リボーンの世界に呼ばれてしまいました ~小話~   作:ちびっこ

79 / 91
第79話

さて、どうするべきか……

吸血鬼さんを探しながら旅をしてると

変な髪型の人間に絡まれちゃったよ

後ろに妖怪がいるし、妖怪づかいなのかなー?

 

「クフフフ

 まさかこんなところで妖怪づかいと会うとは……

 まだ妖怪を連れていないようですが

 本物の妖怪づかいは僕です! 

 あなたの行動は無駄な努力です!」

 

なんか勝手に勘違いしてるし……

んー吸血鬼の情報を集めてたからかなー

最近、この近くで吸血鬼が暴れた噂を聞いたから

慌てて情報集めたから失敗したかもー

 

「すみません。私は妖怪づかいじゃありませんよー」

 

ってか、私は妖怪だし。

妖怪が妖怪を連れていれば

百鬼夜行とかの表現の方があってる気がする

 

「おや? ヒバリンを倒すつもりでは?」

 

「違いますよー

 昔、お世話になった吸血鬼さんを探してるんです。

 暴れた吸血鬼が何か知っていればいいなーと思いまして」

 

「ほう。吸血鬼が人助けとは珍しい」

 

情報を集めてるとこれはよく言われる

吸血鬼は人間を見下したりするらしいからね

まぁ……私は人間じゃないけど

 

「……いいでしょう

 僕がその願いを叶えてあげましょう」

 

「いえ、結構です」

 

はっきり断ったから

変な髪形の人がイラついた気がする

 

「吸血鬼を甘くみないほうがいい

 あなたが知っている吸血鬼とは別物です」

 

うーん、面倒なことになった

私を心配してくれてるのは嬉しいことなんだけど

ぶっちゃけ1人の方が楽なんだよね

話を聞けないほど、

吸血鬼が暴れれば倒しちゃえばいいし。

人前で力を使っちゃダメって言われてるからねー

ここは適当に誤魔化すか……

 

「私が知ってる吸血鬼さんとは

 交流がなさそうなタイプなので

 違う街に行こうかなと思ってたところなんです」

 

「そうでしたか

 では、縁があればまた会いましょう」

 

……悪いことしちゃったなー

まぁしょうがないか……

 

 

 

 

 

 

もう1度会うとめんどくさいから隣町に移動した

そして情報を集めてわかったことがある

この吸血鬼と話した方がいい

 

噂どおり吸血鬼に襲われた村は普通の村だった

でも暴れた吸血鬼は吸い殺したりしてないんだよねー

というか、負傷者がいない。数件の家が壊されただけ

それも壊されたのは村長や重役の家だったらしい

まぁ村の中で偉い人の家が壊されれば

退治の理由になるかもしれないけど……

 

村を襲ったのは何か理由がある気がする

このヒバリンっていう吸血鬼は多分悪い妖怪じゃない

だって、退治しにきた勇者達を

わざわざ追い返すことなんてしないよ

ものすごい手間がかかるからね

 

吸血鬼は妖怪の中でもかなり強い

手加減して人を殺さないようにしてるってことだよ

……血は吸ってるみたいだけど……

まぁ吸血鬼だし……

 

とりあえず、会いに行こう

ヒバリンとは話が通じる気がするからね

 

吸血鬼さんのことを何か知っていればいいけど……

あーせめて名前ぐらい聞いとけば良かったなー

探して何年になるんだろう?

 

目的もない旅だったから

ちょうど良かったんだけど……

全く情報が見つからないから諦めて

何か新しい目的を探そうかなって思うんだよね

 

「やばっ……」

 

ちょっと考え事に集中してた

湿った風が流れるよ

多分、もうすぐ雨が降ってくる

それもかなり強い雨だ……

 

もう少し歩けば村があったはずだよね?

うわー間に合うかなー

 

 

 

 

 

 

 

……間に合わなかったよ

合羽はあったけど意味がなかったよ

ビショビショになった……

それもこの村には宿がなかった

 

今日は厄日だ……

まぁまだ農場の倉庫で泊めてもらえるだけましか……

それに思ったより綺麗だしね

 

「へっくし!」

 

……可愛くないくしゃみが出た

ってか、可愛いとか言ってる場合じゃない

私は頑丈だけど、もし風邪をひけば危ないんだよ

少し制御が緩んで匂いがもれるらしい

 

さっさと着替えないと……

雨が降ってるから

そこまで心配しなくてもいいと思うけど……

妖怪が襲ってきたら怖いからね

 

言ってるそばからやってきたかも……

誰か来る気配がする

自分ではわからないけど熱があるのかなー

 

「あのー……」

 

あれ?声をかけてきたし違う?

妖怪だったら、襲ってくると思うし……

でもこの大雨の中、見に来る人なんている?

……どっちでもいいか

警戒しながらドアを開こう

 

「すみません。どうかしましたか?

 あ、私が言うのも変ですが入ってください」

 

「う、うん。ありがとう」

 

んー普通の男の子っぽい

ちょっと緊張してそうだし……

でも私の顔を見て驚いたよね?

 

「えっと、オレは住み込みでここで働いてるんだ

 それで……オレの部屋でもいいなら風呂に……」

 

うわー、わざわざそのために来てくれたの!?

雨が凄いのに……ビックリだ

……危ない危ない

警戒を解きそうになったよ

もしかすると罠かもしれないんだ

私は珍しい天狗って忘れるところだった

 

「気持ちだけ受け取りますね」

 

「な、何もしないから!

 オレ、外でずっと待ってるよ!

 だから風呂に入って!

 このままだと風邪ひいちゃうよ!」

 

……あれ?

なんか違う気がしてきた

今にも雨の中へ行こうしてるし!

 

「ま、待って!

 そんなことすれば、君が風邪を引くよ!」

 

慌てて腕を掴んで引き止めれば

この子はただの人間ってわかった

……筋肉がなかったんだ

 

「ありがとう

 外で待ってなくてもいいからね

 一人旅してるぐらいだよ?

 もし覗いたりすれば君ぐらい簡単に倒せるよー」

 

「の、覗かないよ!!」

 

真っ赤な顔で否定されたなー

これはからかいたくなるタイプだね

 

「まぁそうだよね

 私はたいしたことない体系をしてるしねー」

 

「やっ、そういう意味じゃなくて……」

 

「ぷっ!」

 

さらに必死になったから笑ってしまったよ

男の子も冗談と気付いたみたいで

顔がもっと赤くなっちゃった

 

「ごめんなさい

 ちょっとからかいすぎたね

 でもどこか緊張してる感じがしたんだ」

 

「……一人旅をしてるって聞いて

 勝手に男の人だと思ったんだ……それで……」

 

あーなるほど

だから私の顔を見てビックリしたのか……

これは全部私が悪い気がする

 

「本当にゴメンね」

 

「ううん

 オレも勝手に勘違いしたのもあったし……」

 

「ありがとうね

 でも本当に私が使ってもいいの?」

 

「そうだった!

 早く入らないと風邪引いちゃうよ!」

 

本当にいい人だなー

私の体調の心配しかしてない感じだ

甘えて入らせてもらおう♪

 




かなりお待たせしました
その代わりというのは変ですが、最終話まで毎日更新の予定です。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。