青春と音楽と召喚獣   作:いくや

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 今回は、けいおん!8話を中心に、バカテスの要素を混ぜ合わせました。

 歌詞掲載はいけませんが、題名掲載もダメなのですかね……

 一応、題名はそのまま載せちゃいましたが。

 では、どうぞ!!



#4 新歓!

 

 

 今日は新入生歓迎会。放課後になると、帰るやつ、運動部に行くやつ、そして講堂に行くやつといた。オレはアキを誘って講堂に行こうとしたが、アキは今日も用があるって言って帰っていった。何だ、バイトでもやってんのかな……まあいいや。明日にでも聞こう。

 何だかんだ言ってもこの学校、文化部も人気あるらしく、講堂には既に大勢の新入生が入り席についていた。2・3年生もかなりの数席に座っているらしく、もう座席は空いていなかった。仕方なく一番後ろ壁際で立って見る事にする。 

 

 初めは吹奏楽の演奏だった。すげえ。やっぱり中学とは桁違いだなと思った。だけど、オレ何も楽器出来ないから入ることは出来んな。

 

 次は落語研究会の発表だった。「まんじゅうこわい」か。オチ知ってたからな~喋りもそんな上手くなかったし。 その次は演劇だった。流石は全国レベル。舞台転換なしとか凄い!オレに演技出来るか……?

 

 そして合唱。この学校凄すぎだろ。全国レベル部活の多さ! いや~男子と女子の調和がいいね~。歌うのはまあまあ好きだけど合唱か……

 

 一人で考え事をしていると、突然歓声が大きくなった。どうやら、軽音部の演奏のようだ。えらく人気が高いな。あの着ぐるみ部が。どんな演奏するんだろう……コピーバンドなのかな?とか思っていたら幕が開いて、4人による1曲目の演奏が始まった。

 

 …………何だろう、この気持ち。どこかで……

 

 あっという間に1曲目が終わって、2曲目が演奏された。

 こんな曲、聴いたこと無いだけなのかもしれないし、オリジナルなのかもしれない。

 聞き惚れたとはこのことだろうか。あんまりプロの歌とかは聞かないんだけど、こんなに歌で感動するってことは今までに無かった。

 そして、2曲目が終わる直前に、出入り口が開いて2人の女子生徒が入ってきた。オレはドアのすぐ隣にいたから自然と顔を見ることになったのだが、その2人の女子は、クラスメイトの中野さんとえっと平沢さんだっけ?がやってきていた。

 

 「うわ~お姉ちゃんボーカルなんだ~」

 と、平沢さん?がわくわくしながら言っていたのが聞こえた。

 というと、あのギターを持っている可愛い声の方かな。後一人、左利きベースの人もボーカルしているけど、こっちはクールな感じなんだよね。後は、キーボードにドラムか。

 そんな感じで思っていたら、2曲目が終わり、MCに入った。

 

 「軽音部です!新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます!」

 ボーカルの先輩がMCを始めた。

 「わたし最初軽音部って軽い音楽って思ってたんですよ~それでカスタネットが出来ればいいやと思って軽い気持ちで入部しました!」

 軽い音楽=カスタネット。カスタネットに対して失礼だろうが分かる気もする。オレもちょっと前までは、軽音部ってバンドが所属しているところなんて思ってなかったからな。

 「なので、みなさんもそんな軽い気持ちで入部してください」

 どんなお気楽な部活なんだ……しかし、あの演奏の裏側を知りたいという気持ちもある。どうやったらあんな人を魅了させるような演奏に。

 

 「次の曲~『わたしの恋はホッチキス』!」

 多分オリジナルであろう(作詞した人の感性ちょっと変わってるなと思った)3曲目が演奏され始めた。演奏中、途中から入ってきた中野さんはちょっと身長が低いので必死に背伸びをして見ていた。中野さんもこのバンドが持っている魅力を感じたのだろう。

 そして、演奏はあっという間に終わり、軽音部の演奏を持って新入生歓迎会は終わりを告げた。

 

