魔法少女リリカルなのは~俺は転生者じゃねえ!~ 作:サッカー好き
早いな・・・
そんなこんなで、今回はあの子がメイン!
「
「ん?」
俺、
鞄を持ってすぐにアリサの所へと向かった。
「どうした?俺これからサッカーの練習が―――」
「良いから来なさい!」
俺の言葉は完全に無視され、何も説明されずに手を引っ張られる。そのまま校門の前まで連れてかれた。
「あ!
「よっ、すずか。それに執事の鮫島さんもお久しぶりです」
「はい。お久しぶりでございます、
校門の前には、すずかとバニングス家の執事である鮫島さん。その2人の後ろには高級リムジンがある。
「
「・・・ああ、うん。了解」
俺はアリサの言われるがままにリムジンへ乗った。いつもだったらレディファーストだとかなんとかでアリサに怒られるんだが今回はこれでいい。
俺は席の中央に座る。
「ほら、どうぞ」
「ん・・・」
俺が膝をぽんぽんと叩くとアリサがその上に乗ってきた。そして、すずかが俺の横に座る。
アリサは完全に身体を俺に預けるようにのしかかる。
「それで、今日はどうしたんだ?高町が居ないって事は、高町関係か?」
「・・・だって、なのはがぼーっとしてるのが悪いのよ・・・」
「高町が?どういう事?」
「うん。旅行が終わって・・・ううん、旅行から帰る時には様子がおかしかったよね?」
そう言えばそうだな。
高町は妙に元気をなくしてしまった。俺は同じクラスではないから旅行後はよく分からないが親友の2人が言うなら間違いない。
「何回理由を聞いても『大丈夫だから』ってだけ。明らかに私達に何かを隠しているのは間違いないわ・・・」
「高町は嘘を吐くのが下手だしな」
「本当にね。それなのにあの子は頑固だから絶対に話さない・・・ああ、もう!!」
「まあ、落ち着け」
アリサが背筋を伸ばし、両手で頭を掻き毟ろうとしたので、その前に俺がアリサの頭を撫でてやる。
するとアリサは大人しくなり、とすっと、またアリサの身体が俺に寄りかかる。
「私達じゃそんなに頼りない訳?なのはの何の力にもなれないの?」
「何も言わないって事はそうなのかもしれないな」
「うん。とても悔しいけど・・・」
アリサもすずかも悲しそうな表情を見せる。俺は2人の頭を撫でてやる。
今更だが、この状態はちょくちょくあったりする。
アリサやすずかがどうしようもない程に怒り狂ったり、気持ちが沈んでしまった時、何故か2人はこうして俺に甘えてくるのだ。
こうなると、俺の用事などは無視。2人が満足するまで続くことになる。
「そう言えば皇はどうしてるんだ?あいつなら高町の助けになるんじゃないか?」
「あいつは役に立たないわ。学校に来てないもの」
「来てない?」
「休学中なの。理由は家庭の事情らしいんだけど・・・」
皇が休学中?もしかしたら、高町がぼーっとしているのもそれに関係しているかもしれないな
「まあ、俺達が出来る事は高町を見守ってやる。ただそれだけかもしれないな」
「・・・そうね。もし、なのはが私達に頼ってきたら、その時は全力で力になってやるわ!」
「うん!」
どうやら話はまとまったようだ。
俺も高町に見守る以外の何か出来る事がないか考えてみよう。
「それじゃあ、そろそろ降ろしてくれ。教室でも言ったがサッカーの練習があるんだ」
「休みなさい!今日は私達と遊ぶのよ!」
「ええー・・・」
なんたる横暴!流石
「だ、駄目だよ、アリサちゃん。
「でも・・・」
「サッカーの練習が終わったらで良いなら行くからさ!18時には終わるし!」
俺はそう提案すると少し不機嫌な表情が緩むアリサ。それに気づいたアリサは首を振った。
「し、仕方ないわね。それじゃあ、練習が終わったら車を寄こすわ。それに乗ってすぐに家に来なさい!分かった?」
「はいはい。分かりましたよ、アリサお嬢様」
「んんっ・・・って!いつまで頭を撫でてるのよ!この変態!」
「がふっ!?」
アリサの頭を撫でたら、逆襲の頭突きが俺の顎にクリーンヒットした。
その後、アリサも俺の顎に当たった箇所を押さえて悶えている。どうやら自爆したようだ。
そんな俺達を見てすずかはとても楽しそうに笑顔を見せるのであった。
「おはようございます、美由希さん」
「あっ、
「はい。こちらこそ宜しくお願いします」
早朝、俺、
そして、場所は高町家の道場。ここに来るのは2度目になる。
何で俺がここにいるのかと言うと、旅行の時に士郎さん、恭也さんと約束した剣の稽古をするためだ。
「来たな、
「おはようございます、恭也さん」
「ああ。それじゃあ、早速だが始めようか」
「はい!宜しくお願いします!」
剣の稽古が開始された。
初日だったので、筋トレと道場内を走ったり、竹刀で素振りを行ってその日の稽古は終わりとなった。
「やっぱり筋が良い2・3年もすれば美由希に追い付くんじゃないか?」
「そうかも。
「正直、いつもとは違う筋肉を使ったせいか疲れました。だから今日は居眠りしても仕方ないですよね?」
「ははは。そんな事したら毎日地獄を見る事になるけどいいのかい?」
「すみませんでした!」
恭也さん。冗談なんで木刀を取り出さないでください。死んでしまいます。
「それで?何か聞きたい事があるんだろ?」
「え?どうして分かったんですか?」
「今日の
流石、恭也さん!マジ、エスパー!と言うべきなのだろうか?
