バカと冬木市と召喚戦争   作:亜莉守

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後141時間

―――第五幕より一週間後


第六幕

 

学校と外出から帰ろうとしたところで一時的に家に呼び出されたぼくは義理の父の親父こと言峰綺礼の言葉に驚いた。

 

「………はい?!」

 

何言いだしたのこの人?!

 

「だから、先ほども言った通りだ。とある魔術師に令呪が出現、聖堂教会が回収、我々の管理下に置けとの指示だ。私にはアサシンの令呪があるため管理ができない。そこで候補に挙がったのがお前だ」

「いやいやいや、カレン姉さんに回せばいいでしょ?」

 

義理の姉であるカレン姉さんの方がこういったことには強い。まずぼくに白羽の矢を立てる時点で色々と間違っている気がする。

 

「見習いとはいえお前も魔術師だ。代行者であるカレンよりも適性があると判断された」

「はぁぁぁ、他の候補は?」

 

どうせ、いないんでしょうね。聖堂教会は一応魔術師とは敵対している立ち位置にあるし魔術的才能のある人間なんてほとんどいないんだろうけど。

 

「特には上がっていないな」

「そうですかい、じゃあ条件一つ。この仕事を引き受ける代わりに普段の仕事は休ませてもらうよ。あー、それから偶然呼び出したらすみませんでしたってことで」

 

これくらいの報酬は本気でほしい。最近只ですら忙しいんだし。

 

「ふむ、お前が居なくなると作業効率が著しく下がるのだがな」

「愉悦を求めにどこかのスナイパーさんと当主様をストーキングするのを止めればいいかと、いいじゃないですかたまには縛りプレイってことで、では失礼します」

 

とりあえず令呪を受けとり、ぼくは部屋を後にした。

 

                    ☆

 

「はぁぁぁ、何で引き受けたんだろう……めんどい」

「おや、明乃さんどうかされたんですか?」

 

あれ、今日は小さい方のギル様なんだ。

我が家の居候ことウルクのギルガメッシュは何故か年齢を変えることができる。個人的にはこっちのギル様の方がとっつきやすくてありがたいんだよね。

 

「あー、ギル様 人生ってままならないですね」

「おや、珍しいですね。貴女が弱音を吐くなんて」

「色々あったんですよ。それでは失礼しますね」

 

情報収集のためにも出かけることにしよう。

 

                    ☆

 

教会の建物から出てみたら、親父のサーヴァントであるアサシンさんが庭仕事をしていた。

 

「アサシンさん今日もお疲れ様」

「明乃様、お疲れ様です」

「明乃殿はどちらへ?」

「まあ、とりあえずちょっと出かけてきます」

「「行ってらっしゃいませ」」

 

我が家の癒しってこの人たちとお爺さんだけなきがする。

 

                    ☆

 

とりあえず、間桐家に行ってみる。御三家の一角だし、令呪のシステムの担当だったらしいから多分何かわかるはず。

 

「……ってわけなんですけど、これ召喚した方がいいですかね」

「うーん、一概には言えないかな。戦争に参加する気がないならしない方が無難だね」

 

間桐雁夜さんは現在の当主、先代の当主がとてつもない外道だったらしい。その外道を蹴落として当主の座に就いたそうだ。

 

「参加じゃなくって、これを安全に管理したいんですけど」

「ごめんね、話がそれてた」

 

申し訳なさそうにしてる雁夜さんをしり目にしれっと言ってみる。

 

「一方で自分が召喚したらどんな英霊来るのかなって気になってるんですけど」

「一番ずれてるよね?! とりあえずウチの書斎確かめてみるよ。今日はもう帰って」

「はーい」

 

さて、もう帰ろうか

 

                    ☆

 

普通に帰るつもりではあったんだよ。まさかこんなことになるとは

 

「何でこんな状況になるのかな……もう面倒なんだけど」

 

一面に広がる黒、黒、黒、染みのような生き物たち、聖杯が汚染されている影響で生まれてきた新種の化け物たちだ。この辺には出ること無いって高をくくっていたのがまずかったらしい。

 

「っ」

 

手持ちの黒鍵がきれてしまった。それでも迫ってくる黒い化け物たち、打つ手はないかなと思い始めたその時、渡されていた令呪が光った。目の前に謎の魔法陣が広がる。ぼく書いたっけ?

 

「え?」

「よっ、あんたが俺のマスターか?」

 

青髪のオールバック、長い後ろ髪を一本に結んだ赤目のぼくよりも何歳か年上そうな男の人が出てきた。それを見て一番に感じたことは………

 

「………2Pカラー?」

「?!」

 

だって悠里になんか似てるんだもん

 





ランサー召喚
ランサーのデフォメ見るとたまに雄二に見える気がするんだ。


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