魔法少女リリカルなのは~俺は転生者じゃねえ!~ 作:サッカー好き
内容はよくありそうな展開・・・テンプレです!
楽しんで頂けると嬉しいです!
「ただいま・・・」
「お邪魔します」
「お邪魔しまーす」
今、俺は学校の帰り途中で喫茶店『翠屋』というところにいる。
何故かと言うならアリサとすずかに誘われたから・・・なんだが、その2人は今いない。
いるのは、俺、高町、皇の3人だ。アリサとすずかは一旦家に帰ってからくるらしい。
別に良いんだが、なる早で来てくれることを望んでいる。なぜなら高町や皇といると息苦しく感じてしまうのだ。
何故かと言うと、2人は俺をまるで腫れ物に触れるような、そんな余所余所しい扱いなんだよ。
出来ればもっとフレンドリーに接して貰いたいんだけどな~。
「あら、おかえり、なのは。隣の子達はお友達かしら?」
「う、うん。拓真くんと橘くんだよ」
出迎えてくれた高町と同じ色の髪でとても優しそうな女の人が来た。高町のお母さんか?
「・・・こんにちは、皇拓真です」
「こんちは!橘
「こんにちは。私は高町桃子。なのはの母です。拓真くんって確かなのはが良く話してくれていた―――」
「わー!わー!わー!お母さん、ストップストップ!」
高町のお母さんが喋っている途中に高町がそれを止める。一体どんな話をしていたんだ?
「うふふふ!なのはったらそんな慌てちゃって。
何がどう面白いのか気になるところ。悪い意味で無い事を祈る。
「でもまさか、なのはが2人のボーイフレンドを連れてくる日がくるなんて思いもしなかったわ。意外とやるわね」
「な、何言ってるのお母さん!?」
「そうなんですよ。俺達、高町の魅力にメロメロでどっちが付き合うか今日ここで決着つけようと思ってるんです!」
「橘くんも、何言ってるの!?」
とても楽しそうな高町のお母さんにそれと正反対に動揺しまくりの高町。
俺はそれに便乗すると高町はさらに動揺してかなり面白い反応をする。
「拓真くんと橘くんはお友達なの!それに後からアリサちゃんとすずかちゃんが来るからそういうのじゃないなの!」
「あら?そうなの?ごめんね、なのはの反応が面白いからつい・・・」
「右に同じく」
「ひ、酷いよ、2人とも!?」
高町の反応が面白いから悪い。
「それじゃあ、なのは。奥の空いてる席に座っていてね。後でジュース持っていくわ」
「う、うん。分かった。2人とも行こう?」
「ああ・・・」
「おう。それじゃあ、またね。高町のおば―――」
「『おば』?」
「・・・高町のお母様。失礼致しまする・・・」
「ええ。ゆっくりしていってね」
にこりと笑ってその場から居なくなる高町のお母さん。
今、とてつもない悪寒を感じたんだけど!?
「橘くん。お母さんにそれは禁句だよ?少し前にガラの悪い人達がお母さんに
「・・・肝に銘じておきます」
何故かあの人ならやれそうな気がしてしまうのはどうしてなのだろうか?
「さあ、行くぞ!皇拓真!」
「ああ・・・」
「あわわ、どうしてこんな事に!?」
そうだね。どうして俺達は喫茶店ではなく、道場にいるんだろうね?
そして、その中央には皇と高町の兄『高町恭也』さんが互いに木刀を持って試合を始めようとしているのだ。
何故こうなったかと言うと、3人でアリサとすずかを待っていたら高町兄がやってきて皇に言い寄ってきたんだ。
「貴様になのはは渡さんぞ!!」とか言い出した時は兎に角驚いた。
多分、高町のお母さんが言っていた奴が関わっているんだろう。高町が皇の事について本当に何を言っていたんだろう?
「なあ、皇はまだいいとして、なんで俺まで試合する流れになってんだ?」
「それは・・・その・・・自業自得じゃない?」
皇だけではなく、俺にも渡された木刀を見ながら聞くと、高町は苦笑交じりにそう言った。
「俺は皇が連れていかれる時、『それじゃあ、俺は高町と仲良く待ってるぜ!』と言ったがそれで俺まで巻き込まれるのってなんか違わない?」
「お兄ちゃん的基準だとそれはアウトだったって事なの」
なんとも低い基準だな。
そんな事を考えていると試合が始まったのか、お互い動かずじっと睨み付けている。
凄い緊張感を感じられるんだけど?
「はあああっ!」
「甘い!」
先に動き出したのは皇だった。消えたかと思ったら高町兄の真上にいて木刀を振り下げた。
しかし、高町兄は凄い超反応でそれを防ぐ。
「ちっ・・・」
「中々やるな。だが、本番はこれからだぞ!」
2人のスピードどんどん上がっていく。そしてもはや2人の姿は見えない。
「あのさ、高町。俺、お前の兄にボコボコにされる未来しか見えないんだけど?」
「・・・拓真くん、頑張れ!」
「おいコラ!無視すんな!」
やだよ俺?何も悪い事してないのに痛い目に合うのは!