それとも俺が分かりやすかったのだろうか?
「妹さんの事です。最近元気が無い事には気付いてますよね?」
「・・・ああ」
「高町は家族にもその理由を言っていないんですか?」
「そうだな」
「そうですか・・・」
高町は家族にすら相談できない問題を抱えているのか
「分かりました。ありがとうございます」
「・・・聞くのはそれだけで良いのかい?」
「はい」
「そうか。もっとなのはの行動について聞いてくるのかと思ったが」
恭也さんは腕を組みながらそう言ってくる。
「聞いたところでどうしようもないですよ。俺には高町の悩みを解決できないと思うし」
「では何でなのはの事を聞いたんだ?」
「俺が出来る事が何かをはっきりさせる為ですかね?」
「・・・
「まあ、それとなく・・・」
俺が出来る事なんて些細な事。でも、やれる事はやっておきたいんだ。
「ならいい。俺や家族が出来るのは、なのはを信じて見守るだけだ。
「
そりゃあ、大変だ。これは気合入れて頑張らないと!
「了解っす!橘
俺が出来る高町の為になる事。まあ、気合入れて頑張ろうと思う。
「はあ・・・」
私、高町なのはは、お昼休みに屋上で1人お昼ご飯中なの。
いつもは、アリサちゃんやすずかちゃんと一緒なんだけど、私のせいで怒らせてしまい、まだ仲直りできていない。
私は逃げるように屋上に来てお弁当を食べようとするけどご飯が喉を通らない。
原因は分かってる。拓真くんが私とユーノ君を裏切ってフェイトちゃんの仲間になってしまった事だ。
なんで拓真くんがフェイトちゃんの仲間になったんだろう?
私の事が嫌いになったから?それとも、元々フェイトちゃんの仲間で私は利用されてたの?それとも他に目的があったの?
分からない。
考えれば考えるほど、謎は深まるばかり。一体どうすれば・・・
「よっ!高町!」
「・・・橘くん」
目の前に現れたのは橘くんだった。
いつもなら橘くんから溢れ出す魔力で近くにいる事はすぐに分かる筈なのにこの距離になるまで気付くことが出来なかった。
どうやら私はそれ程、周りが見えなくなっているみたいなの。
「・・・どうしたの?私に何か用なの?」
「おう。アリサと喧嘩したんだって?珍しいなと思ってさ」
「うん。ちょっと、ぼーっとしちゃってて」
「ふうん。隣良い?まあ、断られても座るけど」
そう言って橘くんは私の隣に座った。なんだろう・・・いつもの橘くんと雰囲気が違う。
「ぼーっとしてた理由は誰にも言わないのか?それとも言えないの?言いたくないの?」
「・・・それは」
拓真くんの事に魔法やジュエルシードの事。言ったら皆に迷惑がかかる。皆を危険に巻き込みたくない
「俺がさ、サッカーの練習試合で皇に怪我させられた事覚えてる?」
「う、うん・・・」
「俺さ。心配かけさせたくなかったから怪我を黙ってようとしたんだ。でも、ばれてさ。めっちゃ2人に怒られた」
「うん」
あの時のアリサちゃんとすずかちゃんは怖かったなの。次そんな事したら怪我した所を蹴って怪我を悪化させるって言ってたなの。
「お前のお父さんに言われたよ。下手な隠し事は、彼女たち、大事な人達を余計に心配させるだけだって。今のお前はまさにその状況な」
「・・・分かってる。でも橘くんの怪我とは次元が違うの!私が抱えている事は誰にも解決する事は出来ないの!」
私は大声で橘くんにそう言った。頭に血が上っていた私は言い切った所で我に返った。
橘くんはただ私の目を真っ直ぐ見つめていた
「ああ。俺は高町の抱えている事を解決する事は出来ない。でも、こうして話を聞くことができる。今みたいに高町に話しかける事ができる。それが怒らせる結果になろうと構わない。俺が出来る事をするだけだ」
「そ、そんな自己満足・・・。勝手だよ!勝手すぎるよ!」
自分を満たす為だけの行動なんて良い筈がない!
