ちょっと文化発表会が近づいてきて、執筆する暇が激減です……
終わったらペースを元に戻したいですが。
期末も近づいてくる(泣)
しばらくは、2日1話更新になるかと。
申し訳ないです。
では、どうぞ!!
「暑いよね~」
「夏早く終わらないかな」
たくさんの収穫があった夏フェスから帰って来て、課外もない夏休みを満喫していたとある日。梓ちゃんと待ち合わせして、街へと繰り出していった。
「ん、メール? ちょっとゴメンね」
梓ちゃんに断りを入れて、携帯をチェックする。アキからだった。
宿題手伝って~
「ところで梓ちゃん」
「あれ、メール返信しなくて良いの?」
「しょうもない、ただのメールだから気にしなくていいよ」
「そう?」
夏休みも終わりに近づいてきてから毎年こんなメールを送ってくるのはやめてほしい。今は梓ちゃんとの時間を満喫する。
「宿題終わらせた?」
「もちろん。夏フェスから帰って来て、すぐに終わらせたよ」
「そうだよね~」
もちろん、オレも終わっている。面倒ごとを後に溜めたくないタイプだからな。
「ひ、ヒロ君!」
「どうしたの急に」
「ちょっとこの店寄っていいかな?」
「洋服か~いいよ♪」
そろそろ新しい私服でも手に入れたいのだろうか。オレはそこまでファッションに金を掛けているとか、詳しいわけではないから……あんまり気にしないし。お下がりや中古でも十分。
「うわ~かわいい~」
年相応の笑顔を見せながら洋服を見る梓ちゃん。それを見て暑さなんて吹き飛ぶ癒し。最高。店のクーラーのおかげだなんて認めたくない。
って今気づいたけど、本当に女物の服しかないのねこの店。完全に浮いてるもんオレ。いいのかね。
「ねえねえこれどう思う?」
と服を自分に重ね、オレに見せてくる。が、なにぶんファンションはあんまり重要視していないからオレは評価をすることが出来ない。
「いいと思うよ。こんな抽象的なことしかいえないけど」
いいか悪いか。これで十分だよ。似合っているか似合ってないか。
「それでいいよ! ヒロ君が気に入ってくれたら!」
「そなの……それは照れる。何か1着買ってあげようか?」
「ええっ!? それは悪いよ!」
「いやいや。いいよ。記念にね。流石に毎回は買えないからさ」
「う、うん。じゃあお言葉に甘えて」
「そうしてそうして。何か好きなの選んでいいよ」
何を選ぶんだろう。基本的に制服姿しか見ないんだが、たまに夏フェスみたいに外に行くと私服も必要だからね~どんなのが似合うのかな。制服はとっても似合ってると思うんだ。あ~変な意味じゃなくて。
「いつもお母さんと一緒に決めてるからな~分からないや」
「オレが決めたってわかんないよ」
「む~どうしよ……」
「何かお困りですか?」
と、困った顔を見せていたらしいオレら2人のもとへ、店員がやってきた。20代半ばといったあたりか。結構、話しやすそうな人だった。
「何か買おうと思ってるんですけど」
「そうですね~どのうようなのをお求めですか?」
「えっ……?」
「オレに答えを求められても……夏に合う物とかは?」
「夏ですか。いくつかお持ちしますね」
と、ちょっとの間側を離れて、いくつか洋服を持ってきた。
1つはワンピースとかいうのだろうか、他には短パン(女子目線での言い方が分からない)と半袖の組み合わせとか、スカートにシャツとか……もうとにかく訳のわからんくらい持ってきた。
「1つずつ試着してみます?」
「あ、はい。お願いします」
というと、梓ちゃんは店員に連れられ、試着室の方へ向かった。この間オレは何をすれば良いのだろう。店内をふらつくにも女性ものしかないから変な目で見られるしなあ。
★
「ありがとうヒロ君」
「どういたしまして。似合ってるよ」
「ホントに!? 嬉しい!」
結局、パッと見て一番似合っていそうなものをオレが指摘するとそれを購入した。ファッションに関心がないと、こういったときに大変になるのが分かった。
