題名パクリですが……
けいおん2期19話ですね。
ですが、バカテスサイドメインとなります。
ついにあの子が登場!
一体どうなる!?
では、どうぞ!
『バカなお兄ちゃんここにはいないですか?』
どうやら、オレたちに質問をしているようだ。その質問の主はと見てみると、目線がえらく下だった。おそらく小学生であろうか……
「お兄ちゃんって名前は?」
「あぅ……分からないです」
「分からない? 家族の兄じゃないの?」
「そうです。でも、バカなお兄ちゃんでした!」
オレと梓ちゃんは頭をひねる。だって、ここの教室、2-Fだよ。バカって腐るほど居るんだが……
「ゴメンね。それだけじゃ分からないから、このお店に入ってみようか」
「分かったです!」
オレは梓ちゃんと共に、この子を連れて店に入る。
「いらっしゃいませ~ってヒロ! それに梓ちゃんも! どうぞ中に……?」
竜也が迎えてくれたのはいいが、疑問系になるな疑問系に。というか、お前はキッチンじゃないのか。
「もうそんな子どもが出来ていたのか、その報告に上がってくれたんだな」
「おい雄二。つまらない冗談はよせ」
「それにしてもその子は誰なのじゃ?」
それが分からないから、この教室につれてきた。
「葉月はバカなお兄ちゃんを探しに来たです!」
「バカなお兄ちゃん?」
「あ、いたです! バカなお兄ちゃ~ん!」
「えっ? 僕?」
葉月と自ら名乗った子はアキの方に突進していく。
「お兄ちゃん忘れちゃったんですか? 葉月はバカなお兄ちゃんいませんかってずっと探してたのに」
「え~っと……?」
「あれ、何してるの葉月?」
そうこうしていると、島田と姫路が帰ってきた。あ、若干冷戦状態なんだから会いたくはなかったな。
「お姉ちゃん! 遊びに来たです!」
「ああっ! 思い出した! あのぬいぐるみの子か!」
「ぬいぐるみの子じゃないです! 葉月です!」
「大きくなったね葉月ちゃん」
「はいです!」
ちっとも話が読めんのだが……というような、みんなの視線を感じていないアキである。
「あれ、アキ、知り合いなの!?」
「ひっ…………あ、ああ島田さんこそ知り合い?」
トラウマが抜けきっていないから怖がっているアキ。大丈夫かな……
「知り合いも何もウチの妹よ」
『『『ええっ!!!!!』』』
島田の妹? こんな可愛い子が? すぐに暴力は振るわなさそうだ。
「アンタこそ知り合いなの?」
「…………怖い」
「何か言った!?」
「いいいいいいえ、何も……」
「おい、島田、明久が怖がっている。そこまでにしておけ」
「このバカなお兄ちゃんとはファーストキスをしました!」
えっ? みんな同時にそう思った。そこで生まれた一瞬の隙に、姫路と島田は暴力を加えようとした。
「何ですって!?」
「どういうことか話してください!」
「ちょい待ちお前ら! 何の権限があってアキと喋ってるんだよ」
いい加減、こいつがお前らを怖がっているのに気づけ。
「お姉ちゃん、どうしたんですか?」
「い、いやなんでもないのよ葉月」
その優しさをアキにも与えたらどうだ? ええ!? 妹を持つ姉よ。
「けんかしてるですか? お姉ちゃん、バカなお兄ちゃんと!」
「そ、そんなことないのよ葉月、ちょっと事情があってね」
「何をしたですか!」
問い詰める葉月ちゃん。いいぞ。妹の口からドンドン言ってやれ。その間にオレはアキにこの子を何故知っているか聞いてみた。
「あ、あの何ていえばいいかな。観察処分者になるきっかけの」
「そんな話してたな。その当事者の子がこの子か」
「そういうこと」
ってことは、話で聞いたお姉ちゃんってのは島田なんだろ。島田はアキに恩を感じこそすれ、恨みを持つことは無いだろ。何で恩をあだで返すようなことしてるんだ。