「自己満足?勝手?結構だ!でも、何もしないで後悔するより、何かした方がマシだね!高町。お前が抱えている問題はそうして悩んでいるだけで解決するのか?」
「それは・・・」
そう言えば、私はなんで拓真くんがフェイトちゃんと一緒にいるのか知らない。
こうして、勝手な憶測ばかり考えて真実へ、前へ進めていない。
「それが今日お前に言いたかったことだ。また会う時、高町が同じような状態だったら俺も同じことを繰り返すんでよろしく!」
「えええ・・・」
それは正直嫌なの。橘くんって、いつもはアリサちゃんやすずかちゃんの言う事を渋々聞いているけど、今回みたいなのだと頑固なんだよね
もしかしたら、私以上に頑固かもしれない。もし私と橘くんが喧嘩したら一生決着がつかないかもなの
「ふふふ・・・」
「おっ、笑った!」
「えっ?」
「うんうん。やっぱり女の子は笑顔じゃないとな!」
橘くんが腕を組み、満足そうな顔をしながら首を振っている。
私はどうやら気付かない間に笑ってしまっていたらしい。
「高町は、可愛いんだから笑ってないと勿体ないぞ!」
「ふぇ!?」
私は橘くんの言葉で急激に顔が熱くなるのを感じた。
橘くんって不意に恥ずかしい事を平然と言うなの。拓真くんは絶対に言わないし、神崎くんは毎日言うけど誰にでも言うから気持ちが感じられない。
でも、橘くんは真っ直ぐだ。何をやるにしても真っ直ぐで格好いい。
「あ、あれ?私、何考えてるなの?」
「ん?どうした?」
「うにゃ!?」
「へぶしっ!?」
バチーンっと良い音が響く。
橘くんが急に顔を覗き込んできたから思わずビンタしちゃったなの!?
「ご、ごめんなさい!」
「よ、よく分からないけどナイスビンタ・・・元気が出たみたいだな?」
橘くんは笑顔でそう言ってくれた。私はその笑顔に答える為、私の最高の笑顔で答える事にした。
「・・・うん!
拓真くん。貴方が何を思ってフェイトちゃんの仲間になったか絶対に聞かせてもらうの!
だから、待っててね!!
「アリサ!すずか!高町が話あるってよ!」
「本当!?・・・ってその顔どうしたのよ?」
「ま、真っ赤になってるよ?」
「・・・気にするな」
これは事故?らしいのでとりあえず無視させ、高町と話をさせよう。
俺は高町を前に立たせ話すように促した。
「アリサちゃん、すずかちゃん。ごめんね?2人に心配かけさせちゃって・・・」
「なのは・・・」
「なのはちゃん・・・」
「今は話せないけど、いつか必ず皆に話すから!だから、信じてほしいなの!」
「・・・絶対よ?待ってるからちゃんと話しなさいよ?」
「うん!信じてる!だから、頑張ってね?なのはちゃん!」
「アリサちゃん・・・すずかちゃん・・・ありがとうなの!」
3人は目に涙を溜めながら抱き合った。
ああ。とてもいい場面だな、と俺はまるでドラマの1シーンのような光景に感動していると高町のある一言で状況が変わった。
「
「「『
あれ?アリサとすずかの雰囲気が変わった?一体なぜ?
「ちょっと、なのは。なんで
「ふぇ?なんでって言われても・・・
「優しく?そうなんだ・・・」
すずかの目が鋭くなった。この時のすずかは危険である。
最近分かったが、アリサよりすずかが怒った方が怖い。なんていうかアリサの怒り方はまだ可愛いく感じるけど、すずかのは冷たく感じる
「
「い、いや、俺はただ話をしただけで・・・」
本当のことを言ってるのに何故か焦っている俺。
「あっ、
「ん?いや大丈夫だよ、高町」
「へえ・・・」
あれ?すずかの雰囲気がさらに冷たくなったような?
「それと、
「ん?おう、良いぞ。なのは、これでいいか?」
「うん!ありがとうなの!」
「ふうん・・・私達が見てない所で随分と仲良くなったみたいじゃない・・・」
あ、あれ?アリサもすずかみたいに冷たい雰囲気になったぞ?これは一体どうなってんだ?
「ちょっとお話聞かせて欲しいな?良いよね?拒否権はありません」
「なのははそこで待ってなさい。ほら、来なさい」
「え?なんで?ちょっ、まっ!?」
「いやああああああああああああああああっ!!??」
この後、俺の身には何があったのか自分でもよく覚えていない。
如何でしょうか!
なのは達も小学生です。(正直、精神はそれ以上だと思うが・・・)
心の変動があっても問題ないと思うのですよはい。
タグにご都合主義って付けてるから良いよね?
ちょっと怖いけど、いつもの報告会行ってみよう!
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わおっ!
また一気に増えましたね!
感謝感激なのであります!
この調子で頑張りたいと思います!