魔法少女リリカルなのは~俺は転生者じゃねえ!~   作:サッカー好き

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そろそろ辛くなってきた。(ネタ切れ)

でも、頑張ろうと思います!


第7話『主人公は無邪気』

「あー、疲れたー・・・」

 

時間は夕方17時頃。

俺、騎士(ナイト)は、珍しく1人で帰宅していた。

 

「まさか宿題が今日までだったなんて忘れてたぜ・・・」

 

そのせいで先生に怒られて、宿題が終わるまで帰らせてもらえなかった。

アリサやすずかは、バイオリンの稽古で先に帰った。まあ、なくても先に帰ってもらうように言ってたけどね。

 

「今日はサッカーの練習がなくて良かった。次からはマジで気を付けなければ・・・ん?」

 

なんか蒼い光が俺の視界に入った。見回してみると道路脇の花壇からだ。

 

「なんだろう・・・これかな?」

 

俺はその花壇に光る何かを確認してみると蒼いひし形をした石だった。

すっげえ綺麗だな・・・。これ、石は石でも宝石なんじゃね?

 

「それを渡して下さい」

「うおっ!?」

 

いきなり声をかけられたから、びっくりして変な声を出してしまった。

石に夢中で気付かなかったようで、目の前にはアリサみたいに金髪で、高町のように二つに結んだ女の子がいた。

そして、手には・・・なんだろ?

 

「あの・・・聞いてますか?」

「ん?ああ、ごめん!その黒くて格好いいのは何かと思ってさ!」

 

少し戸惑う表情をする女の子にそう答えた。

でも、まじでなんだろ、あれ?最近発売された玩具かな?

 

「これは私のデバイスです。それよりもその石を渡してください」

 

デバイス?帰ったら母さんに聞いてみよう。

というか、女の子はどうやらこの石が目的みたいだ。

 

「この石はあんたのなの?」

「・・・その石が必要なんです」

「ふーん・・・」

 

怪しい。

でも、この女の子はアリサと違って素直な子だ。表情が少し曇ってるし、嘘がつけないタイプ。

アリサだったら「そうよ!だから、早く渡しなさい!」とか平気な顔で言いそうだし。

 

「それじゃあ、俺のお願いを聞いてくれたら良いぜ!」

「・・・なにをお願いするの?」

 

女の子は恐る恐るそう聞いてくる。俺は少しホッとした。

もし、あのデバイス?とかいうので殴りかかれたらどうしようかと思ったよ。

玩具とはいえ、鋭い部分があるから痛いだろうし

 

「そのデバイスって奴を触らせてくれよ!」

「え?バルディッシュを?」

「なあ、頼むよ!そんな格好いい玩具初めて見たんだ!」

「バルディッシュは玩具じゃないんだけど・・・」

「そこをなんとか!」

 

俺は両手を合わせて拝むように頼み込む。女の子は少し考え込むとある質問をしてきた。

 

「・・・君は魔導士って知ってる?」

「マドウシ?」

 

牛の仲間か?

 

「・・・魔導士を知らない?それじゃあ、この子は現地一般人?こんなありえない魔力を持った子が?」

「???」

 

何をぶつぶつ独り言をしているのだろう?

 

「・・・分かった。でも、場所を変えても良い?出来れば多くの人には見られたくないから」

「ん?別に良いけどどこまで行くんだ?遠くだと帰りが遅くなって母さんに怒られちまう」

「・・・海のある公園に行こう」

「おっ!近いや!良いぜ!」

 

俺は女の子と一緒に海鳴水上公園に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着いたな!」

「うん・・・」

 

私、フェイト・テスタロッサは現地一般人の男の子と海が見える公園に来ていた。

なぜならば、男の子が拾ったジュエルシードを渡してもらう為。

 

正直、私はこの男の子を敵だと思っていた。

先日、ジュエルシードが原因で巨大化した猫を封印した時、凄く強大な魔力を感じていた。

白い魔導士の女の子やオレンジ色の道着をした男の子と戦っている時、いつその強大な魔力を持った人がこっちに来るのか気が気でなかった。

 

結局は来なかったけど、その正体が目の前にいる男の子。

まさか魔法を知らない男の子とは思わなかった。

容姿は銀髪でオッドアイの男の子。只者ではないと思ってしまう。

だから、バルディッシュを起動させて威嚇した私は悪くない。

 

