魔法少女リリカルなのは~俺は転生者じゃねえ!~ 作:サッカー好き
「今日は楽しかったな、なのは」
「うん!皆のおかげだよ!」
俺、
なのはは本当に嬉しそうな笑顔でそう言ってくれる。
そんな笑顔みたらパーティーを頑張ったかいがあったとそう思える。
「でも、
「あれは辛いではなく痛いだ。そして、救急車を呼んでもらおうとマジで思ってたくらいだし」
まさか忍さんにあの調味料を使われていたとは誤算だった。
まあ、なんとか治ったから良いんだけど。
「でも、思ったよりに元気そうで良かった。あっちでは元気でやれてるみたいだし」
「えへへ。もう少ししたら帰れると思うから」
「そうか。アリサやすずかもやっぱり学校では少し元気がないから早めに頼むぜ?」
「うん!頑張る!」
そこまで話して少し沈黙し、歩いて行く。
そして俺はなのはに話しかけた。
「俺の気のせいだったら悪いんだけどさ」
「なに?」
「なのはが俺と屋上で話した時よりも確かに元気になったけどまだ何か元気がないような気がして・・・」
「・・・にゃははは。
なのはは少し悲しそうな表情をして俺を見た。
なんか俺と同い年には見えない大人びた様子に俺は少しだけ距離が遠くなったように感じた。
「でも、大丈夫!絶対に解決するから!」
「・・・ああ。今のなのはならきっと解決できる。頑張れよ!」
「うん!ありがとう!」
「でも、もしやばかったらさ」
「わ!・・・
俺はなのはの頭に手を置いた。
そして、なのはの目を見て俺は自分でも珍しく真剣に話した。
「俺やアリサ、すずかに相談しろよ。絶対になのはの力になるからさ」
「
「まあ、アリサやすずかに比べたら俺は些細な力でしかないけどさ」
「そ、そんなことないよ!」
なのはがいきなり大声でそう言った。
そして、なのはの頭に置いていた俺の手を握ってきた。
「
「お、おう・・・。ははは」
なんか予想以上に褒めてくれるなのはに俺は唖然としてしまう。
でも、俺はとても嬉しく感じた。そしてとてもおかしく思った。
「ありがとう、なのは。とても嬉しいよ」
「う、うん。あっ!ごめんね?急に手を握って・・・」
少し慌てた様子で手を話す。
だけど、俺がなのはの頭から手を離す事は止めない。
「な、
「なのはの髪ってサラサラして気持ちいいなって思ってさ」
「そ、そうかな?」
「おう。アリサやすずかに負けてないぜ?」
「ふーん・・・」
ん?なんかなのはの表情が不機嫌に変わったぞ?
「
「は、はあ・・・?」
ますますなのはが不機嫌になった理由が分からない。
他の女の子って知らない子って訳じゃないし。
「
「え?俺、流石に疲れたからそろそろ離そうと思ったんだけど・・・」
「ダメ」
あっ、これはダメなパターンのやつだ。
なのはも俺と同じで頑固だからなー。
「わかった。わかりましたよ」
「分かればいいの」
俺はなのはの頭に手を置きながら家まで送って行った。
なのはのサプライズパーティーをして数日が経過した。
俺は変わらずの毎日を過ごしてきたつもりだけど、周りでは変化があった。
その変化は俺にとって嬉しい事と悲しい事だった。
嬉しい事では、休学中だったなのはが帰ってきた。
どうやらパーティーの時に言った通り問題は解決したみたいだ。
アリサやすずかはとても嬉しそうだったし、俺も当然喜んだ。
そして、悲しい事だが、俺の友達が1人転校した事だ。
その人は、皇拓真。
親の都合らしい。休学中に何があったんだろうか?
