リボーンの世界に呼ばれてしまいました ~小話~   作:ちびっこ

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第76話

吸血鬼さんが一緒に住みようになって

数日しかたってないけど、いろいろ問題が起きた

 

1つ目、吸血鬼さんはお母さんと話さない

正確に言うと、話すけど私が間に入らないと話さない

はっきりいって、めんどくさい

嫌いなのかなーと思ったら

お母さんの薬の原料を探しに行く時は必ず手伝ってくれる

よくわかんない

 

2つ目、勝手に外に出ようとすれば吸血鬼さんが怒る

怒るといっても血を吸ったりしないけどね

ただ、無言の睨み。まじで怖い

出かける時に声をかけると問題ないらしい

一緒に出かける時の方が多いかも

出かけない時はマーキングはされる……

 

3つ目、一緒に出かければ必ず機嫌が悪くなる

おつかいしてるといつも最後に褒めて頭を撫でてくれる

優しいお兄さんがいる店があるんだけど

ずっと撫でてもらってると途中でお兄さんの手を払う

最初の方は興味なさそうにするのに意味わかんない

お兄さんは笑ってくれるからまだいいけど!

他にも友達と会って話をしてると機嫌が悪くなって

無理矢理手を引っ張るからバイバイすることになる

マーキングは嫌だけど、一緒に行く方がめんどくさい

 

4つ目、吸血鬼さんがよく私に触る

髪を少し掴んで匂いを嗅いでマーキングしたり

手を掴んだと思えば甲にもマーキングする

その後、私の顔を見て溜息を必ず吐く

吸わないって約束してたけど

禁断症状が出てるかもしれない

まじで怖い

 

5つ目、なぜか吸血鬼さんと一緒のベッドで寝る

お母さんは子ども同士でかわいいと言って

止める気配が一切しない。むしろノリノリ。

いつか私は眠ってる間に吸い殺されてるかもしれない

それぐらい禁断症状が出てる気がする

まじで、怖い

寝不足でちょっと疲れ気味

頑丈と言っても人間よりはっていう意味だし!!

吸血鬼さんが警戒したほうがいいってことを

身をもって理解している気がするよ……

 

 

他にもいろいろあるけど考えるのは止めよ

せっかく1人で外に出かけてるんだしー

ちなみに今日は吸血鬼さんは家のお手伝い

私が通訳して力仕事を頼めばしてくれた

いろいろ問題があるけど意外と協力的なんだよね

 

「お? 今日は1人か?」

 

「うん! いつものちょうだい!」

 

「まかせとけ」

 

えへへ

今日は注文した時も撫でてくれた!

そういえば、いつものって注文できるぐらい

この街に居る期間が長いよねー

お母さんの体調が悪くなったのもあると思うけど

宿じゃなく、初めから家を借りてたよね?

今までもそういう時があったけど

この街はいつもより長い気がする……

まぁいいか

 

お兄さんが戻ってきたー

えへへ、また頭を撫でられた

今日はラッキーな日かもー

 

「重くないか? オレが届けに行ってもいいんだぜ?」

 

「大丈夫だよー」

 

「そうか。無理はするなよ?

 久しぶりに持つんだからな」

 

「はぁい!」

 

荷物を受け取って頭を撫でてもらいながら思う

そういえば、吸血鬼さんっていつも持ってくれたね

量が多い日についてきてくれたような……

……それはないか

 

「おっと、いつまでもこうしてると重いよな」

 

あー、手が離れちゃったー

ちょっと残念

これぐらいの荷物だと半妖の私には問題ないのにー

 

「またな?」

 

「うん!!」

 

顔に出てたのか、短かったけどまた頭を撫でてくれた

えへへー

やっぱり今日はいいことがありそうだ!

 

ウキウキで帰ってると声が聞こえた

周りを見たけど特に何もない

気のせいだったみたいと思った瞬間

風がいっぱい吹いて、さっきと同じ声が聞こえた

気になるし、風が吹いた方に行ってみよう

この方向はいつも行く森の方だしね

 

少し足早に森に向かえば声がはっきり聞こえてきた

「助けて」って言ってるよね……?

誰もいなさそうだし、本気で走ることにした

 

 

 

 

 

うーん、声は聞こえるけど姿は見えない

叫んでみよう

 

「どこですかー!?」

 

「落ちるーー!!」

 

場所を聞いたのに微妙にずれた返事だった

でも落ちるってどういうことだろ?

……この先に崖があったよね

やばいやばい、急がないと!!!

 

 

崖から顔を覗けば男の子がぶら下がっていた

人間みたいだし私と同じぐらいの歳だと思う

木の根が崖から飛び出てて

服が引っかかってなかったら落ちてたね……

これは急がないと!と思って手を伸ばす

 

「捕まって!!」

 

「無理だよー! そんなの落ちちゃうよー!」

 

男の子はムリムリと泣いていた

やっぱり人間の男の子には怖すぎるよね……

ゴツゴツしたところや木の根を掴みながら

ゆっくり降りようとすると

「危ないよ!」と男の子が心配していた

男の子は自分の状況を忘れてるみたい

 

「大丈夫♪ 大丈夫♪」

 

本当にこれぐらいなら問題ないから

笑って男の子を安心させる

 

「ほらね?」

 

男の子のところまでたどり着けば

安心したような顔をしていた

 

ビリッ

 

……嫌な音が聞こえたような

と、思った瞬間に男の服が破れた

ギリギリだったけど両手で男の子の手を掴んだ

 

「ひぃぃぃぃ!!

 は、離して!! 君も落ちちゃうよ!」

 

「だ、大丈夫……!」

 

確かに木の根を足でひっかけてるの状態で

体制は最悪と言ってもいいけど……

これでも私は半妖だよ!

気合だーー!!という感じで持ち上げる

 

パキッ

 

「へ?」

 

「うわあああああーー!!」

 

……私を支えてる木の根が折れちゃったみたい

男の子の手は掴んでるけど、まずいね……

崖に近ければ片手を犠牲にすれば止めれるけど

手を伸ばしても届かない

 

落ちてるけど意外と私は冷静みたい

半妖の私でもやばい高さなのにねー

とりあえず、男の子を抱きしめる

どう考えても私の方が地面に打ち付けられても

生き残る可能性が高いからねー

 

後は運に任せるだけしかない……

目をつぶって衝撃に備える!!

 

 

 

 

「……痛くない?」

 

「わっ、わっ、すごい! 飛んでるよ!!

 君って妖怪だったんだ!」

 

男の子の声で目を開ける

そして、チラッと横に羽が見えた

 

「えええ!? なんで!?」

 

「……ウソーーー!!」

 

羽が見えたと思ったら

動かし方がわからなくなって落ちた

 




ヒバリン……ファイト!w

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