今回は、サブタイトルにもあるように、会話文が中心となっています。
久しぶりにバカテスキャラを!
では、どうぞ!!
次の日、珍しく早起きしたアキから電話があって早めに学校行くことになった。登校中の道で、雄二が歩いているのが見えたため、アキは声を掛けた。
「おーい雄二~」
「明久に弘志か」
「何だ朝から元気ねえな。何かあったのか?」
普段無愛想だが、今日はいつにも増して不機嫌そうだった。
「ちょっとな、朝から怒り散らしたから疲れているだけだ」
「何があったんだよ」
「いや、言うほどのことではない」
言うほどでもないことなら怒り散らして疲れはせんだろう。
「そうか。そりゃあ大変だったな」
「お前にはこの苦労が分からない」
相当苦労してるじゃないか。
「どんな苦労か教えてよ雄二」
「朝のコーヒーを飲もうとしたら、めんつゆが入っていた」
「は?」
結局言ってるじゃないかというツッコミよりも、オレは一瞬耳を疑った。コーヒーを飲もうとしたらめんつゆ?
「意味が分からん」
「おふくろがコーヒーと間違ってめんつゆを入れたってことだ」
ってことだ。とか簡単に言ってるけど……は?
「雄二、大変だね。その気持ち分かるよ」
何かやけに真実味が籠っていたのは何故だろう。
「そういやお前、部活入ったんだってな」
「ん? あ、ああ。軽音部にな」
「お前も物好きだな。俺なら部活とか面倒くさくてやりたくねえけど」
「実にお前らしい回答だ」
「そういえば、ちゃんと両親に許可取ったの?」
許可……確かに親の同意がいるんだもんな。それは大丈夫だと思う……
昨日ちゃんと話したからな。
~昨夜~
「あんた、この頃帰り遅いと思ったら部活してるんだって?」
「えっ?」
帰ってくると同時に母親がこんなことを言いだした。
「さっき吉井君がヒロはいませんか~ってウチ訪ねてきたわよ」
「あれ……携帯に着信入ってなかった気が?」
と、携帯を確認してみると、オレの携帯は充電が切れていた。
「まだ帰ってきてないわよ。って言ったら、吉井君がじゃあまだ部活してるんですねって言ったから」
「ははは……どの部活に入ろうか決めたら言おうと思ってたんだ」
「父さん帰ってきているから3人で話し合いましょう」
ウチは3人家族で、一応部活に入るには家族の同意がいるらしいので3人で話すことになった。
「それで、何部に入るつもりなんだ?」
「軽音部に入りたいと」
「お前、楽器何も出来ないだろう」
「やめときなさい。どうせやめる羽目になるわ」
そういう反応するのが普通。でも、だからといってやめたいとは思わない。
「絶対に入りたいんだ。楽器なら練習すれば何とかなるかもしれない。あの人たちが居る軽音部に入りたいんだ」
と、熱く語っていたら両親も折れて、OKを出してくれた。
「実を言うとなあ、俺は学生時代バンド組んでてギターボーカルをしてたんだ」
「えっ!?」
「私も学生時代はボーカルやってたわね」
「えっ!?」
高1にもなってそんな話初耳だぞ!
一時、両親の話を聞いているとオレの楽器の話になった。
「小さい頃から、キーボードで遊んでいたじゃない」
演奏出来るとかいうレベルじゃないけど……一番慣れ親しんでいる楽器かもしれない。
「それにアンタ、PCを毎日やっているから指は動くでしょう」
そのキーボードに関しては結構自信ある。
「ちょっと試してみよう。お前、指をこの形にしてみろ」
「こう?」
「違う」
「あいた…つった……」
「これは初心者がギターを諦める原因として一番多いコードの指だ。Fの音だ」
基礎の音楽知識は身につけたから親父が言っている意味も分かる。
「あんた歌下手だからね~」
「下手ではないやい! 上手くは無いだけで」
「それを下手というのよ」
「ぐぐぐ……」
そりゃバンドでボーカルを務めてた両親から見ると素人の歌なんて下手に聞こえるだろうけど。
「もう素直にキーボードをやりなさい」
「そうだ。ウチに楽器を新しく買う余裕などないからな」
「は~い」
経済状況が苦しいのは十分承知している。キーボードかあ……やってみよう。
いざ、あのバンドに入るってなったときは……
ドラム・ベース・ギター2・キーボード2って感じになるのか……アンバランスな気もするけど、オレが最初に好きになった歌手(バンド)もキーボード2つだからいいと思う。
あの人たちの仲間にどうしても入りたい! 練習あるのみだな。
~戻る~
「ん?あれは康太じゃない?」
「ホントだ。あいつも早いな」
「………いつもこのくらい」
