魔法少女リリカルなのは~俺は転生者じゃねえ!~ 作:サッカー好き
今更ですが、主人公はあまり原作の戦闘に関わりません。
日常パートでのほほんとした感じを目標としてます。
それでは、本編を楽しんでくれればと思います。
「よっ!俺は橘
「・・・・・・」
俺は目の前にいる男子に自己紹介をしたのだが凄い鋭い目で睨んでくる。
いきなりだから、順を追って説明すると昼休みに俺はいつもの通り、アリサに連行されたのだが、屋上に着いたらすずかと高町以外に知らない男子がいた。
どうやら神崎ではないようだったので、話を聞いてみれば、その男子は今日来たばかりの転校生で、名前は
高町が幼稚園生だった時に、皇と一度遊んだだけらしいが、その時に色々と助けてもらったんだとか。
しかし、すぐに引っ越ししてしまい、今日まで会う事はなかったんだって。
凄い!まさに運命の出会いだな!
そんな話を聞いた俺は皇に自己紹介をして挨拶したんだけど、今のように黙って俺を睨み付けるだけ。
そう言えば、神崎と初めて会った時もこんな感じだったな
「ちょっと!
「お、落ち着いてアリサちゃん。で、でもアリサちゃんの言う通りだよ?私達の時はすぐに返してくれたのに・・・」
「た、拓真くん・・・?」
「・・・皇拓真だ」
溜息を吐いてからそう言い、背を向けたかと思えばそのまま歩き出して俺達から離れていく。
「た、拓真くん!ど、どこに行くの?」
「用事があるんだ、着いてくるな。それと昼飯は1人で食うから一々誘うなよ」
「え、あ・・・」
高町を厳しい言葉であしらい、皇はすたすたと歩いていく。
「まあまあ、ちょっと待てって皇」
「っ!」
俺が皇の前に周り込んだら少し顔を歪めた。
やっぱり、原因は俺にあるんだろう。初対面だと、この髪や目で色々戸惑われるからな。
「・・・なんだ」
「用事済ませたらまた来いよ。皆で飯食べようぜ!」
「・・・断る」
「そんな事言うなよー。女子3人に、男子1人って気まずいんだぜ?」
「・・・・・・」
今度は完全に無視されてしまい皇は屋上から居なくなってしまった。
なんつーか、クールな奴だな
「あーあ、フラれちまった。すずか!慰めて!」
「え、う、うんっ!良いよ!」
「すずかー」
「なにバカな事言ってんのよ!」
「へぶっ!?」
腕を広げて笑顔で迎い入れようとする
痛いけどナイス。
「あんた、空気が悪くなったからってその冗談はないでしょ!」
「
俺もすずかが慌てふためく姿を想像してたんだけど、まさかの両手を広げてウエルカムになるとは思わなかったぜ。
そのまま流れに乗ったけど俺はアリサが止めてくれると信じてた!
そして、すずかよ。冗談だったの!?と言いたそうな驚いた顔をするんじゃない。俺はそこまで軟じゃないぞ。
「今度はすずかじゃなく、高町にするよ」
「ええっ!?」
「そんな事言ってんじゃないわよ!」
「・・・分かった。じゃあ、アリサが俺を慰めてくれるんだな!アリサー」
「・・・・・・ふんっ!」
「痛い!?」
アリサに抱き付こうとしたら弁慶の泣き所にトゥーキックを頂きました。
「・・・・・・」
屋上から去り、階段を下りていく拓真は険しい表情をしながらある考え事をしていた。
それは、屋上で出会った橘騎士の事であった。
(「なんなんだ?あの馬鹿げた魔力量を持った奴は?原作にはあんな奴はいなかったぞ?」)
皇拓真は転生者である。
彼は神様のミスによって死んでしまった可哀想なテンプレ転生者。
そんな彼が
(「奴は、俺や神崎と同じ転生者なのか?だが、あんな警戒心ゼロで近づいてくるか?」)
拓真は、
ちなみに、神崎とはすでに接触済みで、彼が転生者だと断定している。初対面でモブ扱いする小学三年生なんて相当痛い奴か転生者以外ありえないからだ。
(「まあいい。俺の目的の邪魔となるならば排除すればいいだけだ」)
拓真は、あまり原作に関わるつもりはないのだが、ある目的を達成すべく原作に関わる事を決めたのだ。
(「絶対に生き返らせてみせるぞ。『アリシア』!」)
「ハヤえもーん!助けてー!」
「誰が狸型ロボットや!」
「猫型ロボットだろ!?」
俺は今、図書館に来ている。
そして、そこにいた車椅子に乗った少女にボケをかましたらボケ返されてしまった。
流石は似非関西人!だてに似非ってないぜ!
