前話の続きです。
前話と違って、Sideがかわっていますのでご注意を。
では、どうぞ!!
「今日も、あの店寄るか~!!」
「それいいね、りっちゃん!」
「2人ともあの店好きだな」
「そういう澪ちゃんだってワクワクしているんじゃない?」
「そ、そんなことないぞ」
オレたち軽音部は午前中から昼過ぎまで練習していた。オレがみんなに紹介してからというもの、この店に来る回数が増えた。甘いもの好きが多いからだろう。おやつ時にはもってこいのお店だ。
駅前まで歩いていき、喫茶店「ラ・ペディス」に入る。こんな時間というのに、珍しく誰も客が居なかった。
「いらっしゃいませ~何名様ですか?」
「6人です ー って、憂ちゃん!?」
「あ、みなさんこんにちは~」
「憂~何やってるの?」
「お姉ちゃん! お手伝いをしてるんだよ」
憂ちゃんがウエイトレスとして働いていた。しかもめっちゃ似合っているし。
「憂、似合ってるね」
「ありがと~梓ちゃん。こっちに座って座って」
「は~い」
憂ちゃんに案内されて、オレたち6人は大きめのテーブルにつく。
「ご注文お決まりになりましたら、お呼びください」
「ねえねえ、憂~急にどうして手伝いなんて……?」
「う~ん、言ってもいいか分からないからちょっと待ってて」
そういうと、憂ちゃんは厨房の方に入っていった。その後、すぐに帰って来た。
「軽音部、いらっしゃい!」
「竜也! そっかお前ここで働いてたもんな」
「ああ。みんなは何でここで憂ちゃんが働いているか知りたかったんだよね」
「そうそう。お前が答えてくれるんだ」
てっきり、店長とか出てくるのかと思ったら竜也が出てきた。
「実は ー (略) ー で」
『そうだったんだ~』
「だから、他にも助っ人として」
「ヒロ~いらっしゃい」
「アキ! それに雄二も康太も! そして、ひでよ ー ウエイトレス?」
「突っ込まないでくれなのじゃ」
竜也がすぐに手伝ってくれそうなメンツということでこの4人が選ばれたらしい。納得。
「今日開店してからずっとこの6人で?」
「そ、大変だったけどそれなりに出来た」
「そうか……オレたちにも言っててくれたら手伝ったのに」
「部活邪魔しちゃ悪いだろ。じゃ、ゆっくりしていきな。今日は全部オレが作るぞ」
へ~期待できる。竜也が厨房に帰ると同じように、みんな持ち場に戻った。1日目とは思えない連帯感だ。
「ココに来るとき、毎回悩むんだよな~」
結局、抹茶パフェにしてしまうんだけどそろそろ違うのも食べないと。
「抹茶パフェです」
今日も抹茶パフェに。他のみんなも1人1つずつ注文して食べていた。ちょうど食べ終わった頃、お客さんがやってきた。
「いらっしゃいませ~って、純ちゃん?」
「憂! 何やってんのこんなとこで」
「話せば長くなるからまずは入って入って」
「あ、うん。分かった」
憂ちゃんは、純ちゃんをコチラの席の近くに連れてきた。
「あ、軽音部」
「純、1人なの?」
「先輩と来る予定だったんだけどね、用事で来れなくなったから」
「へ~」
梓ちゃんの近くに座って話している。純ちゃんから、クラスが分かれてさびしいというのを感じた。
今は、憂ちゃんがコッチの担当をしてくれているため、新規の接客をアキが担当していた。
「いらっしゃいませ~」
「明久君、やっていますか?」
「ハロハロ~やってるみたいねアキ」
「姫路さん、美波!」
アキたちのクラスメイト姫路と島田がやってきた。
「ほらほら、店員さん案内してくれるかな」
「あ、はいただいま。何名様ですか?」
「4人よ」
「へ、4人?」
アキが驚くのも無理はない。目の前には2人しかいないのだ。オレは1人に関しては心当たりがある。先ほどアキの死角を突いて、厨房の方へ霧島さんが行くのを見かけた。後1人は……?
「霧島さんがあそこに ー 」
「………雄二、妻への隠し事は浮気の始まり」
「何だ!? いるはずのない翔子の声が聞こえるぞ!?」
「なるほど。後2人は?」
「もう少しで来るわ。木下さんと」
遅れているというやつか。
「ココで明久君たちがバイトをしているって教えてくれたの霧島さんなんですよ」
「そうなんだ~」
この話をしたのって、昨夜突然じゃなかったっけ? それを感じ取るってエスパー?