「ところで、オレたちは何しに来たんだっけ?」
「一応、ここの店を訪れたんだよね」
「そうだったな。何があるんだ?」
「ゴマ団子だよ」
「もらおうかな」
オレと梓ちゃんは席に着く。その間も葉月ちゃんは姉を質問攻めにしていた。その隣で姫路も話を聞いている。アキや雄二は持ち場に帰っていた。竜也はキッチンに戻ったようだ。なるほど、客のあまりの少なさに自分が接客しようと考えたのか。
「何だってんだい、この客の少なさは?」
「それを聞くか……」
「気になるだろ。いくらFクラスとはいえ、閑古鳥が鳴いているではないか」
オレは雄二に聞いていると、背後から声が聞こえてきた。
『葉月、ここに来る前にいろいろ聞いたですよ』
葉月ちゃんの声だ。そんなにうろついていたんだね。
「何を聞いたのかな葉月ちゃん」
姉にはトラウマがあるけど、葉月ちゃんには話せるアキ。
「えっと、2-Fの中華喫茶は汚いから行かないほうがいいって」
ものすごい悪評……何をやらかしたんだ。
「例の連中の仕業か」
何か問題ごとに巻き込まれているのかよ。
「そうみたいだね。ちょっと殺意が沸いてきたよ」
「因みにそれ、何処で聞いたのかな?」
「メイドさんと執事さんがいっぱいいましたです!」
それってオレたちのクラスじゃねえか。
「わたしたちのクラスだよね」
「確かに。んじゃ、そろそろシフトだし戻ろうか」
「え、でも、ゴマ団子は……?」
「いつでも貰いに来れるさ」
「そうだね」
オレらがいなくなったことで、再びキッチンが暇になる。それに、2-Aに行くと聞いて、竜也が真っ先に教室を飛び出した。憂ちゃん目的だな。Fクラスからは他に、雄二とアキが来ている。
「お姉ちゃんは葉月の話を聞くです!」
「ちょ、葉月、落ち着きなさい」
こんな声が出て行く前に聞こえてきたがスルーだ。秀吉を教室待機役としておいてきたようだ。
★
「「おかえりなさいませ、ご主人様」」
教室に戻ると、優子さんと憂ちゃんが出迎えた。
「あら、お2人。帰ってきたの?」
「そろそろシフトだもんね」
「後ろは?」
いつものように、やつらが出てくるとにっこりとして席を案内する優子さん・憂ちゃん。その間、竜也の頬が緩みっぱなしなのと、雄二が興味ないといった顔をしながら、優子さんの方を見ているといった表情がたまらなかった。霧島代表も話に参加したそうだが、自重している。本当に精神的に強くなったよ。
「着替えようか」
「そうだね」
オレと梓ちゃんはそれぞれ着替える。もちろん、別の場所で。
梓ちゃんのメイド服、あのバイトのときに見たけど、あれとはまた違っていいなあ~後ろからこっそりネコ耳を装着してみよっと。
「にゃ…?」
「それいいね。唯先輩がはまる理由が分かるよ!」
「ひ、ヒロ君なんてことを!」
「いいじゃん。とっても可愛いし似合ってるよ!」
「か、可愛い……///」
「っ!? もうみんなと合流しようよ」
「そ、そうだね」
結局、梓ちゃんはネコ耳メイドでみんなの前へ。
「あ、来た来た」
「おお~2人とも似合ってる」
「ね、ネコ耳?」
「どうしたの梓ちゃん?」
「ヒロ君がつけていけって言うから」
「似合ってるよ~」
「憂も仲間だ~」
「ちょ、やめなよ梓ちゃん」
自分のつけていたネコ耳を憂ちゃんにつけようとする梓ちゃん。そのシーンを見て、顔の表情が緩みすぎている竜也。どうしようもない。
「ほらほら、お客様の前よ」
「は~い」
優子さんがびしっと締める。
「それで?」
何か話があってたようだ。
「この教室にそういうやつは来てないかと思ってな」
ああ、さっきの話の続きね。悪評を広めるたのはここって葉月ちゃんが言ってたからな。