「それで、ナイ太君。今度はどないしたん?また苛められたん?」
「始めた俺が言うのもなんだが、まだ続いてんのかよ!そして、その呼び方だといつも泣いている奴みたいだから止めてくれ!」
「結構あってると思うんやけどなー」
ちなみに、この似非関西人は、『八神はやて』。
春休みの自由研究で丸写し出来る本ないかな、と図書館で本を探していたら出会った。
もっと正確に言えば、はやてが神崎にナンパされて困っていたので助けたのがきっかけ。
とてもフレンドリーで話しやすいし、ちょっとしたボケもツッコミを入れたり、逆にボケをしたりと会って間もないが意外と息が合う。
「おいおい。それは聞き捨てならんぞ、はやて!俺がいつ泣いているというんだ!」
「ほんじゃあ、もう宿題を手伝わなくてもええんやね?」
「ハヤえもーん。ナイ太のお願い聞いて下さい!」
泣いてはいないけど、泣きついてますね。
「ほら、もっと早く!」
「うおおおおおおおおっ!」
図書館で宿題を終わらせた俺とはやては、近くの公園で遊ぶ事にした。
今は、なんかぐるぐる回転する奴を俺が全力で回し、はやては乗って回る光景を楽しんでいた。
「
「ぜえ、ぜえ・・・少し待って・・・」
元気よくブランコに指を差すはやてだが、俺は両手を膝について息をついていた。
「情けないなー。それでもニッポン男子かい!」
「くっ・・・ニッポン男子でも限界がある!」
「あはは、冗談や、冗談。先にいっとるからなー」
笑いながらはやては自分で車椅子を動かしてブランコに向かう。つか、無駄に元気だな、はやては
「よいしょ、うーん!」
「・・・たくもうっ!」
俺が息を整えている間、はやては、自分でブランコに乗ろうと頑張っている。しかし、足が使えないせいでかなり危なっかしい。
俺は大きく息を吸ってはやての下へ駆け出した。
「ほら、無理すんなよ。乗せてやるから」
「あっ・・・」
俺ははやての背中と足に腕を入れて持ち上げる。毎回思うけどこいつ意外と軽いな
「あ、ありがとな!また運んでもろうて」
「ん?気にすんな。このお礼はまた宿題を手伝ってくれればいいからさ」
「そうかー・・・」
はやては、バランスを取る為に俺の首に腕を回してしっかりと抱き付いた。
俺は無事にはやてをブランコに座らせる事が出来たのだが首に通した腕を離してくれない。
「どうした?」
「う、ううん。なんでもない」
パッと離し、はやては笑ってそう言うがこいつは何だかんだ嘘が下手だ。
「
「・・・了解」
俺はそう言ってはやての後ろに回り込む。はやてが今、何を考えて悩んだのかは分からない。
でも、俺はどうにもする事は出来ない。
俺よりも頭の良いはやてが悩む事だ。仕方ない・・・でも
「よっと!」
「ひゃっ!?」
俺は、はやての背中を押すのではなく、飛び乗って漕ぎ始める。
「
「でも、さ!前を見て、見ろよ!」
俺は上手に膝のクッションを利用してどんどん大きく、俺達が乗るブランコは回っていく。
はやてからしたらまるで空を飛んでいるかのような気持ちになっているかもしれない
「はやて!楽しいか?」
「うん!楽しいで!こんなん初めてや!あの雲に手が届きそうや!」
「へへっ、俺はさ!はやてみたいに頭良くないから!はやてが何を迷っているか分かんないし!そんなはやての背中を押す事は出来ないけど!今みたいに!一緒に笑ったり!一緒にいる事は出来るから!」
「・・・!」
だからこそ、少しでも俺が出来る事をしてあげたいと思う。それが無意味であろうと怒られる結果になろうと何もしないよりかはマシだから
「あははっ!ありがとな、
とりあえず、はやては笑ってお礼を言ってくれる。それだけでも頑張ったかいがあったと俺は思うのであった。
「高町じゃん!何してんだ?」
「た、橘くん?」
「ん?そいつは・・・あの時のフェレットか?」
俺ははやてを家まで送り届け、家に帰っている途中で高町と出会った。
相変わらず、俺と会う度に怯えた顔になる高町。
正直かなりへこむが、それよりも肩に乗るフェレットに注目した。
「名前は確か『ボーノ君』?」
「ユーノ君だよ!?」
「えっ?俺のじゃないよ?高町のペットだろ?」
