バカテス11巻の特装版のドラマCD聴きましたか?
突然、こんなこと言うのは、
その内容が原作3.5巻のバイトの話だったからですよ!!
まあ、今話がその話だからその件を持ってきました。
結構話かわってますけどね。
では、どうぞ!!
オレ、本田竜也は非常に困っていた。
バイト先である「ラ・ペディス」がつぶれそうなのだ。何でこうなったのか。
「ええっ!? 無期限閉店!?」
「すまないが、バイトの子たちは ー 」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」
とある日普通にバイトしていて、営業時間が終わった後、店長と2人きりになったときのことだった。
「妻と娘が逃げたんだよ」
「知ってるけど ー 」
「わたしは探しに行く」
「この店はどうなる!?」
自分でもバカな質問をしたと思った。そりゃあさっき、無期限閉店と言ったんだから開くわけがない。
「それなら、店長が帰ってくるまでオレが何とかする!」
「本当かい?」
「ここで働き出して1年弱。ここのノウハウは全てたたきこんでるつもりだから」
「お客様たちにも迷惑かけるかもしれないから本当は閉めたくなかったんだけどね……君がそうしてくれるというのなら、頼んでもいいかね」
奥さんと娘さんに逃げられて精神はどこにあるんだろうという感じの店長だが……
「しかし、他のバイトの子たちには全て話を通してしまったから、従業員は君1人だよ」
「緊急で、バイト募集して何とかするさ」
「頼もしいね」
「店長には日頃お世話になってる。このくらい当たり前」
店長は、簡単に荷物をまとめて、店内を飛び出していった。
さて、今までは入荷やら何まで店長が仕切っていたが、あれをオレがするとは大変だな。
「明日は土日。お客さんも結構来る。今からバイト募集したって間に合わない」
となると、知り合いにバイトを2日間バイトを要請するしかない。
「ってことは……」
オレは携帯を取り出し、明久と雄二と康太と秀吉に連絡を取る。今時便利だよな。1人1人に連絡しなくても、SNSでグループ作って、そこにメモっときゃみんな見れるんだから。
オレは、バイトの手伝いをして欲しい旨を書いた。すると、数分後にはみんなからの返信が。全員OKとのことだ。4人か……後1人欲しいかな。誰にしよう。ヒロは部活だろうし。となるとオレが心当たりがあるのは。
「どうしたの竜也君?」
憂ちゃんだ。先日の映画の時にアドレス交換をしていたんだった。ヒロだけ2人とも知っていて、オレが知らないのは気に食わなかったからな。憂ちゃんと梓ちゃんの分ゲットしていたんだ。
「あ、憂ちゃん? 今ちょっと話いい?」
「うん、いいけど」
「頼みごとがあるんだ」
「何?」
オレは意味もなく咳をして次の言葉を述べた。
「バイトを手伝って欲しいんだ」
「急にどうしたの?」
「実は ー 」
事情を説明すると、憂ちゃんは快く了承してくれた。
「そういうことだったら、手伝うよ!」
「ありがとう憂ちゃん! 場所分かるよね?」
「うん。あの店でしょ」
「そうだよ。じゃあ朝9:00に来てくれる? 待ってるよ」
憂ちゃんが助っ人で入ってくれるのは心強い。男ばかりだと……ねえ。
「やつらにも9:00に来いって言っとかなきゃ」
明久に関しては寝坊するかもしれないから怖いが……信じるしかない。
よしっ。店長が居ない今、この店をつぶしてはならない。オレ頑張るぞ!オー!
