いつもと同じ朝が来た。
…まぁ、雨が降ってはいるが…。
エイシスはこの日も、修練場へと向かって行った。
森の中には、時折魔物が出てくる事がある。
大概それはスライムで、村人を見れば逃げていくのだが…。
傷ついた魔物も出てくる事もあるが、村人達は素知らぬ顔をして、村へと帰るのだ。
――修練場へと着いた。
そこには、先客がいて……
??「やっぱり来たな。」
エイシスを苦笑しながら受け入れた。
エイ「父さん、また魔法の練習?」
??「ああ。…お前は?」
エイ「武器の練習。」
…若干親子らしくないセリフが飛び交っていたが……まぁ、仕方ない;
二人は、魔法を放ったりしながら、会話をしていた。
??「最近はどうだ?」
エイ「棍が一番使いやすいかも…」
??「そうか…剣はどうだ?」
エイ「剣は…二本あれば丁度良いかな……父さんの調子は?」
??「良いさ。良過ぎて楽しいくらいだな……エイシスは魔法は使わないのか?」
エイ「ん~……明日!」
その二人の会話も、珍入者によって、終わる事になるのだが…。
??「!エイシス…気付いたか?」
エイ「…うん。何かいるんでしょ?」
親子は、ユックリと構えた。
草むらが揺れる。
そして、出てきたのは……
エイ「…………何、この魔物…?」
魔物だった。
だが、見た事のない種類だ。
??「フム……メタル系……の様だな…」
エイ「はぐれメタルそっくりだけど……なんか違う様な…」
はぐれメタルそっくりの魔物。
違うのは“青と緑の冠を被っていた事”だけだ。
??「に、ニンゲンだ!!」
…その魔物は口をきけるようだ。
エイ「うん。人間だよ。……でも君を傷付けるつもりはないよ。」
エイシスは優しく言った。
??「良かった…;」
魔物は安心した様な声を発した。
エイ「父さん、迷子かな?」
??「だとしたら危ないな…」
??「あ、お構いなく!僕は隠れて過ごすので!」
エイ「……;(大丈夫かな?)」
??「………(大丈夫なんじゃないか?)」
三人でしばらく話をした後、別れて帰って行った。
エイ「父さん、不思議だったね…」
??「ああ…。」
二人は笑いながら帰って行った。
??「あの黒髪の子………やっぱり…」
銀の魔物は、少し疑問を抱きつつ木蔭へと入って行った。
エイ「ただいま、母さん!」
エイシスは元気よく家に入って行った。
母「あらあら…あら、マスターさんも一緒に!」
母さんは、父さん…マスターに笑顔を向けた。
マス「ああ、たまたま会ってな。」
マスターは笑いながら言う。
エイ「今日は何?」
母「今日は私特製のシチューよ!」
マス「おお、母さんのシチューは美味いからな…」
こうして…不思議な出会いがあった夜は更けていく。
今回出た魔物、分かる人は分かると思います;;