閑話みたいな感じで……
1話完結します。
けいおん!! 10話の話です。
では、どうぞ!
「まずは朝はHRでしょ。その次は1時間目から3時間目まで授業 ー 」
7月に入ってちょっと経ったある日。さわちゃん先生が軽音部に愚痴りに来ていた。足を冷や水につけて超リラックス状態だ。
「1日中立ちっぱなしですもんね」
それが、先生という職業ではないか。
「健康サンダル履いたら?」
「無理よ。1年生にもおしとやかな先生としているんだから」
確かに、この姿を見たらそのイメージもがらりと変わってくるだろう。
「いっそのこと軽音部時代のことをぶっちゃけちゃえば?」
とりっちゃんが取り出したのは、さわちゃん先生の学生時代の写真。ばりばりのロックな格好をしている。
「ダメよ。分かってないわね。教育ってのはちょっとの隙が命取りなのよ」
先生の話はたまに飛躍しすぎていると思うが、分からんでもない。特に、若葉学園2-Fに関しては隙が無かろうと行動を起こすからさ。
「あら電話。ちょっと失礼」
と、さわちゃん先生に掛かってきた電話。相当軽音部はリラックス出来ている証拠だろう。気兼ねなく電話に出た。
「な、何よこんなとこにまで電話してきて!」
“もしもし”の言葉に継ぐ言葉がこれだったからみんなびっくりした。
「ちょっと失礼」
と先生は、部室の外に出て行った。
「怪しいね」
と唯先輩が言う。確かに怪しい。
「あ、そういえば、今朝駅前で先生を見かけたのよ」
「え?」
「送ってもらった後に、何か言い争ってたみたいだったけど」
「学校に車で送ってもらって、喧嘩する」
「まさか」
「電話の相手は?」
「お母さん?」
「唯先輩はもういいです」
梓ちゃんがあきれたような感じで唯先輩に突っ込む。会話から察するに、さわちゃん先生にしつこく迫ってくる男性からの電話かなと思うの妥当かな。先生美人だし、(普段は)おしとやかだし、男性から人気あると思うんだよなあ。
★
「しかし、さわちゃんどうしたんだろうなあ。あの後部室に戻ってこなかったし」
「そうだね~喧嘩がよっぽどすごかったんじゃないかな」
部活後、みんなと一緒のところまで一緒に帰る。
「おっ。噂をすれば」
すると、前方にさわちゃん先生が腕時計を気にしながらまわりを確認していた。
「やはり怪しい」
「尾けよう」
「いいんですか!?」
「左に曲がったわ」
「ムギ先輩が一番気合入ってる~」
この個性派揃いの先輩方の突っ込みを一身に引き受けてくれる梓ちゃん感謝。オレも手助けはするけど。
「 ー ムギは気づかれないように細心の注意を払え」
「了解!」
「張り込みか」
「はい、澪ちゃんコレ~」
「本格的!」
そういったのも、唯先輩が取り出したのはアンパンである。張り込みの基本中の基本!(?)
「しかし、誰を待っているんだろうなあ」
「彼氏とか?」
「でも、ずっと一人身で寂しいって言ってた気が」
「先生にもいろいろあるんだろう」
「いろいろ?」
「わ、私は何も無いぞ!!」
「澪ちゃん美人だから男子にも人気があるもんね~」
「なっ/// そんなのは知らん!!」
澪ちゃん、いじられ中。いじられやすいもんな~美人だというのは本当にそうだと思う。逆に彼氏がいないのがおかしいと思う。
「ていうか、今の私は軽音が恋人のようなものだから」
「「「「オオ~~~~」」」」
出ました名言。流石は澪ちゃんです。今頃恥ずかしくなっても遅いですよ~取り返しがつきません。
「あ、悪い遅れて」
こちらで話が進んでいる間に、さわちゃん先生の待ち人が現れたようだ。相手は女性。その後2人は歩いていき、とあるファミレスの前にたどり着いた。
「こんなところもあったのね」
「なかなかこっちには来ないから分からないよね」
「店内に入っていくわよ」
やっぱりムギ先輩が一番ノリノリである。
「ろ、6名様ですか?」
「は、はい……」
店内まで尾いてきてしまったのに、影から観察していた。そしたら店員が話しかけてきた。当たり前っちゃ当たり前。
「あっちの席に座ります」
店員が案内する前に、唯先輩が勝手に席を選び確保した。確かにここからならば2人の会話は聞こえないかも知れないが見えるからいい。
ただ、問題は普通ファミレスってテーブル1台につき、4人しか座れない。残り2人はどうするかだ。
「じゃ、わたしコッチの席に座りますね」
「オレも。先輩方は先生の観察をよろしく頼みますね」
梓ちゃんとオレは隣のテーブルに座る。が、肝心の先生が見えないのが残念だ。
結局何回か見つかりそうになるものの、陰に隠れたりして何とかバレなくて済んだ。
「結局誰だか分からなかったね」
「あの人知ってるよ」
「ええっ!?」
店の外に出ながら、唯先輩が言う。
「学生時代のさわちゃん先生と一緒に写真に写ってた人じゃん」
「え……?」
「DEATH DEVIL の?」
「クリスティーナだ!!」
「「「ひっ!!」」」