アリサとすずかは少し嬉しそうだったけど、なのはは少しさびしそうな様子だった。
俺はあいつともっと話したかったし遊びたかった。
だから先生に転校先を聞いてみたが教えてもらえなかった。というか知らなかった。
なんで知らねえんだよと思ったが言っても仕方ないし諦めた。
今生の別れって訳でもない。
また会った時笑いあいながら話せればいいなと思う。
「・・・ん?」
俺は珍しく1人で家に帰っていると俺の歩く道の前に立ち塞がる女の子がいた。
その顔は最近見ていない女の子に良く似ていた。
「こんにちは、
「こ、こんにちは」
笑顔で挨拶された俺は少し戸惑いながら返した。
「えっとなんで君は俺の名前を知っているのかな?」
「あれ?分からない?多分
「・・・フェイトの妹?」
その女の子は顔はフェイトとそっくりだった。
身長がフェイトより低くなければ分からないくらいに。
「残念!私はフェイトのお姉さん!『アリシア・テスタロッサ』だよ!宜しくね!」
別れがあれば出会いがある。
そんな風に思った俺なのであった。
私、高町なのはは海鳴市に帰ってきました。
ジュエルシードの回収も完了。
その間に色々な事が起きました。
フェイトちゃんのお母さん。
プレシアさんがジュエルシードを強制発動して次元震を起こしてしまい、プレシアさんは虚数空間という魔法が使えず何もない空間に落ちてしまった
でもギリギリの所で拓真君と神崎君が救助してくれました。
でも、問題はそこからだったのです。
プレシアさんは拘置所のベッドで寝たきりになってしまったの。
前から身体が悪くてこのままではもう数日で死んでしまうのではないかと言われました。
フェイトちゃんもプレシアさんに作られたクローンと知っていてもどうにか元気付けようと奮闘するけど効果がない。
そんなときに、拓真君が信じられない事をした。
それはずっと昔に死んだフェイトちゃんの元となった女の子『アリシア・テスタロッサ』を生き返らせたの。
拓真君が言うには一度しか使えない特殊なスキルらしい。
そのままプレシアさんとアリシアちゃんの感動的な再会。
そこまでは良かった。
私もその時はフェイトちゃんと一緒に涙を流したくらい感動していた。
問題は変わらずプレシアさんの身体だった。
精神的には回復したけど、身体に負担をかけすぎた。
もう3日ももたないとお医者さんから言われてしまった。
フェイトちゃんやアリシアちゃんは泣くしかなかった。
娘の為に頑張ってきた母親が再会して数日しか過ごせないなんて悲しすぎます。
そして、拓真君がアリシアちゃんを慰めようと声をかけたのですが・・・。
涙を流すアリシアちゃんに頬を叩かれたのです。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「どうして・・・どうして私を生き返らせたの?」
「え・・・」
いきなり叩かれた拓真は頬を押さえながら唖然としている。
そんな拓真なんてお構いなしにアリシアは話し出した。
「ずっと昔に死んだ私が生き返って・・・どうして私やフェイトの為に頑張って生きてきたお母さんが死ななきゃいけないの!おかしいよ!そんなの・・・そんなのってないよ!」
「あ、アリシア・・・。俺はお前を助けたくて・・・」
拓真は酷く動揺している。彼は感謝してもらえると思っていたのだ。
そして、プレシアが短い命だろうと少しでも一緒の間過ごせれば十分だろうと心の中で決めつけていた。
だが、人の心はそう思い通りに行く筈がなかった。
「私は生き返りたくなかった!生き返ってこんな気持ちになりたくなんてなかった!」
「・・・ふ、ふざけんな!」
「きゃっ!?」
拓真がすごい剣幕で迫り、アリシアの肩を掴んだ。
「い、痛い!」
「俺が今日までどんな苦労をしてきたのか分かっているのか!それが生き返らせて欲しくなかっただと!ふざけ―――」
「止めやがれ!」
暴走気味の拓真の顔面に和也が拳を振るった。
拓真はアリシアから手を放し、吹き飛ばされる。
「見苦しいぜ、モブ野郎。まあ、せっかく建ったと思ったフラグが折られちまったのは同情するがな」
「か、神崎・・・」
「見てみろよ、俺の嫁たちをよ」
拓真はアリシアの方を見た。そこにはフェイトやなのはの姿もある。
3人は拓真の事を酷く怯えた目で見ていた。
拓真の豹変ぶりを見て恐怖を抱いたのだ。
「残念だったな。せっかくなのはのフラグを折ってまでフェイトの元に向かったのによ」
「俺は・・・俺は・・・うわあああああああああっ!」
拓真は発狂しながらその部屋から出て行ってしまった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あれから拓真君の姿を見ていません。
家は既に蛻の殻。学校も転校扱いになっていた。
拓真君は一体どうしてしまったのか。
一応、今回の事件の関係者ということもあり指名手配されるかもとクロノ君は言ってたけど・・・。
今は考えてもしょうがないので拓真君の事は置いておきます。
その後の事だけど、また信じられない事が起きた。
あの後、フェイトちゃんとアリシアちゃんが家族3人だけにして欲しいとお願いされたので、3人残して部屋を出たのですが暫らくして凄い魔力反応が起こりました。
その場所はフェイトちゃん達がいるお部屋。
私はすぐに向かいました。
何が起こったのか分からない私は最悪な展開が頭を過ぎってしまいます。
扉を開け、見たのはベッドの前に立つフェイトちゃんとアリシアちゃん。
それを見て最悪な展開でなかった事に安心し、では何が起こったのかだろうかと私はよく確認してみました。
フェイトちゃんとアリシアちゃんはどこも怪我した様子はないけど表情がとても驚いていた。
その視線の先はプレシアさんが寝ていたベッド。
もしかして、プレシアさんの身に何かが!と焦った私はすぐにベッドの前に行ってプレシアさんを見たのだけど・・・私はすぐに2人が驚愕した顔になった理由が分かった。
プレシアさんが『若返っていた』。
何を言ってるんだと思うんだけどこれは紛れもない真実でした。
疲れ果てたように皺だらけだった身体に艶が出ており、とても綺麗でした。
プレシアさんも自分の肌に触れて信じられない表情をしていました。
隈も皺もない。完全に若返ってます。みんなが居なくなった数時間で一体何が起こったのでしょう?
