青春と音楽と召喚獣   作:いくや

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 高校3年1学期中間テストまで、もう1週間切っているのに更新を続けるボク。

 大丈夫なんでしょうかね(笑)

 ホントにやばいと感じたら、更新をストップさせます故。

 危機感を感じない自分に危機感を覚えますよ。

 そんなことは、どうでもいいとして……

 では、どうぞ!!



#41 作戦開始!

 

   ピリリリリリ

 

 「ん?」

 どうやら目覚ましがなったようで、オレは手を伸ばして止める。早いなあ…もう朝か。そう思いつつ目を開けると、そこには浴衣姿の女子が目に入った。そういえばとオレは昨夜のことを思い出す。梓ちゃんとかが帰る部屋無くなって一緒に寝たんだった。しかし、男女が一緒に寝るってどうよ。しかも今の状況、結構危ない気がする。寝ぼけてまだはっきり目が開いてないだけかもしれないが、数人の浴衣が微妙にはだけてみえる。

 

 「ふわ~……おはよう」

 「おはよう、梓ちゃん」

 男子の性というものか、ついついはだけている胸元の方へ視線が ー 。

 

 「何見て ー って、ヒロ君!?」

 梓ちゃんがオレの視線に気づき、後ろを振り返った。

 「見たの!?」

 「つい……っていや、大丈夫! 中までは見てないから!」

 「サイテー」

 あれ、軽蔑のまなざしで……男子諸君。問おう。女子のはだけた浴衣を目の前にしたときの視線はどこに。

 

 「おはようみんな」

 「あ、おはよう憂ちゃん」

 「う、憂、浴衣浴衣!」

 「え? あ、ホントだ」

 竜也がこっそり見ていたのは憂ちゃんの目に映っていなかったと信じておこう。

 

 「ムッツリーニが今日は無反応だな」

 「確かに。こういうときって真っ先に反応しそうなんだけどね」

 雄二とアキが起きながらそう言った。やつらも微妙に愛子ちゃんやら木下さんの表情を見る限り、さっきのオレのようなことがあったらしい。

 

 「ムッツリーニならほれ」

 秀吉が布団をめくり、康太の居場所を指さす。

 

 「そりゃ反応しないよね」

 アキが言うのは、今の康太の格好を見れば分かる。目隠しをして耳栓をして鼻にティッシュを詰めて寝ていたのだ。一体何があったんだ……

 

 「起きろムッツリーニ! 朝だぞ」

 と叩き起こす雄二にやっと気づいた康太は、自分で目隠しを外しだした。

 

 「何やってるんだ」

 「………おはよう」

 「ワンテンポずれてるなお前」

 「………何が?」

 雄二の何やってるんだという言葉は聞こえてなかったらしい。もう一度同じ問いをするとこう返って来た。

 

 「………俺はまだ遣り残したことがある」

 意味深な発言だな。その真相はどういう?

 「………自己防衛だ」

 なんとなく意味が分かる。想像力が人一倍豊かな康太のことだ。女子と同じ部屋で寝ているという現実自体で危ない可能性がある。おまけに昨日の寝る前の愛子ちゃんの発言だ。そういった対策を採ってしかるべきであろう。

 

 と、康太を起こしていたら、ドアがドンドンとなって、入るぞ~という声が聞こえてきた。

 

 「やばっ! 女子はちょっと布団に」

 「分かった」

 そのノックの主が部屋に入る前に、何とか女子4人は隠れきった。オレは誰が入ってきたかノックの主を伺うと、須川だった。

 

 「須川か。おはよう」

 「ああ、おはよう。今日も相談なんだが」

 「昨日言ったろ - 」

 「皆まで言うな。今ABCクラスの一部の人が参戦してくれている」

 なるほど。それで条件が揃ったと言いたい訳だな。

 

 「もちろん、全員っていうことだぞ」

 オレは昨日の夜の件を思い出して、今日の夜には全員になりそうだなあと思いつつそう言う。

 

