ちゃっちゃか進みます。
けいおん2期の19話と、バカテスOVA(原作2巻)の融合ですね。
Aクラス側から見る、学園祭ってまた何か違いますね。
では、どうぞ!!
「へ~クラスの出し物は劇をやることになったんですね」
「そうなの」
「だから、澪先輩があんな感じに……」
梓ちゃんと部室に行くと、澪ちゃんが黄昏ていたので、ムギ先輩に話を聞いたところ、3-Aは劇をやることになったらしい。「ロミオとジュリエット」。脚本をムギ先輩がするらしい。ロミオが澪ちゃん、ジュリエットがりっちゃん。
「それにしても、律先輩がジュリエットだなんて……ぷっ……」
「笑いたきゃ笑えばいいだろ~!」
「いや~別に笑ってなんかいないですよ。ただ……ぷっ……」
「中野~!!」
よく分からんが、そんなに不似合いなのか。後でストーリーくらいは聞いておくとしよう。
「あれ、それじゃあ、唯先輩は?」
「木、Gだよ!」
「木ってそんなに必要なんですか?」
「じっとしてなきゃいけないって何て難しいんだ」
実に同感である。というか、木くらいならセットでどうにかならなかったのだろうか。
「じゃあセリフのチェックがあるから先に教室に戻ってるね」
「澪、行くぞ」
「行きたくない~!」
駄々をこねる澪ちゃんだったが、むりやり運ばれていった。結局、オレと梓ちゃんの2人だけ。
「ちょっとわたし忘れないでよね!!」
と思ったが、木の役になりきっていた唯先輩が居た。
「梓ちゃん、そんなにりっちゃんってジュリエットに合わないの?」
「知らないの?『ロミオとジュリエット』。澪先輩がやったほうがあってるかもね」
「へ~ロミオは?」
「そっちは、律先輩の方がイメージつくな~」
2人逆になればいいじゃん……役が決まったんなら仕方ないけど。
★
「日曜日予定ある?」
「いえ、わたしは無いですけど」
「オレも今のところは」
「じゃあ、予定空けておいてね」
教室で劇の練習を終わらせてきたムギ先輩が、オレたちに予定を聞いた。何かあるのだろうか……
~来る日曜日~
「大きい!」
オレたちはムギ先輩の知り合いのお店でバイトをすることになったんだが……これがまた規模が違う。高級な香り漂う喫茶店 ー というか、外から見たら結婚式場。まあ、とにかくそんなところでバイトをすることになった。
どうやら、澪ちゃんの恥ずかしがり屋を治すために、接客で力をつけようということらしい。オレと梓ちゃんも出し物が出し物だけに、練習になると思う。
「早速行きましょう!」
若干行きたくないオーラを漂わせている澪ちゃんをみんなが連れて行く。早速、着替えをするんだがオレに1人別の部屋が与えられるわけでもなく、ひとまず待機であった。
「先に、今日の説明をしておきましょう」
「よろしくお願いします」
「初めの方は慣れないと思いますが、一番大事なのは、お客様を大事にする心と笑顔です」
執事の方が、オレに説明をしてくださった。女子5人にはオレが着替えているときに説明するらしい。
そこまで説明は難しくなかった……んだが、執事か~慣れないな。
そう思っているうちに女子の皆様が着替えを終え出てきた。
「おまたせ~」
「どう、ヒロ君似合ってる?」
真っ先に唯先輩とムギ先輩が出てきて、メイド服をお披露目。眼福ですな~
「あ~ずにゃん」
「ふぇ?」
「早くヒロ君にお披露目しなよ」
「え、ちょ、待ってください唯先輩!」
梓ちゃんが断る間もなく、一番前に出てきた。
「は、恥ずかしいじゃないですか……」
「どうどう? ヒロ君、感想の方は?」
「 」
「言葉が出てないわよ」
「見とれてるよ~あずにゃん。うらやましいな~」
「ゆ、唯先輩!」
唯先輩がネコ耳をつけたがる理由が分かったような気がした。
「ほ~ら澪、早く来い」
「い~や~だ~」
奥のほうに、既に着替えたと見られる2人も見えたが、相変わらず澪ちゃんが駄々こねているらしい。そんなに恥ずかしがらなくてもいいと思うんだけどな~まあ、確かに恥ずかしいけど。
「ヒロ~お前、着替えないと」
「そうだった」
「澪を部屋に入れないためにも早く」
「そういうこと……」
今にも部屋の中に立てこもりそうな澪ちゃんを横目にオレは着替えるために部屋に入った。