「あれ……あれって、純と康太君?」
「そうだな。楽器店から出てきたみたいだが……」
前方に、2人を発見。隣に並んで、仲良く話しているみたいだった。
「ヒロ君、あれ見てよ」
梓ちゃんが指差す方を向いてみると、そこには……
「竜也と憂ちゃん」
「すごい偶然だね」
「しかもお互いがお互いを気づいていない」
料理の買い物をしているであろう竜也と憂ちゃん。この3グループはすぐ近くにいるというのに気づいてもいなかった。
「どうしようか……」
「どうする?」
オレは頭の中に選択肢を描いた。
1.そのままにしておく
2.話しかける
ふむ。1を選ぶと、後々モヤモヤ感が残る。2を選ぶと、梓ちゃんとの時間が減る。
「話しかけようよ!」
梓ちゃんは迷わず2を選んだ。別に構わないけどね。そんなに会えない仲でもないから。
★
「ゴメンね付き合ってもらって」
「………気にするな。俺も陽兄からシールド買って来いって言われてたから」
「そうなんだ」
こちらは、純と康太。どうやら楽器店に来たのは、純が新しい弦を買うためだったようだ。康太もたまたま楽器店に用があったから、たまたま一緒に行ったらしい。たまたま、ね。
「もう帰る?」
「………別に俺はどっちでも構わん」
「そう。じゃ、ゲーセン寄ってく?」
「………暇だから構わない」
商店街の中にある、大規模のゲーセンに向かって歩いていった。
★
「へ~……『ラ・ペディス』の仕入れを見てみるとなんだか凄いね」
「絶対ためになるよ」
料理得意な2人。竜也が仕入れしているのを横から憂ちゃんが見学。どのような食材などを買っているのかを参考にしているそうだ。家庭的でいい子だね。
「ま、これでもう終わりだけどどうする? 何か予定ある?」
「えっ……? 特に無いけど」
「じゃあ、憂ちゃん、一回ゲーセンに行ってみない?」
「ゲーセンかあ。いいよ!」
こちらも同じくゲーセンに向かうことになったらしい。
★
「気のせいかな?」
「いや。気のせいじゃない」
「そうだよね。どうみても同じ方向に歩いていってるよね」
「お互い気づいてるんじゃないの?」
2組のカップルは同じ店のほうへ歩いていっていた。オレらもそれに倣って行く。どうやら目的地はゲーセンのようだ。
『あっ!』
『あっ!』
もちろん、ゲーセンに入るときには2組、鉢合わせになった。お互い、何でココにいるの的な表情をしたけど、偶然だったんだ。
「本当に偶然っておそろしいね」
「全くだよ」
オレたちもその集団に向かって歩いていく。さらに驚いた顔をしていた。
「何故……?」
「偶然だね」
「ともかく入ろう」
と、純ちゃんが言い出し、6人でゲーセンに入る。
「「「……………………」」」
オレたちが絶句したのも無理はない。自動ドアを入ってすぐの入り口付近の、太鼓の仙人があるんだが、そこで4人対戦プレイをしている人間に見覚えがあったからだ。
「何故に、アキや雄二たちがいるんだ」
「愛子ちゃんと優子ちゃん……」
勢ぞろいもいいところだ。ここにいないのは……秀吉だけか。何かちょっとハミっているみたいで申し訳ない。多分、部活だろう。演劇部は全国レベル。それは当たり前かもしれない。練習量が尋常じゃない。
「「「「何でみんながココにいる!?」」」」
おそらく、それはここにいる10人の気持ちである。
★
「みんな偶然なんておそろしいな……」
いったんゲーセンを出て、ちょっと広いところで会話をする。
「おい、アキ。あんなメール寄越しといてゲーセンかよ」
「あっ! そうそう! 今日はゲームしに来たんじゃなかった!!」
「忘れてたのかよ」
「覚えていたなら教えてくれよ!!」
「一番楽しんでたじゃない」
どうやら、一緒に勉強するためにどこかに向かう途中にアキがゲーセンに寄ろうと言い出して今に至るらしい。
「まあ、みんなはどんな予定だったかはある程度予想つくが……」
