学園祭も終わったんだが、まだまだ片付けていないものが……
いろいろとあるんですね。
原作では、未成年が酔っ払うなど危なかったですが、
今回はありませんのでご安心?を。
では、どうぞ!!
「あ、起きたみたいだね」
「何だアキ。どうしたんだ?」
未だにオレしか起きていないが、動くことも出来ないので(梓ちゃんがよりかかってるから)じっとしていた。そんなところに、軽音部の部室のドアが開いて、アキが入ってきたのだ。
「なんかね、打ち上げすることになったんだけどさ」
「へ~打ち上げね」
「それで、ヒロたちも呼んで来ようって話になったわけさ」
「見ての通りすぐには行けないぞ」
「それは分かっているよ。じゃあ、起きたらみんなで来てね」
みんな……?
「というと、先輩達もってことか?」
「うん。その通り。近くのあの公園にいるから」
「どのくらい後になるか分からんが、出来れば向かうさ」
「OK。是非とも全員来てね!」
アキはそう言って部室から出て行った。
「打ち上げね~」
先輩方も連れて行けってことはどういうことなんだろう? そういえば、誰が来ているのか聞くの忘れてたな。多分、いつものメンバーだろう。
「トイレトイレ~」
唯先輩が突然起きた。ちょびっと寝ぼけている気がする。唯先輩が立ち上がると ー
「「「わわっ!!」」」
6人が並んで座って寝ていて、1人がいなくなったらどうなるか。そう、崩れ落ちるのであった。梓ちゃんはオレの方にもたれかかってたからその心配はなかったが、先輩方3人は突然ガクってなって起こされた形だ。
「なんだよ~唯~びっくりしたじゃないか」
「えへへ~ちょっとトイレに」
「いっトイレ~」
「「イエ~イ!」」
「2人にはついていけん……」
澪ちゃんの意見に全面的に賛成だ。2人がまだ寝ぼけていると信じたい。
「梓ちゃんはまだぐっすり寝ているようね」
「そうですね」
「ヒロ君を信頼しているみたいよ」
「どういう意味ですムギ先輩?」
「そのままよ。他人に体を預けて寝るのは信頼している証拠よ」
そういうものか。寝顔もとっても可愛いなあなんて思っていたら、ふと目を覚ました。
「おはよ~」
「おふぁよ~ふぁ~」
眠たいみたいだ。言葉が上手く発せてない。
「今何時?」
「そうね大体ね♪」
「律先輩……」
「てへっ」
「結構真面目だったんですから!」
「悪かった悪かった」
「もうすぐ7時かな」
「ありがとう」
りっちゃんのテンションがおかしいのはいつものことだろうか?
「あ、唯帰ってきた」
「ただいま~」
「そろそろ帰るか?」
「あ、何か、学園祭の打ち上げをするから、近くのあの公園に来て欲しいそうです」
「打ち上げ? 誰が?」
「アキたちが、先輩達も呼んで欲しいって」
「おっ! それは嬉しいこと言ってくれるじゃないか」
4人で先輩方ワイワイ騒いで、一つの結論に。
「遠慮なく」
「お言葉に甘えまして」
「打ち上げとやらに」
「行こう!」
「わたしも?」
「もちろん」
行くと決まれば、部室を出るのも早かった。
近くの公園っていうのも、本当の公園の名前を知らないのだ。公園の入り口に書いてあるはずなのだが、長い年月と共に風化され、文字が公園しか見えなくなっているのだ。
「ちょっと!」
もうすぐ公園に着こうというときに、とある声がして引き止められた。
「話があるんですけど」
その声のほうに顔を向けると、姫路と島田がそこにいた。
「……………先輩方、申し訳ないけど先に行っててもらえません?」
「わたしも行くよ。ヒロ君に任せる」
「分かった。アキたちにはよろしく」
「OK、さ、先輩行きましょ!」
梓ちゃんに、先輩達は任せて、オレは姫路と島田と話す。
「何の用だ?」
「いろいろあるけど ー 」
「どうして、霧島さんだけ、みんなと仲良くしているんですか!!」