「聞こえてたのかよ」
首を縦に振り肯定の意を示していた。このたいそうなバックの中に何が入ってるか知りたいものだ。
流れ的に3人は一緒に登校することになった。
「あれ?秀吉?」
門の前辺りまで来ると、偶然秀吉に遭遇した。
「お主たち、今朝は早いのう」
「え、あ、うん……それより後ろの子たちは同じクラスの子だよね?」
そう、秀吉は2人の女子と共に登校していたのだった。
「同じ中学校出身で姉上と仲がよかったからのう」
「姉?」
「言っておらんかったかの? ワシには双子の姉がおるのじゃ」
「そうなんだ!」
双子の姉か。顔がそっくりだったらめっちゃ可愛いんだろうね。もしかしたら、男女間違って生まれてきていて、姉ちゃんの方は格好よかったりして……そんなわけ無いか。
どうやらその姉の方は、学校に早めに行き予習をしているそうだ。人の模範となるべき存在だな……
「軽音部、どうですか?」
秀吉の後ろに居た1人の女子がいつの間にかオレの前まで来て質問していた。
「あ、え~っと……楽しいよ」
「そう! それはよかった! あ、私、唯の妹の憂です。お姉ちゃんから君の話聞いてたから」
「あ、そうなんだ……え~っと平沢さん?」
「お姉ちゃんと間違えるから、下の名前で呼んでいいよ。確かヒロ君って呼ばれてるんでしょ」
平沢憂。唯先輩の妹、髪は短めだけどポニーテール。顔は本当にそっくりだった。
先輩と違って、妹の方はしっかりしてそうだ。
「あ……」
「普通に、憂でいいよヒロ君」
どうしてこんなに躊躇が無いんだ!? 姉妹揃って、大事なところは天然なのか?
「分かった……う、憂ちゃん」
「これからもよろしくね!」
「あ、うん」
「ね~憂~早く行こう! 他のみんな行っちゃったよ」
「えっ!?」
オレもその言葉を聞いて周りを見てみるが、アキや雄二・康太や秀吉はさっさと歩いていっていた。
「あいつら……」
「急がなくていいの?」
「別に良いんじゃない? 目的地は一緒だし」
とひら ー 憂ちゃんがそう言った。確かにその通りだ。あいつらと話なら後でも出来る。
「へ~君が新しく軽音部に入ったんだね~あ、私、鈴木純。ジャズ研でベースしてるよ」
「あ、よろしく」
梓ちゃんがロングでツインテールなのに対し、こっちは結構短めのツインテールだ。
結構、お気楽タイプなのが言葉の端々に感じられる。
憂ちゃんが何気なしに後ろを向いて、その後、
「梓ちゃん、おはよう!」
「おはよう」
と梓を見つけていた。直感?
「そっか~2人は同じ軽音部だね~仲良くしてる?」
「まあ……」
「それなりに」
「梓~この学年で誰も入ってこなくて、次も入ってこなかったら、あんたたち2人きりだよ~」
おいそこの方。何てことを言いやがるんだ。縁起でもない。
「ちょ、純その言い方やめてよ!」
「へへ~冗談だよ冗談」
「でもそうなったらどうなるんだろう。部活って4人以上いないと廃部になるんだよね……」
え、そなの? あんまり嫌な未来は考えたくないけど、先輩方が卒業しても部員が増えなかったら廃部?
「早く、教室行こっ。人増えてきたよ」
ちょっと暗いムードになったところを、憂がこう言ってくれたため沈まずにすんだ。
教室に入ると、先に行ってたやつら4人が椅子に座って喋っていた。
オレはすぐにそこに行くと、いっせいに喋りかけられた。
「うらやましいよ。あんな可愛い子3人と喋れて」
「全く……お前って意外とやるな」
「………うらやましいを通り越してねたましい」
「まあ、平沢や鈴木は比較的話しやすいとしても、中野と話すってのはすごいのう。同じ部活じゃからか」
オレは聖徳太子じゃないぞ。てめえらいっせいに喋ったって分かるか。
「ってか、何でお前ら先に行ったんだよ!」
「邪魔しちゃ悪いから」
「何の邪魔だよ! うらやましいとか後で言うくらいなら、その場に居ろよ! 紹介できるじゃないか」
「………いい雰囲気だった」
寒気がした。こいつがいい雰囲気だったとか言うと、あんまりいい風に聞こえないな。
その後、世間話をしていたら、鉄人こと西村先生が現れたので席に戻った。
FFF団が結成されてないからといって、今から結成しようとするのはやめてくださいね(笑)
どの部活に入っても、男女一緒に居る場合は自然と仲良くなりますよね?
帰宅部を経験し、現在軽音部の作者は分かります。
雄二の母親の話がちらっと出ましたね。
原作どおりです……
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