 「お前らは男子じゃないのか!?」

 「どういう意味だ」

 「ホモという疑いをかけられてもしかたないぞ」

 「要するに?」

 「覗きをしなければ男じゃない!」

 どこまで男は変態なんだ。全男をそう取るな。

 

 「いいからこっちはこっちの考えで動く」

 「そうか。お前らの参戦に期待する」

 「早く出て行け」

 「どうした今日は。やけに冷たいじゃないか。部屋の雰囲気も女子と一緒に寝ていたという感じだし」

 オレらの内心は全員ギクッという擬音語出てきたであろう。

 

 「まさかとは思うが、お前ら女子を連れ込んでるんじゃ ー ? それなら覗きをしないのも納得が出来る!」

 「何を言ってるんだ。バカなことあるか。なあ秀吉」

 「そうじゃな。須川はまだ寝ぼけておるのかの?」

 話をふっても一番ブレが無さそうな秀吉に話を振ってごまかす。

 

 「そうだろうな。そんなことをしていようもんなら、即座に異端審問会にかけるつもりだったからな」

 あの奇妙な集団による私刑執行ね。

 

 「というわけで、お前らの参戦を期待する」

 と言いつつ部屋を出て行く。オレたちは揃って溜息をついた。

 

 「須川君鋭すぎるよね……」

 「久しぶりに焦ったぞ」

 「………危うく表情に出るところだった」

 「秀吉は流石だな」

 確かに。流石は演劇部。全国大会レベルではある。

 

 「ボクたちもひやひやしたよ」

 「カンが鋭いわね」

 「見つかっちゃったかと思った」

 「それにしてもよくごまかしたね」

 とっさの機転に自分でも驚いているよ。

 

 「どうしようか」

 「さっきの件か? ま、今日次第だな」

 オレは女子4人のほうを見ながらそう言う。すると、みんな微笑みで返事をしてくれた。

 

 「ムッツリーニのセンスだね」

 「CBAの男子の連中は乗るだろうか」

 「………傑作」

 康太がそこまで言うのは珍しい。現像したものをオレたちに見せる。

 

 『おおおおっ!!!!』

 男子から歓声が上がる。ベストショットというのか、それぞれの女子の魅力が引き出されている。

 

 (ムッツリーニ、憂ちゃんのを後でくれ)

 (………500円)

 (買った)

 (………まいど)

 後ろで闇取引が行われていることは突っ込むべきだろうが、スルーをした。

 

 「やっぱり恥ずかしい!」 

 「そ、そうだよ!!」

 男子は笑顔でその意見を却下した。

 

 「よし。作戦開始だな。雄二を筆頭に男子はこの写真をCBA男子に回し、悪用されること無く返ってくるように。女子は分かっているね」

 

 『了解!!』

 4日目が始まった。

 

   ★

 

 「どうだった?」

 「結構いい感じだったぞ」

 「こっちも準備は上々よ」

 夕方、自習が終わる頃に作戦会議を行った。男子の方も好感触だ。

 

 「さて、テストを受けますか」

 「テスト?」

 「せっかく、この4日間マンツーマン授業をやったんだ。勉強の成果がいかほどかというものをな。そこまでは期待してないから大丈夫だ」

 それに、試召戦争になったときのために少しでも点数を上げておくべきだ。

 

 「高橋先生、テストを受けます」

 「はい、分かりました。教科は」

 「えーっと1人1人違います ー 」

 1人1人受験する教科を告げ、オレらはテストを受ける。オレは英語を受けることにした。

 

 テストが終わって採点をしてもらう。その間に出来を聞く。

 

 「アキ、どうだった?」

 「勉強って疲れるね」

 会話になってないような。

 

 「お前は徹底的に生物を教わったんだっけな?」

 「そうだよ。愛子ちゃんの熱血指導でね。おかげで結構分かった気がするけど」

 暗記科目だから、比較的点数は取れやすいはず。後は好きか嫌いか。

 