 軽音部か~オレ楽器何も出来ないしな~……でも、あのギターボーカルの先輩だって最初はカスタネットしか出来なかったと言ってたもんな。だが……あのバンド全員女子だもんなあ。他にバンドいて男子の先輩とか居たら心強いんだけど。ああ! どうしよう! 家に帰ってゆっくり考えるか。親に相談したりして。

 

  ~次の日~

 

 「結局、決められなかったよ」

 一晩迷って結局答えは見つからず。アキにも相談してみたら、こんな答えが帰って来た。

 「ヒロあの時軽音のライブ聴いててとっても感動してたもんね~」

 「あの時? お前昨日来なかっただろう?」

 「昨日? 何言ってんのさ。去年若葉学園の学園祭見に来たじゃない! その時だよ」

 そうだ思い出した。去年の学園祭。アキと一緒に中3の時、若葉学園の学園祭に来たんだった。アキはそのとき若葉学園に進学するつもりだったから見たいって言ってたんだよね。オレは何処行くか決めてなかったし暇だったのでアキについていった。

 オレは何故、この若葉学園を選んだのだろう……その去年の学園祭を見に行った後から行きたいと思い出したんだった。それも、確か軽音部の演奏を聴いて。こんな素晴らしい演奏が出来る人がいる学校なら行ってみたいと思ったんだった。

 

 「忘れてた……」

 「ヒロって案外忘れっぽいもんね。どうしても若葉学園に行きたいって言い続けてたのにね」

 「そのきっかけの方を忘れていたという、何てバカなことだ」

 そうか……あの時の感動は、去年の学園祭の時に味わった感覚だったのか。

 部活に関してはもう1日考えることにした。そんなに焦るものでもない。今月中にはという曖昧なものだから。今日はさっさと帰ってもう1悩みするか。

 

 自分の件が終わった後で、この頃アキが放課後何の用をしているか聞いてみた。

 「ああ、あれね。フランス語を調べてるんだ」

 「フランス? 旅行でも行くのか?」

 「何言ってるんだよ。帰国子女の子がフランスから来たんでしょ。ちょっと仲良くなろうかなと思って」

 アキ、そのお前の行動力は認める。だが ー 。

 

 「その帰国子女の子はフランスじゃなくて、ドイツだ」

 「…………えっ?」

 「フランス語を調べたところで分かりゃしないさ」

 「そっか! だから、話しかけても無視されてたんだ」

 「そこで気づけよ」

 「ただ、人と接するのが苦手な人なのかなと思ったりしたんだよね」

 はあ……コイツの入学して早々友達を作るという行動はものすごいと思う。

 オレなんて、まだアキとしかしゃべろうと思ってないもんな。クラスの雰囲気に慣れてから友達作ろうと思ってたのに……

 

 「ドイツ語調べてからその子に話しかけな。きっと喜ぶさ。転校してくるなんて最初の頃は物寂しいぞ」

 「そっか、ヒロは転校経験者だもんね」

 「ああ。小学校上がるまでは福岡に居て、小学3年までは別の小学校居て、小学4年で水無月小学校に転校してきて、中学のときに、長月中に来たんだ。最初はぼっちだから寂しいぞ」

 「そうだよね。僕、話しかけてみるよ!」

 「おう」

 高校に入学して1週間が経過しようとしていた。

 

  ~次の日~

 

 「ヒロ! 島田さんちょっと怒ってた雰囲気出してたよ!」

 「島田さん? ああ、ドイツからの帰国子女か。ってことは話しかけたんだな」

 「うん。僕の話術を駆使して」

 「本当にドイツ語で喋ったのか?」

 「カンペ見ながら言ったから間違いないね」

 じゃあ、照れ隠しだろうな。最初、話しかけられるの結構恥ずかしいし。でもそっから友達出来るから。

 

 「めげずに話しかければいい」

 「そのつもりだよ! そういえば、ヒロは部活動することにしたの?」

 「あ、ああ……見学と言う形で軽音部をちょっと覗こうかなと。何も知らないまま入部してついていけなくなったりとかしたら迷惑かかるからな」

 「それいいね」

 ようやく始まりつつある授業を受け、あっという間に放課後になった。

 よし。今日から軽音部を体験してみるか。まさか、あの4人だけとかじゃないだろうし。

 オレは、軽音部が配布していたビラを見てみた。

 

 “  音楽室独り占め!! 