「『Youの』じゃないよ!?ユーノ君!それにユーノ君はペットじゃなくお友達!」
良いツッコミだ。
高町も鍛えれば良い芸人になれるだろう。と、まあおふざけはこの辺にしとこう。
あのフェレットは先日、高町が見つけた怪我をしたフェレットである。
結局、高町が引き取る事になったんだけど、肩に乗せて出歩くぐらい仲良くなるなんて凄いな。
「悪い悪い。ユーノ君だったな。俺は橘騎士っていうんだ。宜しくな!」
「キュー・・・」
俺が頭を撫でようとしたらユーノ君は、高町の首裏に移動して隠れてしまう。
「あれ?いきなり頭を撫でるのはダメだったか?」
「ご、ごめんね、橘くん。ユーノ君、人見知りだから・・・」
「いや、高町が謝る必要はないよ。悪かったな、ユーノ君。撫でないから握手しよう、な」
俺はゆっくり人差し指を近づけていくとユーノ君が恐る恐るなのはの首裏から出てきて俺の指を握ってくれる。
「おおっ!凄いな、ユーノ君は!まるで、言葉が分かっているかのように握手してくれた!」
「「!!」」
凄いな、高町。短期間でこんな芸を仕込むなんて普通は出来ないぜ!
「おっと、そろそろ帰らないと日が暮れちまうな。高町、送っていこうか?ユーノ君がいるとはいえ女子1人じゃ物騒だろ?」
「あ、ううん!大丈夫だよ!私の家はもうすぐそこだから!」
「そっか?それでも気を付けて帰れよ?じゃあな!」
「う、うん。またね」
俺は手を振ってくれる高町に手を振り返しながら走って家に帰るのであった。
「・・・ふう」
「びっくりしたね、なのは」
ナイトが見えなくなるまで手を振って、居なくなったことを確認したなのはは深い溜息を吐いた。
そんななのはに声をかけたのは、なんとなのはの肩に乗るユーノだった。
「そうだね、ユーノ君。さっきの握手も不自然みたいだからもっと気を付けないとだね」
なのははその光景に驚いた様子はない。それも当然、彼女もユーノが喋れる事を知っているのだから。
「うん。でも、彼、橘
「私もよくわからないなの。橘くんはアリサちゃんと、すずかちゃんの幼馴染だから2人に聞けば何か分かるかもしれないけど・・・」
「正直言って彼は危険だ。あの魔力で『ジュエルシード』に触れたら危険だ・・・」
「うん・・・だから、早く『ジュエルシード』を全部回収しないとなの」
2人が言う『ジュエルシード』とは別世界で言うロストロギアという失われた古代技術遺産物で、ユーノはそのロストロギアを発掘する一族で、なのはから見たら宇宙人のような存在だ。
発掘されたロストロギア『ジュエルシード』を運んでいる途中で事故に合い、欠片となって地球の海鳴市周辺に飛び散った『ジュエルシード』を回収していたユーノだったが、暴走したジュエルシードの攻撃で負傷。
彼は苦渋の決断で現地の魔力を持つなのはに魔法の力を与え、回収を依頼した。
なのはは、快く了承し回収を手伝っている。
その探索の途中で
そして、
元々、素質の有ったなのはは、魔力が見えなくても違和感を感じる程度には気付く事が出来ていた。それがユーノの念話を聞き取れた理由でもある。
その念話よりもっと前、なのはが
それが魔力だった。
一般人には感じられない魔力をなのははずっと正体が分からないまま、
これで、
だが、苦手意識はなくなってもまた新たな感情が浮上してしまう。
それは恐怖。
同い年の男子が自分とは比べ物にならない程の魔力を有している。もしかしたらそれが原因で起こる筈のない事故が起きてしまうかもしれない。
そんな光景が頭を過ぎってしまうなのはは、それを振り払うように首を振って歩き出した。
まずは『ジュエルシード』を回収する事を考えよう。
9才の少女はいくつもの問題を抱えながら進んでいく。
フェイトではなく、はやてとアリシア(名前だけ)が登場しました。
フェイトファンの方すみませんがもう少しお持ちください!
クール系でアリシア派の転生者『皇拓真』に、ハーレムを目指す踏み台転生者『神崎和也』と本物転生者も登場です。
元モブと転生者という組み合わせにどうしようかと迷ってますが、頑張って書いていきたいと思います!