バカと冬木市と召喚戦争   作:亜莉守

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清涼祭編
第一問


 

桜色の花びらが坂道から徐々に姿を消し、代わりに新緑が芽吹き始めたこの季節。

僕らの通う文月学園では、新学年最初の行事である『清涼祭』の準備が始まった。

お化け屋敷の為に教室の改造を始めるクラス。焼そばの為に調理器具を手配するクラス。『試験召喚システム』について提示を行うクラス。学園祭準備の為のLHRの時間は、どの教室を見ても活気が溢れている。

そして、我らがFクラスはというと──

 

「いくぞ、近藤っ!」

「勝負だ!」

 

校庭で野球をして遊んでいた。それを教室から眺めながら一言、

 

「真面目に会議しようって気ないのかな? せっかくここまで良い設備なんだし」

 

Aクラスに勝利をおさめた僕らFクラスは設備の交換を実行した。ちなみにだけど元Fクラスの教室は完全に改修したらしい、それから今回の騒動で色々と確認してみたら教頭の周囲がキナ臭かったらしく、洗ってみたら色々と酷いことになっていて、結局教頭がクビになったそうだ。まあ、あんまり僕たちには関係は無いけど。

 

「はぁ、バカは放っておいて勝手に会議始めるわよ」

「そうしようか」

 

会議は粛々と進んでいく。基本的にふざける人は全員外に行ってるしね。

秀吉から劇という意見が出て、夢路さんから喫茶店という意見が出た。黒板に並べて書いてから悠里さんと姉さんが悩みだす。

 

「ふむ、喫茶店か……何か付加価値つけないと売れないわよコレ」

「だよね。演劇は正直無理だし」

「なぜじゃ?!」

 

秀吉からツッコミが入った。でもさ、

 

「秀吉はともかく、他は演劇慣れしてる人なんて居ないんじゃない?」

「むっ」

 

多分居ないと思うんだけど。後ろで話を聞いてた日暮さんが僕の肩を叩く。

 

「ところでだけどさ」

「どうかしたの日暮さん」

 

日暮さんの方を向いて聞いた。何か割と真面目な表情だけどどうしたんだろう?

 

「あいつら帰ってくるまでに決めていいのか?」

「いいのよ、やる気のない馬鹿は放って置けば」

 

悠里さんがばっさり切り捨てた。うん、正直参加する気がない人は参加させない方がいいかも?

 

「だったとしても多数決とかどうするんだ?」

「大丈夫だよ。日暮さん たぶんもうそろそろ帰ってくるし」

 

たぶんもうそろそろ西村先生に連れ戻されるだろう。

 

「他に意見はない?あ」

 

悠里さんが他の意見を出させようとしたら近藤君達がゾロゾロと帰ってきた。

野球は終わったのかな?

 

「思いの外早かったわね。どっちが勝ったの?」

「いや、途中で鉄人が来て。中止になって帰ってきた」

「そう」

 

全員が座ったのを見て、悠里さんが再度呼びかけた。

 

「まだ意見がある奴は居る?」

 

意外なところから手が上がった。帰ってきた須川君だ。

 

「須川」

「和風喫茶も良いが、ここは味勝負で中華喫茶はどうだ? 本格的なウーロン茶や簡単な飲茶を出したりするんだ」

「ふーん、アンタからそんな意見が出るとは思わなかったわ」

 

黒板へさらに意見が増えていく

 

・喫茶店

 中華喫茶

・劇

 

「他に意見は?」

 

南が手を挙げた。

 

「島田」

「せっかくここまできれいなんだし洋風の喫茶店にした方がいいんじゃないか?」

「なるほどね」

 

・喫茶店

 和風喫茶

 カフェスタイル

・劇

 

「他ある?」

「どう、はかどっている?」

 

書き足された後に、悠里さんがみんなに聞いているとがそこに西村先生が入ってきた。

 

「今、意見を集めているところです」

「ふむふむ・・・・結構。ちゃんと進行しているようね」

 

西村先生が黒板に書かれている内容を見て、納得した表情になる。

 

「そろそろ出す物を決めなさいよ? 後の方にも突っかかってくるからね」

「わかりました」

 

ただ様子を見に来ただけのようだ、そのまま西村先生は去っていった。

 

「じゃ、そろそろ採決にするわよ」

 

投票の結果

 

「中華喫茶に決定ね、全員協力するように」

「「「了解です。姐さん!」」」

「(何か妙なものに担ぎ上げられたわね。)じゃあ、次にホール班とキッチン班に分けるわよ。ホール班は明乃、キッチン班は須川の方に行って」

 

悠里さんの指示で僕たちは各々違う方に別れる。僕はもちろんキッチン班だ。

 

「あれ、神海さんもキッチン班? 料理できるの?」

「……たしなむ程度には」

 

へぇ、ちょっと意外だなぁ。

 

「あれぇ?私はホール班ですかぁ?」

「当然だよ、女子はただですら少ないんだよ?ホールでがんばらないと」

 

夢路さん、この物凄く男子の多い環境に置いて女子って大切だよ?

まあ、言ったところで分かってもらえないだろうけど。あ、南が迷ってる。

 

「みなみー、こっち来る?」

「あ、いいのか? 料理できるかって言われたらそれなりにしかできないし……」

「いいんじゃない? 僕だってそれなりにしかできないよ?」

「………ソウダナ」

「?」

 





お前の料理の腕はそんじょそこらじゃねーよ。多分、南の内心はそんな感じです。士郎もそんなツッコミを入れてくれるでしょう。
実力的には アーチャー>>>>>明久>>(壁)>>士郎>>>南くらいだと思う

始まりました。清涼祭編、ただひたすらに文月学園に乱入するFateキャラを書くだけの簡単な作業………なるのか?

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