     軽音部

  バンドやりませんか?

   お菓子もあるよ(非公認)”

 

 と書かれてあった。非公認お菓子って……釣られる人いるのかね。

 そう思いながら、芸術塔3Fの音楽準備室へと向かった。音楽室のほうは、吹奏楽と合唱がしているらしい。

 音楽準備室へと向かう階段を上っていると……

 

 『うるさ~い!!!!!!』

 と怒鳴り声が……外に居るのにちょっとビビった。結構熱血がいるのかな。

 声の雰囲気からすると先生だろうか。

 そんな風に感じながら階段を上り終え、音楽準備室のドアを開けようとしたそのとき!

 

 『そんなんじゃダメです~!!! みなさんやる気が感じられないです!!』

 『いや~新歓終わった後だったし~』

 『そんなの関係ありません! 音楽室を私物化するのはよくないと思います! ティーセットは全部撤去すべきです!』

 はは……本格的な非公認お菓子だな。

 しかしこの声……ドアのうえのほうにある窓から覗いてみると、そこにはオレの出席番号の前の人中野さんがいて怒っていた。

 

 『 ー これが落ちついてられる状況ですか!!』

 凄い勢いでキレてるなあ……先輩相手に凄い度胸だ。そんな中、1人の先輩が中野さんに後ろから抱き付いて慰めていた。そんな簡単におさまるはずが ー おさまった~……

 

 『取り乱してすいません』

 『いいよいいよ、全然気にしてないし~』

 ちょっと不安になるな……どうしようかな……入るべきか帰るべきか。

 と悩んでいたら、ドアに当たって開いてしまった。当然、注目はこちらに移るわけです。どうすればいいか分からなくなって、

 

 「あ、す、すいません! 失礼しました!!」

 とだけ言って、ドアを閉め速攻で階段を下りていった。

 はあ……こういうときに全く勇気でないんだから。

 今日は戻れそうに無いな。帰ろう。と決断したが、やけにバックの中が軽いなと思い荷物チェックをしたところ、どうやら教室に忘れ物をしていたようだった。取りに行くか。

 

   ★

 

 「今の何だったのでしょう?」

 「ウチに用があったんじゃないのかな?」

 「やり取りを聞いて、ビックリして逃げちゃったよ」

 「それもさわちゃんのせいだよ~」

 「え~私のせい?」

 わたし、中野梓が軽音部に入部して2日目のことでした。あまりのだらけっぷりにちょっと怒ってしまったところをたまたま、用があった他の人にまで迷惑をかけてしまって……

 

 「今のって1年生の男子だったよね」

 「何か心当たりある?」

 そう問われたわたしは、さっきの姿を思い出しながらこう言った。

 

 「多分、同じクラスの男子だと思います」

 「そうなの? どんな子? 軽音部に興味あるとか?」

 「え、い、いや……そういうのは全く知りませんけど……ただ、一昨日のライブは見に来ていましたよ」

 「本当!? それってもしかして、入部希望だったんじゃないの!?」

 部長がそう言い出して、他の3人の先輩や先生まで大騒ぎ。

 

 「ええっ! 新入部員?」

 「確保しなければ」

 「部員は多いほうがいいし」

 「それじゃあ、中野さん?」

 先生がわたしの名前を呼んだので、そちらを向き用を聞くと。

 

 「月曜日、その子も是非連れて来て頂戴」

 「え、ええっ!? わたしがですか?」

 「そうよ。同じクラスなんでしょ」

 「そうですけど……」

 「じゃあ決まりね」

 半ば強引に決められた。仕方ない。ええっと確かあの人は、わたしの出席番号の1つ後ろの七島君だっけ?月曜日に言うの忘れないようにしないと。

 

 





 やっと、主人公のデータが出始めましたね。

 作者自身、転校族じゃないので気持ちは分かりませんが……

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