「そこにいるじゃない。さっきから長居しているわよ」
「なるほど。やはりやつらか……」
「常夏コンビ!」
「正直、こっちも迷惑なんだよね~」
滅多に悪口を言わない憂ちゃんですら、この感じ。相当悪いんだろうな態度が。
「でも、一応客だから出て行ってくださいとは言えないし」
「オレが行こうか?」
「ごたごた起きるよ」
それはそうだが、このまま黙ってみているわけにもいくまい……
「あの、お客様?」
「アァ!?」
「そろそろお引取り願えませんでしょうか? 次のお客様もお待ちくださっていることですし」
「俺たちはオ・キャ・ク・サ・マだぞ?」
「そうだ。俺たちの勝手だろうが」
危うくこぶしを繰り出しそうになったが、みんなの前でそういうことをするわけにはいかない。
「周りのお客様の迷惑になりますので」
「関係ねえな」
「別にいいぞ。俺は帰っても。だが、この後このクラスには客がめっきり来なくなるだろうがな」
『野郎! ふざけるな!』
オレよりも沸点が低かったバカ(アキ)がいまにも殴りかかりそうだったが、雄二たちに引き止められていた。
「そうですか。それでは、今までの悪口を全て録音しておりましたが、こちらを西村先生や学園長のほうに渡してもよろしいでしょうか?」
「へっそんなものがどこにあるっていうんだ」
「何を言っておられるのでしょう。ここはAクラスですよ。Aクラスならば資金は潤沢。そのことを一番分かっているのはあなた方ではないでしょうか?3年A組、常夏さん」
「「一まとめにするんじゃねえ!!」」
え? そういえば、こいつらの頭文字を1文字ずつ取っていたんだったっけ。
「もちろん、証人はここにいるほかのお客様全員です」
『先輩のすることかしら?』
『随分とひどいわね』
『同じAクラスというのに違いすぎるわ』
想像もしてなかった援護射撃。これで、精神的にやられるだろう。
「くっ……まあいい。もう用は済んだ」
「帰るぞ」
「待て。俺たちFクラスに泥を塗ったままか?」
「逃げるぞ!」
「こら、待て!!」
常夏コンビが逃げると、雄二とアキは追って行った。
「ふう……みなさまお見苦しいところをお見せいたしました」
『追い払ってくれてありがたい』
『後で、Fクラスにもちゃんと行くぞ!』
「ありがとうございます。教室の設備から言ってAクラスには劣りますが、彼らもAクラスに負けないような出し物です。是非ともお帰りの際はそちらにもお寄りください。どうぞごゆっくり」
ここまで敬語を使い続けるのも久しぶりではなかろうか。オレはそう思いながら、先ほどのテーブルに戻る。
「流石ヒロ君!」
「梓ちゃんね、さっきのヒロ君見ながらずっとカッコイイって言ってたよ!」
「こら憂! 余計なことまで言わなくて良いの!」
「えへへ」
何か照れるな~ごくごく当たり前のこと。むかつくやつは追い払うって方向で。
「………七島助かった」
「マナーがなってないやつにはどうも厳しくいくな」
「それが当たり前よ。よくやってくれたわ」
ここまで褒められることだろうか。それまでのやつらの行動を見てないから出来たのかもしれない。
「ところでさ」
「???」
「いつまで康太はそこにいる気?」
「「「は?」」」
みんな何言ってるのこいつ見たいな目したけど……オレたちが入ってきたときにはいたよ。
「そうなんだよね♪ みんな気づいてなかったの?」
今まで様子を見ていた愛子ちゃんがやってきて、みんなに告げる。
「………どうして分かった」
「「「きゃあっ!!」」」
彼女らが座っているテーブルの横の壁と同化していた。
「ボクの作戦いいと思ったんだけどな~」