「そろそろ決着をつけるぞ!神速!」
「っ!?」
もう完璧に高町兄の姿が見えない。皇は見えているのか分からないけど、木刀を構えて目を瞑っている。
え?何?心眼か何か?
「そこだ!」
「なに!?」
皇が木刀を振るうと鈍い音が響いた。その皇の木刀が高町兄を捉えたのだ。
だが、高町兄は驚きはしつつも、ちゃんと木刀で防いでいる。
だから、この無駄にハイレベルな試合はなんなんだよ!?
「こうなったら皇には、最後まで粘ってもらって俺と戦う事をうやむやにしてもらうしかない」
「この勝負、引き分けだ」
「・・・ああ」
「ええっ!?」
言った矢先に終わっちまったよ!どうして急に終わるのさ!
「さっきので両方の武器が壊れてしまった。これ以上は続行不能だ」
「そうだな・・・」
おいおい!武器が壊れてしまう程、強く打ち合ってたのかよ!
「それとも、武器を新しいのにして再試合するか?」
「いえ、変えても結果は変わらないでしょう。止めておきます」
「俺も同意見だ。それじゃあ、次は橘の番だな」
「へっ!?あっ、お腹が痛いので帰ります!」
「逃がさんぞ!」
うおっ!?いつの間にか高町兄が俺の前に周り込んで俺の退路を塞いでしまう。速すぎるだろ!
「あの・・・俺、皇みたいに妹さんとイチャイチャしてないっすよ?後、妹さんに
「橘くん、いろいろ最低なの・・・」
高町はちょっと黙ってください。男の友情は犠牲によって成り立つのだ!
「安心しろ。お前と戦う理由は
「すずか?なんで?」
「あっ、お兄ちゃんは、すずかちゃんのお姉さんとお付き合いしているのなの」
そういう事か・・・だから初対面の筈の俺を見て睨みこんでいたのか。
「俺が忍と話しているとちょくちょくお前の名前が出ていた。どのような男なのか確かめさせてもらう」
「だからって、確かめる方法が木刀を使った試合とか危険すぎるでしょ!」
「悪いが聞く耳は持たないぞ。剣士なら剣で語れ!」
「剣士じゃねえから!」
やばい。この人、人の話を聞いてくれない!
俺は助けを求めるべく、高町と皇の方へと視線を向ける。
「拓真くん、凄いなの!お兄ちゃんと互角に闘えるなんて!でも、怪我とかない?」
「ああ、大丈夫だ・・・」
なんだろう、2人だけの世界に入ってるあの空間は?
ていうか、こっちは完全に無視かよ・・・
「・・・・・・行くぞ!橘ああああああ!」
「うおっ!?」
いきなり高町兄が襲い掛かってきた。それも血の涙を流しながら。
皇と引き分けだったから強く言えないのだろうが、その怒りを俺に向けるのは違うんじゃないか!?
「ちょ、まじ、あぶな、い!?」
「うおおおおおおおおっ!」
俺は必死に高町兄の攻撃を避け続ける。いや、マジで誰か助けて!
「拓真くん!橘くんの試合始まっちゃったなの!」
「ああ、そうだな・・・」
恭也と
「でも、何だかんだ避けてるな」
「う、うん。そうだね・・・」
ギャーギャー叫びながらも
「あっ!角に追い込まれちゃった!」
「救急箱の準備しとくか」
絶体絶命の
「さあ!追い詰めたぞ!」
「くっ!」
やばい。角に追い込まれたこの状況をどう乗り切る?
「橘!逃げてばっかりで情けなく思わないのか?同い年の皇だって勇敢に立ち向かったぞ!」
「と、言われても、ですね!?」
どっちかというと皇が異常ではないか!?
「忍もお前なら、すずかを任せられると言ってたが・・・お前みたいな奴にすずかちゃんは守れない」
「・・・は?」
高町兄の言葉に俺は頭の中がモヤッとした何かが感じられた。
俺では、すずかを守れない?
その言葉に数年前にあった事件の出来事を思い出してしまう。
「取り消せよ・・・」
「なに?」
「俺がすずかを守れないなんて取り消せって言ってんだ!」
俺は木刀を強く握りしめ、そう叫んだ。
この野郎、あの時のことを思い出させやがって!絶対に許さねえ!