「おかしいじゃない! ウチたちと同じことをしているのにあっちだけ許されるなんて」
なるほど。その件か。どうやらこいつらは呼ばれもしないのに勝手に様子を見について来たのか。
「今回の打ち上げはオレは全く関わり無い。オレも呼ばれただけだ」
「嘘を言いなさい!」
「別にそうだとしても、どうして霧島さんだけがみんなと仲良くしているのかは七島君が一番分かっていますよね!?」
姫路も流石は優等生ということか。オレが話をごまかしたんだが、的確にその話を持ってきた。
「霧島代表は、お前らとは違う。以上だ」
これ以上あれこれ言うつもりは無い。言ったところでお互いのためにならない。
「どういうことですか!?」
「ちゃんと説明しなさい!」
「どうして命令口調なんだよ。お前らのほうがいつから偉くなったんだよ。オレが上とは言わないが、お前らに見下される筋合いはねえよ」
だから大事なことも見つからねえ。夏休みの間、一体何をしていたんだよ。ただ、会いたいという気持ちと、オレたちに対する復讐しか頭に無かったのか。
「説明して下さい!」
「別に丁寧語になったところで説明する気はねえよ。コレは誰に聞いても一緒だ。既に霧島代表は、コッチにいる。ここにある見えない壁。どうやって乗り越えるかは2人次第だ」
いい加減にうっとうしい。気づけ。何故にそこまで盲目になっているのだ。わざわざ冷静にならせて中立の客観的な立場から物事を見させているのに。注意力不足なのか。
「私たちは明久君とお話したいんです!」
「霧島とどこに差があるわけ!?」
「もうお前らと話す用件はないぞ。これ以上しつこく言ってきたり、こっそり打ち上げに参加しようとしたりすると、110だからな。もちろん、クラスでも雄二や秀吉・竜也や康太が目を光らせている。最後に一つ。よくよく考えてみるんだな。以上」
オレはそれだけ言い残すと、その場を後にした。引き止める2人の声がしようが無視。公園の中に入る。
「おう、ようやく来たか!」
「だ、大丈夫だった!?」
梓ちゃんが、オレがまだ来ていない状況を説明したのであろう。
「アキ、そんなに怖がるな。お前には関係ない。オレとあいつらの話だ」
「そ、そうだったの!」
名前を聞くだけでもトラウマになっているほどのことをしでかしてるのに……
「お疲れさま~!」
「放課後ティータイム最高!」
「あ、ありがと……」
「さっきからみんなこんな調子で、何か嬉しいな」
「そうだな。わたしたちの演奏でここまで楽しそうに」
「音楽していてよかったね」
「このバンドでやれてよかった~!」
オレの予想したとおり、いつものメンバーがいた。しかし、意外な人員が。
「よう、弘志」
「お前! 晶、来ていたのか!」
「ああ。俺は飛び入り参加だが。どうしても軽音部と話がしたいと思ってな」
「話?」
「その前に、今日の演奏最高だった。今までで一番の出来だった。見るものの心を動かせる演奏が出来る。これはバンドとしては一番手に入りにくいものだぞ」
「お前にそう言ってもらえて光栄だ。みんなもそう思っている」
オレが後ろを振り向き、軽音部のメンバーを見ていると一様にうなずいていた。
「それで、本題なのだが」
「待っていた」
オレたちは、そこらへんにあるお菓子を頬張りながら話をする。
「軽音部に提案がある」
「なんだ?」
「というか、約束を果たしに来た」
「は?」
「俺たちのライブで言ったこと覚えているか?」
夏、よーぐるっぺ☆のライブを見に行ったんだよな。それで確か ー
「今度のライブ、放課後ティータイムとの共同主催にしたい!」
「「「本気だったの!?」」」
後ろから揃って聞こえる声。オレも乗り遅れたがまさしくその通りだと思う。
「至って本気だ。これまでは学園祭が忙しいだろうと思い、誘わなかったが……」
「念のため聞くが、いつなんだ?」