「愛子が不自然に立っていると思ったらそういうことだったの」
「最初、ずっとカメラ持ってて不審な動きしてたからね~」
Aクラスに悪評が出ないように何とか愛子ちゃんが知恵を振り絞っていたらしい。
「………因みに、録音はいるのか?」
「流石だな」
「………アレは俺に気づいたからカマをかけていたのか?」
「別に無かったところで支障はなかったさ。多分康太なら一部始終撮っているとも思ってたけど」
「すごいね♪ ま、ボクのおかげかな」
どうやら、オレが突入するとなったとき、陰で康太に指示を出していたらしい。
「………俺はそろそろ戻る」
「おうっ。暇になったらFクラスに行くわ」
「よろしくな」
康太と共に竜也も帰っていく。
「………じゃあ、仕事再開しよう」
「はい」
霧島の号令で、オレたちは再び自分の仕事に就いた。
★
『ただいまより、3年A組の“ロミオとジュリエット”です』
「あ、間に合ったみたいだよ」
オレと梓ちゃんはシフトの後、急いで講堂に向かうとこのアナウンスが聞こえてきた。ギリギリセーフ……
因みに……オレと梓ちゃんを通じて知り合ったアキたちも全員来ている。
Aクラス・Fクラス共に、他のメンバーに任せてきたらしい。
「最後のほうは先輩達練習来てくれなかったけど……ライブなんてどうでもいいのかな……」
「梓ちゃん、それは絶対に言っちゃダメだよ」
「え?」
「そんなこと思ってるわけ無いじゃないか……あの先輩達が。まずは劇を見よう」
「そうだね。先輩達にとっては今年が最後の学園祭だもん」
それだけじゃないよ梓ちゃん。あんな演奏が出来る4人が、少しでも音楽を出来るこの場=軽音部の存在を忘れるわけ無いじゃないか……そう思いながら席のほうへ向かうと、やけに空席があった。
「こっちこっち」
10数名もよくぞ席を取ってくれてた純ちゃん。さわちゃん先生に清水さんも手伝ってくれてたみたいだ。
★
「うう~……」
「そ、そんなに感動したの……?」
号泣する梓ちゃんを見た純ちゃんが一言。
「ヒロ、目が潤っているよ」
「あ…………ああ。そうか」
オレもなかなか声を発せないでいた。学園祭でやるような演劇の質か。ものすごく感動した。
「何故、演劇部に入らなかったのじゃろう」
秀吉も太鼓判の演技力らしい。ものすごくリアルだった。
「お姉ちゃんすっごくよかった~」
「木2役が!?」
純ちゃんの鋭い突っ込み。天然ボケの憂ちゃんにはこの返し。久しぶり見た気が。
「じゃあ、教室戻ろうぜ」
「あ、わたしトイレ」
「わたしも~」
梓ちゃん、憂ちゃん、優子さん、愛子ちゃん、霧島代表、純ちゃんとトイレに行ってくるらしい。オレたちは先に教室に戻っておくと伝え……あれ、今思った。Aクラス女子率高い。まあいいや。Fクラスの面々はそのままFクラスに戻るらしい。こっちは男子ばっかじゃん……オレは1人でAクラスに戻るのもアレなんで、Fクラスへ向かう。
「む……ワシは少々、演劇部の小道具を取ってまいる」
「分かった」
秀吉も離脱。見慣れた5人でFクラスへ戻ることに。
★
「………大変!!」
「みなの衆大変じゃ!」
「ん?」
Fクラスでみんなを待っていたら、霧島と秀吉が血相を変えて教室にやってきた。
この2人がここまでになるというのは一体?
「5人がさらわれたのじゃ!」
「………見知らぬ男がやってきて連れ去って行った! 私のせいで……」
とんでもない情報を伝えてきたのであった。
葉月登場!
さて、今後島田姉妹と明久の関係はどうなっていくのか!?
そして、最後には危ない事件が!
軽音部ライブの前のさらなる危機!
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