・・・でも、結局は逆効果で男の子に興味を持たれてしまって、バルディッシュを触らせるのを条件にジュエルシードを渡してくれる約束となった。

 

それで済むのならと思って了承したけど、1つ疑問に思った。

 

あれ程、強大な魔力に当てられている筈なのにジュエルシードが発動しない。

 

あれは、魔力を持とうが持たなかろうがちょっとした事で発動してしまう危険なもの。それがどうしてか発動しない。

 

私には理解できないが都合がいい。だから、早く約束を果たしてしまおう。

 

「んじゃ、はい」

「え?あっ・・・」

 

私がバルディッシュを渡そうと思ったら、男の子が先にジュエルシードを渡してくれる。

 

「あ、ありがとう・・・」

「おう!それじゃあ、デバイス?って奴触らせて!」

 

キラキラと年相応にバルディッシュを見る男の子。

正直、このまま逃げる事も出来たけど気が引けてしまう。なんか変に警戒していたのが馬鹿馬鹿しく感じてしまうくらい男の子は純粋に私を見ている。

 

「はい」

「おおっ!サンキュー!」

 

男の子は嬉しそうにバルディッシュを受け取るとお礼を言って観察を始めた。私が初めてバルディッシュに触れた時もあんな感じだったのかな?

そんな事を思っていると男の子は、嬉しそうな表情が一転し、不満げな表情になる。

 

「どうしたの?」

「いや、さっきみたいに黄色いのが、ぶわっ!ってなってないんだよ」

 

男の子が言っているのは魔力刃の事だろう。あれは、魔力で生成されてるけど使用登録者である私が許可しない限り出力はできない。

 

魔力を持っていても男の子は一般人。説明しても分からないし、理解してもらえないだろう。

だから、私は返してもらうように声をかけようとする。

 

「あっ、出た!」

「えっ!?」

 

私は声を出して驚いてしまう。

男の子は、感動した表情で出ない筈の魔力刃を出して喜んでいる。

 

「でも、黄色くないな・・・。真っ白だ。なんで?」

「さ、さあ?」

 

本当に何でだろう?

いや、白いのは恐らく男の子の魔力光が白だからだろう。

私が疑問に思ってるのは、なんで許可を出してないバルディッシュから魔力刃を出せたかである。

 

「よっ!ほっ!はっ!」

 

バルディッシュの今の形態はサイスフォーム。それを自在に操って男の子はバルディッシュを振り回している。

しかも、魔力刃を大きくしたり小さくしたりと自由自在に出力をしている。

 

「ま、まさか・・・」

 

もしかして、私はとんでもない失態を犯してしまったのではないだろうか?

 

男の子は、本当は魔導士で、白い魔導士の女の子の協力者。

ジュエルシードを狙う私の事もその子から聞いていて、顔を知らない私に近づく為に一般人を装い、私を油断させる為にジュエルシードを渡して、私を無力化させる為にバルディッシュを取り上げたのではないか?

 

もしそうならば、私は完璧に男の子の思惑通りになってしまった。

バルディッシュがない私に魔導士の男の子は倒せない。今すぐ、使い魔のアルフを呼んでもかけ着く前に私は捕らえられるだろう。

 

「ふう・・・なあ?」

「っ!?」

 

男の子に声をかけられて私は一歩後退る。

怖い。さっきまで無害だと思ってた溢れ出すほどの魔力を持つ男の子が敵になったのだ。

 

「母さん、ごめんなさい・・・」

 

私は海の波で掻き消されてしまう程小さな声でそう呟いた。

そして、男の子は私の手を掴んでこう言った。

 

「すーーーげえ、楽しかった!ありがとな!」

「・・・え?」

「これどこのおもちゃ屋さんで売ってんだ?教えてくれよ!」

 

男の子は笑顔で私にそう質問してくる。もちろん、私の手にバルディッシュを置きながらだ。

 

「えっと、その・・・」

「あっ、もしかして親にプレゼントされたものだから分からないか?」

「あの・・・」

 

も、もしかして私の勘違い?深読みしすぎちゃったの?