こういうとき、雄二の洞察力はうざい。
「そんなのはどうでもいいんだよ! みんな宿題一緒にやろう!!」
「お前、やってないとでも思ってんのか?」
「そうよ。この時期は終わらせておかないと」
「そうだね♪ 夏休みを満喫できないよ」
Aクラスの面々に雄二を加えたオレらの言葉に、面食ってるFクラスメンバー。
「………みんな終わってるのか!?」
「ありえねえ!」
「多分、その3人だけだね」
意外や意外。純ちゃんは終わっていたらしい。
『オネエサマ~!!』
『何でこんなところにまで着いてくるのよ!!』
『美春とお姉さまとの愛は距離をも - !』
遠くでこんな声が聞こえてきたが、見て見ぬふりならぬ、聞いて聞かぬふり。
「アキ、何処で勉強するつもりなのか?」
「何処だっけ雄二?」
「知るかボケ。お前が歩き回っていただけだろうが!」
「それはひどいよ~!!」
隣に、雄二や優子さん・愛子ちゃんがいるのに、そんな感じだったのか……
「明久。お前の家だ」
「え~こんなに人数入らないよ~」
「入るだろうが。嘘をつくな」
ということで、半ば雄二の強制力を持ってアキの家に向かうことになった。
★
「ただいま~」
アキがドアを開けても誰も中から出てこない。姉はいないらしかった。
「お邪魔しま~す」
「邪魔するなら帰って~」
「失礼しま~す」
「ちょ、冗談だって! そんなに揃いも揃ってみんな帰らないで!!」
お前が帰ってって言ったんだろ。
「ムッツリーニと竜也を残してみんな帰っちゃったら意味無いじゃないか!」
「ったく……しつこいやつだな」
「まずは入ってよ!」
「はいはい……」
みんな揃って、リビングの方へ向かう。
(康太、明久君の部屋何処か知ってる?)
(………確かこのドアだ)
(入れても大丈夫かな?)
(………それはどういう意味だ?)
「何2人でコソコソしてるの?」
「あ、いやなんでもないよ(ホラ康太君、部屋貸してくれるように聞いて)」
「………明久。お前の部屋ちょっと入っていいか?」
「どうしたの? 新作のゲームとかはまだ入ってないよ」
「………そういうわけではない」
「まあ別に見られちゃいけないものとかは入ってないし。何か用があるんならいいよ。でも、すぐに帰って来てね。勉強始めるよ!」
「………了解」
その返事を聞くと真っ先に純ちゃんが行動を起こした。
「ちょっと、ヒロ君、入ってみて!」
「どうした急に。オレは何回も入ったことあるぞ」
「だから先に入って」
「オレは実験台か」
「いいからいいから」
何か不適切なものがないかのチェックをオレがするらしい。
オレはドアを開けてアキの部屋に入った。
『梓~ちょっと来て~』
『どうしたの?』
『いいからいいから』
リビングの方から何か声が聞こえてきたが……まあ、この部屋のチェックをさっさと終わらせて戻るか。
「純、何かあったの?」
「この部屋入ってみてよ」
「変なこと考えてないよね?」
「心配しなくていいから!」
「本当に……?」
と後ろで声がしてきた。そのすぐ後に梓ちゃんが入ってきた。
「それじゃ、2人とも仲良く。わたしたちは勉強するから」
「あ、ちょっと!!」
「純~! どういうこと!?」
『わたしたちが勉強終わるまで、そこで2人の時間を過ごしてね~邪魔はしないから』
外から何かでロックを掛けているらしく、ドアが開かない。計画的犯行か。
『何やってるの?』
『2人のための時間を作ってあげたの』
『そうなんだ~その時間奪って悪かったからな~僕としてはありがたいや』
「おいこらアキ! お前、勉強教えてって言ってたじゃないか!」
『そうだっけ? 愛子ちゃんや雄二に教えてもらうから十分だよ』
「都合のいいヤツだ……」
『じゃ、バイバイ!』
