点数補給のテストを終えた二日目の朝。悠里がみんなを集めた。
「まずは皆に礼を言うわ。周りの連中には不可能だと言われていたにも関わらずここまで来れたのは、他でもない皆の協力があってのこと、感謝しているわ」
「あれ、
「そうかもね。自分でもそう思うわ。でも、これは偽らざるあたしの気持ちなの」
確かにFクラスがここまでくるとは誰も予想してなかったろうけどさ。てか、これって死亡フラグじゃないの?
「ここまで来た以上、絶対にAクラスにも勝ちたい。勝って、生き残るには勉強すればいいってもんじゃないという現実を、教師どもに突きつけるのよ!」
「おおーっ!」
「そうだーっ!」
「勉強だけじゃねぇんだーっ!」
「皆ありがとう。そして残るAクラス戦だけど、これは一騎打ちで決着をつけたいと考えているの」
事前に聞いていたメンバー以外はかなり驚いたらしく、教室にざわめきが広がった。
「どういうことだ?」
「誰と誰が一騎打ちをするんだ?」
「それで本当に勝てるのか?」
「落ち着いてちょうだい。それを今から説明するわ」
悠里が机をバンバンと叩いて皆を静まらせる。静まりきったところで悠里は口を開いた。
「やるのは当然、あたしと翔子よ」
クラス間の戦争を代理で行うんだから当然だけど……
「実力的に大丈夫なの?」
「あたしを舐めないでちょうだい」
悠里はいつものように笑う。でも、その笑いは何処か無茶をしているような気がした。
「まぁ、明乃の言うとおり翔子は強いわ。まともにやりあえば勝ち目はないかもしれない。でもね、それはDクラス戦もBクラス戦も同じだったでしょう?まともにやりあえばあたし達に勝ち目はなかった」
確かにそうだ。しかし現にぼく達はこうして勝ち進んできている。
「今回だって同じ。あたしは翔子に勝って、FクラスはAクラスを手に入れる。あたし達の勝ちは揺るがない」
悠里の無理なことに思える話を否定するヤツはもうこのクラスには居ない。だって悠里はその不可能を全て可能にしたんだから。
「あたしを信じて任せてちょうだい。過去に神童とまで言われた力を、今皆に見せてやるわ」
『おおぉーーーっ!!』
確認するまでもない。ぼくを含めた全員が悠里を信じている。
「さて、実は宣戦布告と交渉終わらせてあるのよね」
何時の間に?! いや、早すぎでしょ?!
「おかげで一騎打ちが団体戦になってしまったの。そういうわけだから頼んだわよ。みんな」
……マジですか。悠里ってたまに天然だよね……わけわかんなくなるくらい。さっきまで一騎打ちって言ってたのに急に団体戦になるし。
☆
そんなこんなで解散となって、明日は一応登校するけど何とはなしに帰りたくなって家へと帰ってきた。ちなみに姉さんはしばらく前から教会の方へ戻っている。
「へぇ、一週間でそんなことがあったんだ」
「うん、今更思い出したけど新学期が始まってまだ一週間なんだよね」
もう何か二週間以上たっている気がしていたよ。こう、なんていうか凄く濃い時間を過ごした気がする。
「兄さんの学校って結構ハードなんだな」
うん、毎日疲労感は半端ないよ。特に普通の日、FFF団とかいう変な組織があるし。
「面白そうよね」
「召喚獣、一度でいいから見てみたいわ」
「シロウ、おかわりはありますか?」
あれ? そう言いながらお茶碗向けてるのアーチャーなんだけど。
「なぜ彼の名前を呼びながら私に茶碗を差し出すのかね。ほら、大盛りにしたぞ」
アーチャーも満更でもない顔してる?!
「ありがとうございます」
我が家は平穏でありがたいなぁ。うん、ウチの学校が無駄に濃いだけなんだろうけどね。
☆
夕食も終わって自室で一息ついたぼくは明日の試召戦争について頭をめぐらしていた。
「うーん、どうもぼくは一対一が苦手なんだよねー」
「どうした、嬢ちゃん」
霊体化していたランサーさんが表に出てきた。
「はぁ、明日の試召戦争が団体対抗戦になってさ。どうも一対一って性に合わないんだ」
正直、一対大勢で不意打ちする方が得意なんだけどなぁ。
「ふぅん、まあ頑張れよ」
「うわっ」
がしがしと頭を撫でられた。まあ、うれしかったのも事実なわけですが。
「うん、まあ頑張るか」
明日はいよいよ正念場だ。
軽い気持ちでアンケート、閑話休題編
・どきどきデート大作戦((多分)メイン 士郎と海人) 二票
・ブロッサム先生パロ (メイン アーチャー以下サーヴァント)
・トラぶる超時空パロ (メイン 衛宮家と言峰家)
・他アイデアあったらご自由に
ついでに好きな数字を選んでください
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