突然、後ろから声を出されてびっくりする。コチラの話を全部聞いていたみたいだった。
「あなたたち、若葉高軽音部の子よね」
「え、ええ……」
「軽音部OGとして話があるんだけど、部長は誰?」
「えっ!? み、澪です」
「逃げないでください」
りっちゃんはあまりの雰囲気の怖さについ、澪ちゃんを部長に仕立て上げてしまった。確かにOGから部長に話があるとか言われたら、絶対説教と思うって。
それが違った。そのクリスティーナさんはオレたちをおでんの屋台へと連れて行ってくれた。
「遠慮しないで注文してよ。おじさんこの子達にジュース追加ね」
「はいよ、のりちゃん」
「のりちゃん?」
「わたし紀美っていうのよ」
「えっ!? 外国の方じゃなかったんですか!」
確かに髪の毛は金髪だけど、顔立ちとかは日本人じゃん唯先輩。
「あの、話っていうのは?」
「大したことじゃないんだけどね」
いよいよ本題。
「実はさわ子……結婚することになったんだ」
………………
「「「「えええええええええええっ!!!!!」」」」
「っていうのは冗談で」
性質の悪い冗談だ。
「軽音部で同期だった子が結婚することになってね。二次会で私たちに演奏して欲しいって言うの」
「そうなんですか。おめでとうございます!」
「ありがとう。でもね、さわ子が乗り気じゃないのよ」
「軽音部にいたことは封印された過去だからな」
「というわけで、協力して欲しいのよ」
と、言ってクリスティーナこと紀美さんに言われたことは。
★
「なんだこれは……」
数日後、オレたちはとある場所で、ロックなメイク、ロックな格好をしていた。
なぜかというと、紀美さんに、
「二次会でさわ子の代わりに演奏して欲しいのよ」
といわれていたからである。DEATH DEVILは、放課後ティータイムと違って、ロックだから、全然ジャンルが違う。未体験のゾーンだ。曲も耳コピ。成功するかな……
「ムギちゃん怖い~」
「気に入ってるんだけど」
みんなメイクをお互いに批評するんだけど、まあ普段とは全く違うイメージだね。
「 - バンドによる演奏です」
と、ナレーションのの声が聞こえてきたため、オレたちは恥ずかしいながらも人前に出てくる。学校でするのと違って、相手は大人。
「てめえら今日は飛ばしていくぜ~!!」
「オオー!!」
準備が出来ると、紀美さんいや、クリスティーナさんがみんなを乗せる。
「あ、間違っちゃった」
唯先輩が派手にやらかす。
「もう一回お願いします」
まるでリハーサルのように緊張していない唯先輩。これは天性のものか。
「頑張れ~」
「DEATH DEAVILっていうからどんなバンドかと思ったけど」
「意外と可愛いじゃない」
逆に好感度UP? いや、DEATH DEVIL的にはDOWNか。
「あれ。どうしたの?」
突然の停電。ざわつく会場。そんななか、1人の女性がステージに近づく。そして、ステージに上がった瞬間に電気がつく。この主こそが、わざとブラックアウトさせていたのだと理解した。
その女性とは……
「さわちゃん!」
このステージには参加しないといっていたさわちゃん先生だった。そして、唯先輩からギターを借りるとテクを見せる。うめえ……ここまで上手いなんて……
「てめえらDEATH DEVILはこんななまっちょろい音楽じゃねえ!!」
さわちゃん先生の性格崩壊! というか、原点回帰!? オレたちは横にはけ、そこで本物を見ることにする。
さわちゃん先生のギタボ。ジャンルはともかくとして、本当に上手いことが分かる。
「キャサリ~ン!」
高校時代の呼び名のようだ。とても人気があったに違いない。
ジャ~ンとかっこよく終わって、少しの間の沈黙。そして、
「やっちゃった~!!」
「「「やらせちゃった~……」」」
さわちゃん先生の悲鳴に、オレたちのつぶやき。お互い、悔いが残る。
数日後、さわちゃん先生から聞いた話によると、今までとは違った形だが人気があるらしかった。
さわちゃん覚醒!
だからといって、そんなに関係ない気がしますが。
次からは、オカルト召喚獣=肝試しに入って行きたいと思います。
そこで、読者の皆様にアンケートを。
オカルト召喚獣の案をお願いします。
七島弘志・本田竜也・中野梓・平沢憂……2年勢
平沢唯・秋山澪・田井中律・琴吹紬・真鍋和……3年勢。
案が出なかったら、出さないかも(苦笑)
ま、それでも出すときはありますが。
期限は、6月2日(日)の12:00までとします。
作者が、土曜日に全国マーク模試がありますので、忙しくて執筆できません。
2日もテストですが、午前で終わるので、午後執筆する予定です。
それまでに、案をどしどし送ってください!
1キャラだけでもいいですし、全員分送ってくださっても構いません!
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