「ここは若葉学園に人気だな」
「確かに。この店内に居る人全てがウチの生徒だよ」
「学校から遠くなく、リーズナブルな値段で美味しいってのが人気の秘密じゃない?」
「そうですね」
こちらのテーブルではこんな会話をしていた。もちろん普通のお客さんも来るのだが、こういうのは珍しい。穴場であるから、あんまりお客さんは増えて欲しくないんだけどね。
「何やってるのあなたたち!!」
若干あちらのほうがギャーギャーうるさくなってきたかなと思いつつも、しゃべっていたオレたちだったが、流石にこの大声に反応した。声の主は木下さんであった。どうしてここまでうるさかったのか現状から把握するしかないが、姫路と島田とアキの間はよくわからない三角関係のような雰囲気だった。雄二の元には霧島さんが。それぞれが普段ではお目にかかることが出来ない武器を持っていた。
「スタンガンって一般人でも簡単に手に入れれるんだね……」
「恐ろしいよ」
「それを平気で使っているのも恐ろしいけど」
「すごいわね」
「いや、凄くないぞムギ」
どうみても他人事のように傍観している我が軽音部+純ちゃん。オレにとってはそうはいかない。友人が騒動に巻き込まれようと……いや既に巻き込まれているのだから。
「全く他のお客さんも居るんだから、少しは自重を ー 」
「姉上……?」
「秀吉、その格好は何かしら?」
「うむ。着替えがなかったのでの」
「トイレは何処かしら。ちょっと案内してもらえるかしら?」
木下さんからはものすごい覇気を感じる。秀吉を弟:要するに男として見ているからであろうか、秀吉の格好を許せないのであろう。これはオレの勝手な推測。
「あ、姫路さん・代表……前言撤回するわ。気に入らないものは気に入らないものね」
秀吉を連れてトイレに入る前に木下さんは余計な一言を言ってしまった。この言葉をきっかけに先ほどの騒動が再び始まった。
「姉上、どうしたのじゃ!?」
「あんたがそういう格好するからアタシが変な目で見られるでしょうが!!」
大変だな木下さん……
「どういうことですか明久君!」
「待って瑞希、アキはアレだから記憶があやふやなのよ」
何をしでかしたんだろうアキは……
「………雄二、覚悟して」
「理不尽だ!」
後で状況を聞こう。
「凄いカオスだね~」
「こういったのもなかなか見られないよ」
「ほんとだね~」
「いや、お前らな……」
止めに入りましょうかそろそろ。
「遅くなってゴメ~ンって……この状況は一体何なの!?」
工藤さんがやってきた。みんな工藤さんが疑問に思った点について、誰も答えようとはしなかった。
「ちょ、ちょっとみんなひとまずやめてよ!」
工藤さんのこんな声も、むなしく響くばかり。
「ただいまただいま~ って、この騒動は何なんだ!!」
オレがいい加減止めに入ろうとしたそのとき、中年の男性が店内に入ってきてものすごい声量で騒動をピタリと止めた。
「て、店長! おかえりなさい……申し訳ありません」
「お客様に迷惑かかるだろうが!!」
それを聞くと、みな正しい場所に戻った。
「店長、早いおかえりでしたね」
「うむ。娘と妻に謝ったら許してくれたよ」
「そうでしたか」
店長が帰ってきて10秒後くらいに、2人の女性が現れた。
「お父さん、私も手伝う」
この子は以前見た、清水さんという子だ。ここの娘だったんだ。
「やや! あれはわたしの愛しのスイートエンジェル:美波お姉さまではないですか!!」
「み、美春!? ココ、あんたの家だったの!?」
「お姉さま、わたしに会いに来てくれたんですね! 部屋を用意して待ってました!」
「帰るわウチ!」
「待ってくださいお姉さま!!」
梓ちゃんの隣に座っていた純ちゃんは大きく溜息をついていた。そうか……同じクラスだったもんな。
「貴様が……」
店長の様子がおかしい?
「貴様が我が娘をたぶらかす女か~!!」
意味が分からん。娘をたぶらかす女って?
「ディア・マイ・ドーター!!」
と叫びながら、島田を追っている清水さんを追っていた店長。これをきっかけに店長の一声で静まっていた騒動が再び始まった。先ほどよりももっと酷くなっていた。
「2年生凄いね」
「珍しいものを見せてもらうよ」
これは異常です。そんなので2年生を判断しないでいただきたい。
「あら、何なのこの様子は?」
この騒動は、1人でやってきた、若葉学園生徒会長真鍋和さんが沈めたのであった。
「正直、和さんの力はものすごいものがあると思います……」
梓ちゃんのこの言葉にうなずかざるを得なかった。和さんが来てくれなかったら、ず~っとこのままだっただろうから。その後は、みんな平和に休日のひと時を過ごしたのであった。
けいおんのほうの主力、さわちゃん以外全員出しましたかね?
しかし、この喫茶店カオス状態でしょうなあ。
純や和も忘れずに、話に組み込めるように努力しますわ。
あ、報告。
ようやく、けいおんhighscoolとcollege見ました。
どうしよう。
そもそも、その話に行くまでにとてつもなく先は長いけど。
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