 「坂本君、英語はどうだったかしら?」

 「簡単なところを取りこぼさなかったというべきか」

 「そうね。それが一番重要よ。難しいところまではまだ無理でしょうから、単語とか日頃の積み重ねが重要な教科だし。この調子で勉強していくといいわよ」

 「今回は助かった」

 今まで接点がほとんど無かった2人だったが、仲は深まったようだった。

 

 「憂ちゃんありがとね~随分と分かったよ!!」

 「ホント? それは竜也君が努力したからだよ」

 「教え方が上手かったからね」

 「照れるな~」

 こちらもまたいい雰囲気。竜也が5教科までバランスよく点数が取れるようになると、落とすところが無いという最強ポジションに!(副教科の強さが異常だから)

 

 「さて、こちらの2人は……」

 「そこそこなのじゃ」

 「………まあまあ」

 「なんかしっくり来ない返事だね」

 2対2の勉強で、教科を社会・国語と頻繁に変えてたから、それぞれがあんまり上がってないかも。

 

 「採点が終わりました。みなさん、少しですがこの合宿で取り組んだ成果が出たようです。この調子で、勉強を続けてください」

 「ほう、高橋先生、そんなにこいつらは点数が上がってましたか」

 西村先生が部屋に入ってきて、答案用紙を見る。

 

 「まだまだだが、お前らが努力した証拠がよくわかる。Aクラスの連中、手間をかけた。頼みがあるんだが、今後ともこいつらの勉強の面倒を見てやってくれ。俺が教えようとしても断固拒否されるからお前たちが教えた方がためになるみたいだ」

 西村先生が生徒思いのホントにいい先生って分かるけど、流石にマンツーマンで授業は受けたくはありませんな。Fクラスの連中はみんなちょっと渋い顔をしたが、オレたちは承諾する。

 

 「こいつらも真面目に勉強すればAクラス入りが出来るはずなんですがね」

 「来年の目標はここにいるみんながAクラスだな」

 「そんな無茶な!」

 「全員の目標にします」

 「ヒロ~」

 そのほうがオレもクラスが楽しくなっていいしな。

 

 「お前たち、そろそろ風呂の時間だ。あ~お前たちはしてないと思うが、覗きだ。初日から毎日連中はやってくる。くれぐれも気をつけてくれ」

 「分かりました」

 そういって、部屋を退出する。そして、学習室を出る頃に、須川に出会いこんなことを言われた。

 

 「おいお前ら!! 約束を果たすときだ。全員参加するぞ!!」

 「何っ!?」

 「男同士で交わした約束、忘れるな」

 そう言って走り去っていった。あの写真大作戦は成功に終わったようだ。ちゃんと、写真は返還されている。しっかりと「この写真をコピーなどした場合、坂本雄二の名で私刑を執行する」と写真の裏に書いてあるから、みんな手が出せなかった。しかし女子の目の前でよく言えたもんだ。4人の女子が、作戦とはいえちょっと男子連中に疑いの目(本当に覗きをしないか)を向けるように……後ろの女子からの視線がちょっと痛くなってきたので会話をする。

 

 「梓ちゃん……」

 「もちろん、そんなことしないと信じているから」

 「それよりさ、そちらの準備はOKなの?」

 「いいわよ。今日実行するわけ?」

 「そのつもり」

 オレはいよいよ作戦が実行されるときが来てちょっと浮ついている。

 

 「いったん、わたしたちは部屋に帰るね」

 「オレらも部屋に帰るわ」

 「また後で合流しましょ」

 そう言って分かれた。オレらは自分の部屋に戻ることにした。

 着替えなどをとって、浴場に向かう途中に集団と遭遇した。

 

 





 最後の集団、ある程度はそうぞうつくでしょうが……

 そろそろ合宿編クライマックスですかね。

 続きの構成を練らないと。

 一番、決まっていないのは秀吉のカップリングなんですよね~
 秀吉は「秀吉」ですから、誰とカップリングをさせようか(苦笑)

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