「場所が見つかり次第ということだ。先輩方は受験勉強になると思うが、是非ともこれを最後の記念に参加してほしい!」
晶がものすごい懇願している。そんなに本気だったのか。
「そんなに言うんなら、わたしたちにも断る理由はないな」
「まだ続けれるの!?」
「その日までだな」
「楽しみね。どんな感じになるんだろう」
「コラボとかしたりするのかな~」
ノリノリである。オレも断る理由はない。先輩方がOKならばいい。
「これがオレたちの答えだ」
「ありがとう! 感謝する。それで、提案だが」
「なんだ?」
「せっかくの共同主催だ。コラボをしようではないか」
「どんな?」
「放課後ティータイムの曲を俺らも覚える。だから、そっちも俺らの曲を覚えてほしい」
なるほど。カバーをしてみるということか。全く違った曲調であるから新鮮であろう。
「何の曲をコラボするつもり?」
「U&Iを是非とも」
なかなかお目が高いですな~オレも大好きだ。
「U&Iをそっちのバンドがするってことでいいの?」
「そういうこと。俺たちの曲は1回しか聞いたこと無いから分からないだろうが、今度持って来るわ曲」
「分かった」
「よろしく」
それだけ言うと、紙コップに入ったジュースをぐびっと飲み干し、みんなに別れを告げて帰っていった。
「なんか突然だな」
「いい話聞いたぜ! もちろんオレたちも行くぞ!」
「………優子、あの人すごいの?」
「知名度はあっちのほうが上らしいです」
「………そうなんだ」
「ここらへんで最強のコラボになると思うぞ!」
このメンバーの中で音楽については随一の頭と腕を持つ男が言ってくれた。
「軽音部お疲れ様~&最後のLIVEよろしく~」
「お疲れ様~」
「よろしく~」
誰かが突然音頭を取ると、それにみんなが乗っかる。いい雰囲気ですな。
「あ、そういえば雄二」
「どうした?」
「どうなったんだ?」
オレがそう問うと、意味が分かったのかペラペラと完結に伝えてくれた。
黒幕は3年の教師であったらしく、追放になったそうだ。常夏は1週間の停学、他の参加していた連中も同様だそうだ。それで無事に学園長に腕輪を返したらしい。学園長は試行錯誤を重ね次の学園祭には完成させるといっていたらしい。
「それで、副賞のほうは?」
「何故かしら、1組じゃなくて、6組分もある」
「6組!?」
「渡されたときにババアがこう言ってた」
アンタたちにはさんざん迷惑掛けたさね。これはせめてもの償い。受け取ってくれ。
迷惑を掛けられたというのがオレたちのことか。
アキが愛子ちゃん連れて行くとして、雄二が優子さん。
「オレらがもらうってことか?」
「ああ。男子に全員にやる」
ということは、オレは梓ちゃん・竜也が憂ちゃん・康太が純ちゃんで……
「秀吉にもやるの?」
「男子だからな」
「秀吉には悪いが、誰を連れて行く気だ?」
「優子じゃないのか?」
お前ってやつは……お前ってやつは!!
「冗談だ。優子は俺が誘う」
冗談かよ。結構リアルだったぞ。
「翔子には悪いが、無理だ。もちろん、優子が行きたくないといったら誰かにあげるさ」
「絶対断らないと思うぞ」
「根拠は?」
そんなもんいるか。
「じゃあ、そのチケットとやらをありがたくいただくか」
「そうだったな。後はお前だけだ。他の連中には全員に渡した」
「そうか ー って、これ如月ハイランドパークじゃないじゃん!」
「ああ。それもババアのミスだそうだ」
大丈夫かあの学園長?
「ま、行った事無いから面白そうだけどな」
「楽しく行って来い」
「お前もそっくり言葉を返す」
多分、結局全員同じ日に行くんだろうな~と思いつつオレはチケットを大切に鞄に入れた。
姫路と島田の伏線を回収。
晶との約束の伏線も回収を始め。
そして、副賞の伏線も。
雄二も地味に進歩。
次話は晶との約束の方か、副賞のほうか!
お楽しみに。
コメント・感想・評価、
お願いしますね♪