオレが言葉に詰まったからじゃない

気付けばあの子がヒバリンに押し倒されていたんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あー、最悪……

変身するつもりはなかったんだけどなー

 

「まぁしょうがないか……」

 

ハンターに迂闊に近づいた私が悪かったと思うしね

見つかることも考慮にいれて罠をはってることを

全く考えてなかったからねー

逃げ道がなくて避けるためについ羽を出しちゃったよ

その後は狙い撃ちだったしね……

 

時間がかければかえるほど匂いのことが心配だったから

竜巻を出したら思ったより大きくなった

まぁあの大きさにしないと全員捕まえれなかったからね

それに匂いを誤魔化したかったし……

だからしょうがないんだけど……目立ちすぎたと思う

 

うーん、私はこのまま去るべきか……

ツナ君達に別れの挨拶が出来なかったのは残念だけど

妖怪がよってくる可能性があるし……

……念のためにツナ君達が無事に村に帰るまで

こっそり後をつけることにしよう……

私のせいでツナ君達に何かあったら怖いしね

 

ガサッ

 

あ、やばっ

ちょっと長い時間考えすぎてたかも

せめて変身を解いてからすれば良かったなー

慌てて振り返るとツナ君だった

 

どうしよう……見られた

ツナ君に見られた……!

 

「……ツナ君」

 

正体が完全にバレると思ったけど名前を言った

ツナ君に怖がられたくない

でも知ってほしかった

 

だから私は気付かなかった

ツナ君に意識しすぎて、近づいてくる気配に……

 

「きゃっ!」

 

押し倒された!?

それに何、この力! 強い!

……この姿は吸血鬼だ!

力では敵わないと判断し

風で突き飛ばすために集中する

 

「ぁ……!」

 

く、首をなめられた……!

風で突き飛ばそうと思ったのに

集中力が完全に切れてしまった……

もう手足をジタバタするしか出来ない!

 

「離せ!!」

 

「邪魔しないで」

 

ツナ君が吸血鬼に挑んだけど

簡単にぶっ飛ばされた……

ツナ君はキャンディーを食べた姿だったんだよ!?

この吸血鬼、私が思っていたより強い……

 

「うぅ……ツナ君……」

 

こんなに私って弱かったの……?

風を集める集中ができなくなるなんて……

それに感情が爆発すれば風が暴走するはずなのにしない

よくわからなくて涙が出てくる

私のせいでツナ君が……!

 

「……彼が大事なの?」

 

吸血鬼の言葉に悩んだ

私の言葉でツナ君の運命が決まる気がする……

 

言葉が詰まっただけで

私の迷ってることがバレたみたいで

吸血鬼の目がかわった気がした

 

この目……知ってる……

昔、経験した

吸血鬼さんに血を吸われた時と一緒の目だ

 

「……吸血鬼さん、ごめんなさい……」

 

もう1度、血を吸われるなら……

吸血鬼さんが良かった……

だから首に牙が当たった時に呟いてしまった

 

……あれ?

痛みを覚悟したけど目を閉じたけど何も感じない

でも牙は首に当たってる感触がある

恐る恐る目を開けると

吸血鬼が必死に耐えているのか身体が震えていた

 

「……どうして謝ったの」

 

うぅ……首に息がかかってる……!

牙が当たってる距離だからしょうがないけどさ!

それより早く答えないとやばい気がする

……流石に血を吸われるなら……というのはないか

もう少し言葉を選ぼう

 

「昔、あった吸血鬼をずっと探して旅をしてるんです

 名前も出会った場所も覚えてなくて……

 気持ちも伝えずに死んじゃうと思いまして……」

 

「……気持ち?」

 

「あ、はい

 えっと……好きっていう気持ちを……

 どうせ死んじゃうなら伝えればよかったなーと……」

 

まぁ思い出じゃなく今も好きとは

自分でも思ってなかったけどね

さっき、吸われそうになって気付いた

 

「はぁ……」

 

……だから首に息がかかってるーー!!

あれ?拘束が解けたし座らせてくれたよ

 

「……先に変身をときなよ」

 

「あ、はい」

 

言われるままに人間に戻る

ってか、人間になれるってよくわかったね

あ、吸血鬼だから物知りなのか……

 

「どうして出会った場所を覚えてないの」

 

あれ?なんか説教が始まった

 

「すみません?」

 

うわー、とりあえず謝ったのがばれたみたい

思いっきり溜息をはいたからね

 

「まだわからないの?」

 

「はい?」

 

「本当にわからないの? ……優」

 

「どうして私の名前を……」

 

私の名前を知ってるのは少人数だよ

そりゃお母さんと旅をしてた時は

普通に使ってたけど……何年も前のことだし……

あれ……?もしかして……

 

「きゅ、吸血鬼さん……?」

 

「崖から落ちそうになったり

 君は本当に昔からどこか抜けてるよね」

 

「す、すみません……」

 

崖の話が出た時点で吸血鬼さんだとわかった

だからもう謝るしかなかったよ……

 




ヒバリン暴走。

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