~次の日~
オレは朝早く来て、材料の入荷などをしていた。そうこうしていたら、あっという間に9:00前になっていた。
「はい、もしもし」
電話が鳴っていたのに気づかず、出るのが遅れたが相手は切らずに待っていてくれた。
「あ、竜也君? もう店の前着いたけど」
「ホント? でも、そこは開かないから、裏に回ってくれる?」
「分かった」
1分くらいすると、裏から入ってきた。私服姿の憂ちゃんだ。制服のときとまた違った感じでいいな~
「おはよう、竜也君」
「おはよう憂ちゃん、今日はよろしくね」
「こちらこそ。2人でするの?」
「いや、一応後4人は呼んでいるんだけど」
時間ギリギリに来るようなやつらだからな~
「ほら、電話かかってきた」
8:59に雄二から電話がかかってきた。やつらの人生ギリギリで生きてるな。
「何処から入ればいい?」
「裏に回ってくれ」
「了解」
店の場所はあらかじめメールで伝えておいた。9:00ジャストに4人揃って現れた。
「明久、眠そうだな」
「うん……雄二に起こされた」
それまで寝ていたのかよ。のんきなものだ。ただ、勤務中に寝てもらっちゃこまるからしっかりして欲しい。
「む? 憂ではないか」
「あ、秀吉君。おはよう」
「おはようなのじゃ。そなたも竜也の手伝いに?」
「うん。人手が足りないからって」
「そうじゃったか。そなたがいると安心じゃ」
秀吉は中学から一緒だって言ってたな。そんなに料理に関して安心できるんだ。
「あ、一騎討ちのときに家庭科で須川君を瞬殺した人だ」
「ど、どうも……」
「明久言葉を選べ」
「あ、ゴメンゴメン……」
デリカシーというものがないのか。
「んじゃ、早速着替えてもらおう。そこに制服が5着あるはずだ」
「確かに」
「そこのウエイトレスの格好のが、憂ちゃんと秀吉」
「待つのじゃ」
「そして、男物の左から雄二・明久・康太だ」
『待った!』
「ワシはスルーかの?」
何か問題でも?
「何か問題でもみたいな顔してるが」
「サイズがどうみてもおかしいだろう」
「ボケたんだよ。雄二がSで明久がM、康太がエロ ー Lだって」
「何て的確なボケを!」
「ワシのに関してはボケを説明してくれぬのか?」
秀吉。ねえ……男だけど、女物の方が似合うだろうし。
「仕方ない。男物がある」
「初めからそうしておれ」
「へいへい」
「大変だね秀吉君」
「うむ」
オレは予備のウエイターの衣装を持ってきた。サイズは秀吉にぴったりだった。
「よし。これで文句ないな」
「ちょっと待ってくれ」
「何だ?」
「さっきから、店長の姿が見えない上に、お前が仕切っているのはどういうことだ?」
そっか。こいつらには事情説明してなかったな。説明するのだるいなあ。
「実は ー らしい」
『そんなことが』
憂ちゃんが代わりに話してくれた。わざわざありがとうね……
「ってことだから、さっさと着替えて来い」
「何処で?」
「更衣室」
オレもまだ着替えてなかったので、一緒になって着替えることになった。
「わたしはここでいいのかな?」
「うん。1人でゴメンけど」
もともとラ・ペディスには女性が多く働いていたので、女子更衣室は広い。その中に1人って孤独感を感じるかもしれない。それに対して男子更衣室は狭い。中には2人ずつしか入れない。
「じゃ、先に着替えてくるね」
「………俺も行く」
「そうか。さっさと着替えろよ」
オレは時間節約のためドアの前で着替え始める。
「お前何処で着替えてるんだよ……」
「別にいいだろ。男子なんだからよ」
「そういう問題か」
「ほれ着替え終わった」
「着慣れてるな」
そりゃそうだ。ほぼ毎日バイトしてるんだから、すぐに着替えるコツくらい分かってる。
「オレは店内で待ってるから」
「ああ」
雄二たちに伝えた後、憂ちゃんにもドア越しで話して店内で待っていた。
先に来たのは、憂ちゃんだった。
「お待たせ~」
「いやいや ー 」
オレはその後の言葉をなんとしても紡ぎ出せなかった。絶句したとか言うのか、あっけに取られたというのか……両方とも悪い意味で使いそうなんだが、とにかく可愛いの一言。本当に。
「似合いすぎている!」
「そ、そうかな? 竜也君も似合ってると思うよ」
「ありがとう。まあ第二の制服だからね」
思わず見とれてしまう。ウエイトレス姿の憂ちゃん。今後コレを見る機会なんて訪れないだろう。カメラを持ってこなかったのは何てミスをしてるんだオレは。
ほどなくして、雄二たちが現れた。
「しっかし、こんなの似合っているのかね」
「雄二はいいと思うよ」
「………お似合い」
「みな似合ってると思うぞ」
4人揃ってウエイターの格好で現れた。もともとが4人ともいいから、なかなか様になっている。
「たつ ー ……」