「あっ!?た、拓真君・・・」
「気付いたか?」
「う、うん」
なのはと拓真は試合している2人から目を放さずに会話をしている。
2人は何かに気付いたようで、
「ただ漏れだった魔力が少しだけど纏っているなの。これは身体強化?」
「ああ。しかも無意識でだ。もしかしたら怒りなどの感情変化で魔力が反応しているのか?」
憶測でしかないが、
「なのは。もしかしたら暴走する恐れもある。注意しとけ」
「う、うん!」
なのはと拓真は最悪の展開を予想し、
「ほう。目付きが変わった・・・」
俺、高町恭也は、彼女の月村忍が話す橘
忍が言うに、すずかを任せられる少年だと聞いた。
さっきまでは忍の過大評価だと思っていたが、挑発したら少年の雰囲気が変化した。
最初に試合した皇拓真には劣るが中々の気迫だ。
「俺がすずがを守れないかどうかを、あんたが決めてんじゃねえ!」
「良い気迫だ!来い!」
「うおおおおおおおおっ!」
少年は上段に木刀を構えながら初めて俺に攻撃を仕掛けてきた。
良い踏み込みだ。俺はあえて受ける為、構えるのだが―――
「あっ!忍さんだ!」
「なに!?ってそんな訳ないだろ!」
少年はばればれの嘘を吐いてきた。
これで俺が騙されると思ったのなら心外だ。
だから俺は騙されたと思わせる為、わざと振り向き、その振り向いた勢いを上げて一回転し、木刀で横薙ぎにする。
しかし、手応えがなかった。
「居ない!?」
「こっちだよ!」
彼はどうやら俺に読まれるのを逆手に取って見事に俺の背後を取った。
なるほど、ただのふざけた子供ではないようだ。
「喰らえ!」
「ぐっ!?この!」
すぐに振り向いて少年が上段に構えていた木刀による攻撃を防ごうとした。
少年は素人だ。闇雲に木刀を振り回す事しか出来ない。だから、上段に気を向けていたのだが違っていた。
木刀ではなくローキックによる下段攻撃。
しかも、それが意外と芯に効く。
そう言えば、少年はサッカーをやっていると父さんから聞いた。
この足腰の強さはそこから来ているのか?
「ちっ!・・・ん?」
「・・・・・・」
俺は追撃を防ぐため、どんな攻撃でも防げるように構えを取る。
そこで、俺は気付いた。
少年は、橘
それに気づいた時、
なんで彼は笑っている?
俺がそう思ったその時だった。
「ぐっ!?」
「よっしゃ!一本!」
すこーん!と俺の頭に衝撃が走った。
その原因は俺の目の前に落ちてあるものが示している。
木刀だ。
俺が一瞬、目を離した隙に
ローキックは、その場所から俺の動きを止め、意識を俺より背の低い
一つ一つに意味があり、罠だった。
もしかしたら、あの怒った時の気迫も罠だったのかもしれない。
俺はその罠にまんまと引っかかった。
なるほど。忍が言うだけある。
皇ほど強くはないし、俺も手加減や油断していなければ負ける事はまずない。
でも、
そういえば、
ちゃんと謝らなければならないな。
「やった、やった!高町兄から一本とったぜ!」
俺は嬉しさのあまり跳んで嬉しさを表現している。あの皇でも取れなかったんだから喜んでも仕方ないと思う。
「
「え?あ、ありがとうございます!」
「それと、さっきは済まなかった。あんな事を言ってしまって・・・」
「へ?・・・あー、すずかを守れないというあれっすか!」
嬉しさのあまりすっかり忘れてしまってた。
「大丈夫っすよ!高町兄さんはめっちゃ強いっすからそう言われてもしょうがないっす!」
試合している時、神速っていう速くなる奴を使われてたら瞬殺だったし、1000回やって1回勝てる割合だろう。
運よくその1回が最初に来たんだ。間違いない。
「そうか。そう言ってもらえると助かる。それに君は確かに、すずかちゃんを任せられる男だと俺も思う。すずかちゃんを任せたよ」
「は、はあ?」
今更だが『任せられる』ってどういう意味だ?
『守る』なら不良や悪漢から守るという意味だと思うけど・・・
「俺もまだまだ修行が足りないな。
「高町兄さん!精進する方向が間違ってるよ!?」
怖いよ!なんで俺がボロボロにされなきゃいけないのさ!?
「ははは!冗談さ。それと俺の事は
「あ、はい。わかりました」
さり気なくあの呼ばれ方は気に入らなかったのかな?
「よし。2人とも筋が良いから明日から道場に来ないか?良い訓練になるぞ?」
「「結構です!」」
俺と皇の思いが初めて一緒になった瞬間だった。
マジで勘弁してください!
如何でしたでしょうか?
少しだけ
これからの
話変わって再び報告!
お気に入り486件、感想14件、評価19人
今度はお気に入りが200人も増えた!?
感想も評価も頂き嬉しい限りです!
次もちゃんと更新出来るように頑張ります!