 

「それじゃあ、お前のお母さんに聞いてみてくれよ!それで今度俺に教えて!」

「う、うん・・・」

「よっし!・・・って、どうした?まるで、獰猛な肉食動物と出くわしたけど、何もされずに目の前を素通りされて安心した草食動物みたいな顔をしてるけど?」

「な、なんでもないよ・・・。ははは」

 

私は「まさにその通りです」とは言えず、安心しすぎて膝を地面につけ、笑う事しか出来ないのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・落ち着いた?」

「う、うん・・・」

 

いきなり膝を突いて笑い出した時はどうしたかと思ったけど、どうやら俺がデバイス?って奴を自在に振り回すのを見て驚いたらしい。

これそんなに難しいものだったのだろうか?ちょっと疲れたけど、軽く走った程度くらいなんだけど?

 

とりあえず、女の子をベンチに座らせて落ち着くまで一緒にいる。ついでに、お小遣いで買ったアイスを一緒に食べている。

 

「ご、ごめんなさい。アイスまでご馳走になっちゃって・・・」

「別に良いよ。その代わりさっきの約束忘れんなよ?ちゃんとどこでそのデバイス?を買ったのかお母さんに聞いてくれな?」

「わ、分かった・・・」

 

よし!言質は取ったぞ!

 

「って、そう言えば名前聞いてなかった。俺は橘騎士(ナイト)。好きに呼んでくれ!君は?」

「私は・・・フェイト・テスタロッサ。フェイトでいいよ」

「へー!フェイトって言うのか!もしかして外国人?」

「えっと・・・」

「それともアリサみたいにハーフか?あっ!アリサって言うのは俺の幼馴染でさ。フェイトと同じ金髪なんだよな」

「そ、そうなんだ」

 

俺はこの後結構長い時間フェイトとお話をした。まあ、俺が一方的に話していただけでもあるんだけど・・・

それでも、笑顔を見せてくれてたから少しは楽しんでくれてただろう。

 

「あ、やべえ!そろそろ帰らないと母さんに怒られちまう!」

「もう日が沈みかけてるね・・・」

 

俺とフェイトが海を見ると太陽が海に沈んでいく。

 

「フェイトも帰らないとお母さんに怒られるだろ?家まで送ってくよ」

「えっ!?私は大丈夫だよ!騎士(ナイト)も早く帰らないと怒られちゃうんでしょ?」

「そうだけど、女の子を1人帰らせたらもっと怒られちまう。どこに住んでんだ?」

「えっと、ここから見えるあのマンションだけど・・・」

 

フェイトが指さすところは隣町のマンション。距離はそこまで遠くはないな

 

「よしっ!行こうぜ、フェイト!」

「あっ、うん・・・」

 

俺がベンチから立って先にマンションの方角へと歩き出す。それに付いてくるようにフェイトも歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、またな、フェイト」

「・・・うん。またね、騎士(ナイト)

 

騎士(ナイト)とマンションの玄関で別れた。私は騎士(ナイト)が見えなくなるまで手を振っていた。

久しぶりにとても楽しい時間を過ごせたと思う。

 

騎士(ナイト)の話はとても面白くて思わず笑ってしまう時もあった。

あんなに笑ったのもいつぶりだろう?彼にはとても感謝している。

 

でも、今度会ったときはデバイスがどこに売られているのか言わないといけない。

会わなければいい話だけど、私としてまた会ってお話がしたいと思った。

 

もし今度会ったら「聞いても分からなかった。ごめんなさい」と言ってみよう。騎士(ナイト)なら笑って許して、また楽しいお話をしてくれる筈だ。

 

早く母さんのお使いを済ませる為に頑張ろう。だから―――

 

「ふぇ、フェイト・・・」

「やっとおかえりだな。フェイト・テスタロッサ」

 

私がマンションの自室に入ると、私を見て不安そうな顔見せる人間形態の使い魔アルフと先日邪魔をしてきた道着の男の子がいた。

 

どうやら私の戦いは今、始まったようだ。




皆さん、お待ちかねのフェイトちゃん登場!

そして、騎士(ナイト)と出会い何事もなく安心していた所に拓真くん参上

一体、フェイトはどうなってしまうのでしょう!?


という事でまた報告会!

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感想や評価も同じ人数ってある意味凄い!

これらが私の原動力となっております。
本当にありがとうございます!

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