「どうした明久?」
「………(ガチャガチャ)」
「ムッツリーニよ、勝手に写真を撮るのは良くないと思うぞい」
どうやら、明久と康太は憂ちゃんに見とれてしまったらしい。
「可愛い……」
「あ、ありがと」
「島田たちにチクろうかな」
「いいじゃないか。本能的に思ってしまったんだから」
「………(コクコク)」
雄二がなんとも思っていないのはタイプではないとかなのか。秀吉は分かるけど。
「よしっ。いよいよ仕事内容の説明をするか」
「大きく分けてホールと厨房か?」
「そうだが、役割分担をしておきたいが……」
憂ちゃんは厨房確定として、問題は雄二と康太だ。接客なんて出来そうにない。
『待たせたな!』
雄二に接客させると、お客さんに対して失礼な態度をとる気がする。
『………いちごパフェ』
そもそも康太だとお客さんとのコミュニケーションが出来ない。
ってことは、2人とも厨房か。厨房って言っても、ドリンク注いだり、盛り付けしたりとかさまざまな仕事があるからいいか。
「憂ちゃん、全部のメニュー覚えられないよね」
「ちょっと厳しいかな……」
「オレが厨房に入らなくちゃいけないのは決まってるんだよな」
「わたしが接客しようか?」
憂ちゃんが予想外の提案。別に憂ちゃんに料理作らせなくても良いのか。こんなに可愛いんだから、ウエイトレスとして活躍してもらった方がいいかも。
「そうだね。じゃ、憂ちゃんと秀吉と明久でホール(接客)、オレと雄二と康太が厨房だな」
『分かった!』
「接客に関しては、普通にすればいいよ。秀吉、演技でしたことあるだろう?」
「多少はの。少し練習しておくかの」
ホールの方は、多分大丈夫だろう。憂ちゃんも秀吉もいるし。明久は心配だけど。
「さて、厨房だが」
「いきなりここのメニューは作れないぞ」
「オレが全部作る。ドリンク担当と俺のパシリ担当が1人ずつだな」
パシリってのは、材料を取ってもらったり盛り付けをしてもらったりとか。結局、ドリンクを雄二が、パシリを康太が担当することになった。開店まで残り30分、一通りの流れを確認しておく。
10:00となっていよいよ開店。流石にすぐにはお客さんは来なかったけど、昼に近くなるにつれてどんどん増えてきた。そんな忙しい時間に、秀吉が困った顔で厨房に現れた。
「どうした秀吉?」
「替えの制服はあるかの?」
「何だその汚れは?」
ウエイターの格好の上半身にコーヒーの跡が。
「明久とぶつかってしもうての……」
「着替えはあるが……」
「どうしたのじゃ?」
「ウエイトレスの格好しかないからよろしく」
秀吉は珍しく表情を大きく変えたが、その後すぐに元に戻り着替えに行った。
「秀吉のウエイトレス姿。それもなかなかいいじゃないか」
気を取り直して料理を作り始めた。
「ナポリタン1つ、ぺペロンチーノ1つ、カレー1つです」
「は~い……憂ちゃん、ホールどんな感じ?」
注文をとってきた憂ちゃんに問うた。
「お昼時だからどんどんお客さんが増えてるね。もうすぐ満席かな」
「そう。やっぱ、作る人の人手が足りないわ」
「手伝おうか?」
「ホール大丈夫なの?」
手伝って欲しいのは山々なんだけど、ホールが手薄にならないかな。
「秀吉君に任せれば。多分対処できるだろうし」
「それじゃあ、よろしく頼む」
「竜也、今からホールに戻るのじゃ」
ウエイトレス格好になった秀吉が戻ってきた。
「あ、いいタイミング。憂ちゃん厨房で手伝ってもらうから、ホールは2人で頼んだ」
「分かったのじゃ。明久にも言うておく」
「おう」
憂ちゃんが厨房に入ってくれたおかげで回転が速くなった。その分、明久と秀吉は大変だろうが。お昼時を過ぎると、徐々にお客さんの入りも減ってきた。
「疲れた~」
「交代でお昼ご飯を食べてくれ。オレが作る」
「マジか! 竜也の手作りか」
「………楽しみ」
この店は大体、昼時と3時前後(おやつ)にピークを迎える。ちょうどその間の空白時間に自分達の昼食をとるのだ。3:00も過ぎたあたりで、再び客の入りが多くなってきた。昼時と違って、デザート中心だからそんなに作るほうも大変じゃない。どちらかというと盛り付けが大変だ。ということで、憂ちゃんには再びホールに回ってもらうことにした。
こんな話の中途半端なところで切るのは初めてでは……?
バイトの話を書いたところ通常の2倍くらいの分量になりましたので分割しました。
残りは明日に♪
竜也……最初の設定では、結構チャラチャラ風としていたはずなのになあ。
難しいものですチャラチャラは。
憂のウエイトレス格好ってどんな感じなんでしょうね。
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