★
オレはこのバイトで衝撃の事実を発見してしまった。部室で何気なしに飲んでいるお茶。ムギ先輩が淹れてくれるんだが、そのお茶この店からもらっているらしいんだが……高すぎだろ! と思わず口に出しそうに。
「澪ちゃん大丈夫かな……」
「1人だからね~」
「気にするなって。追い詰められないと力が発揮できないのは澪なんだから」
あまりにも人が多いと澪ちゃんの特訓にならないからって、休憩時間は澪ちゃん以外が一気に休みを取る。その分、澪ちゃんに6人分の働きが求められる。
「そろそろ休憩時間終わりそうだし、戻る?」
「澪の様子もそろそろ確かめたいしな」
お店のほうに戻ると、澪ちゃんが接客している声が聞こえた。
「お~い澪~!」
「澪ちゃん!」
店内のお客様全員を見送りに出たところで、澪ちゃんは立ち止まっていた。
近くに行ってみると、立ち止まったわけではなく、立ったまま気絶していた。
「澪~わたしが悪かった!!」
気絶から立ち直っても、澪ちゃんは笑顔満点であった。
「笑顔完璧じゃないですか」
「さっきから固まって動かないんだ」
「そんなにつらかったのか……」
「そこまで練習したなら、演技も笑顔完璧ですね」
「いや……演技と接客は別物だ」
そういうものかね。秀吉は接客するとき、演技に幅が出ると言っていたが、やはり上級者の次元だったか。
クラスでは、メイド・執事喫茶の準備を手伝い、部活ではほとんど音合わせも無いまま、学園祭1日目を迎えてしまった。
★
「………Aクラスの誇りに掛けて、精一杯頑張る」
霧島の発言にAクラスは盛り上がった。意外と求心力あるらしい。言葉数少なめだけど、リーダーシップはある。もしかしたら、Aクラスのみんなは真面目だから一番頭いい人に従うのが普通とでも思ってるのかも。
「………じゃあ、開店する」
オレのローテは、今日の正午前後。一番客の入りが入りそうなときになってしまった。同じ時間帯の人は、梓ちゃん(軽音部は固めておいた方が練習とかあるときに都合がいいということで)・憂ちゃん(軽音部のLIVE実に来てくれるらしいから)・霧島代表・優子さん・愛子ちゃん(以下同)である。連携が取れていたほうが言いということで、普段から仲がいい人を組まれたというのもあるらしかった。何でこんな他人事かというと、コレを決めるとき、オレは居眠りをしていて、起きたときには既に決まったあとだった。
「朝方は、ちょっと暇だね」
「そうだね。どっか行く?」
「他のクラスがどんなか回ろうよ」
因みに、先輩方の「ロミオとジュリエット」は今日の夕方から。しっかりここの時間は空けている。
「大きい!!」
オレたちは外で屋台をやっているクラスから回ることになったが、最初に見つけた店が『マンモスの肉』だそうだ。これまた大きいお肉である。
『知ってた? ここの衣装って山中先生が作ったんだって』
『知ってる知ってる。あそこのヴァンパイアの服もでしょ』
『すごいよね~そういえば、ロミオとジュリエットも山中先生が全て服作ったんだって』
『見に行こうかな?』
という声が聞こえてきたんだが……
「先生、手を広めすぎでしょ」
隣から聞こえてきたツッコミが至極妥当だと思った。
「そういえば、Fクラスは何してるんだろうね」
「あまりにも忙しくて、話す機会すらなかったな」
「ちょっと行ってみる?」
「そうしよう」
自分たちのシフトに入る前に最後に2ーFの教室に向かう。どうやら、2-Fは中華喫茶のようだ。
「ここ、みたいだね」
「確かに……」
相変わらず見た目がみすぼらしい2-F教室。店名「中華喫茶『ヨーロピアン』」だそうだが……オレの感覚が人とずれているのだろうか。それならばいち早く教えてもらいたい。どう考えても、この若葉学園にネーミングセンスがおかしい人が多いと思う。
『あの~バカなお兄ちゃん知りません?』
「「えっ??」」
背後から、女の子の声が聞こえてきたため、オレたちは振り向く。
メイド服♪
他に何も言うことは無いですかね。
最後に、ようやくこの子登場。
もう誰だかわかりますよね!
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