どうやら、部屋の前から立ち去ったようだ。意外とアキの部屋とリビングは離れているから、ドアや壁をドンドンしても聞こえない。大声出したところでリビングにまで声は届かない。窓はあるが、人間が脱出できる広さじゃない。というわけで、オレたち2人はアキの部屋に軟禁された形になってしまった。
「完全に純にやられたね」
「そういうのは頭働くみたいだね……」
「余計なところに知恵がいってるんじゃないかな」
「さて、何をしよう」
話の話題っていっても突然だし何もない。何かひまつぶしが出来るものを部屋で探すものの、漫画くらいしか見当たらなかった。アキの読むマンガは大体オレも読むが、梓ちゃんは読まなさそう。これじゃダメだ。
「どうしたの梓ちゃん?」
「ふぇ……? い、いや何でもないよ」
「いや今上の空だったからさ」
「そ、そう?」
「こんな変な形になるとは思っていなかったな」
(隣にいてくれるならそれでいいんだけどね)
「ちょ、突然どうしちゃったの」
アキのベッドに腰掛けていると、隣に梓ちゃんが座ってオレにもたれかかった。
「しばらくこのままでいさせて……」
あの無理やり告白させられたシーンの時もそうだったが、たまに梓ちゃんはものすごい寂しさに襲われているときがあるのだろうと思う。オレだってそれはある。だが、女の子の方がそれは一層感じるのではないか。だからオレは梓ちゃんの思うとおりにさせてあげた。
★
「ヒロ~そろそろ終わりだ……って邪魔してゴメン!」
「ちょ、アキ!!」
アキは終了の知らせを伝えに来てくれたのだが、すぐにドアを閉めやがった。アキがそんなに驚いたのはオレたちの今の状況を見てだろうか。
まず、梓ちゃんはベッドに寝そべっている。(すぐに寝付いたので横に寝かせた)ただ、梓ちゃんは寝てもオレを離さなかったので、横にそのまま寝転がる形に。ちょうど体勢を変えようと体を起こしたときにアキは現れた。
端から見たら、オレが梓ちゃんに ー (略) ということになっているのではないか。
「誤解だアキ! みんなもいそいそと帰らないでくれ!」
玄関のほうからお邪魔しました~とか言う声が聞こえてくるために全力で引き止めるも無意味。
「じゃ、じゃあ今日は泊まる? 僕はリビングで寝るから」
「だから誤解だって言ってるだろ! そして康太は窓から盗撮をするな!」
「…………む……ん……どうしたの? 何かうるさいけど」
「梓ちゃん、起きた。よかった……」
「???」
あなたが寝ている間にとてつもない誤解を生み、かつオレが社会的に危なくなるところでした。
「みんな帰ったらしいよ」
「え、うそっ!? ってかわたしいつの間にか寝ちゃってた?」
「うん」
「人の家で……ごめんなさい!」
「梓ちゃんは悪くない。悪いのは閉じ込めたやつらだ」
そうだ。何もすることがないと眠くなるのは当たり前だ。
「そうそう、ヒロ~」
「どうしたんだ」
「みんなには伝えたんだけど、明後日から海に行くんだけど来る?」
「海!?」
「そ。姉さんがね。海に行こうって言い出してきて、友達を誘っていいって言われたから」
姉さん。ね。
「みんなは承諾したのか」
「全員快諾!」
「宿題が終わってないというのにのんきなものだ」
「終わったからね」
意外だ。オレたちはそんなに長い間軟禁されていたのか。
「なるほど。梓ちゃんも来て良いの?」
「もちろん」
「どうする?」
「親に聞いてみないとわからないかな」
「そうだよね。じゃあ、アキ夜またメールする」
「分かった!」
ということで、別れを告げてアキの家を出た。途中梓ちゃんを送り、海に行けるか聞いて帰った。アキにメール。オレ・梓ちゃん、海行く。よろしく!と。
詳しい時期は書いてませんが、お盆明けくらいでしょうかね?
太鼓の○人ならぬ、太鼓の仙人。
我ながらネーミングセンスがありません(笑)
しかも、4人対戦OKとかいいですよね!
どうでもいいとして、次は海話。
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