結論から言うと原因はジュエルシードでした。
プレシアさんが持っていたジュエルシードはすべて使って次元震を発生させた筈なのに何故か1個だけジュエルシードがアリシアちゃんの手の中にあったらしい。
そして、アリシアちゃんがそのジュエルシードを握りしめ、神に祈るように両手を合わして願いを言った。
『お母さんを助けてよ!』
その願いが聞き遂げられたかのように光輝いて部屋中を包み込んだ。
それが先ほどの膨大な魔力反応の正体。
謎はさらに増えてしまった。
どうしてジュエルシードがアリシアちゃんの手の中に現れたのか?今まで歪んだ形で願いを叶えていたジュエルシードがアリシアちゃんの願いには正しく叶えたのだろうか?
何一つ原因は分からなかった。
でも私はそれでも良いんじゃないかと思う。泣いて喜び笑う家族の姿を見ればどうでもよくなってしまう。
終わり良ければ全て良し!
でもね、少し気になった事もあるの。
それは、フェイトちゃんが願いを叶えてただの石となったジュエルシードを握りしめている時に呟いた言葉だった。
「
聞き間違いだと思いたかったけど確かにフェイトちゃんは
「ぐずっ・・・フェイト。ナイトって?」
「うん。私が地球で会った男の子。あのジュエルシードは
「うん!わかった!」
丸聞こえである。
2人とも私が隣に居る事を完全に忘れているの。
というか、本当に
え?
というか、フェイトちゃんとなんでそんなに親しい感じなの!?
「もしかしてフェイトってその男の子好きなの?ラブなの?」
「ら、ラブ!?そ、そう言う訳じゃないよ。私なんかじゃ
「なるほど、脈ありですね。私も
フェイトちゃん、顔真っ赤にしてそんな事言っても説得力ないよ。
そしてアリシアちゃんも悪い笑みで何かを企んでるみたいだし!
「フェイトちゃん、アリシアちゃん、良かったね。プレシアさんが元気になって」
「あ、なのは!うん、本当に良かった・・・あの、なんで手首を掴んでるの?」
「ちょっとOHANASIしたい事あるからトレーニング室に行こうか?」
「え?ええ?」
「フェイト、頑張ってね~」
なんと言いますか・・・しなきゃいけないと思ったんです。
だから私はトレーニング室でフェイトちゃんとお話(物理)をしました。
良く分からないけど、海上でやった時より思いっきり動けた気がします。
その時にアースラを潰す気かとクロノ君に怒られました。
本当に反省してます。
ま、まあ、そんな事もあってアリシアちゃんが生き返り、プレシアさんが若返った。
そして最後の問題であるフェイトちゃん達の処遇ですが―――
【プレシア・テスタロッサ】
書面上・・・ジュエルシードが暴走し、次元震によって出来た虚数空間に落ちて消えた為、死亡とみなす。
実際・・・居住を第97管理外世界『地球』に移し、絶対に他世界に移動しない事を約束。
【アリシア・テスタロッサ】
書面上・・・遺体はプレシアと一緒に虚数空間に落ちて消えた為、不明。
実際・・・プレシアと同上。
【フェイト・テスタロッサ】
書面上・・・一連の出来事の重要参考人として裁判を受ける。
実際・・・裁判と言ってもほぼ確実に勝てる裁判で保護観察になるだろう。
―――という具合になった。
リンディさんやクロノ君、オペレーターのエイミィさん達アースラの皆さんのおかげで罪がかなり軽くなりました。
本当に良かった。これですべて解決した。
そう安心していた私に、リンディさんから通信が入った。
『明日、橘
安心した私の心が一気に不安へと急変した。
1つ言っておこう。
この作品に戦闘描写はほぼ無しである!
私の文才がないってのが大きな原因ですが・・・。
ともかく、これでPT事件は終幕。
拓真は失踪。
プレシアとアリシア生存。
アリシアが騎士君と接触。
管理局が騎士に・・・。
と色々な事を詰め込んだ話になってしまいました。
次回はどうしようかな・・・。
とりあえず、頑張って更新します!
そんなこんなで報告会!
お気に入り2431件、感想87件、評価96人
日間ランキングの影響か全体的に跳ね上がりました!
ランキング効果、恐るべし!
先ほど、ちらっと見た日間ランキングも第11位としぶとく頑張ってるみたい。
この調子で頑張って行けたらなと思います!